肉体の処刑

  • 2017.08.24 Thursday
  • 17:35

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 高橋恵子、西村晃、小林薫 他

【放送】 1982年(TBS)

 

人妻が全裸で惨殺された事件が起きる。その事件を軸に一つの家族の真の姿を浮き彫りにするミステリードラマ。

 

場末のスナックのママを務める母親から売春を強要される生き地獄のような日々を送っている光子に一人の老人が息子と結婚して欲しいと言って来る。光子は即座に快諾し、老人の長男・邦夫と結婚する。母親から逃げ出すにはそれしか術が無かったのである。五年後、光子は国枝家の嫁として暮らしていた。夫は仕事熱心な刑事で、義弟の達夫は雑誌記者、舅は元刑事だが今は認知症で介護が必要な状態。多少の不満はあっても光子は幸せだった。そんなある日、人妻が全裸で斬殺される事件が起きる。何故か被害者の服の胸元には花が飾られていた。事件の担当となった邦夫は躍起になって捜査に取り組み、その結果、被害者が社会問題ともなっている主婦売春を行っていた事実を掴む。その頃、丁度達夫は主婦売春を追っていて、邦夫は達夫に情報提供を依頼する。

 

初っ端から血塗れの女性の遺体が登場する等、非常に問題となる場面の多い作品である。全裸遺体の血生臭い残虐性や主演の高橋惠子が濡れ場で惜しげもなく胸を露わにしたりする性表現等、現代ではおそらく無修正では地上波での放送は難しいと思われる。ストーリーの流れや演出はテレビドラマのそれとは一線を画していて、まるで映画を見ているかのように丁寧な作りになっている。現代のような人間の醜い部分にオブラートをかけたような綺麗さを捨て、泥臭い人間を表現した作品だと言えるだろう。

 

さてストーリーに目を向けると、従来の刑事ドラマのように殺人事件が起きて事件解決で終了という単純な内容ではない。殺人事件はむしろ伏線で、実際に焦点が当たっているのは光子が嫁入りした家族なのである。序盤は朝食を家族全員で食べ、認知症の舅を息子達も光子も温かく見守っているような幸せを絵に描いたような表現がなされている。ところがここで視聴者に与えた幸せな家庭の認識を次々破壊していくのがこのドラマの真の目的となっている。

 

当初、光子はどちらかと言えば不遇な女性といった印象を与える。認知症の舅は何をしでかすか判らず、時折光子の胸元に欲望の眼差しを向けている。義理の弟は兄の目を盗んでは露骨に光子に迫って来る。夫は仕事への熱意はあるが、仕事の不満を光子への暴力という形で晴らしている。そんな過酷な家庭環境の中、何故光子が逃げ出さないのか。非常に不思議に感じる点である。また光子だけではない。その他の家族も何かしら家族に言えない秘密を隠し持っている。見た目は如何にも平和な家庭なのだが、何処かぎくしゃくした感じが常に漂っているのである。そしてその秘密は事件と共に明かされていく事になる。言わばこのドラマは殺人事件を扱うミステリー作品のように見えて、実は家族の秘密を追うミステリーと言えるだろう。

 

感心するのはそれぞれの人物の性格や考えを単に言葉で解説するのではなく、行動や仕草、回想によって登場人物に人間性を持たせている点である。良い意味であまりテレビドラマらしくない。演出に繊細さを感じさせる良作である。

 

満足度は★★★★★

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怪談 牡丹燈籠

  • 2016.01.20 Wednesday
  • 22:00
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 佳那晃子、林与一、谷啓 他
【放送】 1982年(フジ)

次に会う約束をして別れた相思相愛の男女の悲恋を描いた時代劇。怪談噺の傑作の一つである『牡丹灯籠』の実写ドラマ化。傑作怪談シリーズの第一作として放送された。

月夜の晩、墓を暴こうとする不届きな輩がいた。牡丹の絵が描かれた燈籠の下には先頃亡くなったばかりの旗本の娘が眠っていると聞いて、娘の振袖やかんざしを盗みに来たのだ。ところが死臭は一切しない。どれだけ美しい顔が拝めるかと棺桶の蓋を開けると、白骨化した娘は涙を流していた。それを見た二人は仰天して逃げて行った。時は遡り、旗本の娘・お露がたちの悪いごろつきに絡まれた時の事。浪人の萩原新三郎が見掛けてお露を救い出した。何とお露は非業の死を遂げた新三郎の亡き妻・お菊と瓜二つだったのである。新三郎は一目でお露に心を奪われる。お露もまた新三郎に思いを寄せるが、その頃、お露には父親の妾・お国が勧める縁談が持ち上がっていた。ある日、お露は先日の礼を言いに新三郎の家を訪れる。相思相愛の二人は夫婦の契りを交わし、将来を約束するが、また会う約束をしたにも関わらずお露は新三郎の前に現れなくなってしまう。

あまりにも有名な怪談噺だけに、仮に中身を知らなかったとしてもタイトルくらいは知っているという人も多いのではないだろうか。時代劇の怪談はお化けが出た!という所で終わるのではなく、お化けをやっつけようとするアクションが見られる。しかし悲しい事に人間のする事だけに何かしらしくじってしまうというのがお約束のパターンとなっている。その代表例が『耳なし芳一』だが、このドラマも同じような末路を辿る。判り易いと言えば判り易いが・・・。

冒頭の場面が一体どこに繋がるのだろうと思いながら見ていたが、直接繋がる場面は用意されていない。最後まで見ると、ようやくああ、この辺りに起こった内容なのだと判って来る。この冒頭の部分ははっきり言って無くても構わない。大抵は何だったのだろう?と思っただけで忘れ去ってしまうだろうが、後々考えると、この冒頭の部分がやけに重要なカギを握っていると気付かされる。ちょっとした脚色なのだろうが、面白い演出ではある。

それにしても時代劇はやはりこの時代に制作された時代劇の方が断然自然である。昨今制作された時代劇は画面がはっきりしてしまい過ぎて、セットも綺麗だし何となく味気ない。仄暗い不明瞭さが時代劇にはしっくりくるとこのドラマを見てつくづく思った。

満足度は★★★★

 
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ひねくれた殺人

  • 2015.01.31 Saturday
  • 21:56
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【出演】 田村正和、大出俊、加賀まり子 他
【放送】 1982年(テレ朝)

社長の後妻との関係をネタに脅迫された男に持ちかけられたのは交換殺人だった。交換殺人を巡るミステリーサスペンス。原作は海渡英祐著の『ひねくれた死』(『罠のなかの七人』所収)。このドラマは春の傑作推理劇場の一編として放送された。

サラ金業者『サラリー・ローン』の社員である伊関は山辺社長の後妻・悦子とのアバンチュールを楽しんでいたが、ある日、急に帰宅した山辺に見つかりそうになる。悦子の機転で何とかその場をおさめる。しかし後日客からの回収金を横領して株の損失の穴埋めしている事を山辺に勘付かれ伊関は窮地に陥る。そんな時、伊関に声を掛けてきたのは吉川という探偵だった。彼は妻の行動に不審を抱いた山辺から悦子の素行調査を依頼され、証拠の写真を持っていた。これ以上山辺の機嫌を損ねれば命が危ない。焦る伊関に吉川は交換殺人の話を持ちかける。

欲望に取り憑かれた者の顛末を描いたストーリーで、窮地に陥った男の愚行を描いたように見せかけて、悪行に手を染めた者はどんな人間にも等しく天罰は訪れる教訓めいた内容になっている。タイトルは『ひねくれた殺人』となっているが、本当にひねくれているのは殺人ではなく人間の心だろう。

原作が短編小説だけに最後のオチはなかなか皮肉めいていて面白い。短編小説が最後のオチが命。それがこのドラマにもしっかり反映されていた。人間、真面目に生きるのが一番である。

満足度は★★★★

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黒い館の女

  • 2015.01.17 Saturday
  • 21:24
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【出演】 松坂慶子、石橋蓮司、岡本麗 他
【放送】 1982年(テレ朝)

夫の死後、突然夫と名乗る男が家を訪れる。しかし盲目の妻にはその正体を知る由はない。見知らぬ夫に命を狙われる妻の恐怖サスペンス。原作は小林久三著の『見知らぬ夫』。

ガードレールを突き破って車が転落する。乗っていた石黒佐知江は間一髪車から飛び出して通り掛かったトラックの運転手に命を助けられるが、運転していた夫の辰男は助からなかった。盲目の佐知江は辰男の四十九日法要を済ませた後、資産家の辰男が遺した豪邸で一人暮らしを始める。ところがその夜、突然家にやってきた男が我が物顔で辰男のように粗暴に振舞う。しかし辰男は確かに死んだはず。佐知江は恐怖に怯えながら弁護士の戸川に電話をし、助けを求める。ところが車で駆けつけた戸川はその男を辰男だと断言する。

まるで映画を思わせるようなカメラアングルで進行し、とかく一時間の枠では話が端折られていささか乱暴な展開になりがちなサスペンスドラマだが、このドラマは実にきっちりと仕上げられている。過去と現在の場面の移行が自然に行われ、全編に渡ってヒロインの悲しみや孤独が痛切に伝わってくる。また松坂慶子の好演もあり、非常に完成度の高いドラマである。

さてストーリーに目を向けると、この当時のミステリーにはありがちな設定で非常に懐かしさを覚える。勿論現代では通用しない。そしてこうしたミステリーは大概本当に追及すべき謎は別にあるのが特徴で、このドラマも例外なくその流れを汲んだ一つとなっている。ところがお約束のドラマ最後の謎解き場面は存在しないというのが珍しい。これはもはやドラマと言うより一つの作品と言えるだろう。

満足度は★★★★★

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森村誠一の凶学の巣 女子学級委員の謎の死 先生、好きです

  • 2013.04.10 Wednesday
  • 00:04
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【出演】 小野寺昭、浅茅陽子、玉岡加奈子 他
【放送】 1982年(テレ朝)

問題を抱えた学校に赴任した熱血教師が体当たりで学校の問題と対峙していくサスペンス。原作は森村誠一著の『凶学の巣』。小野寺昭が暴力に屈しない勇敢な教師を熱演。校内暴力のはびこる学校を舞台にしているので内容はかなりハードな内容で、不良生徒が教師に暴力をふるったり、校内を破壊したり、女性をレイプしたり、女子中学生が手当たり次第に男と寝る場面などが惜しげもなく展開される。

教え子に手を出した事をネタに脅迫されていた中学の数学教師が飛び降り自殺を図った。後任に赴任したのは樹木彪(きぎひょう)。彼は前の学校で女子生徒を助けるためにヤクザと対決した過去を持つ。妻に見送られて出勤した初日、樹木が見たのは職員室で父兄に因縁をつけられ土下座させられている体育教師と、事なかれ主義の教師達。早速授業に向かった三年二組では生徒達が全員後ろ向きに座ると言う歓迎を受ける。ところが樹木の過去を知った牛山が乱入してその場は何とか治まる。牛山は番長で、女性教師の話から校則が厳しいこの学校が荒廃したのは牛山が転校してきてからだと判る。樹木が担任となった三年五組は比較的大人しいクラスで、学級委員の舟木えりを始め好意的な生徒達の態度にほっと安堵する。

現在ではほぼ使われなくなった『トルコ』やら『番長』、『腐ったみかん』等々の言葉があちこちで飛び出す。またBGMに使用されているのが横浜銀蠅の『つっぱりHigh school Rock'n Roll』や山下達郎の『永遠のFULL MOON』等々その時代のヒット曲ばかり。当時を知る人には何とも懐かしい限りである。

ドラマは原作を元に制作されているため時代が少々ずれているような気がするが、どの中学校でも校内暴力に手を焼いていた時期があったのは事実である。ドラマの内容はその当時の学校が抱える問題点に着目し、問題児と熱血教師がぶつかりあう様を中心に描いている。そのため暴力場面がてんこ盛り。教育上は決して良いとは言えない。

このドラマの中で特に印象に残っているのは体育館で制服を脱いで男性教師を女子中学生が誘惑する場面。勿論、脱いだと言っても下着姿ではあるものの、子供を守る過敏な現代では過激な性描写とレッテルを貼られかねない場面でもある。他にもインパクトの強い場面は多々あるのに、何故かこの場面だけが頭にこびりついて離れなかった。

ドラマの大半は学校の問題と熱血教師がどう立ち向かうかにあり、肝心の女子生徒の殺害事件が起きるまでの道のりが非常に長い。そうは言ってもそこに至るまでの様々な状況は決して外せない内容である。通常、サスペンス物のドラマは殺人事件があってナンボなので、こうしたじっくりと道筋を辿るストーリーも変わっていて面白い。唯一残念に思うのは、樹木の妻の設定が全く活かされなかった事だろうか。

満足度は★★★★★
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バックミラーの中の女

  • 2012.07.09 Monday
  • 00:07
 JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 田中邦衛、神崎愛、左時枝 他
【放送】 1982年(日テレ)

妻をひき逃げした犯人を追うタクシー運転手を狙った巧妙な罠。殺人容疑のかかった仲間を救うためタクシー会社が無線を使った追跡調査を敢行。事件の鍵を握る女を探し出せ!ひき逃げ事件から始まるサスペンス。

タクシー運転手の岩本は仕事には満足していたが、月々の収入が安定していないのが玉に瑕。マイホームのローンはまだ十五年も残っており、妻からは車関係の会社への転職を勧められていた。しかし岩本は会社勤めが大の苦手。その事で口論となり、妻は息子を連れて家を出た。ところがその直後、妻は車にひき逃げされ死亡。岩本は現場から走り去る車に乗った男を目撃する。

ひき逃げ犯を追うという大義名分はあるものの、タクシーを完全私物化して犯人探しを続ける主人公。こんな行為が良く許されるものだと思っていたら、まさかのタクシー会社が一致団結して主人公を陥れた女の捜索劇に発展!これというのも主人公の人徳があるという事なのだが、最も彼を理解しているはずの妻がそうした彼の資質に気付かず、結果として命を落としたとは皮肉なものである。

さてどうしてこんな展開になったかと言えば、偏に「無能な警察になんか任しておけるか!」という主人公達の意地がある。モンタージュがあるにも関わらず雨を理由にひき逃げ犯をあげられないばかりか、女の企みに見事にはまって岩本を殺人事件の容疑者と決めつける警察陣。おまけに脚本の誤植か俳優の読み間違いかは知らないが、容疑者を特定する場面で容疑者の名を『岩木』と発言。これは幾ら何でもないだろう。

このドラマは主人公目線と女目線の双方から進行していくため、何が起こっているのかは概ねドラマを見ている視聴者には伝わる構成になっており、その中で幾つかの重要な事実だけが伏せられ、二転三転する展開の中で真相に近づいていくようになっている。残念なのはこのめまぐるしく変わる状況が呆気なく終わってしまう事。本来はこの展開で視聴者を驚かし、引き込む予定だったのだと思うが、それよりはタクシー会社社員による犯人探しの方が遥かに面白かった。

満足度は★★★★
岩崎 宏美
ビクターエンタテインメント株式会社

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校内暴力殺人事件 −狙われた女教師−

  • 2012.06.21 Thursday
  • 08:40
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 原日出子、二谷英明、水島かおり 他
【放送】 1982(日テレ)

校内暴力で荒れる公立中学校の教師が殺害される。被害者の恋人が殺人事件の謎を追うミステリーサスペンス。1971年に放送された『クラスメート−高校生ブルース−』のリメイク版。

盛岡の高校で講師をしていた森下正子は教え子三人に乱暴されかけたショックで教師を辞め、その足で東京で公立中学の教師をしている恋人・村山の元へと逃げ込む。正子を襲ったのはいずれも新聞部の普通の男子生徒。普段から正子が可愛がっている生徒達だった。教師に自信を失った正子に村山はプロポーズするが、その夜、担任している生徒の父兄から子供が書置きを残して家出したと電話で呼び出される。ところが翌朝村山は学校のプールで遺体となって発見された。

ドラマが放送された時期は丁度校内暴力が社会問題となっていた時期に当たる。ドラマの中の刑事の説明を引用すれば公立中学の三校に二校は番長が存在し、非行に走った生徒をまとめていたという。舞台となる日下中学も例外ではなく、非行少年少女を統括する番長・花輪が幅を利かせている。事なかれ主義の教師達は彼らの更生よりも排除を望み、学校の問題に熱心に取り組もうとする教師を『変わった』という形容詞をつけて厄介者扱いする。当時の中学の様子が窺い知れるようである。

そんな最中に起きた教師の殺人事件。しかも殺されたのは学校の問題に正面から向き合おうとする熱意ある教師だった。一度教師から逃げ出した正子は恋人の遺志を継ぐため日下中学の臨時教員として村山の後任を志願する。

ドラマを見ていると問題があるのは生徒よりもむしろ大人達の方にあるように思える。確かに生徒達は気に入らない事があればすぐに暴力に訴える生徒達の素行には問題はあるが、実は良く見ていると番長を中心に非行に走った生徒だけでなく一般の生徒までもがしっかりまとまっているように思える。おまけに番長の花輪は悪ぶってはいても父子家庭で家事一切をこなす親孝行な生徒。そんな花輪の一面をきちんと見ているのが校医の伊達だけというのも悲しい現状である。何かあれば生徒を恐れて警察に連絡し、生徒の問題に向き合おうとしない教師達、子供に過剰な期待をかけて子供のためだという大義名分で物事を公平に見られなくなった父兄達。そんな大人達の中で大人を信用して学校に通えという方が難しいのかも知れない。

頭に血の上った生徒達が集団で教室や廊下の窓ガラスを割り、机やいすを投げつける破壊行為は圧巻である。窓ガラスがかなり薄い安物であるのはさておき、生徒達が暴れる様をドラマ内で結構な時間扱っている。また中学生が平然と煙草を吸う場面がふんだんに取り入れられている等、今の常識からすれば放送するにあたって問題となる箇所が随所に見られる。却って斬新に思えた。

満足度は★★★★
岩崎 宏美
ビクターエンタテインメント株式会社

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セーラー服と機関銃

  • 2011.08.31 Wednesday
  • 00:27
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 原田知世、高柳良一、鹿内孝 他
【放送】 1982年(フジ)

平凡な女子高生がある日突然ヤクザの組長に!ヤクザ同士の抗争に巻き込まれていく高校生組長の痛快ミステリーサスペンス。原作は赤川次郎著の『セーラー服と機関銃』。この作品は前年に薬師丸ひろ子主演で映画化され、セーラー服姿で機関銃をぶっ放した後の台詞「快感」を使用したCMが話題となった。テレビドラマ版は同じく角川三人娘の一人である原田知世が主演を務め、これが原田知世のデビュー作となっている。また主題歌の『悲しいくらいほんとの話』も原田知世のデビュー曲である。毎回流れるこの曲が本編以上に印象深かったのだが、薬師丸ひろ子が歌った映画版の『セーラー服と機関銃』のインパクトがあまりにも絶大で、あまり注目されなかった。

高校生の星泉は不慮の事故で唯一の肉親である父親を亡くしてしまう。それでも気丈に学校へ登校する泉をクラスの仲間やボーイフレンドの周平が温かく迎えていた。ところが帰宅途中の泉を強面の男達が連れ去っていく。到着したのは目高組と看板が掲げられた弱小ヤクザの事務所。実は泉の父は亡くなった前組長の甥。遺言で次の組長に指名されていたが、既に亡くなっているためその役が泉に回って来たのである。

角川で行われた映画『伊賀忍法帖』オーディションで特別賞を受賞した原田知世が起用された大ヒット映画のテレビドラマ版ではあるが、流石にデビュー作となると演技の堅さは否めない。長めのおかっぱ頭にセーラー服を着た原田知世は可愛らしくはあったものの、周囲のベテラン俳優陣に囲まれていっぱいいっぱいになっている様子が窺えるようで、危なっかしいどころの騒ぎではない。但しテレビドラマ版は映画版とは異なりコミカルな路線を歩んでいるので、何とか見れる程度には収まっている。

原作ではかなり残虐非道な行為が行われているが、流石にそれをそのまま映像化することは出来ないためその部分は別の内容に差し替えられている。それは映画版とほぼ一緒だが、テレビドラマ版では更にキスシーンも排除されている。テレビドラマである以上は制限された時間内で詰め込む映画より丁寧に制作して欲しかった。

満足度は★★★★
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ねらわれた学園

  • 2011.08.30 Tuesday
  • 21:53
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【出演】 原田知世、伊藤かずえ、本田恭章 他
【放送】 1982年(フジ)

何者かによって支配された学園の異変に気付いた超能力を持つ少女の戦いを描いたSF学園サスペンス。原作は眉村卓著の『ねらわれた学園』。この作品は1981年に薬師丸ひろ子主演でヒットした作品のテレビドラマ版で、主演は同じく角川三人娘の原田知世が務めている。映画版のボスは漫画チックな扮装でかなりちゃちな終幕となっていたため同じような流れになるのではと心配したものの、テレビドラマ版はその流れは汲まず最後まで人にとって何が大切なのかを考えさせる内容となっている。

楠本和美は平凡な高校生。関耕児という仲の良いボーイフレンドもいる。ある日、和美のクラスに高見沢みちるという美少女が転校してくる。その日を境に平和だった学園の様子が少しずつ変わり始める。

当時フジテレビで制作された学園ドラマ『翔んだ○○シリーズ』でお馴染みの面々が出演しているため、コミカルな方向に走る部分はあるものの羽目を外し過ぎず、常にシリアスなムードを保った作品でもある。前作『セーラー服と機関銃』では長かった髪をばっさりと切って役に挑んだ原田知世の透明感ある演技に対し、ロングヘアーに鋭い眼光で圧倒的な存在感を放った伊藤かずえが対象的で非常にインパクトのある作品となった。また裏で高見沢みちるを操る京極役には本田恭章が起用され、映画とは全く異なる妖しい魅力を持った京極少年が誕生している。

ドラマの中で登場する戦いは生徒が学校の横暴に対決する闘争からやがて超能力同士の戦いへと移行していく。超能力者同士の争いを視覚的に表現するためにドラマ内では度々ビームのような効果で表現している。当時としてはそれが精一杯だと思うが、今となってはかなり陳腐な表現である。

さてテレビドラマ版で最も注目したいのは衝撃のラストである。学園を、地球を救う唯一の方法として和美は自らを犠牲にする決意をする。本来ならばこれでTHE ENDでも良さそうなものなのだが、ここに一つの問題を投げかけている所が憎い!それぞれの登場人物が悩みながらも答えを導き出すラストは是非、見て欲しい。

満足度は★★★★★
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過去のない女たち

  • 2010.04.29 Thursday
  • 00:04
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 池上季実子、高樹澪、北詰友樹 他
【放送】 1982年(TBS)

かつてTBSで放送されていた『金曜ミステリー劇場』では女性が主役のミステリー作品を月代わりで放送している。主題歌となった高樹澪のヒット曲『ダンスはうまく踊れない』の物憂げな歌が、ドラマの不条理な展開と見事にマッチし、ラストシーンでは何ともやり切れない気持ちにさせられる。このドラマは第三弾として放送され、主題歌を歌う高樹澪自身がドラマに登場している。原作は高橋玄洋著の『分水嶺』。

精神神経科で助手を努める良介と教授の娘・佐智子が婚約する。かねてから良介に思いを寄せていた佐智子にとっては喜びもひとしおだった。ある日、良介の前に行方不明となった昔の恋人に瓜二つの女が現れる。しかし見かけはそっくりだが中身はまるで違う。キスさえ戸惑うような純情な昔の恋人と異なり、その女は金さえ貰えば誰とでも寝るような退廃的な女だった。やがて女が記憶喪失と知った良介の心は次第にその女へと傾いていく。

さらさらの美しいロングヘアの高樹澪が非常に印象的だったこのドラマ。その一方で常に婚約者の心変わりを恐れる池上季実子の哀愁漂う演技が見物。本来なら美しく何不自由ないお嬢様のはずなのに、そのアンバランスな役割に女の切なさが溢れていて、良介を巡る二人の女のどちらに肩入れしようか迷ってしまう。

ドラマの決め手となるのは五年前の出来事。良介の恋人が遭難した山で何が起こったのか、真相を知っているのは同行していた佐智子だけ。しかし真相を明らかにすることは決して幸せなことでは無い。時には真相を伏せていた方が幸せな時もある。このドラマは記憶喪失の女が記憶を徐々に取り戻すことで真相が判明するが、そのあまりにも過酷な過去に絶句する。おまけに誰一人として幸せになれないという展開に空しさだけが残される。

満足度は★★★★★
テレビ主題歌,松居直美,丸山みゆき,高田みづえ,麻倉未稀,MIE,東京JAP,小比類巻かほる,高樹澪,椎名恵
キングレコード
¥ 2,207
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