浅見光彦シリーズ第22弾 首の女殺人事件

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【出演】 中村俊介、紫吹淳、富家規政 他
【放送】 2006年(フジ)

内田康夫原作のフリールポライター浅見光彦が活躍するシリーズ第二十弾。ふらふらと根なし草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、各局でシリーズ化がなされているトラベルミステリー。中村俊介はフジテレビのシリーズで二代目浅見光彦を務めている。このドラマは主役が中村俊介に交代してから八作目。原作は内田康夫著の『首の女殺人事件』。

ある日、浅見光彦の自宅に幼馴染の光子が訪ねてくる。すっかり成熟した女性になった光子に光彦の母親は興味津々。独身と聞いてますます興味を持つ。その時光子の姉の伸子から電話がかかってくる。彼女はかつての同級生で東大卒ながら劇作家となった宮田と再会し、光子の見合い相手にどうかと打診をしてきたのである。実は伸子は以前光子にプロポーズをして振った経緯がある。伸子のお膳立てで高村光太郎記念館を光子と宮田が訪れると、高村光太郎の『蝉』の前で「違う」と叫んだ男がいた。翌日その男が、そして数日後には宮田がそれぞれ遺体となって発見される。

高村光太郎の智恵子への深い愛情を綴った『智恵子抄』のレポートを書いていた光彦が、高村光太郎に纏わる事件に巻き込まれていくストーリー。しかしまさか自宅付近に光太郎の実家があったとは・・・。光彦の母親の教養の深さは恐るべし。

今回最初に事件が起きたのは島根県。ということで島根県警の刑事が光彦を訪ねてくるのだが、刑事が何か言おうとすると光彦が先回りして簡潔に述べてしまうため、カチンと来るのも頷ける。おまけに今回は兄の陽一郎までもが尊厳ある態度で登場。短気な刑事は当然ながら横暴な態度に出るが相手は警視庁刑事局長。相手が悪過ぎる。まあ、いつものように刑事達は正体が判明した途端低姿勢になり、光彦に全面協力する羽目になる。毎度毎度見ている分には楽しい場面だが、刑事達には死活問題。必死になるのも無理はない。

さて今回光彦と共に捜査にあたるヒロインは紫吹淳演じる光子。確かに宝塚出身の長身で見栄えはするものの、見た目が女性的ではないのでイマイチヒロインらしさに欠ける。演技と台詞で女性らしく見せてはいるものの、アップで見ると流石につらい。舞台向きの女優だと改めて思った。

長過ぎた春。

母親の嘆きに対して兄は「春も迎えていない」と答える場面についつい笑ってしまう。何の事を指しているかと言えば光彦と光子の恋愛について。女心に疎い光彦だけに上手く行く事はまずないのだが、案の定の結果に落胆する光彦の母親。少々可哀想な気もする。

満足度は★★★★
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推理作家・池加代子 〜殺しのシナリオ〜

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【出演】 名取裕子、星野真里、柏原収史 他
【放送】 2012年(フジ)

売れっ子推理作家と女優の娘の仲良し親子が女優殺害事件に乗り出す親子愛全開のミステリー!山村美紗&紅葉母娘がモデルとなっている。原作は山村美紗著の『ポケットベルに死の予告』。山村美紗サスペンス4週連続スペシャルの第三弾として放送された。

売れっ子推理作家の池加代子と女優の池梨花は友達のように仲の良い母娘。しかし旅先で声を掛けられるのは母親の方。芸能人の梨花としては少々複雑だった。ある日、池加代子が書いた『悪女の道行』のドラマが京都でクランクインを迎えた。撮影現場へ激励に現れた加代子母娘だったが、二人の前で主演の梶晴香が突然苦しみ出す。

尚、幾ら原作がポケットベルを用いた作品でも流石に現代にポケベルというのは無理がある。そのため事件のカギとなる数字の羅列は”携帯電話のない時代の言葉遊び”という形で置き換えられている。

さてやはり山村美紗&紅葉母娘がモデルになっているだけあって、母親が有名過ぎる故の悩みが梨花の役を借りて直接語られている。母親の過剰な干渉、同業者からの中傷等々、おそらく山村紅葉自身が感じていたであろう思いが端々に溢れている。山村美紗原作のドラマは大抵の場合想像の世界で進行するストーリーでありながら、このドラマに関してはリアルが度々顔を出してくる。そこがこのドラマの最大の魅力であると言えるだろう。

ところで今回も当然のように山村紅葉が出演している。池加代子の家のお手伝いの役であるのだが、幾度となく変わった紅茶の淹れ方を披露する場面が出てくる。カップの中で花が咲いたり、ティーポットの中に黄色い花が入っていたり。直接事件やストーリーに関係してるわけではないものの、ほのぼのとした癒し系の演出でついつい和んでしまう。

満足度は★★★★
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ベビーシッターの危険な好奇心

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【出演】 伊藤蘭、宮崎美子、岸田今日子 他
【放送】 2007年(TBS)

好奇心旺盛なベビーシッターが崩壊した家庭の問題に取り組みながら密室殺人事件の謎に挑むハートフルなミステリードラマ。制作されてから放送されるまでに時間がかかったため、放送時には既にヒロインの母親役を演じた岸田今日子は亡くなっている。

医療ミスで訴訟を起こされている南条病院の院長の依頼で、南条家に派遣されたスーパーベビーシッターの花は大豪邸南条家を訪れる。しかし主の還暦祝いにも関わらず、家族間は冷え切っており、温かさは微塵も感じられない。出戻りの長女の息子・要はまだ三歳で母親は世話を家政婦にまかせっきり。院長に気に入られた花は要と引きこもりの少年の面倒を頼まれる。

問題だらけの家庭で働く事になった花は早速事件に巻き込まれてしまう。家中に監視カメラが仕掛けられ、親族は借金に浮気にと問題行動ばかり。海千山千ばかりの連中が集う中で起こった密室殺人事件。殺されたのは主の南条。死因は撲殺。部屋は完全な密室だった。しかし死を悼むどころか遺産相続を巡って諍いが絶えない。そんな最中、今度は南条の妻が絞殺される。今度も南条同様密室だった。

殺人事件を扱ったドラマなのに殺人事件自体の扱いは意外と希薄である。そもそも人が一人死んでいるというのに、その死を悲しむ人が誰もいないというのはおかしな話である。専らミステリー的な側面は花が密室トリックを暴く方面にあり、その過程で花が崩壊しかけた南条家の問題を解決していく構成になっている。重点はむしろ後者の方にあるといって良いだろう。

また家庭の問題がいとも簡単に解決してしまうのには不自然さを感じずにはいられない。幾ら花がスーパーベビーシッターと言っても、何か話しただけで引きこもりが治ってしまったりするので元々そんなに大きな問題では無かったのではないかと思えてくる。時間内にあまりに多くの問題を解決しなければならないので一つ一つの扱いがかなりぞんざいな感じがした。

満足度は★★★
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結婚しない女 死の羽田発397便

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【出演】 山口果林、坂口良子、村野武範 他
【放送】 1980年(テレ朝)

キャリアウーマンの姉が殺された。天涯孤独となった妹が姉を殺した犯人を追う内に姉の明かされなかった本心を知るミステリーロマン。原作は夏樹静子著の『結婚しない』。

美人で聡明な姉と可愛らしく純粋な妹。二人は両親が亡くなって以来支え合って生きていた。しかし姉が妹の恋人を寝取った事から、二人は仲違いしてしまう。そんなある日、姉が殺されたと連絡が入る。妹は姉の死の真相を知るため、元恋人と共に捜査を開始する。

ミステリーとは言っても姉が殺害された事件そのものより、むしろ姉の女としての心情が際立つドラマである。何故姉が殺されなければならなかったのか。妹が姉の死の真相に迫れば迫る程、妹にはおよそ理解出来ない真実が露呈していく。妹が辿り着いた姉の本心は普段の姉の姿からは想像出来ない悲しい女の性だった。女性の心情に深く切り込んでいく内容は流石夏樹静子作品だと言わざるを得ない。

このドラマの主役はあくまで妹の方で、姉の方はドラマ開始早々殺害されてしまうためあまり登場場面は多くない。専ら回想場面に登場するのだが、非常に姉の印象が強いのもこのドラマの特徴である。少ない出番ながらも夜の闇に映える大人の女性の魅力を存分に発揮した山口果林が素晴らしいの一言。ただ色気を感じるだけでなく、どこかミステリアスな雰囲気に最初から目が離せなくなってしまう。妹の恋人と駐車場でキスを交わした後、悪びれる風もなく妹にその事実を認めた上であの男とは別れろと言ってのける大胆不敵さ。この女性は一体どんな女性なのかとついつい気になってしまう。

またこのドラマの面白い点は妹が姉の死の真相を探る内に妹自身が成長していく姿にもある。それまで当たり前のように姉に守られて生きてきた妹にとって姉の生き方を知る事は、自分に足りなかった何かを見つける事でもある。その結果、妹はラストでそれまでの流れを一転させるような行動に出る。その決断こそが成長した証であり、興味深い締め括りでもある。

満足度は★★★★
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ロマンスタウン

【出演】 ソン・ユリ、キム・ミンジョン 他

家政婦達が脇役から主役へ!もしも大金持ちの家で働く家政婦達が宝くじの1等を当てたら?閑静な高級住宅街を舞台にしたラブコメディー。

ギャンブル狂の父親のせいで貧しい生活を強いられていた母親は娘のスングムを何とか大学に進学させようと考えていたが、やっとの思いで貯めた大学の授業料を父親に持ち逃げされてしまう。大人になったスングムは巨漢の酔っ払い男の飲み代を強引に立て替える羽目に。気弱で酒に弱く友達もいない巨漢男の正体は裕福なカン家の御曹司・ゴヌ。翌日ゴヌは父親の隠し子・サンを押し付けられたまま留学した。偶然にもその日スングムはカン家に家政婦として雇われる事に。三年後、帰国したゴヌはダイエットに成功しイケメンとなってスングムと再会する。

高級住宅が立ち並ぶ一番街に住んでいるのは何れも大金持ちばかり。贅沢三昧の日々を送り、家事も子育ても全て家政婦任せ。家政婦達にとって仕事の終わりに集まって花札に興じ、なけなしの給料で共同購入した宝くじが当選して大金を手にする事だけを夢見ている時間が大切だった。家政婦であるが故に雇い主の顔色を窺い、こき使われ、学が無い事を見下され、それでも生活のためには仕事を逃すわけにはいかない。

そんな家政婦の一人であるスングムが自分の運を賭けて個人で購入した宝くじ。しかもそれが1等に当選!そこからスングムの運命が一転してしまう。1等の宝くじを巡ってロマンスタウンの住人を巻き込む大騒動に発展していく。

またその一方で家政婦達のラブロマンスも進展する。しかし家政婦と雇い主の家族との恋愛は簡単には認めて貰えない。それでも恋する気持ちは止まらない。

このドラマの中心となっているのは宝くじを巡る騒動とラブロマンス。但しどちらか一方に偏っているわけではなく、両方を均等に扱っているようなストーリーになっている。そのため甘く激しいラブロマンスとはいかない。しかも個性豊かな家政婦達それぞれのプライベートにまで目を向けているので、何に対しても特化している話ではないのでどこか中途半端な感じが否めない。それでも惨い話にまで発展しないため良い雰囲気を保ったまま進んでいくので何となく続けて見てしまうドラマである。

それはそうとゴヌ役のチョン・ギョウンはモデルなのだそうだが、あの顔には特殊メイクで巨漢になっていた時の方が似合っているように感じる。

満足度は★★★
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