渡る世間は鬼ばかり2019

  • 2019.09.18 Wednesday
  • 19:42

【出演】 泉ピン子、藤田朋子、小野塚勇人 他

【放送】 2019年(TBS)

 

『渡る世間は鬼ばかり』の三時間スペシャル。敬老の日に関連して、老後の生き方について考えるストーリーになっている。

 

ランチタイムの幸楽は店の前に行列が出来る程に繁盛しており、二階を改装して客席を増やし、店内は大忙しだった。店は娘夫婦が継いでいるものの繁盛期くらいはと小島五月は店に出て料理を運ぶのだが、途中でお盆をひっくり返してしまう。まだまだ若いつもりでも五月はもう還暦を超え、着実に体は老いている。年を取るとどんどん居場所がなくなると寂しさを感じるのだった。暇を持て余した五月は長男の眞に会いに行こうと思い立つ。嫁の貴子は五月を毛嫌いしているので、眞の職場へ向かったのだが、そこで上司の長谷部からもう母親の役割は果たしたから子離れすべきだと言われてしまう。酷いショックを受けた五月だったが、夫の勇の『友達を作れ』という言葉に奮起する。

 

毎年恒例となった『渡鬼』のスペシャルドラマであるが、今年も昨年同様三時間の放送となった。岡倉家の五人姉妹の近況報告という側面はあるものの、ほぼ五月が主役のストーリーとなっていて、老いを自覚した五月が自分の居場所を求めて新たな生き方を模索し、またようやく子離れに本腰を入れる話になっている。過去のシリーズより一層五月がクローズアップされた分だけ、他の姉妹達の話はかなり希薄となっていて、長女・弥生、三女・文子、四女・葉子の近況は台詞だけというかなり簡略化した内容で終わらせている。相変わらずの渡鬼のノリでスマホもったらYouTubeで即人気ユーチューバーとか有り得ない展開に、五月が良かれと思った事が他人の迷惑になり、それを物分かりの良過ぎる周囲が好意的に受け止める謎展開は健在。

 

・長女・弥生の近況

年寄り向けの憩いの場の喫茶店を経営している。

 

・次女・五月の近況

スマホで短時間で出来る料理動画(さつキッチン)をアップし、人気者に。

 

・三女・文子の近況

仕事は順調だが、貧血で倒れたのを機に元夫に向けた遺書を作成。

 

・四女・葉子の近況

夫のベトナム出張が決まり、仕事から離れて双子の母親としての生活に戻る。

 

・五女・長子の近況

娘の結婚話が持ち上がる。

 

ざっくりとした紹介は上記の通り。五月以外は掻い摘んでというよりはまとめるとこれだけになってしまう。長子に関しては五月のエピソードと関連付けて、自宅で命を終えたいと希望する老人のエピソードや親の子離れのエピソードを交えているため五月を除く他の姉妹よりは長い時間登場しているが、長子自身に関するエピソードにはなっていない。

 

尚、今回も親父バンドは新メンバーが加わっている。五月の娘婿である田口誠がおやじバンドを卒業し、幸楽に専念する事になったため、キーボード奏者に谷村が加わった。演じているのは俳優の渡辺憲吉。

 

おそらくラストのシーンを見る限り来年もこのシリーズをやるつもりなのだろうが、とにかく出演陣の年齢の高さが半端ではない。中でもタキさん役の野村昭子は92歳と言う高齢にびっくり。他の面々も年を追う毎に老いが顔にも体にも隠し切れなくなり、皆さんお元気ですねと感心する反面、ここまで来るとドラマに引っ張り出すのは気の毒に感じる。

 

満足度は★★★

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香水心中

  • 2019.09.17 Tuesday
  • 17:12

【出演】 古谷一行、高峰三枝子、高樹澪 他

【放送】 1987年(TBS)

 

香水会社社長の孫が山荘で人妻と心中した事件の謎を金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『香水心中』。TBSの金田一耕助シリーズ第六弾!

 

金田一耕助事務所に常盤香水の社長・常盤松代から調査の依頼が入る。調査依頼にやって来たのは代理人の上原正三で、松代は現在足を骨折しているため伊豆の別荘で静養中だと言う。金田一は等々力警部と共に西伊豆にある松代の別荘で直接話を聞く事にする。その頃、別荘では松代の誕生日を祝って三人の孫が顔を揃えていた。総務部長の松樹、研究所次長の松彦、女子大生の松子が顔を合わせるのは久々で、上機嫌な松代はその席で常盤香水の後継者をこの三人の中の誰かを考えていると発表する。外は大荒れの嵐。にもかかわらず松樹は会社に戻ると言って車で別荘を後にした。翌日、金田一が西伊豆に到着すると何故か松代から依頼の断りがあったと言われてしまう。ところが旅館について早々近くの山荘で遺体が発見されたと聞いて金田一と等々力警部共々現場へと駆け付ける。山荘の床には多数の香水の瓶が転がり、山荘の中は香水の強烈な臭いで充満していた。その中で首を吊っていたのが松樹で、ベッドの上ではあられもない姿の女が息絶えていた。遺体を運び出している最中、青ざめた顔の松代が松子に付き添われて到着し、搬送される松樹を見るなり泣き崩れた。実はこの山荘の名義は松彦なのだ。当の松彦は東京へ戻ってしまったらしい。

 

人には表と裏の顔がある。このドラマはそんな人間の表と裏に脚光を浴びせたストーリーで、事件を通して隠して来たそれぞれの本性が明るみになっていく様を描いている。常盤家の人々は特に表と裏にギャップのある一族として描かれ、一族の長である松代もまたそうした自分の醜い一面を知りながらも周囲の人々のそれには気付けなかった皮肉で締めくくられている。

 

元々原作は短編小説のため大掛かりなトリックなどはないのだが、心中にしては腑に落ちない点から金田一が真相を究明するミステリーになっている。まさにミステリーの王道である。

 

さて注目すべき点は危険思想に走る美代子の行動。お腹に子供がいるというのにとにかく暴れるわ、走り回るわ。妊婦らしく悪阻の場面もあるにはあるが、普通の妊婦ならこういう行動はしないだろうなというオンパレードである。これには流石に苦笑いしかおきなかった。

 

また気になったのが金田一の被る帽子。やや高めのグレーの帽子がやたらと目に付く。他の作品でも被っていたか否かは知らないが、この形は意外とレアである。

 

満足度は★★★★

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時空探偵おゆう 大江戸科学捜査

  • 2019.09.15 Sunday
  • 17:55

【出演】 佐久間由衣、手塚とおる、竹財輝之助 他

【放送】 2019年(カンテレ)

 

現代と江戸時代。時空を超えて事件を解決する女の事件簿。『このミス』大賞ドラマシリーズの第一弾!原作は山本巧次著の『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』。

 

不動産会社に勤務するOLの関口優佳は上司の浅川のねちねちした苛めに閉口していた。以前優佳が誘いを断った事を浅川は未だに根に持っているらしい。親友の武本真由美や幼馴染みの宇田川聡史に相談しても埒が明かず、優佳は困り果てていた。そんなある日、慕っている祖母が優佳に家を譲りたいと言って来る。しかもあの家にはちょっとした秘密があるのだと言う。不思議に思いながら祖母の家に行き優佳が押し入れを開けると、突然中に引き込まれて、気が付けば見知らぬ場所に来ていた。祖母のメモに寄ればそこは江戸時代。押し入れで現代と江戸時代を行き来出来るらしいが、次に押し入れが開くのは二十四時間後。祖母が用意しておいてくれた着物とかつらをつけて江戸の町へと繰り出していく。

 

現代の科学捜査を江戸時代に取り入れて江戸時代に起きた事件を解決するというストーリー。押し入れが江戸の町と現代を繋ぐアイテムになっていて、それを主人公の優佳が利用して事件に関する証拠等々を現代に持ち帰って幼馴染みに分析して貰って、その結果を用いて事件解明に役立てるというもの。そのため本来ならば江戸時代では解決出来なかったはずの事件が解明されてしまうと言う正に歴史を変えてしまいそうなシチュエーションだが、流石に原作が大賞受賞作だけに一筋縄ではいかないストーリーである。序盤はタイムトラベルのアイディアに頼ったお手軽ミステリーかと見せかけて、二転三転する展開はどうしてどうしてしっかりと練り込んだミステリーになっている。

 

ストーリー的には確かに面白いのだが、だからと言って突き抜けた魅力があるわけではない。絵面を見ると何処か安っぽい感じは拭えないし、目を離せないような目まぐるしく状況が変わるわけでもない。割合ゆっくりとした流れは一昔前のミステリーを感じさせる。時代を逆行しているだけに好みは別れそうだ。

 

さて江戸時代の時にヒロインの佐久間由衣は長い髪のかつらをつけるのだが、それが新鮮で可愛らしかった。但しこんなに背の高い女性が江戸時代にいたら間違いなく目立つだろう。他の俳優陣が長身なのでそこまでの違和感は覚えないものの、幾ら現代からのタイムトラベラーとは言えスタイルが良過ぎるのは少々問題である。江戸時代の街並みでも時代劇っぽく感じないのはそのせいだろう。

 

満足度は★★★★

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サイン −法医学者 柚木貴志の事件−

  • 2019.09.14 Saturday
  • 19:52

【出演】 大森南朋、仲村トオル、松雪泰子 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

真実を追求する法医学者と権力を欲する法医学者の壮絶な戦いを描いた法医学ミステリー。韓国ドラマ『サイン』の日本リメイク版。

 

人気アイドル歌手の北見永二がコンサート直後、楽屋で遺体となって発見された。死因は特定出来ず、遺体は解剖に回される事になったのだが、警視庁捜査一課の管理官・和泉千聖は即座に国家機関『日本法医学研究院』へ搬送する。しかしこの事件はそう単純な話ではなかった。『日本法医学研究院』の院長・兵藤邦昭は最も信頼する弟子・柚木貴志に解剖を命じるが、何処ぞから働いた圧力により解剖を国立大学の法医学教授・伊達明義に一任すると警視庁から通達が出る。伊達と柚木は以前より犬猿の仲にあり、真実のみを追い求める柚木に対して伊達は裏からの口利きがあれば平気で嘘をつく。今回も伊達は電話で密約を交わして、都合の良い死因をでっち上げようとしていた。どうにも納得のいかない柚木は遺体を奪取し、勝手に解剖を始めてしまう。その際、途中でたまたま出くわした新人解剖医・中園景に助手をさせ、これは他殺であると断言する。柚木に真実を暴かれまいとする伊達は部下に命じてマスターキーを探させるが、その間にも柚木の解剖は進み、とうとう遺体の体内から青い繊維を発見する。柚木はこれを見て遺体が鼻と口を塞がれた事による窒息死と断定する。ところが後日、伊達は柚木と全く異なる見解を発表した。北見の死因は窒息死ではなく、青酸性毒物による中毒死。事実、北見の元恋人だったスタイリストが青酸性の毒物をペットボトルに入れたと自首した事を受けて、致死量では無かったが北見には肺に疾患があったため死に至ったと、柚木の診断を全面否定したばかりか柚木を懲罰委員会にかけるとまで言い出す。

 

原作があるのでどうしてもそれに沿った形での制作となってしまうのは致し方のない所なのだが、どことなく暗く鬱々とした雰囲気が常に漂い、とにかく華が無いのだ。原作の人気はともかくとして日本ではあまりウケが良くないタイプのドラマである。また法医学のドラマはこれまでにも数々あるため、法医学と聞かされてもあまり興味を惹かれないのが本音だろう。

 

ドラマ内では様々な事例が扱われるのだが、中心となっている事件は初回に放送された北見永二の事件である。この事件の真相を突き止めるためには大きな権力と戦わなければならない。それ故、柚木は権力に対してどう信念を貫いていくかを苦悩し、事件解決のために思い切った行動をとる事になるのだが・・・。ネタバレになるが原作通りとは言え、主人公が最終回では死んでるって有り得ないだろう。

 

また大きな権力と対峙していくというのに熱量があまり感じられないのもネック。ベテラン俳優同士の本音のぶつけ合いの場面では通常ピリピリした空気が伝わってくるものだが、今回はそんな感じはなかった。演技云々ではなく華の問題。主役の大森南朋が相手の存在感に負けてしまう場面が度々あって、一体誰が主役なのか判らなくなってしまう。

 

満足度は★★★

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偽装不倫

  • 2019.09.13 Friday
  • 11:35

【出演】 杏、宮沢氷魚、仲間由紀恵 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

人妻と嘘をついてイケメンと偽装不倫をしてしまった婚活疲れの独身女のラブコメディー。原作は東村アキコのコミック『偽装不倫』。

 

三十路を過ぎた濱鐘子は三年間の婚活でまるで成果が出ず、婚活を辞めると宣言する。契約期間が切れて博多へ旅行へ行こうとする鐘子を姉の吉沢葉子は窘めるのだが、そもそも鐘子が婚活を始めたのは葉子の結婚がきっかけだった。幼い頃から優秀ではあるが地味で堅物の葉子には結婚なんて無理だと高を括っていた鐘子だったが、三年前に突然葉子が長身のイケメンで非の打ち所のない吉沢賢治を連れてきて結婚すると言い出したのだ。そこから瞬く間に葉子は結婚したばかりか自宅を二世帯住宅に改築させ、夫婦ともども一緒に暮らしている。結婚女の行動力に鐘子は驚かされるばかりだった。触発された鐘子も婚活を始めたものの、現実は厳しく沢山の婚活を経て知ったのは自分が徹底的に男にモテない事実だった。姉から服を借りて博多行きの飛行機に乗り込んだ鐘子はポケットに姉の結婚指輪が入っている事に気付く。荷物が当たった拍子に落としてしまった指輪を拾ってくれたのが鐘子好みのイケメン青年・伴野丈だった。しかも彼の席は鐘子の隣。まさかの事態にボーっとする鐘子は彼から指輪をはめる手を聞かれ、うっかり左と答えてしまう。

 

このドラマは葉子・鐘子姉妹の愛の形を中心に進んでいく。テーマとなっているのは嘘。嘘から始まった鐘子の恋愛。嘘で塗り固めて不倫愛に走る葉子の恋愛。どちらの恋愛も嘘が常に付き纏う。しかしどちらも真実の愛を求めているのは一緒で、嘘をつく事でその愛にしがみつこうとしている。でも嘘は自分を苦しめていく。自分だけじゃなく最後には愛する人を傷つけていく。嘘をつく事に苦しみながら真実の愛を手に入れる事が出来るのかがこのドラマの見所となっている。

 

不倫と言えば悪のイメージがある。パートナーを裏切って別の人に走るからその愛は悪なのだと言うのが一般的な見方である。ただこのドラマを見ると少しイメージが変わる。不倫愛に走るのにも理由があって、運命的な出会いをした二人の愛は何者も止められないのだと、ついついロマンティックに捉えてしまう。また不倫だからと言ってドロドロな展開に走らないのも魅力である。

 

それはそうとこのドラマでは杏が演じる鐘子が非常に魅力的である。自分に自信がなく、真っ直ぐな性格で嘘をつけない。それなのに嘘をついた事に苦しみ、丈を手放したくが故に嘘の上塗りをしてしまう。そんな鐘子が凄く可愛らしく、それでいてリアルな女性の心情を表しているように思える。一方、もう一人のヒロインである仲間由紀恵演じる葉子も計算高く抜け目のない女性かと思えばそうでもない。順風満帆な人生だったのに、たった一つの愛を知って愚かな嘘を重ねてしまう。そして夫を愛せない理由も現代を生きる女性には凄く共感できるのではないだろうか。最後に見せた葉子の潔さと決意。それを表す葉子のラストシーンが光り輝いていて、とても印象的だった。

 

満足度は★★★★★

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