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京都紫野殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 早見優、勝野洋、国広富之 他

【放送】 1986年(フジ)

 

臓器密売組織を追う新聞記者が新幹線の中で毒殺される。現場からは彼の取材ノートが紛失していた。原作は山村美紗著の『京都紫野殺人事件』。

 

旅雑誌の編集部に勤める池上鮎子は京都在住の東亜日報の記者・北条和彦と遠距離恋愛中。和彦が現在追っているのは臓器密売組織。とあるルートから東京の北辰医療機器販売会社で腎臓を売った人間がいると情報を入手して早速東京へと向かう。丁度その頃、京都紫野では左脇腹に大きな手術痕のある男の変死体が発見されていた。単独北辰医療機器メーカーへ乗り込んだ和彦は、受付嬢が自分を弟の北条道彦と間違えた事から弟がこの会社に来ていると確信する。和彦の父親は腎臓病で臓器提供を待っている身。道彦が何をしに来たかは明白だった。和彦は顔を見るなり社長を問い質すが、何の情報も得られぬまま追い出されてしまう。仕方なく新聞社に連絡を入れた和彦が聞かされたのは、京都紫野で発見された変死体の身元が和彦に情報を提供した星野だという事実だった。急遽、京都へとんぼ帰りすると知った鮎子は和彦と喧嘩別れをしてしまう。しかし皮肉にもそれが和彦を見た最後の姿となる。新幹線に乗った和彦は毒入りのお茶を飲んでそのまま帰らぬ人となった。

 

恋人を悼みに行けばそこには恋人の婚約者を名乗る女性がいて、しかも妊娠していると言う。まさに鮎子にとっては踏んだり蹴ったりの状況ながら、死んだ和彦の愛が本物だった事を証明するために事件の真相を探る鮎子のストーリーではあるのだが、彼女自身が事件の謎を解き明かすのではなく、真相が判明するまで京都にいたら周囲で臓器密売絡みの事件が立て続けに起こってしまったというヒロインが完全に受け身の展開になっている。この手のサスペンスでは傷心でありながらも強く逞しく真相を暴こうとする気丈な女性がヒロインという場合が多いが、鮎子の場合はそこまで逞しいという言い方は似合わず、むしろ儚げで自分が和彦に愛されていた事実を得たいがためだけに京都に居座っているという感じを受けた。実際に事件を解き明かすのは京都府警の刑事の役割で、鮎子は様々な疑問点を刑事に提示して、最終的にその結果を聞かされるという流れになっている。この手の二時間サスペンス物とすれば大人しい印象はあるが、普通恋人に死なれたら鮎子のように受け身で流されていく方が一般的なのではないだろうか。そういう意味ではリアルなヒロインをぶつけてきた気がする。

 

さて事件自体に目を向けてみると、事件の謎は幾つかあるもののさほど難しいと首を傾げるほどの内容ではない。当然ながら今から三十年前の話という部分を加味しても難解な事件ではない。実はこのドラマの真の主役は道彦ではないのかと思われる部分もあり、道彦と兄を贔屓する父親との親子の絆の行方の方が事件そのものより気になる内容である。また道彦の気持ち(最後に明かされてはいるが正直見え見え)に鮎子がどう応えていくかも見所の一つである。

 

取り立てて派手さのあるドラマではないものの、殺人事件を扱っていながら穏やかに見ていられるドラマである。

 

満足度は★★★★

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さよなら!おばさんデカ 桜乙女の事件帖 ザ・ラスト

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 市原悦子、布川敏和、石橋蓮司 他

【放送】 2017年(フジ)

 

おばさん刑事が10年ぶりに帰って来た!既に警察を引退した元おばさん刑事が殺人事件に巻き込まれ殺人犯の濡れ衣を着せられてしまう。刑期を満了した元おばさん刑事は自らの濡れ衣を晴らせるのか?おばさんデカシリーズ最終作。

 

四年前、刑事を退職した桜乙女は家政婦として働きながら官能小説家の夫と共に平穏な余生を過ごしていた。ある日、乙女が東北に出張していた間に近所に住む荻野が妻に先立たれて以来すっかり人が変わってしまったという話を耳にする。事情を尋ねてみれば荻野の妻はトップ信販という会社の詐欺に遭い、自責の念から自殺を図ったらしい。その夜、荻野を案じた乙女が夕飯の唐揚げを持っていくと、荻野は何者かに刺されていた。思わず駆け寄った所、まだ家の中に潜んでいた犯人に乙女は気絶させられ、その間に殺人犯に仕立てられあげられてしまっていた。かつての同僚の米田も為す術がなく、とうとう乙女は殺人犯として刑務所に入れられてしまう。四年の服役を終えた乙女は迎えに来た長年の刑事仲間だった工藤も米田も無視してさっさと突き進み、そのままトップ信販へと向かった。

 

あの往年のメンバーがずらりと顔を揃えた事にこのシリーズを知っている人間には懐かしさが思わず込み上げてくるが、その反面すっかり老けてしまった様子に納得する面もある。しかし桜乙女を演じる市原悦子の若さには驚かされる。病気を理由に現在は休業中のはずだが、既に八十歳を超えているとは思えない若々しさで登場する。一方、以前は下っ端で使われる立場だった米田演じる布川敏和はやはり年相応の見た目で月日の経った悲しさを噛み締めないわけにはいかなかった。

 

さてストーリーは桜乙女が冤罪で殺人犯として刑務所に服役、刑期満了となってからもう一度事件を調べようとした事から新たな殺人事件に巻き込まれまたもや殺人事件の容疑者となってしまうという設定で、ドラマの大部分が殺害された被害者の子供と桜乙女の逃亡シーンとなっている。まあ、既に年齢的にも刑事をしているような年齢では無いので警察をリタイアしているのはまだ良い。あれだけ刑事としてプライドを持っていた桜乙女が服役している設定も視聴者を驚かすには最高の出来だと言える。但し問題なのは当然かつての桜乙女シリーズを知っている人間からすれば、桜乙女のどこか間の抜けたおばさんぶりや、長年の主婦としての知識からくる鋭い洞察力などを期待しているものである。ところが今回は逃走劇。リタイアしても体力は流石と思わせる側面はあるのだが、肝心の桜乙女の魅力が存分に活かされていない。ただただ逃げ回るだけで事件は解決してしまう。それが非常に残念でならなかった。

 

もっとも市原悦子と言えばやはり朗読。夫の書いた官能小説を朗読する場面には大感激だった。

 

満足度は★★★★

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誤差

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 村上弘明、剛力彩芽、陣内孝則 他

【放送】 2017年(テレ東)


山梨県の温泉旅館で女が絞殺された。容疑者となったのは女と一緒に宿泊した男だが、死亡推定時刻に微妙なずれが生じていた。山梨県警捜査一課の刑事達が犯人を追う本格ミステリー。原作は松本清張著の『誤差』(『駅路』所収)。松本清張没後二十五周年特別企画として放送された。村上弘明、剛力彩芽、陣内孝則の組み合わせでの松本清張作品の実写化はこれで三年連続になる。

 

山梨県にある温泉宿『川田屋』は明治から続く古い湯治場で、現在は一般客も取り入れて営業を続けている。ある日曜日の夜、仲居が松の間に食事を届けると、宿泊客の安西澄子が絞殺されていた。山梨県警捜査一課の主任刑事である山岡慶一郎は直ちに部下と共に現場へ急行する。変わり者で有名な甲府医大の立花亮介が遺体の司法解剖を担当する事になった。一方、山岡は『川田屋』の従業員達に事情聴取を始める。安西澄子は四日前から宿泊しており、夫婦で一週間宿泊の予定が夫・安西忠夫に急用が出来てしまい後から到着すると言っていた。三日間は澄子一人が部屋で過ごしていたが、土曜日になって眼鏡に大きなマスクという出で立ちの忠夫が到着。ところが忠夫は本を買いに一旦外出しており、宿に戻ってすぐ甲府駅へ行くと言ったきり姿を消してしまったのだと言う。その際、女将には澄子が眠っているので起こさないで欲しいとことづけしていったため、旅館の従業員は部屋にそれ以降部屋に寄りつかなかったのだと言う。しかし遺体の体内温度から割り出した死亡推定時刻は前日の十五時から十六時。忠夫が犯行に及んだにしては微妙な時間の誤差が生じていた。

 

死亡推定時刻の微妙な誤差に着目し、そこから真犯人を暴く刑事と監察医の執念のストーリーで、遺体が言いたかった言葉を探り当てる事がこの事件の鍵となっている。またそれぞれの人間ドラマも必見である。短編小説である原作を二時間ドラマにするに当たり、かなり掘り下げて制作されている。中には散々期待を持たせておいて肩透かしを食らう人物も無きにしも非ずではあるが。

 

但し二転三転するストーリーはそれなりに興味を惹かれるものの、最後のどんでん返しはイマイチだった。意外性を狙っているのは判るのだが、それまで一切触れられていないものをいきなり突き付けられるのは頂けない。驚愕するより、卑怯に思えてしまう。せめて序盤で何らかの布石を残しておくべきだった。

 

満足度は★★★★

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兄に愛されすぎて困ってます

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【出演】 土屋太鳳、片寄涼太、千葉雄大 他

【放送】 2017年(日テレ)

 

ヤンキー系ツンデレ兄のせいで告白十二連敗を喫した女子高生。ところが彼女の初恋相手である王子様が帰国後急接近。他にも心をときめかせるイケメン男子の登場に彼女の心は揺れるばかり。彼女とイケメン男子たちの学園ラブコメディー。原作は夜神里奈のコミック『兄に愛されすぎて困ってます』。六月に映画公開となるための番宣ドラマ。

 

高校二年生の橘せとかは恋に恋する女子高生。現在、夢中になっている剣道部の鈴木に思い切って告白するもあえなくKO。これで何と告白十二連敗。一方、兄の橘はるかはヤンキー系ツンデレお兄。いつもせとかに憎まれ口ばかり叩いているが、学校ではみんなの憧れの的。失恋の翌日、せとかは思わぬ話を友人から聞かされる。鈴木はせとかに好意を持っていたと言うのだ。不思議に思ったせとかが思い切って鈴木に尋ねると、はるかに脅迫されていた事が判明。それだけではない。これまでせとかを振った相手ははるかにプライドをずたずたにされた挙句せとかに近付かないと約束させられていた事が判る。頭に来たせとかははるかに文句を言って、再度鈴木に告白する決意をする。しかし鈴木は女にだらしがなく、中学時代の彼女と続いているばかりか先輩にまで手を出しているという噂の主。歴代の告白相手もみんな悪い噂のある面々だった。つまりせとかは男を見る目が全く無いのだ。

 

映画の番宣として内容は妹を溺愛する兄のはるかが、妹のせとかと血の繋がらない兄妹である事実を知るまでの内容となっている。この事実を知ったはるかが父親との約束でせとかが高校を卒業するまで血の繋がらない事実をひた隠しにしつつ、せとかを想う強い気持ちとの合い間で葛藤する云々は映画に持ち越しとなる模様。

 

今回のドラマは男を全く見る目の無いせとかが手当たり次第に男に告白するので、兄としては見ちゃいられないとはるかが暴れ回るという流れで完全にきゃぴきゃぴした所謂学園ラブコメ。やたらとせとかが相手にぽーっとのぼせ上がるので、ドキドキ感はあまり強くない。そういう場面が多過ぎて半減すると言う側面もある。如何にも映画の番宣のために制作しました感が半端ない。あまり興味もわかないため、何となく流しながら見ていたが最終回の教育実習生にだけは思い切り吹いた。まさか最後の最後に登場するイケメン教師がNONSTYLEの井上だとは・・・。

 

満足度は★★★

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女の中の二つの顔

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【出演】 余貴美子、杉本彩、村上弘明 他

【放送】 2004年(BSジャパン)

 

青山の高級マンションで女性の絞殺死体が発見される。彼女と不倫関係にあった夫の犯行と気付いた主婦が自分と子供達の幸せを勝ち取るまでの軌跡を描いたサスペンス。原作はエドワード・アタイヤ著の『細い線』。女と愛のミステリー枠で放送された。

 

鎌倉で姑が運営する組紐教室の講師を務める滝川絵美子は最愛の弟・孝介の七回忌の席で孝介の婚約者だった佐島彩乃と口論になる。孝介は交通事故で死亡しているが、同乗していた彩乃だけは九死に一生を得ていたのだ。事故の前日、孝介は絵美子への電話で彩乃の事で何か話があるような事を匂わせていた。絵美子は未だに孝介が何を言いたかったのか気になっていて、その件を彩乃に尋ねたところ突然彩乃が声を荒らげたのだった。現在、彩乃は絵美子の子供達が通う小学校の教師・雅夫と結婚。しかし彩乃は結婚後も男と不倫を繰り返し、資産家の佐島家の婿養子となった雅夫は彩乃に文句も言えずにいた。ある日、絵美子が東京・青山へ組紐の材料を買い出しに出かると、夫・誠一郎の姿を見かける。鎌倉に戻った途端、彩乃が青山の高級マンションで絞殺されたと知って驚愕する。その時間は誠一郎を見かけた時間と一致するのだ。絞殺に絵美子が作った組紐が使われていた事から、絵美子が容疑者になってしまう。

 

姑と仲が良く、家族円満で何の不満もなかったヒロインに突如として訪れる不幸の連鎖。彼女自身は何も悪くないのに、彼女の周囲がどんどん崩れて壊れていく。それでも必死に家族を、家庭を守ろうとするヒロインの姿を描いたストーリーで、そのために彼女は本来の自分を捨てて心を鬼にする。タイトルになった二つの顔とは幸せを信じていた頃の彼女と幸せは掴み取るものだと悟った彼女の二面性を指している。今は幸せでも一寸先にはどんな不幸が待ち受けているかも判らない。ある意味、天国から地獄へ突き落とされた彼女の復讐物語とも捉えることが出来るだろう。しかし何と言っても驚愕したのはヒロインと姑のラストでの会話。姑は何もかも御存知で?結局、このドラマが訴えたかったのは幸せのためなら女はどんな強かな女にでもなれると言う事なのだろう。ヒロインががらりと豹変した後の微笑みが逐一怖かった。

 

登場する人物の紹介が一切ないままに進んでいくストーリーなので、会話の中から関係性を掴まないとなかなか誰と誰がどういう関係なのかが見えて来ない。また良く二時間サスペンス物であるような中盤で事件をまとめるようなホワイトボードも登場しない。おまけに序盤から惹き込むようなハイテンションというわけでもなし、現代のドラマの常識を悉く逸脱したドラマである。その代わり関係性が見えて来ないからじっくりとドラマを見入ってしまう。比較すると今のドラマは親切過ぎて見ている側の考える力を排除してしまっているように思えた。

 

満足度は★★★★

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