隕石家族

  • 2020.05.31 Sunday
  • 11:21

【出演】 羽田美智子、泉里香、天野ひろゆき(キャイーン) 他

【放送】 2020年(フジ)

 

人類滅亡の日が迫った時、どうするのか?家族全員で最期を迎えようとしたある家族の物語。

 

巨大な隕石が地球に衝突すると判明してから人々の平和は失われた。残り186日間と伝えられた途端、世界のあちこちで暴動が発生。道徳心の高い日本でもそれは避けられなかった。しかしそれもやがて鎮静化し、人々の生活は平穏を取り戻した。どの家族もこれからの生活をどうするかを決め、ある家族は霊験あらたかな神社のある地方へ疎開し、ある家族はそれまで通りの生活を続けている。門倉家は主の和彦が居残ると決め、夫を立てる良妻賢母の妻・久美子もそれに従った。ある日、次女の結月が目が覚めるなりもう一度受験すると言い出す。和彦も久美子も結月の決意にあまり好意的ではなかった。大学受験どころか来年まで地球があるのかさえ判らないのだ。大学受験に失敗した結月は一流大学に合格して姉・美咲を見返してやろうと企んでいた。

 

隕石が衝突したら地球はなくなる。

 

まあ、それは一概に有り得ない話と笑い飛ばすことは出来ない。宇宙には地球より大きな隕石が漂っていて、いつぶつかるかも判らないのである。それはともかく人類滅亡の危機まであと何日とカウントダウンされたら、人間はどうなってしまうのだろうか?丁度放送がコロナ禍の時期にあり、目に見えないウィルスの脅威に晒されている時期だっただけに、このドラマのパニックになって何もかも日常が変わってしまったという設定が妙に現実的に思えた。ドラマとは違い、コロナ禍は生活の不便はあるものの必ずしもその先に死があるわけではないので、ドラマ程切羽詰まってはいなかったが、疎開するだの店頭から商品が消えるだの、人間の行動心理はおかしくなるものだと実感する。

 

さてそんな危機的状況下で人間がどうなるかを、幸せを絵に描いたような門倉家の人々を中心に描いていく。理想的な家族に見える一家にも秘密があり、まず行動を起こしたのが久美子だった。最後だから本物の愛を求めたい。和彦と結婚して専業主婦に収まっていた久美子は憧れていた男性との恋に走ってしまう。今しか無いのだから、欲望を爆発させるも良し、有意義に過ごすも良し、穏やかにこれまで通り暮らすも良し。最後にどう過ごすかはその人次第である。

 

面白いのは狂っていく人間をただ見ていくのではなく、一度その自分を振り返る時間がもうけられていることにある。如何におかしな行動をとっていたかを知ると、気恥ずかしくなる。それでもまた自分を反省して穏やかな日々を迎えられる門倉家はやはり理想的な家族だった。

 

満足度は★★★★

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70才、初めて産みました セブンティウイザン

  • 2020.05.25 Monday
  • 10:59

【出演】 小日向文世、竹下景子、中村梅雀 他

【放送】 2020年(BSプレミアム)

 

わたし、妊娠しました。

 

定年退職を迎えた男に突きつけられたのは、もうすぐ70歳になる妻の妊娠だった。70歳で初産の涙と笑いの奮闘日記。原作はタイム涼介のコミック『セブンティウイザン』。

 

倉庫管理会社に勤務する江月朝一は定年退職を迎えた。同僚との挨拶もそこそこに帰宅した朝一を待っていたのは妻の夕子の爆弾発言だった。この日、最近体調の悪さを感じていた夕子は病院で診察を受けたのだが、スタッフの手違いで行われた妊娠検査で陽性となったと言うのだ。夕子は朝一より年上でもうすぐ70歳になる。検査結果を聞かされた夕子自身信じられず、そのまま帰宅して自分で妊娠検査薬で調べたところ、それも陽性。つまり間違いなく妊娠しているのだ。すぐには信じられない朝一は夕子が認知症になったのではないかと疑問を持つがそんな気配はまるでない。しかも夕子は産むつもりでいた。

 

子供を諦めていた老夫婦に突然訪れた妊娠の知らせ。69才で妊娠するなんて普通では考えられない事態だが、その事実を幸運と受け止めるか不運と受け止めるかは当人次第である。このドラマでは長年諦めていた子供に恵まれた老夫婦が子供を産むと決断し、そして育てていく姿を描いていく。しかし妊娠も出産も子育ても、若い夫婦でさえ困難の連続であり、そこにどんな危機が潜んでいるかも判らない。まして年老いた体にはかなり負担がかかり、ドラマでも幾度となく年老いているが故の苦しみに直面することがある。このドラマは困難を承知で子供と生きることを選んだ夫婦の愛情深い物語である。

 

全編に渡ってドラマは困難に見舞われながらもそれを夫婦が支え合いながら、時には周囲の手を借りながら乗り越えて温かい結末を迎えていくと言うスタイルで、あまり辛辣で衝撃的な方向には進まない。如何にもなNHKドラマである。そのため、夫の朝一が腹を括ってからやたら良き夫過ぎている。確かにこんな物分かりの良い夫なら妻の夕子も幸せだろう。全体的に良い人だらけでこんなに世の中温かくないと思ってしまうのも事実である。そのせいで古き男の代表として登場する夕子の兄が極悪非道な悪人にしか見えなくなる。出産を決めた夕子に堕胎を迫り、子供が生まれたら子供に恵まれない娘にくれと言って来る。あまりのデリカシーの無さに腹立たしいの限りだが、実際年代的にこういう考え方は一般的なのだろう。

 

老夫婦という設定ではあるものの、考えてみれば若い夫婦より多少問題が多いだけで子育てに関して抱える問題や悩みはそう変わりない。確かに体力の無さや健康面の不安と言ったマイナス要素はある。それでも決して逃げない二人の姿は素敵に見えた。

 

満足度は★★★★★

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SKYキャッスル 〜上流階級の妻たち〜

  • 2020.05.16 Saturday
  • 11:42

【出演】 ヨム・ジョンア、ユン・セア、オ・ナラ 他

 

0.1%の富裕層の人々だけしか住めない高級住宅街に住むセレブな家庭の受験戦争を描いたヒューマンドラマ。

 

各話別のあらすじは別館の方へどうぞ

 

SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜

 

学歴至上主義の韓国社会を反映した内容で、かつて受験地獄と言われた昭和中期〜後期の日本を更に過熱させたストーリーになっている。登場するのがセレブな家庭の人々だけに金なら惜しまない。子供が如何に優秀な大学に入れるかが子供の幸せという発想から、やがてそれは親の評価に繋がっていく。親達の間のマウンティングは全ては子供の成績如何で表面化する。その中でボスになりたければ優秀な子供を育てなければならない。

 

初回に突然マウンティングのボスである主婦が銃で自殺する。そんなショッキングな内容から始まり、最高峰のソウル医大に息子を入学させて幸せの絶頂にいたはずの家庭が崩壊する。子供が難関のソウル医大に入学したことは幸せを約束されたことではないのか?誰もが子供を優秀に育てることだけに命を賭け、そのためには金を惜しまず手段を選ばない。傍から見れば狂っているとしか思えない状況下で彼等の価値観をぶち壊すメガトン級のメッセージを叩きつける。そこからまるでそんな悲劇が無かったように親達は我が子の受験に躍起となり、その一方で次第に何故そんな悲劇が起きたのかという真相に嫌でも迫っていく。そしてその悲劇がどの家庭にも起こり得る身近な恐怖であると仄めかしていく。

 

やり過ぎて滑稽に思える面もある(特にミニョク)のだが、同時にそれが常識的な考えになってしまう社会が怖い。いつしか子供は親のマウンティングのための道具となっていて、子供達の幸せを考えてと口では言いながら子供達自身の意志を完全に無視しているのである。そんなセレブな家庭に相反する存在として登場するのが、自殺した一家が引っ越した後に入居した一家。そして優秀でありながらも家が貧しいためにロクに勉強する時間も取れない子供がいたりと、考え方の違いや貧富の差なども取り入れて話はどんどん複雑化していく。しかし面白い。どんどん夢中になってしまう。癖になる面白さを孕んだ作品である。

 

満足度は★★★★★

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ただ愛する仲

  • 2020.05.15 Friday
  • 22:46

【出演】 ジュノ(2PM)、ウォン・ジナ、イ・ギウ 他

 

ショッピングモール崩壊事故で奇跡的に生還した二人が成長して再会。苦難の日々を送っていた二人が恋に落ちていくラブストーリー。

 

ショッピングモールで子役スター――ハン・ヨンスの撮影が行われる。母親に言われて渋々付き添っていた姉のムンスは彼氏がショッピングモールに到着したと連絡を受けて、化粧をするために上の階に上った。ところが突然ショッピングモールの建物が揺れ始める。下の階ではヨンスがムンスに向かって何かを叫んでいたが良く聞こえない。その内、建物のあちこちに亀裂が入り、ムンスの目の前でヨンスが土煙に飲み込まれていった。ショッピングモールの倒壊事故から十二年が経ち、奇跡的に生き延びたムンスは未だにあの事故の悪夢を見ていた。現在、酒に溺れる母親と二人暮らし。銭湯を営む傍ら、建築模型の仕事を在宅で請け負いながら何とか生きていた。一方、同じく事故の生存者であるイ・ガンドゥはクラブ・マリのママから依頼を受けて、店の女の子に暴行したチョン・ユテクから金を巻き上げようとチョンユ建設に押し入っていた。しかし来客が来たため退散。階段を下りる途中、資料を届けるために16階を目指して階段を上っていたムンスとぶつかりそうになる。

 

大きな事故や自然災害が発生した場合、命を落とした多くの人々の話題は暗いニュースとして報道され、奇跡的に生還した人々の話題は明るいニュースとして報道される。事故と直接関わらない人間にとってただそれだけで終わってしまう。しかし事故の当事者や関係者はそれだけでは済まない。例え奇跡的な生還をしたとしても被害者なのである。事故の記憶は一生消える事が無く、心や体に様々な後遺症をもたらす。また中には自分が助かってしまった事で心を痛め、死者に対して申し訳ない思いに捉われ続ける人々もいる。このドラマ主人公二人はともにショッピングモールの事故に巻き込まれ、奇跡的に生還した二人である。ムンスはその事故で妹のヨンスに責任を感じながら生きている。ただ幸いだったのは頭を打った後遺症で事故直後の記憶が失われていること。一方、ガンドゥは事故の記憶を持つが故に、外傷だけでなく事故の幻影に脅かされる等様々なトラウマを抱えながら生きている。そう、このドラマは大きな事故から生還した人間のその後の人生を追った内容であり、同時にだからこそもう二度と大きな事故が起こらないように奮闘する様が描かれている。しかし事故後のガンドゥの状況を考えると恐ろしくなる。足には鉄筋が刺さり、身動きすることが出来ないまま、いつ来るか判らない助けを何日も待ち続けるのである。食べ物は何も無い。飲み物もない。一緒に被害に遭った少年が目の前で命を失うのをただ見ているだけしか出来ない恐怖は想像を絶する。

 

決して明るい内容ではない。誰も手を付けようとしなかった事故の跡地に再び建設工事が始まり、まるでそれに呼び寄せられる運命だったかのようにムンスとガンドゥもその工事に関わっていく。そんな身も蓋もない背景で進んでいくのだが、その工事に関わる主要人物達の恋愛模様が明るい話題としてストーリーに絡んでいくという構成になっている。まだ恋愛に発展していない段階のストーリーは見ているだけで憂鬱になる。

 

さてラストに関しては奇跡を起こした二人だから奇跡でまとめたとも考えられるが、何となく無理矢理ハッピーエンドに導いた感じがしなくもない。それについてはちょっと不満に思った。

 

満足度は★★★★

 

 

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ガラスの仮面2

  • 2020.04.22 Wednesday
  • 10:49

【出演】 安達祐実、野際陽子、田辺誠一 他

【放送】 1998年(テレ朝)

 

前年に放送された『ガラスの仮面』の続編。何の取り柄のない貧しい少女が女優を目指して様々な困難に打ち勝ち成長していく物語。原作は美内すずえのコミック『ガラスの仮面』。

 

勝手に撮影を放棄してスキャンダルを起こし、芸能界を追放された北島マヤは子供達を相手にパントマイムの練習に励んでいた。久々に劇団月影で公演が決まり心を躍らせるマヤだったが、往年の大女優・月影千草は『真夏の夜の夢』の台本を手にしたマヤから台本を取り上げ、マヤの役は無いと言い放つのだった。一方、大都芸能の速水真澄は父親で大都芸能会長の速水英介から「紅天女」の上演権の奪取を急かされていた。焼け焦げた着物を何より大切にする英介は紅天女の公演しか頭にない。その裏で真澄の母親が犠牲になった事など英介にとって取るにたりない事なのだ。また鷹宮紫織との結婚の日取りを決めろと急かされると、真澄の中にマヤを抱き締めた時の記憶が蘇る。マヤの温もりが未だに忘れられずにいた。そんな最中、芸能界での専らの話題は姫川亜弓の動向だった。多くのオファーがあり大都芸能としても仕事選びに慎重になっていた。役を貰えずショックを受けたマヤが見たのはマスコミに囲まれて女優としての道を着実に登っていく亜弓の姿。役さえ貰えない自分とのあまりの差に思わずマヤはその場を逃げ出してしまう。

 

漫画の世界を実写化するに当たって色々制約があるので原作に忠実とはいかない部分があるのは仕方ない事なのだが、余分なキャラクターを増やして話をアレンジするのは止めて欲しかった。よりドラマティックに仕上げる制作側の意図もあったのかも知れないが、正直言って兄の存在はいらない。マヤの家族は前作で亡くなった母親一人であり、そこに父親や兄の存在を追加する事で孤独な少女の設定が覆されてしまう。おまけに兄の役割は前作の母親と殆ど一緒。マヤの役者としての人生を阻む行動を起こし、更には家族を失う悲しみを与える。前作と同様のシチュエーションを用意するやっつけ感が頂けない。本当に原作の良さを理解した上で制作したのか疑問である。

 

前作が芸能界を追放されたマヤが再度役者として立ち上がろうとするまでを描いた内容で、今作はその続きで紅天女候補の資格を得るまでを描いている。現在でも原作が終了していないためその先のストーリーは先が見えず、実際雑誌で発表された内容とコミック化された内容でも大きく異なるなど流動的で定まっていない。なので丁度区切りの良い場所での終了となった。不満があるとすればドラマはこれで終了(連ドラは終了だが、完結編がスペシャルドラマで制作された)なので、話を適当にまとめてしまった事。おそらくどうせこの先は無いからという頭があったのだろうが、特に速水に関して何もかもうまく丸め込んでしまった感が否めない。前作で紫織を意地の悪い悪女にしてしまったくだりを汲んだせいもあるのか、速水が紫織を拒否る流れにしてしまうとは・・・。月影千草の「魂の片割れ」の重みが感じられないのにはガッカリだった。

 

今作での劇中劇は難しいものも多く、マヤがその役になり切るために軽業師並みの身のこなしを身につける等人並み外れた人間になる必要が出て来る場面が多々あった。それを演出でカバーするのは当然なのだが、せめてそれを習得するための月日が流れている事が判るような工夫が欲しかった。

 

満足度は★★★★

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