死命 〜刑事のタイムリミット〜

  • 2019.05.21 Tuesday
  • 18:03

【出演】 吉田鋼太郎、賀来賢人、中尾明慶 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

女を狙った連続殺人事件が起きる。犯人は余命宣告を受けたディトレーダーの青年。同じく余命宣告を受けた刑事が自分の命のタイムリミットを賭けて執念の捜査を開始するヒューマンサスペンス。原作は薬丸岳著の『死命』。

 

デイトレーダーの榊信一は学生時代のボランティア仲間に羨望の眼差しを向けられているが、実はスキルス性の胃癌に侵されて余命宣告を受けていた。その帰り道、信一は道端で酔っ払った若い女・岡本真紀を見掛ける。翌日、扼殺された岡本真紀が発見される。遺体には抵抗の形跡(吉田線)が見られたため、現場に駆け付けた警視庁捜査一課の刑事・岩澤は即座に強姦目的での殺害と睨むが、岩澤と対立する刑事の蒼井は全く別の見方をしていた。早速捜査本部が設置され、蒼井は捜査会議中にスマホを鳴らした日暮里署の新米刑事・矢部知樹に目を付ける。バディを組んだ途端、蒼井は被害者のスマホに登録されていた500件を超える交友関係を調べると矢部に宣言する。矢部は猟犬とも呼ばれる蒼井のやり方にうんざりしていた。ようやく六本木のクラブで被害者と最後に接触した人物を発見するが、蒼井はその途中で具合を悪くする。その直後、病院で蒼井は三年前の胃癌が再発し既にステージ4だと余命宣告される。打ちのめされた蒼井が廊下で悲壮感を漂わせて座っていると、ペットボトルの水を渡してくれた人間がいた。まさかこの親切な人間が殺人犯の信一とは蒼井は思いも寄らなかった。

 

余命宣告を受けた人間が残りの時間をどう生きるか。それに焦点をあてて、追う側と追われる側がそれぞれタイムリミットのかかった人生の過ごし方を描いたヒューマンドラマである。一人は余命宣告を受けて、自らの欲望を解き放ち殺人犯となった。一人は余命宣告を受けて、目の前の事件を解決しようと奔走する。どちらもこの世に未練を残すまいと足掻く人間の生き様であるのだが、それが敵対する立場、殺人犯と刑事という設定になっているところがこのドラマの面白さである。

 

また同時にそれぞれに課題も残されているのがミソ。人間はただ一人で生きているのではない。一人で生きているようでも何かしらで誰かと繋がっている。例えば家族。蒼井には娘がいてその娘との仲は悪化している。自分の望む生き方を選ばなかった娘とは未だに和解していない。また信一も男にだらしない母親との関係に苦しんでいる。そんな二人が人生のタイムリミットを迎えるまでに自らの課題と同時に家族との課題も解決していく。それこそが死命なのである。ドラマではさほど濃厚とまでは言えない内容にとどまってはいたが、見応えは十分なドラマだった。

 

満足度は★★★★★

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賭ケグルイ season2

  • 2019.05.19 Sunday
  • 22:16

【出演】 浜辺美波、高杉真宙、中川大志 他

【放送】 2019年(TBS)

 

昨年放送されたドラマ『賭ケグルイ』の続編。ギャンブルに魅せられた賭ケグルイの少女が新たなギャンブルに挑む。原作は河村ほむら&尚村透のコミック『賭ケグルイ』。映画の公開を前に宣伝目的での制作となった。

 

名門・私立百桃王学園の生徒会は学園の勢力図を脅かす存在となった蛇喰夢子を排除する計画を立てていた。会計の豆生田が次の刺客として指名したのは夢見弖ユメミ。彼女は本物のアイドルで、丁度全国ツアーから帰ってきたところだったのだ。一方蛇喰夢子は生徒会役員との熾烈なギャンブル対決を終え、平穏な日々に退屈を感じていた。ギャンブルが出来ない反動で奇怪な行動を示す夢子を、同じクラスの早乙女芽亜里と鈴井涼太は持て余し気味となっていた。そんな中、生徒会役員の皇伊月が入手困難と言われるユメミの特別ライブのチケットを持ってやってくる。

 

主演の浜辺美波の弾けた演技が高評価だった前作に比べると、内容的に見てもややスケールダウンと言わざるを得ない。対戦相手がユメミと豆生田の二人だけということもあり、特にユメミとのアイドル対決で大部分を割いてしまっているのもあり、個性的な面々と様々なギャンブル勝負を行った前作とはどうしても見劣りがしてしまう。浜辺美波のアイドル姿が見られるという部分ではファンサービスもあったのかも知れないが、ドラマ自体を楽しみにしている面々には正直どーでもいい。

 

さて今回はやや鬱陶しくも暑苦しい涼太の解説が入ることはなく、心理戦を強調しているのかいきなりドラマが静止して敵が本音を語る場面が挿入されている。確かにこの手の演出は昔のドラマには良く見られたが、これを行う度に敵の深層心理が伝わるというより、ドラマがストップしてしまうデメリットの方が大きかった。またアイドルと言ってもユメミは見た目がアイドルっぽくなく、ミスキャスト感が半端ない。次のシリーズまでの繋ぎ的な意味合いなのかもしれない。

 

満足度は★★★

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予告殺人

  • 2019.04.16 Tuesday
  • 10:27

【出演】 大地真央、沢村一樹、室井滋 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

その奇妙な事件はあるタウン誌の記事から始まった。

 

田舎町の洋館で開催されたパーティーで男が銃殺される。一風変わった警部が連続殺人事件の謎を解明する本格ミステリー。原作はアガサ・クリスティの名作『予告殺人』。アガサ・クリスティの世界を現代日本を舞台にリメイクしたシリーズ第四弾。

 

西多摩郡あさひ町には古風な洋館・小径の館がある。そこの当主である黒岩怜里がいつものようにタウン誌『あさひタイムズ』を読んでいると、『殺人のお知らせ 10月29日金曜日 於・小径の館 お仲間の起こしをお待ちします ――怪人X』という広告に目を留める。実はこの広告に怜里はまるで覚えが無いのだ。しかし元来こういう面白い趣向が大好きな怜里は友人の土田寅美に話して、家政婦のミッチーにもパーティーの準備を急がせる。勿論、この町の住民も広告を見て興味津々。何かのイベントだと思って小径の館へと集まって来る。ところがパーティーが始まって間もなく、電気が消え、銃声が三発鳴り響いた。蝋燭の灯りで会場を照らすと、耳から真っ赤な血を滴らせた怜里が立っていて、床には見知らぬ男が銃殺されていた。この事件を新聞で読んだ警視庁捜査一課特別捜査係の警部・相国寺竜也は早速現地へと出向いていく。現場には渋谷東署の名物警部・鬼瓦(通称:鬼バン)のチームが現場検証を行っており、相国寺も一緒に捜査に参加する事になる。鬼瓦の話では事件当時、ミッチーは鍵を掛けられてキッチンに閉じ込められており、電気系統に異常はなく停電の原因は不明だった。被害者は車井久三という男で、彼が半月前まで勤務していたホテルの従業員の話では随分羽振りが良く、怜里を昔からよく知った仲だと話していた事が判る。何でも怜里の亡き妹が入院していた病院の守衛だったらしい。

 

タウン誌で予告された通りに起きた殺人事件。町の人々がゲームだと思って小径の館に押しかけてパーティーをやっていたので、その場にいた誰もが容疑者となってしまう。捜査の方針としてはまず殺人が起きるまでの経緯を調べ、そこから隠された人間関係を明らかにするという流れになっている。今となってはこのドラマで使用されるトリックはさほど奇想天外なトリックでは無いが、この暗闇トリックを捻り出した先駆者と考えれば非常に評価すべき内容である。

 

しかし奇妙なのは互いを呼び合う愛称である。日本を舞台にした時点で横文字の名前はそぐわない。それ故、愛称という形で原作の名前を採用している。こういうシチュエーションが絶対にないとは言い切れないが、いい年をした人々が互いを『チェリー』、『ドラ』、『レイリー』と呼び合っているのは異様な光景である。ましてその愛称の所以がこじつけも良い所。怜里をレイリーくらいならば良しとしよう。土田寅美から『ドラ』はかなり厳しいこじつけである。その他も、説明されても首を傾げるものばかり。そこまで原作の名前に拘る理由が判らない。

 

満足度は★★★★★

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1925年の明智小五郎「心理試験」

  • 2019.04.15 Monday
  • 07:56

【出演】 満島ひかり、菅田将暉、嶋田久作 他

【放送】 2019年(NHK)

 

狡猾な大学生が金目当てで老婆を殺害した。心理試験を使ったトリックを明智小五郎が見事に解き明かすミステリードラマ。江戸川乱歩の短編小説を気鋭のクリエーターが映像化するシリーズ第二作。原作は江戸川乱歩著の『心理試験』。

 

大学生の蕗屋清一郎は学友の斉藤からとある情報を耳にする。斉藤の下宿先の大家はもう六十近い老婆で、借家の家賃だけでなく金貸しなどで莫大な金を貯め込んでいるというのだ。苦学生だった蕗屋はその金に魅力を感じ、おいぼれに大金が必要ないという勝手な理由から老婆の金を横取りしようと思い立つ。しかしただ殺して金を奪ったのでは蕗屋の犯行だとバレてしまう。問題はいかに刑罰を逃れて金をせしめるかにある。つまり彼は完全犯罪を目論んだのだ。時間をかけて綿密に立てた計画は見事に成功した。事実、警察は彼では無く斉藤の犯行と疑っていた。ただ予想外だったのは判事の笠森が素人心理学者だった事である。笠森は関係者に心理試験を実施して事件を解明すると言い出した。

 

ドラマはまるでノベルゲームをプレイしているように画面に地の文章を表示しながら進んでいくと言う手法を取っている。残念ながらノベルゲームと違って選択肢が無いのでただ一方的に進んでいくだけなのだが、映像の方はかなりノベルゲームを意識したカットを使用している。全体に薄暗い画面に顔のアップを効果的に使用。特に老婆の登場の際のアップには度肝を抜かれる。まさか老婆役に嶋田久作を起用するとは。ただでさえ顔にインパクト(良い意味では無く)のある俳優に女装をさせてドアップで登場。これには正直、やられた。また狡猾な大学生役の菅田将暉もなかなかである。こちらも顔のアップだけでどれだけ捻じ曲がった根性の秀才かが手に取るように判る。こういう演出も変わっていて楽しい。

 

さてこのドラマの原作となった『心理試験』は非常に短い内容で、明智小五郎が登場するのはラストの方にちょこっと登場するだけである。ドラマでも明智役の満島ひかりが登場するのは後半の一部だけなのだが、今回の明智はやけに女っぽさが出てしまい、どうもイメージがしっくりこない。変装した場面は特に何だこりゃ?である。台詞自体が男でも女でも取れるような言い回しが使われているのもあるが、元々女性である満島ひかりが演じてしまっただけに明智のイメージを見事にぶち壊している。この点が残念でならない。

 

満足度は★★★★

 

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ラブトライアングル〜また君に恋をする〜

  • 2019.04.14 Sunday
  • 19:15

【出演】 イ・ジョンシン、ソ・ジフン、イ・ヨルム 他

 

突然姿を消した初恋の人と十年ぶりに再会した高校教師が十年前にタイムスリップする。今でも初恋の人が忘れられない彼は高校時代の自分を奮起させ、初恋を成就させようと企む。様々な謎を含んだラブストーリー。韓国と台湾の共同制作ドラマ。

 

各話別のあらすじは別館の方へどうぞ

 

ラブトライアングル〜また君に恋をする〜

 

あの時、告白していれば・・・。

 

そんな想いを抱えたまま大人になって後悔する人間は沢山いる。でも大抵の人は大人になるにつれ、日々の生活に追われ、次第にそんな事も忘れて生きていくのかも知れない。このドラマは十年が経っても初恋に未練を残した一人の男――カン・シヌが十年前にタイムスリップする事で未来を変えようとするストーリーなのだが、過去を変えても二人は何故か結ばれない。そこには二人が知らなければならない重要な秘密が隠されているというオプションがつけられている。

 

各所に張られた伏線が最後に近付くにつれてどんどん明らかになっていくのはまるでミステリーを見ているような気分にもなる。しかしそれ以上このドラマを盛り立てているのは主役の二人、シヌとジスの心が純粋で互いを思いやる気持ちに溢れている事である。相手の事を想うからこそそれ以上何も出来なくなってしまう。そんな切ないシチュエーションが堪らない。また三角関係もあるのだがドロドロしてはおらず、あくまで爽やかでピュアである雰囲気が良い。

 

タイムスリップによって高校時代のシヌと大人のシヌが同時代に生きるという複雑な設定を取り入れている。そのため最後の方になるとシヌの記憶がかなり怪しい。それ以外にも色々とおかしな点が出て来るのだが、その辺を突っ込むのは止めた方が良い。素直にシヌとジスのピュアで切ないラブストーリーを楽しんだ方が楽しめる。

 

満足度は★★★★★

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