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天才を育てた女房 〜世界が認めた数学者と妻の愛〜

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 天海祐希、佐々木蔵之介、生瀬勝久 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

天才数学者・岡潔が文化勲章を受章するまでずっとそばで支え続けた妻の夫婦愛の物語。このドラマは読売テレビ開局60年スペシャルドラマとして放送された。

 

姉の嫁ぎ先である北村眼科医院で世話になっていた小山みちは姉の北村みよしから何度も縁談を勧められるも、なかなかその気になれず断って続けていた。結婚相手には普通が一番と姉夫妻は言い含めるものの、みちはどうも平凡な相手には魅力を感じないのである。ある日、みちは空に向かって雷が昇っていく様を目にする。これはブルージェットと呼ばれる発光現象。しかし当時はその存在は確認されていない時代だったため、見た事も無い雷にみちは大はしゃぎだった。丁度その時、近くを歩いていた岡潔もこの雷を見ていた。潔は理論上考えられない現象に頭を悩ませる。「ないもんもあるように考えるから楽しい」と言うみちに興味を抱いた潔はみちを追いかけて北村眼科医院へ。実は潔はみちの義兄・北村純一郎の甥っ子で、この日から北村眼科医院に居候する事になっていたのである。潔を自分を付け回す変態だと思っていたみちはこの現実に愕然となる。

 

岡潔が数学の天才であるが故に招いた不幸がこの中に凝縮されているような内容だった。勿論栄誉ある賞を受賞する功績は非常に喜ばしいものだが、そこに行き着くまでの道のりは全ては天才である事が発端になっている。潔が頭の中に溜め込んだ理論はとてつもなく壮大であり、常人には理解する事すら出来ない。つまり潔と同レベルに数学を理解出来る人間が日本にはいないのである。潔が京都帝国大学で講師をしていた時代、日本は数学の分野において世界から遥かに遅れていたと言わざるを得ない。まあ、言ってみれば井の中の蛙。そんな中に世界のトップレベルの天才がいれば、日本の数学者は面白くないだろうし、そもそも世界レベルの頭が無いので何を言っているのかさっぱり理解も出来ない。そんな中で自分の理論を認めて貰おうと足掻き、頭の中の理論を論文にしていく潔は孤独との戦いである。

 

しかし孤独では無かった。潔の傍には常にみちがいて、みちだけはひたすら潔の才能を信じ続けていた。ドラマを見ているとみちの方がより孤独な戦いだったように見える。数学が好きなだけの夫のために何もかも犠牲にして尽くし、信じるみち。彼女のそれまでの苦労が実るのは潔の理論が認められた時だけなのである。そしてその日がついにやって来る。潔が見せたみちへの愛情のエピソードにはほろりと涙が浮かんでしまうだろう。

 

数学者とはお堅いイメージがあるが、このドラマはシリアスでありながらも中にコミカルな面を織り込んでいて、退屈しないストーリーである。心が折れそうになりながらもどこかコミカルに見えてしまう大らかなみちの姿がとても印象的だった。

 

満足度は★★★★★

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ふぞろい刑事

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 村上弘明、真矢ミキ、尾美としのり 他

【放送】 2017年(テレ朝)

 

フリージャーナリストが自殺を装って殺害された事件の裏には建設業者の闇が潜んでいた。乙女なおじさん刑事と元マル暴の女刑事のコンビが事件の解明に乗り出す刑事ドラマ。

 

警視庁捜査一課の比嘉兆次率いる比嘉班に新たに新メンバーが加わると発表される。現れたのは警視庁広報部から異動してきた早乙女史朗。新メンバーと聞いて若手と思っていた比嘉班の面々は落胆する。てっきり若手が来ると思っていたのだが、早乙女はすでに良い年のオジサン。広報部にいただけあって何かとゴシップに強く、また手作りのシュークリームを差し入れする等乙女っぷりが半端ない。その頃、比嘉班の一人『オニケイ』こと鬼塚桂はかつて雀荘で出所した元暴力団員と麻雀の真っ最中だった。実は鬼塚は元まる暴という経歴の持ち主。ガサツで短気なのが玉に瑕だが、刑事としての能力を比嘉は高く買っていた。比嘉から事件の報告を受けて直接現場へ駆け付けた鬼塚はそこで早乙女と初めて顔を合わせる。路上に横たわる遺体はフリージャーナリストの中川和也。ビルの屋上から転落死したのは明白で、屋上には脱いだ靴が揃えて残されていた。一見覚悟の自殺と思われたが、早乙女は中川の後頭部に何処かにぶつけた痕跡があるのを見て自殺を偽装した他殺と判断する。また中川の体に付着していた何かのふわふわの毛も鑑識に調査を依頼する。鬼塚と早乙女は中川のアパートへ向かうが、そこで早速二人の意見が割れる。

 

これはあくまでエンタメ系のサスペンスドラマであり、このドラマにリアリティを求めてしまってはいけないと判っているのだが、あまりに無理のあるキャスティングに頭痛がする。まず主演の村上弘明演じる早乙女の性格は『乙女なおじさん』。これがまあ似合わない。頑張って演じてますという空気が其処彼処に感じられて正直イタイ。また真矢ミキ演じる鬼塚も元マル暴のガサツでカッとなりやすい性格。これもまた本人のイメージと大分離れていて無理矢理感が否めない。特に声のトーンが高域にまとまる特徴のある真矢ミキにドスの効いた声が出せるはずもなく、元マル暴という説得力がまるでない。ミスキャスティングをギャグとして楽しむ心の広さが無いとなかなかドラマの中に入っていけないドラマである。

 

さてストーリーの方に目を向けるとこれがまあご都合主義の嵐。同じ事件を調べているのは判るのだが、別行動で捜査しているはずなのに捜査内容が必ず他の刑事が捜査した内容に関わってくるのだ。いやいやいや、こんな都合良く事件が解決するわけでは無いだろう。何か見つかるとそれが必ず決め手になると言うのもおかしな話だし、万事うまくいきすぎている。せめて視聴者を唸らせるトリックでもあれば格好がついたと思うのだが、それも無し。まさかとは思うが制作側が遊び心だけで制作したドラマなのでは無いだろうか?

 

続編が制作されない事を祈る。

 

満足度は★★★

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白日の鴉

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 伊藤淳史、遠藤憲一、寺尾聰 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

新米警察官が初めて逮捕した男は冤罪だった。痴漢容疑が掛けられた男を救うため、老弁護士と協力して事件の真相を究明する。原作は福澤徹三著の『白日の鴉』。

 

妻が娘に良く絵本『おしゃれなカラス』を読み聞かせる。そんな幸せな家庭を持つ友永孝にある日とんでもない災難が降りかかる。製薬会社のセールスマンである友永は取引先の病院の営業中、普段あまり接点の無い院長に呼ばれ会食の席に誘われる。これは友永にとって顔を売るまたとないチャンスだった。ところが移動中の電車の中で背後に立っていた女子大生が突然友永を痴漢だと騒ぎ出したのだ。勿論、友永は痴漢などやっていない。片手は吊革につかまり、もう一方の手で鞄を持っていたのだから。それなのに目撃者を名乗る男まで現れて、思わず友永は逃走してしまう。頭には約束の時間が過ぎっていた。その頃、駅の近くでは新人警官・新田真人がケーブルテレビの取材を受けていた。「痴漢」の言葉に反応した新田は必死に走る友永を発見し、友永に話を聞く。友永は痴漢をやっていないと言うが、新田はやましいことがあるから逃げ出したと解釈し、友永を逮捕してしまう。しかし友永はその後も痴漢を全面否定し続ける。そんな中、新田は偶然痴漢された女子大生と目撃者が一緒にいる所を目撃し、二人が共謀して痴漢騒ぎをでっち上げたのではないかと疑問を持つ。

 

このドラマを見た時、何故に主演の新人警官を伊藤淳史にしたのかがまず大きな疑問である。見た感じ新人と言うよりは結構な中堅どころにしか見えないのだが・・・。まあ、それはこの際目を瞑るとしよう。

 

警察官が痴漢冤罪を暴くと言う本末転倒の内容ながら、公明正大な警察官のあるべき姿として好感の持てる内容だった。今回は協力を頼んだ老弁護士・五味が今は一線を退いているとは言え元は敏腕弁護士だったというちょっと都合の良過ぎる設定があるにせよ、警察生命を賭けてでも己の正義に従った新田の真っ直ぐさが眩しい作品である。またそんな新人の新田に感化されるように同じ交番勤務の同僚達の応援も良かった。最近の二時間サスペンスドラマは警察官が主役だと内部犯行、しかも警察上層部の犯罪という顛末となるものが多過ぎる。その点痴漢冤罪という誰にでも起こり得る悲劇を扱った事で差し迫った危機感に共感を覚えた。

 

満足度は★★★★★

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無医村に花は微笑む

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 三浦友和、伊藤蘭、寺田農 他

【放送】 2006年(フジ)

 

医療の限界を感じて最先端の病院から岩手県の無医村に移り住んだ外科医。しかし妻の発病、村人との確執と様々な困難を乗り越えていく外科医一家の姿を実話をもとに描いたヒューマンドラマ。原案は将基面誠著の『無医村に花は微笑む』。

 

昭和五十六年。将基面誠は千葉県の癌センターで最先端医療に携わる外科医。医師としては恵まれた人生を歩んでいた誠だったが、助けられなかった患者を目にする度頭をよぎるのは、終戦間もない時期に強制収容施設に入れられ妹を失った悲しい過去だった。誠は医師となって二十年目となる時期に無医村の医師になる決意をする。紹介されたのは岩手県の田野畑村。話を聞いた村長はわざわざ上京し誠に会いに訪れ、「先生は人間を診ることが出来るのか?」と質問する。実は田野畑村は厳しい寒さの中、村民は昔からの生活様式で暮らしている。そんな村民の意識改革をする医師が必要だと言うのだ。医療設備もままならない辺鄙な地だけに診療所の役割は治療より予防。帰宅した誠がその話を妻の春代に聞かせると、春代は危惧はしていたが反対はしなかった。年が明けてすぐ誠と春代は十五時間かけて田野畑村の下見に訪れる。村人達は将基面夫婦を歓迎するが、春代は不安を隠せなかった。

 

安定した将来の約束された道を外れて敢えて無医村の診療所に赴任する決意をした主人公の意思は非常に立派である。ただこのドラマを見ていると、自分が夢に向かって突き進む時、家族の支えが何より大切だと実感させられる。昭和五十六年と言えば昭和の終盤ともいえる時期である。戦後の日本の再興を目指す時代ではなく、それなりに発展した世の中でありながら、このドラマの舞台となる田野畑村は時代から取り残されたような状況にある。診療所は注射をして薬を貰って来る場所と言う古い認識を変えなければならない。村人達は気付いていないのだ。新たにやって来る医師がいつかないのは自分たちの意識に問題があると。誠は医師として向き合う前にまずこの意識から変える必要があった。そんな時、おそらく誠一人であればこれまでの田野畑村を訪れた歴代の医師達と同じ状況に陥り、結果として村を捨てていただろう。しかしそれを支えたのが妻の春代だった。彼女の功績は非常に大きい。村人と親しくなるよう働きかけ、そして彼女の人柄が受け入れられると自然と誠に対する偏見も消えて行った。

 

このドラマは主人公よりも彼を支えた春代の偉大さを滔々と謳ったドラマであり、彼女が残り少ない命と知りながら、残りの命を夫のために使い続けた軌跡である。春代の葬式で彼女の死を惜しむように村人達が駆け付ける場面は涙なしには見られない。

 

満足度は★★★★★

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平成細雪

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 中山美穂、高岡早紀、伊藤歩 他

【放送】 2018年(NHK BSプレミアム)

 

谷崎潤一郎の名作『細雪』が平成の時代に蘇る。大阪の名家に生まれた美しき四姉妹が歩む波乱の人生を綴ったヒューマンドラマ。

 

平成四年三月、大阪船場に本社を置くMAKIOKAグループの会長・蒔岡吉次郎はマスコミが押し寄せる会場で記者会見を開く。バブルの崩壊後、経営が悪化していたMAKIOKAグループは会社更生法の適用も虚しく経営を軌道に乗せる事は出来なかった。元禄以来二百九十年の歴史に幕を下ろすのが吉次郎の最後の仕事となった。今後はアメリカの企業に株を譲渡し、合併する事になったと、吉次郎は慙愧に耐えない思いを語る。蒔岡家の自宅では吉次郎の娘達を始め、使用人達までもがテレビの前で吉次郎の会見を目に焼き付けていた。この吉次郎の決断は家族を守るためと長女の鶴子は断言するが、三億円もの負債を抱えてしまい、蒔岡家にあった美術品には二束三文の値で手放さなければならなかった。翌月、すっかり体の弱った吉次郎は他界。遺言通り盛大な社葬が行われる。

 

大阪の名家という肩書の下で生きて来た蒔岡の四姉妹。蒔岡の家を守れと母親から命じられその通り蒔岡を守る事を使命として生きる長女・鶴子、分家として鶴子のサポートとして妹二人の面倒を看る幸子、周囲に流されるままに見合いを続ける雪子、自由奔放な性格で家に縛られるのを嫌う妙子。それぞれ個性の強い四姉妹が、自分の足で自分の生き方を決めるまでを描いたストーリーで、ラストではその直後に起こった阪神淡路大震災でまた人生を翻弄されるようなニュアンスを匂わせている。もしかしたら続編を考えているのだろうか?

 

ドラマの中心となるのは三女の見合いと四女の男性遍歴となっている。雪子は大人しく流されやすい性格で、女系家族に女子高出身と男性に無縁の環境で生きて来ただけに男性の前では緊張して何も言えなくなってしまう。でも彼女は観察眼が鋭く男を見る目を持っている。そんな彼女が誰を選ぶのかが見所なのだが、最後の最後で彼女が結婚相手を選んだ理由を聞いて納得する。結婚相手は長年連れ添う相手。条件の良さより自然体でいられる相手が好ましい。また妙子の方は好きになった相手に全力でぶつかっていく情熱的な部分のある女性。その性格が災いして家族からは疎まれたり、男性関係も上手くいかないことが多い。

 

どんな状況にあれど生きていかねばならない。出来る事なら自分らしく、自分自身が決めた道を。自分を守ってくれる蒔岡という名を失った時、四姉妹はまるで時代に取り残された迷い子。それぞれの歩み出した道には様々な障害があるとは思うが、それを乗り越えていく強さと明るさを見せたラストが印象深かった。

 

満足度は★★★★

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