薔薇王

  • 2019.10.18 Friday
  • 12:46

【出演】 古谷一行、渡辺典子、榎木孝明 他

【放送】 1989年(TBS)

 

正体不明の怪盗薔薇王を巡る事件に金田一耕助が巻き込まれていくミステリー。原作は横溝正史著の『薔薇王』。金田一耕助シリーズ第十弾!

 

ある夜、京都の日疋家に賊が侵入する。家人が気付いた時、金庫は荒らされ物が散乱していた。そして襖には『天は日疋家を許さず 薔薇王』と脅迫めいた一文が書かれていた。

探偵の金田一耕助は学友である京都大学教授・柏木に頼まれて京都の老舗料亭へとやってきた。舞妓遊びなどをしながら依頼主を待っていると、やって来たのは清楚で上品な女性・日疋静子だった。彼女は日疋家の当主の妻で、料亭の女将も非常に信頼出来る人物らしい。その夜、生憎柏木教授は同席出来なかったものの、金田一は静子から依頼の話を聞かされる。依頼は三日後に結婚を控えた静子の娘・美樹子の婚約者である唐木の身元調査だった。彼は元子爵の家柄であると称し、人物的にも問題はない。しかし唐木元子爵家は三代前までしか確認出来ず、静子はどうにも不吉な予感がしてならないと言う。依頼を引き受けた金田一はその帰り、車で唐木元子爵の屋敷に連れていかれそのまま監禁されてしまう。どうやら唐木には金田一を結婚式まで引き留めておきたい事情があるらしい。金田一が救出されたのは結婚式当日。その頃、式場から花婿の唐木が式の途中で忽然と姿を消していた。

 

今回の事件の感慨深い点は誰かが誰かを殺める時、それは身の保身からではなく、誰かを守るためである事。そしてそれは巡り巡って守りたい人を深く傷つけてしまう現実。

 

原作は短編集の中の一作であり、本来金田一耕助は登場しないのだが、結婚式から姿を消す花婿、からくり人形、正体不明の怪盗、脅迫状等々、まさに古き良き時代のミステリーの舞台がここにありと訴えるような印象を受けた。とはいうもののそれらが壮大なトリックに利用されているわけでもなく、金田一の名推理が働くわけでもなく、割合呆気なく事件は完結する。しかし唐木元子爵役で登場した榎木孝明の見目麗しい青年の姿や渡辺典子や松原智恵子の意志の強い京女ぶりが目を惹き、金田一は関係なく楽しめる内容だった。

 

満足度は★★★★

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殺人鬼

  • 2019.10.17 Thursday
  • 10:31

【出演】 古谷一行、藤真利子、星由里子 他

【放送】 1988年(TBS)

 

お化け屋敷で起きた闇ブローカー殺人事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『殺人鬼』。TBSの金田一耕助シリーズ第八弾!

 

お化け屋敷で闇ブローカーの遺体が宙づりになって発見された。事件の担当となった等々力警部はお化け屋敷の近隣で留守番の依頼を受けていた金田一耕助を訪ね、事件現場を見るだけでもと連れ出す。発見された闇ブローカーはいつも大金を身に着けていたが、遺体からは財布が見つからなかった。状況から見て犯行はお化け屋敷で働く全員が可能だった。遺体を吊り上げた雑用係の部屋から被害者のライターが見つかった事から警察は雑用係を犯人として逮捕する。ある夜、金田一は夜道の暗がりから声を掛けられる。声を掛けて来たのは上品な身なりの婦人だったが、その顔はお化け屋敷の前で古着屋の露店を出していた女性と瓜二つだった。しかし彼女は別人だと否定する。彼女は賀川加奈子と名乗り、金田一に家までの用心棒を頼みたいのだと言う。ところが別れ際、二人の前に顔をサングラスやマスク、帽子で隠した義足の片足を引き摺る男が現れ、加奈子はその男を見た途端怯えだす。実はこの男は加奈子の夫――亀井淳吉で、結婚した翌日に出征してその後行方知れずになっていたのだ。加奈子は疎開先で知り合った賀川達也と内縁関係となって暮らしていたが、突然亀井が現れて加奈子を付け回すようになったのだと言う。また賀川も既婚者で、梅子とは愛の無い夫婦を続けていた。加奈子は金田一に自分を亀井から救って欲しいと嘆願する。

 

戦時中には出征が決まった男性と見も知らぬ女性の結婚は珍しくも無い。お国のために戦うのだから、せめて結婚だけでもさせてやろうという気持ちが当たり前のように当時の人々の中に存在していた。しかし逆に考えれば例えそれが当たり前の世の中でも結婚相手として選ばれた女性にとってはどうなのだろう?諦めと不安と嫌悪。相手がどんな男であろうと出征するという事実が全てを正当化してしまう。このドラマは横溝正史作品らしく、夜道を義足の不気味な男がたった一夜だけ妻だった女を追い回すというシチュエーションを作り上げ、おどろおどろしい不気味さを煽っているものの、その実態は終戦直後の日本を必死に生きる人々のヒューマンドラマだった。悪人も善人も誰もが生きるために必死で、人間としての道徳など言ってはいられない。生き延びるためには何をしても構わない。生への執着が人を狂わせていく。

 

難を言えば展開が途中から急で金田一が唐突に解決に導いていく姿が強引に思えた。また加奈子の金田一に対する感情に割り切れないものがある。しかし登場人物が吐く言葉や生き様が非常に印象深く、何度も胸に刺さった。

 

満足度は★★★★★

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時効警察・復活スペシャル

  • 2019.10.16 Wednesday
  • 10:31

【出演】 オダギリジョー、武田真治、麻生久美子 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

12年ぶりに時効警察が帰って来た。時効が成立した事件を趣味で捜査する刑事が二十四年前に発生したガソリンスタンド火災事件の謎を解き明かす。連ドラスタート前の復習と宣伝を兼ねてのスペシャルドラマ。

 

時効が成立した事件に興味を持ち、趣味で捜査する男・霧山修一朗が日本に帰国した。彼は十二年前にFBIに派遣され、それ以来日本に帰る事は無かったが、いきなり元いた部署・総武警察署の時効管理課にふらっと現れたのである。当時この部署にいた頃もむさ苦しかったが、アメリカでの生活により頭と髭が繋がるくらいに伸びており、同僚達はあまりの見た目の変化に霧山だとなかなか気づいてはくれなかった。今や重大犯罪の時効は撤廃され霧山が興味を持ちそうな事件はそうそう起きなくなっている。それでも時効管理課は細々と部署を続けていた。そんな中、交通課の三日月しずかがやって来る。むさ苦しい身なりの霧山を見るなり、三日月はそれが霧山である事を見抜く。実はこの二人、十二年前はいい雰囲気になりかけていたのだが、霧山の渡米で二人の関係も途絶え、今や三日月はバツイチ。一方、刑事課の新米刑事・彩雲真空は霧山を見て大興奮。伝説にまでなっていた名刑事が目の前に現れた事で俄然やる気を出す。

 

初っ端から何かのパクリ満載ギャグのオンパレードで、ツッコミが追いつかない。時効警察ってそもそもどんなドラマだったっけ?と思い出す暇も与えてくれない。昭和(平成初期)のネタでは意味の判らない層もいると思うが、それも含めて懐かしいやらド滑りやら、まあ忙しいのなんの。12年ぶりの復活だけにどうなるものかと思ったが、元々のテンションそのままに復活させようとするその気概は大いに買う。古臭いと吐き捨てる事無かれ、現代のドラマに飽き飽きしているなら是非このドラマで、ドラマ全盛時代の面白さを味わって欲しいものである。但しこのドラマはあくまで時効の成立した事件を再捜査して、事件発生当時は見つけられなかった謎を解明していくミステリーものである。ギャグがメインではなく、謎解きを行う事がメインなのだ。ここをはき違えてはいけない。

 

とはいうものの、12年も経っているのでメインメンバーもそれだけ年齢を重ねてしまっている。それをどうアレンジして違和感を失くすかも復活させる難しさと言えるだろう。それに関してもこのドラマは良く考えられている。12年の月日の間にそれぞれに歴史があって、その上でドラマを成り立たせているのは当時のドラマを知っている人にも納得出来る作品に仕上がっていた。

 

満足度は★★★★★

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ルパンの娘

  • 2019.10.15 Tuesday
  • 10:35

【出演】 深田恭子、瀬戸康史、渡部篤郎 他

【放送】 2019年(フジ)

 

運命的な出会いを果たした二人が恋に落ち、結婚を考えた時、衝撃の事実が明らかになる。女は代々泥棒一家の娘、男は代々警察一家の長男。敵同士の一家の禁断の恋を描いたラブコメディー。原作は横関大著の『ルパンの娘』。

 

図書館に勤務する図書館司書の三雲華には深く愛する恋人・桜庭和馬との結婚を考え、桜庭家に挨拶に行く。ところがテーブルの向こうにはずらりと並んだお堅そうな和馬の家族。華が図書館司書だと知るや否や、二人の結婚に駄目出しをする。実は桜庭家は代々警察一家で、公務員と言っていた和馬もまた警視庁捜査三課の刑事だった。愕然となった華は思わず気を失ってしまう。和馬に送って貰って帰って来た華の顔色は暗かった。何故なら二人の結婚は決して有り得ないと悟ったからである。華は和馬の前では一般家庭の娘を装っているが、実際には三雲家は高級タワーマンションに住み、家の中は全て盗品で埋め尽くされていた。そう、華は代々泥棒を稼業とする三雲家の娘なのだ。泥棒を生業とする家族の中で華だけは真っ当な人生を歩もうと堅実な生活を送っているのだ。まさか家族に恋人が刑事だとは口が裂けても言えなかった。一方、和馬は華との結婚を認めて貰うために家族と約束を交わしていた。それは警視庁捜査一課の刑事になる事。結婚するためなら何でもする決意をした和馬は先輩からLの一族を逮捕出来れば警視庁捜査一課に行けるかも知れないとアドバイスを受ける。しかしLの一族とは三雲家の事。その事実を和馬は何も気付いていなかった。

 

見事なベタ展開の嵐に何かあるとミュージカルに走る演出。まともなドラマだと捉えて見るには辛すぎる内容だが、この手のドラマあるあるを狙って作り上げたコメディーだと思ってみればこれはこれで楽しめる。キャスティングがとにかく奇をてらっている割にはハマっていて、思わず笑ってしまう。特に華の祖母のインパクトの強さは他の追随を許さない程強烈である。

 

根本となっているのは警察一家の息子と泥棒一家の娘の恋愛。つまりは相容れない家同士のロミオとジュリエット展開である。この設定何処かであったなーと思いつつ、まあ期待を見事に裏切らずどうしてこれがバレないんだと思う事ばかり。あからさま過ぎるのに歌で誤魔化す場面も。しかも「産みたいの〜」と歌い上げる歌詞の内容にも笑いが。とにかく何かあってもネタで笑い飛ばそうとする精神に感服する。

 

割り切ってしまえば笑える。つーか笑うしかない。

 

満足度は★★★★

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ランウェイ24

  • 2019.10.12 Saturday
  • 15:50

【出演】 朝比奈彩、犬飼貴丈、白石隼也 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

航空会社に副操縦士として就職した女の恋に仕事に頑張る姿を描く航空業界お仕事ドラマ。

 

大阪に拠点を置く航空会社『Peach』に入社した井上桃子は念願の副操縦士となり張り切っていた。亡くなった桃子の父親もまた航空会社で操縦士を務めていて、ずっと憧れていたのだ。ある日、桃子が出勤しようとすると近所の妊婦が急に産気づいてしまう。慌ててタクシーを呼んで送り出したものの、会社には大遅刻。何とか事無きを得たが、操縦士の新開と今日のフライト予定の飛行機に乗ろうとした途端トラブルが発生する。何と搭乗予定のプロレスラーが荷物を二つまでしか持ちこめないと注意されて怒り出したのだ。飛行機のチケットを購入したのはこのプロレスラーの付き人だが、この付き人がプロレスラーにPeachの規則を伝えていなかった事が原因だった。更には毛布が機内に用意されていないと知ってとうとうプロレスラーが暴れ出し、話を聞いた桃子は説得に当たると申し出る。しかしプロレスラーは桃子が副操縦士では信用出来ないと言い出し、一触即発の状況に。

 

実在する格安航空会社『Peach』を舞台に、子供の頃からの夢である操縦士となった桃子が操縦士に一生を捧げる決意と覚悟が出来るまでを描いたストーリーで、様々な出来事や困難を経て桃子が成長する姿が清々しい。仕事も家庭もと欲張る女性もいるが、誰もが何もかもを手に入れられるわけではない。時には夢のために何かを諦める覚悟も必要となる。または夢を追いたくても追えなくなってしまう事もある。当初は仕事も恋愛も順調な桃子がさながら現代女性の象徴に見えたが、やがて自分にとって何が一番なのかを選択する試練がやってくる。欲しい物を貪欲に手に入れられないもどかしさや悔しさ、そして悲しさ。しかしそれを乗り越えた時、自分の進むべき道が見えて来る。何もかも手に入れてしまうヒロインより、何かを諦めながら生きるヒロインの方がよりリアルに感じた。

 

さて飛行機の操縦士という職業は難関であるが故に格好良く見えるし、憧れる存在でもある。しかし実情は乗客の命を預かるだけあって非常に責任の重い職業である。また飛行機はただ操縦士だけがいれば良いものでもない。例え一緒に飛ばなくても多くのスタッフが関わっている事もこのドラマでは伝えてくれる。特に興味が惹かれたのは飛行機の運航に重要な役割を果たすディスパッチャーだった。ドラマ内では少々無茶な状況を作り出しているものの、人間の力では如何ともし難い自然を相手にしての判断の難しさを思い知らされる。

 

満足度は★★★★

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