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黒井戸殺し

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 野村萬斎、大泉洋、遠藤憲一 他

【放送】 2018年(フジ)

 

村の名士が自室で遺体となって発見される。この事件を友人から知らされた名探偵が事件を解き明かす。アガサクリスティー著の『アクロイド殺人事件』を日本を舞台に実写化。2015年に同局で制作放送された『オリエント急行殺人事件』に引き続き、三谷幸喜脚本、野村萬斎主演で送る第二弾。

 

殿里村唯一の医師である柴平祐は隣人の勝呂武尊に書き上げたばかりの原稿を渡して読んで欲しいと頼む。その原稿は『殿里村における黒井戸録助殺人事件の考察』と題され、先頃起きた殺人事件の内容を柴がまとめたものだった。早速勝呂はその原稿を自宅に持ち帰り、読み始める。昭和二十七年、唐津佐奈子がベッドの上で死亡する事件が起きた。検死に駆り出された柴の見立てでは佐奈子は睡眠薬の飲み過ぎによる死亡。佐奈子は未亡人で夫を殺害した暗い噂があるが、現在は村一番の黒井戸録助と交際中であるのは村人なら誰もが知る事実である。愛する佐奈子の死を知り肩を落とす録助は柴に話があると家に呼びつける。録助の話とは佐奈子から夫を毒殺したと打ち明けられていた件についてだった。しかも録助は佐奈子から遺書を受け取っていた。遺書を一人で読みたいという録助の希望を聞いて一旦家に帰った柴だったが、録助が死亡したと連絡を受けて慌てて黒井戸邸へ駆け付ける。

 

何故に黒井戸何だろうと思ったら、原題のアクロイドの先頭のアを除いて漢字にしただけという脱力物のユーモアに笑った。

 

原作で探偵として活躍するのはエルキュール・ポワロというかなりアクの強い引退した名探偵だが、このドラマで演じているのは野村萬斎。見た目は異なるものの、喋り方は相変わらず良く似せている。この和製ポワロ、即ち勝呂だが、彼の行動には不可解な部分が多く、一体何を考えて行動しているのかが今一つ判りづらい。しかしこの不可解な行動が最終的に一本の線で結ばれていく展開は興味を惹かれずにはいられない。

 

やはりミステリーの舞台は昭和までだろうと、この作品を見るとつくづく思わされる。そもそも原作が古い時代に書かれた作品であるため、これを強引に現代舞台で再現させようとすれば非常に無理が生じる。しかしこの時代ならば再現は可能。それを見極めるのもドラマ制作の重要なポイントである。

 

さて勝呂があまりに強烈なキャラクターであるため、他の登場人物の追随を許さないのだが、今回は特に斉藤由貴が演じた噂好きの医者の姉というのも強烈である。しかも噂好きに妄想癖まで加えられ、尾ひれどころじゃ済まなくなっているのだが、それが妙に当たってしまうのが不思議。本人も「隠し事は私に言っては駄目よ」と宣言する一幕があり、どうやら本人も秘密が出来ない性格だと認識しているのも面白い。また殺害された録助の姪も単なるお嬢様かと思いきや、意外と腹黒い部分があり、不思議な魅力を醸し出していた。

 

古き良き時代のミステリー。また制作されないものだろうか?

 

満足度は★★★★★

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やさしい遺言

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【出演】 内藤剛志、風間杜夫、姿晴香 他

【放送】 1996年(日テレ)

 

高校時代に付き合っていた女性が同窓会の翌日に服毒自殺を図った。彼女の無念を晴らすため刑事が事件の真相を暴く刑事ドラマ。原作は土屋隆夫著の『夜の判決』。

 

栃木県のとある村で平穏に暮らしていた主婦・浜野美砂は同窓会に出席した日の夜、何者かによってレイプされる。その日、夫は出張中だった。思い詰めた美砂は農薬を飲んで服毒自殺を図る。美砂と同級生でかつての恋人関係にあった南栃木署の刑事・田所は同僚の河野から知らされ病院へと駆け付ける。美砂は意識不明の重体。第一発見者は浜野家の隣人の今野だった。その後、美砂の日記帳が発見され、そこにはレイプされた事実が記載されていた。憤りを感じる田所だったが、美砂が自殺では警察も動きようが無く、また美砂の夫がレイプ事件に関して被害届を拒絶したためレイプ事件の捜査にあたる事も出来ない。田所は警察の意向を無視して、美砂以外の近所付き合いが無い今野に疑惑を持って尾行を始める。

 

このドラマの焦点となるのは背後に潜む人間関係である。序盤から農薬(殺虫剤)の存在がはっきりと示されていて、それがよりにもよって『かつおだし』とシールの貼られた空き瓶に詰められる。これだけでもう登場人物にこの農薬がどんな影響を与えるのかが想像出来てしまう。もしもこの農薬を使用した殺人だけがメインのストーリーであるなら、このドラマははっきり言って何の面白味もない二時間ドラマで終わってしまっただろう。ところがこのドラマの場合、毒殺に関してはむしろ二の次。重要なのは人間ドラマであるのが興味深い。

 

人間ドラマと言ってもキャラクターが尖っているわけではない。何処かにいそうな人物でありながら、それぞれ個性を持たせてしっかりとした人間像を作り上げている所が素晴らしい。至って素朴なストーリーであって、だからこそ美砂の最期の言葉が生きてくる。美砂は穏やかな心優しき女性。その対極にいるのが美砂の友人・奈美。ストーリーが進むに従ってこのコントラストが色濃く表れて来る。その人物がどんな人間であるかだけでなく、周囲の人間がどんな反応を示すのかにも拘りを持って制作されていた。

 

誰も救われない悲しい話でありながら、何処かほっとするような後味が残る。それは美砂がもたらした余韻なのかも知れない。

 

満足度は★★★★★

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探偵物語

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【出演】 斉藤工、二階堂ふみ、長谷川京子 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

超セレブなお嬢様女子大生とそのボディガードを務める事になった冴えない中年探偵のコンビが、探偵の元妻が巻き込まれた殺人事件に否応なしに巻き込まれていく。約束の五日間、お嬢様を守り抜く事が出来るのか?ハラハラドキドキのラブミステリー。原作は赤川次郎著の『探偵物語』。同作の実写化は1983年に公開された薬師丸ひろ子&松田優作主演の映画が有名だが、ドラマ化はこれが二度目。今回のドラマの場合映画版の方を強くイメージ(特に身長差・ビジュアル)して制作されている。

 

総合調査エミネント・ワークスに所属する探偵・辻山秀一は仕事中に大きな屋敷の門によじ登っている女子大生・新井直美と出会う。まさか辻山が探偵だと思わなかった直美は、辻山を不審者扱いした挙句、せっかく集めたデータメモリを壊してしまった。おかげで辻山は依頼主を怒らせてしまい散々な目に遭う。そんな中、辻山に長谷沼君江が謝罪に訪れる。君江は新井家の家政婦で、直美は新井家の超セレブなお嬢様だったのだ。五日後には会社経営を学ぶためニューヨーク留学する予定だが、直美は毎日遊び歩き、おまけにかつての恋人・三好からストーキングされているらしい。君江は100万円の札束を出して直美のボディガードを頼みたいと言って来た。クビのかかった辻山は渋々依頼を受けるのだった。ところがその矢先、かつての同僚から辻山の元妻・本宮幸子が殺人事件の容疑者になったと知らされる。殺害されたのは矢代和也。防犯カメラの映像には和也の遺体が発見されたホテルから出て行く幸子の姿が映し出されていた。しかも幸子は辻山と別れた後、政財界を牛耳るフィクサー・国崎の愛人となるが、同時に和也とも情事を重ねていたのだ。元妻とは関係ないと宣言し、直美のボディガード(子守)の仕事に務める辻山だったが、直美は束縛を嫌って何とか辻山の監視から逃れようと反発するばかり。その矢先、直美が三好に拉致されてしまう。

 

現在のコメディーと言えば常にドタバタが必須で山も谷もないものが多い。赤川次郎作品はその前身を作った感じはあるのだが、そこにはしっかりとした道筋があり、ミステリーとして成立している。今回の実写化でもそうした1980年代のドラマのノリに近いものがあり、懐かしい感じがした。現代の主流から言うと少々爆発力に欠いて大人しく映るかも知れない。

 

本来、原作に登場する探偵は冴えない中年のおっちゃんであり、映画版の松田優作がそうであったように今回の探偵役の斎藤工はとても原作通りの探偵とは言えない。年齢的には二十歳の女の子から見ればオジサンの年齢でも、スーツを着ればびしっと決まり、二十歳の女の子がうっとりとしてしまう格好の良過ぎるオジサンである。どう頑張っても原作通りとはいかない。しかしそれを逆手にとったのが映画版の探偵物語であり、今回のドラマでもその良さをそっくりそのまま活かしている。映画を観ていた年代には堪らないだろう。またストーリーは違うが映画の名場面を再現したり、歌手は違うが主題歌はそのままだったりと色々趣向を凝らしている。

 

勿論、時代遅れと感じる部分は多分にある。超セレブなお嬢様は本当にベタなお嬢様だったし、科学捜査に頼りっ放しの現代の警察感はゼロ。ただそういうものが通用する時代を懐かしむという楽しみ方もあるものだとしみじみ感じた。

 

さて全編を見て強く感じたのは爽やかであること。ストーリー自体は暴力団が出て来たり、ストーカーが出て来たりと闇の部分も多く登場するのだが結構あっけらかんと表現され、努めて爽やかに仕上げている。映画で話題となった空港の場面も、青春映画のようで、あれ?こんな話だったっけと首を傾げてしまう。爽やかさが制作側の意図だったのだろう。流石にこの爽やかさは過去作品には無いオリジナルである。

 

懐かしさに★★★★★

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浅見光彦シリーズ第53弾 浅見光彦殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 中村俊介、上原多香子、真瀬樹里 他

【放送】 2018年(フジ)

 

内田康夫のフリーライター浅見光彦が活躍するシリーズ第五十三弾!ふらふらと根無し草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、各局で独自のシリーズが展開される人気トラベルミステリー。フジテレビでは二代目浅見光彦として中村俊介が十六年間に渡って主演と務めてきたが、今作を持って最後となる。原作は内田康夫著『浅見光彦殺人事件』。前作が放送されてから三年の月日が流れているが、その間にレギュラーメンバーの一人である野際陽子、そして原作者の内田康夫が死去するという状況での制作となった。

 

母親が世界一周クルーズ旅行に行っている中、フリーライターの浅見光彦は母親の言いつけを守って探偵業から距離を置いていた。しかし知人である内田康夫は母親が留守なのを良い事に光彦に小説のネタは無いかと相談に訪れる。それを見越していたのか母親から釘を刺す手紙が届き、内田康夫も諦めざるを得なかった。そんな中、寺沢大輔が広島出張中にホテルで殺害される事件が起きる。寺沢の妻は昨年末に亡くなっているが、作家で浅見家とも交流のある女性だった。一方、両親を立て続けに失った寺沢詩織は失意のどん底に立たされていた。大輔の部下の野木は未だ詩織にご執心で、寺沢が二人の仲を認めていたと嘘までついて詩織とよりを戻そうと近付いてくる。ところがその野木も柳川へ行くと言い残したまま消息が判らなくなってしまう。今の詩織が頼れるのは母親の知り合いだと訪ねて来てくれた浅見光彦だけだった。詩織は光彦にも柳川へついてきて欲しいと浅見家に電話をするが、取り次いでは貰えず一人で柳川を訪れる。ところがその時すでに野木は何者かに殺害されていた。

 

おっ、今回の浅見光彦は積極的!

 

それまで数々のヒロイン達と悲恋を迎えた浅見光彦だが、最後の作品だけについに恋人が出来るのかとワクワクしながら見守っていたが、解決編に来て思わず脱力。やっぱそーですよねー。ややネタばれになるが、やはり浅見光彦は最後まで浅見光彦だった。

 

それはともかく久々の浅見光彦シリーズの最新作になるこのドラマ。口煩い母親役の野際陽子が昨年亡くなり、もう新作は制作されないのではと危惧していたが、区切りをつけるためのドラマ制作に踏み切った決断には感謝したい。今回、浅見光彦の活躍らしい活躍場面はあまり無かったものの、過去作からの切り張りで野際陽子の母親姿が拝めたのは嬉しい収穫だった。その一方でもうこの浅見光彦シリーズの面々が見られなくなるのは寂しくもある。また新たに浅見光彦シリーズは制作されるのだろうか?新たにシリーズ化されても現代舞台だからと陳腐なアレンジを加えられるのは堪らないが・・・。

 

満足度は★★★★★

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静おばあちゃんにおまかせ

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 岡田結実、草笛光子、要潤 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

女子大生と刑事のコンビが元裁判官のお婆ちゃんから助言を受けて事件を解決するミステリードラマ。原作は中山七里著の『静おばあちゃんにおまかせ』。

 

世田谷区成城の洋館で暮らす高円寺円と祖母の静の一日は世間を賑わすニュースを見て熱い議論を戦わせる事から始まる。実は静は元裁判官と言う経歴の持ち主。日本で二十番目の女性裁判官だと言う。円も静を見習って法学部に通う女子大生だが、まだまだ修行中の身。常日頃から実地訓練の機会に恵まれないかと手ぐすねを引いていた。そんなある日、横浜埠頭で殺人事件が発生する。被害者は神奈川県警の警察官の久世達也。銃弾で胸射抜かれており、その銃弾のライフマークが同じく神奈川県警の椿山道雄の所持する拳銃のものと一致した。結果、椿山は逮捕されるが、椿山の人柄を良く知る葛城公彦刑事はどうしても信じられなかった。丁度その頃、葛城は円からキャンパスに呼び出される。実はかつて葛城はキャンパス内で起きた連続窃盗犯の犯人を誤認逮捕しようとしていた所を円に救って貰った経緯があるのだ。円と落ち合った葛城は事件の話を円に聞かせる。

 

探偵物というには女子大生の高円寺円がまだまだ未熟な素人で、警察物と呼べるほど玄人気質の内容でも無い。殺人事件の謎を解明する目的はあるものの、一般人が親しみ易い範囲にとどまったミステリーであり、トリックも何処か懐かしさを感じる。ヒロインの円の明るく元気な様が爽やかで、葛城の刑事らしからぬ腰の低さもまた魅力である。二話完結にしてしまうのが勿体ないくらいのほんわかした雰囲気の良いミステリーだった。

 

勿論、難点が全くないわけでは無い。主演の岡田結実は元気は良いが演技の方はイマイチ。ただそれが逆に素人っぽい女子大生探偵をリアルに見せている面もある。また警察が事件を解決するがちがち硬派のミステリーを好む人には物足りないだろうし、かといって視聴者を釘付けにするような尖った個性があるわけでもない。個性と言えば祖母の静なのだが、ラストでその辺も明かしてしまっているためもう続編は作らない予定なのだろう。

 

昨今、めっきり減って目にする機会の無くなったアイドル主演の二時間サスペンスを何となく彷彿させる。ヒロインの元気と明るさで乗り切った感のある内容だが、だからと言ってとんでも展開に走らずにきちんとミステリーをしている所に好感を持った。こういう系統のミステリーは最近少なくなっているだけに、もっと制作されて欲しいものである。

 

満足度は★★★

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