浅見光彦シリーズ第43弾 還らざる道

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【出演】 中村俊介、浅見れいな、堀内正美 他
【放送】 2012年(フジ)

内田康夫原作のフリールポライター浅見光彦が活躍するシリーズ第四十三弾。ふらふらと根なし草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、各局でシリーズ化がなされているトラベルミステリー。中村俊介はフジテレビの浅見光彦シリーズで二代目浅見光彦を務めており、彼が主演となってからはこのドラマが第二十九作目となる。原作は内田康夫著の『還らざる道』。

『旅と歴史』の取材で愛知県豊田市を訪れていた浅見光彦は茶屋で偶然『旅と歴史』の本を抱えた老人と出会う。それを機に町を案内して貰っていたが、渓谷を訪れた際、突然老人は何か思いつめたような表情を見せた。翌日、その老人が奥矢作湖で絞殺死体となって発見される。警察は強盗殺人と発表したが光彦にはどうしてもそうは思えず、老人の親族から詳しい話を聞き出そうと訪れる。唯一孫娘の正恵だけは光彦の推理が正しいと認め、一緒に老人の死の真相を究明する事になる。

今回も光彦の母が見事なアシストぶりを見せる。もう殆ど歴史好きというレベルではなくなっているが、彼女の何気ない一言が光彦の推理の活路を見出していく。これが事件に関与せず、ただ光彦との会話の中で交わされていくのだから光彦の母の勘の鋭さには恐れ入る。こうなってくると名探偵はむしろ光彦より母親の方ではないのかと思えてくる。もっとも母親の気持ちとしては光彦が早く良い人を見つけて身を固めて欲しいようだが・・・。

さて殺人事件のキーとなっているのが白木の壷。これが送り主の死後送られてくるのだから、まるで疑ってと言わんばかり。実際その通りの展開となってかなり拍子抜けである。それ以前にこの白木の壷の調査費はどう考えても税金が使用されているような気がする。事件そっちのけでそういう些細な点が気になってしまうのは、あまりストーリーに入り込めなかったからかも知れない。俳優陣もイマイチだし、正直、大して印象に残る話ではなかった。

満足度は★★★
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神隠し真珠郎

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【出演】 古谷一行、田中美里、勝村政信 他
【放送】 2005年(TBS)

金色の髪に青い目の美少年が引き起こす連続殺人事件の謎に金田一耕介が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『真珠郎』。1978年には同じく古谷一行主演でドラマ化されている。TBSの金田一耕介シリーズ第三十二弾!

岡山県霧神村の富豪・鵜藤家には腹違いの息子達がいたが、末っ子の真珠郎だけは三歳の頃に神隠しに遭い行方不明になっていた。あれから十八年が経ち、霧神村で鵜藤家の三男・幸三が殺害される痛ましい事件が起こる。目撃者の話によれば犯人は金色の神に青い目をした美少年だったという。その特徴は神隠しに遭った真珠郎と一致する。次男の乙骨研二は金田一に殺人事件の捜査を依頼する。その頃、鵜藤家では遺産相続を巡る骨肉の争いが繰り広げられていた。

想像していた内容とまるで違うと思ったのは一人や二人ではないはず。『真珠郎』という名前が使われているので原作があの『真珠郎』なのだと想像はつくものの、ストーリーはまるで違う別の作品を見ているかのようである。原作に忠実なドラマを期待している人には見事に期待外れに終わる。割り切って別物として見るくらいの度量の広さを要求されるドラマかも知れない。

とは言え、何かどこかで見たシチュエーションのオンパレードはやっぱり納得がいかない。遺産相続の骨肉の争いはまるで『犬神家の一族』だし、村を出てけと金田一を追い払う老婆は『八つ墓村』だし・・・。原作に倣ってホタルを引用した努力は認めるが、金髪碧眼の真珠郎はないだろう。家族は全員生粋の日本人にしか見えないし・・・。まさかの突然変異設定だろうか?

ストーリーはともかく金田一耕介は随分老けてしまったのが悲しい。髪を黒く染めて若く見せてはいるものの、古谷金田一お馴染みの逆立ちシーンでは頭に血が上って危ない!と真面目に心配してしまった。考えてみれば放送当時、古谷一行は還暦。幾らはまり役とは言ってもちょっと無理が・・・。

満足度は★★★
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いばらの鳥

【出演】 ハン・ヘジン、チェ・サンウク、キム・ミンジョン 他

親に捨てられた二人の少女がやがて成長し再会。一人は夢に向かって、一人は復讐のために歩み続ける。例えそれがいばらの道であろうと・・・。母親の愛に恵まれなかった四人の男女の愛と葛藤を描いたラブストーリー。

児童養護施設で育ったジョンウンは親友のユギョンと共に会った事の無い母親を探す毎日を送っていた。やっと母親に連絡が取れたジョンウンだったが、実母から会う事を拒否されてしまう。その時、ジョンウンの憧れの人である財閥家の御曹司であるヨンジョもまた実母に拒絶されていた。同じ境遇の二人は互いを慰め合うように食事をし、再会の約束をして別れる。一方、ユギョンは約束の時間になっても現れないジョンウンを一人待ち続けていたが、不良に絡まれ暴行される。遅れてやってきたジョンウンはユギョンを救い、家まで送っていく。ところがその時ユギョンの母親は生活苦のあまりユギョンを手放したいとユギョンの実母に電話で話していた最中だったのである。ショックを受けたユギョンはウンジョンを責め立て、そのせいでウンジョンはヨンジョとの約束を破ってしまう。その直後ヨンジョは渡米。結局二人は会えないまま十年の時が過ぎる。

ドラマは第一話のみが子供時代の話で、第二話以降は大人になってからの話となる。十年後の世界では子供時代に出会っていたジョンウン、ユギョン、ヨンジョがそれぞれ映画制作会社ヘジュ・ピクチャーズで顔を合わせる事になるという何と恐ろしく都合の良い偶然なのだろう。判りやすい展開ではあるが・・・。

考え方次第で人は幸せにも不幸にもなる。破滅的な考えでユギョンはひたすらいばらの道を歩み、ジョンウンは不幸な境遇を跳ね除けて小さな幸せを大切に生きていく。どんな生き方をしようと勝手だが、ユギョンは自らを『いばら』と表現しているくらい周囲の人間を傷つけながら生きていくため、巻き添えを食わされたジョンウンやヨンジョは溜まったものではない。ユギョンがそんな生き方を選んだ背景にはユギョンが非常に傷つきやすい女性という設定がある。しかし見方を変えればユギョンはまるで我儘な子供にしか見えない。そんなユギョンさえも捨てておけないジョンウン。どれだけお人好しなのだろう?

ところでラストは取ってつけたような大団円を迎える。何もかも平和的な結末という俄かには信じられないようなラストで、何となく腑に落ちないのも事実。まあ、最後は駆け足で終わらせた感が強いのでこのようなラストを迎えるしかなかったのかも知れない。最後まで親子の愛に目を向けた内容は如何にも韓国ならではの感覚である。

満足度は★★★★

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チョッちゃん

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【出演】 古村比呂、世良公則、由紀さおり 他
【放送】 1987年(NHK)

黒柳徹子の母である黒柳朝の自伝小説『チョッちゃんが行くわよ』の実写ドラマ化。1981年に黒柳徹子の自伝『窓際のトットちゃん』がベストセラーとなり、それに倣えとばかりにだされたのがこの作品だった。波乱万丈の人生を持ち前の素直で明るい性格で乗り越えていくヒロインの姿が爽やかで、朝のドラマにぴったりの内容となっている。主演は同じ北海道出身の古村比呂が抜擢された。

北海道で生まれ育った北山蝶子は大らかで明るい女の子。歌が大好きな蝶子は本格的に声楽を学ぶために東京の音楽学校への入学を決める。東京には叔父がいて、そこで下宿しながら学校に通い始める。

ユニークなキャラクターが人気の黒柳徹子の母親だからと言って何か特別な人生を歩んでいるわけでもなければ、本人が際立った個性を持っているわけでもない。主役は至って平凡な女性で、時代の波に飲まれながらも我武者羅に生きた軌跡を追っているだけなのである。おそらく同じ状況に居合わせたら、十人中七人から八人は同じ事をしただろうと思えるそんな普通っぽさがこのドラマの魅力だと言える。

そんな中にもヒロインの生き方には見習うべき点が多い。傍から見れば苦労していると思えるのに本人はそんな風には考えない点や、姑に媚を売らずはっきりと自分の意見を持ってぶつかっていく点。勿論、これは本人の生来の性格によるものであるが、面倒を避けて通るような生き方を好む現代人にはある意味羨ましく思う。特に姑との関係は素晴らしい。普段は憎まれ口ばかりたたく姑がぽろっと漏らした息子の嫁を褒め称える言葉にそのすべてが表れており、その場面は今でも鮮明に記憶に残っている。

普通の人生を歩んでいた蝶子の運命は天才ヴァイオリニスト・岩崎要と結婚した頃から少しずつ変わっていく。でもそれは蝶子にとって愛する人と結婚したという意識でしかない。家族が増えれば問題もそれだけ山積みとなる。夫の出征や長男の急死など悲しい出来事も多いが、その不幸をどう乗り越えていくのかもその人の度量と言える。だからと言って蝶子が特別な事をしたわけではない。しかしその後の子供達の活躍を見ればどれだけ蝶子が良い母親だったのかが窺えるだろう。

満足度は★★★★★
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浅見光彦シリーズ第39弾 遺骨

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【出演】 中村俊介、中山仁、原史奈 他
【放送】 2011年(フジ)

内田康夫原作のフリールポライター浅見光彦が活躍するシリーズ第三十九弾。ふらふらと根なし草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、各局でシリーズ化がなされているトラベルミステリー。中村俊介はフジテレビの浅見光彦シリーズで二代目浅見光彦を務めており、彼が主演となってからはこのドラマが第二十五作目となる。原作は内田康夫著の『遺骨』。

淡路島で無念の死を遂げた早良親王の取材をしている際、浅見光彦は常隆寺の古刹で男に出会う。住職の話では彼は寺に父親の遺骨を預かってほしいと法外なお布施と骨壺を置いていったという。取材を終えて東京へ戻った光彦はその男が板橋区の自宅マンション前で刺殺されたと知る。男はエメラルド製薬の社員・龍満智仁。不審に思った光彦が龍満の家を訪ねると、智仁の父は一年前に亡くなっていて龍満家の菩提寺である山口県長門市の極楽寺に納骨されているという。そんな中、常隆寺の住職から従姉妹の石森里織という女性が遺骨を引き取っていった後、智仁の部下の田口信男が智仁の妻の言いつけで遺骨を引き取りに現れたと連絡が入る。智仁にはそんな名前の従姉妹はおらず、智仁の妻もそんな事を頼んだ覚えはないという。しかも渡良瀬川支流の渓谷で毒殺された田口信夫男の遺体が発見され、住職の元を現れた人物とは別人と判る。智仁が預けた骨壺が萩焼と知った光彦は金子みすゞの取材企画を『旅と歴史』の編集部に持ち込み、取材旅行の名目で山口県長門市へと向かう。

開始当初から謎の多い内容で、乗りかかった船とは言え探偵気質の光彦には乗り出さずにはいられない展開となっている。仕事の名目で取材費をせしめる所は光彦の意外とちゃっかりした性分が良く表れている。もっとも今回は大分値切られてしまったようだが・・・。

さて今回は封印された歴史の闇に目を向けている。戦争はどんな人間も狂わせてしまう。ドラマではそこまで深く切り込んでいくわけではないが、戦争の悲惨な状況をやんわりと物語っている。終始シリアスな内容だけにいつもに増してラストは重苦しさが漂う。

満足度は★★★★
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