砂の器

  • 2014.12.30 Tuesday
  • 00:04
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 仲代達矢、真野響子、田村正和 他
【放送】 1977年(フジ)

顔面を潰された身元不明の遺体の事件の真相を本庁の刑事と相棒の若手刑事が執念で暴く社会派ミステリー。原作は松本清張著の長編小説『砂の器』。

昭和49年7月10日未明、作業員が西蒲田にある操車場の電車下で顔を潰された男の遺体を発見する。本庁の今西刑事も蒲田西署の刑事達に合流し現場検証を行うと、顔を潰した際に使用されたと思われる血の付着した石が近くの草むらから見つかった。遺体解剖の所見では男の死因は薬物によるものと判明。胃の内容物からアルコールに混入された睡眠薬で眠らされた後、薬品で殺害され、その後顔を潰されて放置されたと警察は見ていた。しかし身元を特定する所持品は一切なかった。今西は蒲田西署の刑事・吉村と共に付近の聞き込みにあたっていたが、男がスナック『チェリー』を前夜に訪れていた事が判る。店員の証言によると、男がズーズー弁で連れの男と十に時近くまで話していたと言う。また男達が「カメダ」を話題にしていた証言を得る。この事から警察は東北方面の「カメダ」姓の人物に焦点を絞るも全て空振りに終わった。

仲代達矢扮する今西刑事は無類の野球好きで巨人ファンと言う設定。捜査中も常にラジオのイヤフォンを耳に装着し、試合の放送を聞いている。また今では考えられないが、放送当時の大人の男性の憧れの象徴であるくわえ煙草も特徴の一つ。しっかりとくわえているわけではなく、唇の先で先端を挟む程度で煙草を遊んでいるので、今から見るとイラっとする。仕事にはどちらかと言えば無気力で、元エリート敏腕刑事の影はどこにもない。妻に逃げられ、今では帰宅すれば白のランニングにズボン下姿でカップヌードルを片手にテレビでプロ野球を見る侘しい男やもめ生活を送る等々、今西刑事の人物像がかなり細かい点まで掘り下げて描かれている点を見るとこのドラマを制作するにあたって相当拘り抜いて制作されたと思われる。ドラマ全編を通じてとにかくこの今西の人間臭さが随所に表現されている。

さてドラマのテンポは決して良いとは言えない。前述したように犯人よりも今西の人間性の方にスポットが置かれているので、しょっちゅう脱線する。別れた妻の妹・雪子との関係も事件と同時進行で発展し、二人の関係がどうなるかも楽しみの一つとなっている。また今西が無類の野球好きという設定なのでしょっちゅう巨人戦が流れてくる。舞台となった昭和49年は巨人がV10を逃した年でもあり、同時に長嶋茂雄が引退した年でもある。当時は野球が国民的スポーツとしてもてはやされていた時代でもあるだけにそうしたニュースはやはり触れずにはいられない程に衝撃的な出来事であったと窺える。

尚、原作で登場するハンセン病は差別的な意味合いがあるため実写化された作品には使用されていない。このドラマも例外ではなく、ハンセン病は精神疾患に置き換えられている。昭和初期の話とは言え、精神疾患の人間が生き延びる術としてお遍路として旅立たせる(お遍路ならば物乞いしても非難されないため)というのは酷い話に思える反面、人を養う余裕のない貧しい田舎の村ではそうした事も行われていたのかと感慨深く見てしまう。

ところでストーリーはやはり圧巻である。訛りの発言分布からカメダの由来等々、問題を解決するまでに扱う謎の視野が非常に広く、幅広い知識を要求される。時間的な尺度で言えばそう長い時間ではないのだが、今西が真相に辿り着くまでの道のりは険しく迷宮の中を手探りで進んでいるようなものである。その分見応えがあり、話が進むにつれぐいぐい興味を惹かれる。

満足度は★★★★★

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岸辺のアルバム

  • 2011.11.08 Tuesday
  • 11:59
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 八千草薫、国広富之、中田喜子 他
【放送】 1977年(TBS)

一見何の問題もなさそうな家族が崩壊し、やがて家族の絆を取り戻すまでの軌跡をそれぞれの秘密や苦悩などを通して描いたホームドラマ。クライマックスで扱われている台風の場面は放送の数年前に起きた多摩川水害が背景にあり、家屋が流される場面は当時の本物の映像が使用されている。主題歌に使用されたのはジャニス・イアンの『ウィル・ユー・ダンス』。軽快で爽やかな楽曲とは裏腹にドラマは当時としては非常にショッキングな内容を扱っており、重苦しい場面が多かった。

田島家は一家四人のごく平凡な家庭。子供達はそろそろ親の手を離れる年頃。夫婦は倦怠期を迎えていた。ある日、専業主婦の則子はかかってきた電話に出る。変わり映えのしない毎日に退屈していた則子は電話の相手と意気投合し、会う約束をしてしまう。長男・繁は則子がその男と不倫する現場を見てしまう。しかしそれは則子だけはなかった。夫の謙作も、姉の律子もそれぞれが世間には明かせない秘密を持ち、家族が既に崩壊寸前であると知った繁は苦悩する。

ドラマ開始早々則子が足踏みミシンを使用する場面にまず驚かされる。延々と続く単調な足踏みミシンの音。何も言わなくてもそれだけで則子がいかに日常に退屈しているかが伝わってくる。子供が成長し手がかからなくなり、夫とは倦怠期を迎えろくに会話もない。毎日当たり前のように家事を行っても家族からそれを評価されることもない。専業主婦は外との接点がなく、せいぜい近所の人と顔を合わせる程度。そんな当時の専業主婦のため息がその場面だけで聞こえてきそうな感じさえする。

色々な意味で話題性に富んでいたドラマであるが、未婚女性の妊娠中絶、貞淑な妻の不倫、売春斡旋等々今でこそ『出つくされた家庭問題』で済まされてしまうが、当時としてはこれだけの要素が一挙に詰められた内容は相当衝撃的だったのではないだろうか?

満足度は★★★★
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悪魔の手毬唄

  • 2011.08.09 Tuesday
  • 08:53
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【出演】 古谷一行、夏目雅子、池波志乃 他
【放送】 1977年(TBS)

村出身の歌手の帰省で活気づいた鬼首村で起こった連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑むミステリー。原作は横溝正史著の『悪魔の手毬唄』。放送以前に一足早く石坂浩二主演の同名映画が公開されていたため前評判が非常に高かった。尚、登場する手毬唄は横溝正史自身がストーリーに合わせて作詞したもので実在する手毬唄ではない。子供向けの歌や童話が本来は残虐描写を孕んだものであるように、この手毬唄にもそうした傾向が含まれている。既に作者は『獄門島』で俳句になぞらえた連続殺人事件を扱っているが、それをもっと発展させた内容になっている。横溝正史シリーズ(第一シリーズ)のフィナーレを飾る作品として放送された。

金田一耕助は静養のために鬼首村の温泉宿『亀の湯』を訪れていた。亀の湯の女将はかつて夫を詐欺師の恩田に惨殺されたと言う悲しい過去を背負っている。妊娠中に夫の死を目撃したショックから娘の里子は体の半分が赤い痣で覆われて生まれた。一方、長男の歌名雄は村一番の人気者で由良家の泰子と交際中。有力者・仁礼家の娘・文子も歌名雄に熱を上げていて、泰子に嫉妬心をむき出しにしていた。そんな中、村出身の人気歌手の大空ゆかりが帰省する。ゆかりは恩田が鍛冶屋の娘に産ませた私生児で、ゆかりを良く思わない村人も多い。それでも催された歓迎会の夜、出席する予定の泰子が行方不明になる。

この話も横溝正史の世界に良く見られる奇怪な殺害方法による連続殺人に、そして昼ドラ真っ青のドロドロした複雑な人間関係。それでいて決してただの猟奇殺人に留まらず、そこには人間の心情を丁寧に描いた人間ドラマが形成されている。横溝正史の作品は非常に奥行きの深い作品が多く、このドラマもまたそんな作品の一つである。

きっかけは些細な理由だったとしても、殺人を犯すには殺人を犯すだけの動機がきっちり存在する。現在は動機なき殺人などが取りはやされているが、そうではない古い時代の推理小説の良さがそこにある。おどろおどろしい手毬唄の不気味さばかりが先行してしまうドラマではあるが、じっくりと練られたストーリーはミステリーであることを抜きにしても秀逸である。

満足度は★★★★★
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
(1971-07-14)

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悪魔が来りて笛を吹く

  • 2011.07.31 Sunday
  • 21:23
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【出演】 古谷一行、壇ふみ、沖雅也 他
【放送】 1977年(TBS)

実際に起こった帝銀事件をストーリーに取り入れた没落華族に起こった連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑むミステリー。原作は横溝正史著の『悪魔が来りて笛を吹く』。二年後には西田敏行主演で映画化もされているが、その際にはCMで「この小説だけは映画にしたくなかった」と作者が語るほど濃厚なインモラルな世界を描いた内容で、原作通りの内容での実写化は現代でも難しいと思われる。このドラマは『犬神家の一族』より始まった横溝正史シリーズの第四弾として放送された。

終戦後の日本、金田一耕助の元を訪れたのは天銀堂事件の犯人の容疑者となった椿英輔元子爵の娘・美禰子だった。椿英輔は嫌疑をかけられた後行方をくらまし、後日信州で遺体となって発見されている。美禰子は父の汚名を晴らして欲しいと遺言を見せる。そこには『悪魔が来りて笛を吹く』と書かれていた。金田一は椿家を訪れ、英輔の生死を占う砂占いに参加する。しかし停電の間に砂の上に奇怪な文様が現れ、それを見た椿家の面々は騒然となる。

終戦後の日本で、まるでそこだけ時が止まったように椿家は栄華の時代を生きている。華族制度が廃止された以上、例え元は高貴な家柄の人間であろうと庶民と同じ扱い。既に華族への特権は剥奪され、椿家は没落の一途を辿っている。しかし椿家の人々はその現実を受け入れようとはしない。謂わば華族の亡霊がそこで息づいているようなものである。

そんな椿家の中で起きた連続殺人事件は、殺人を予兆するように流れるフルートの音色、亡くなった椿元子爵とそっくりなフルートを吹く男の登場とミステリアスな要素が満点。その裏には決して口外出来ない椿家の面々のインモラルな関係が色濃く隠されている。この作品は何度も実写化されているが、その辺りのタブーを如何に表現するかによってそれぞれストーリーや登場人物、人間関係が大きく異なってくる珍しい作品でもある。

このドラマでは終戦後の日本の状況も泥臭く描かれている。金田一が椿家から離れて天銀堂事件の捜査をする際に椿家の生活とは雲泥の差のある場末の街並みが登場する。時代を考えれば庶民たちが行きかうその光景こそが現実であり、椿家の浮世離れした感覚が浮き彫りにされる瞬間でもある。そのギャップが椿家の未来を象徴しているようでもあり、何とも言えない空しさを感じた。

満足度は★★★★★
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
(1973-02-20)

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獄門島

  • 2011.07.29 Friday
  • 23:45
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 古谷一行、島村佳江、金子信雄 他
【放送】 1977年(TBS)

離れ孤島である獄門島を訪れた金田一耕助が巻き込まれた連続殺人事件。この作品は奇しくも映画版『獄門島』公開直前に放送されることとなり、そのせいかテレビ版と映画版では犯人が異なっている。またこの作品には放送禁止用語が重要な手掛かりとして使用されているため、これまで実写化された作品は多いが、その部分は別の語句を使用するなどの処置が取られている。このドラマに関してもそうである。原作は横溝正史著の『獄門島』。俳句になぞらえた奇怪な殺害方法はやがて『悪魔の手毬唄』を生み出すきっかけになったと言われている。

金田一耕助は戦死した友人の千万太に頼まれて獄門島を訪れた。彼には三人の妹がおり、自分が島に帰らなければ命が危ないという。獄門島は瀬戸内海に浮かぶ孤島で、封建的な因習に縛られている。この日、島では千万太の従姉妹の復員の連絡が届き、また戦時中取り上げられていた千光寺の釣鐘が戻って来るなど祝福ムードが漂っていた。千万太の実家・鬼頭家の客として迎えられた金田一は千光寺に宿泊して友人の葬儀に参列する。ところが千万太が心配していた通り、寺の庭で花子が桜の木に逆さ吊りされた遺体で発見される。

このドラマに登場する俳句は何れも実在する俳句なのだが、普通に考えればひとときの風景を詠んだ俳句であるのに、横溝正史の頭ではそれらが全て奇怪で残忍な殺害方法に結びついてしまう。その発想の展開の素晴らしさがこの作品の特徴である。また古き因習に縛られた他の社会から隔離された世界観は横溝正史のミステリーの世界ならではである。

ドラマは結果として金田一は犯人や犯行手段を推理しただけで、連続殺人事件を食い止めるには至らない。それでも後味はさほど悪くない。幾ら足掻いてもなるようにしかならないというのがこのドラマの教訓であったように思える。

満足度は★★★★★
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本陣殺人事件

  • 2011.07.27 Wednesday
  • 23:50
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 古谷一行、西崎みどり、佐藤慶 他
【放送】 1977年(TBS)

旧家の当主の初夜に起こった密室殺人事件の謎に金田一耕助が挑むミステリー。前作『犬神家の一族』から始まった横溝正史シリーズの第二弾。原作は横溝正史著の『本陣殺人事件』で複雑怪奇な殺人トリックは横溝正史作品の中でも一、二を争う。

この作品は二年前に映画化されており、その際の金田一耕助役は中尾彬。原作の設定は昭和12年だが、この映画に限り設定は現代(1975年当時)。そのため角川映画『犬神家の一族』以来すっかり定着した金田一耕助のスタイルではなく、Gパン姿の金田一耕助が登場する珍しい作品でもある。しかし一連のヒット作を生み出した角川映画としては制作されていない。またドラマとしては後に別の局で二時間ドラマとして制作されている。

旧本陣の末裔・一柳家では当主である一柳賢臓と克子の結婚式がしめやかに行われていた。式には一柳家の親族がずらりと顔を揃え、賢臓の妹・鈴子が琴の腕前を披露するなど誰もが祝福ムードに酔い痴れていた。ところがその夜、突然琴の音が屋敷内に響き渡る。騒ぎに顔を出さない賢臓と克子を心配した人々が寝室である離れの様子を見に行くと、二人は布団の上で血塗れとなって絶命していた。外は雪が積もり誰かが離れに侵入した形跡もない。克子の父親は金田一に事件の捜査を依頼する。

このドラマの最大の見せ場である密室トリックの謎はとにかく複雑で容易に理解出来ない。逆に言えば良くこれだけ複雑なトリックを思い付いたと感心するが、それは同時に映像化として見せた場合非常に判り辛く、映像化し辛い作品であることを意味している。実際、トリックが複雑なため、金田一の解決編が長くてトリック解説の途中でCMまたぎになってしまうという悲しい状況になっている。完全に理解するには繰り返し見る必要があるかも知れない。

とは言っても新婚夫妻の殺害方法はとんでもなく派手で、見応えがある。正直そこまで見事に実行出来るものなのか首を傾げてしまう。実行出来たからこそこのドラマが成立しているわけなのだが・・・。

満足度は★★★★★
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
(1973-04-20)

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犬神家の一族

  • 2011.07.26 Tuesday
  • 22:59
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 古谷一行、ハナ肇、京マチ子 他
【放送】 1977年(TBS)

莫大な遺産を巡って引き起こされた殺人事件の謎に金田一耕助が挑むミステリー。前年に大ヒットした映画『犬神家の一族』のドラマ化。主演の金田一耕助は古谷一行が務め、以降横溝正史シリーズとして様々な横溝正史作品がこの枠でドラマ化されている。翌年には第二シリーズも放送された。原作は横溝正史著の『犬神家の一族』。

犬神佐兵衛が莫大な遺産を遺して死亡した。彼の訃報を聞いて親族は続々と本家に押し寄せるが頭にあるのは遺産のことばかり。唯一佐兵衛の死を悼んでいたのは、彼の恩人の孫である野々宮珠世だけだった。遺言状を預かっていた若林弁護士は遺言状の中身をこっそり読んでしまい、このままではどんな騒ぎになるかを危惧して金田一耕助に調査を依頼する。ところがいざ金田一が現地に到着すると若林は毒殺された後だった。若林の後を務めた古舘弁護士は改めて金田一を遺言状公開に立ち合わせるが、遺産の相続人として指名されたのは珠世であり、条件として佐兵衛の孫である佐清、佐智、佐武の三人の誰かと結婚することしたためられていた。

まだ土曜ワイド劇場が始まる前、毎回3〜4回で完結する(1回一時間)横溝正史シリーズは、当時としてはあまり類を見ない残忍な殺人を扱ったドラマであったため、放送時間は当時のドラマとしては遅い時間帯に当たる22時からとなっていた。今からすればかなりちゃちな遺体のオンパレードだが、それでもその残忍さは衝撃的である。おまけに大抵が連続殺人事件のため一つの作品が終了するまでの何度も殺害現場が登場する。

そのせいだろうか?当時この番組のスポンサーとなっていたのは象印で、風船が舞い上がるCMが必ず流れていた。本来ならば幸せの象徴ともいえる構図が子供には酷く恐ろしい予兆のように感じられた。

映画版では石坂浩二が金田一耕助を演じており、古谷一行もそれに倣った金田一耕助スタイルを確立した。但し古谷一行の金田一耕助は映画版よりもっと人間臭い金田一となっており、決して映画版の模倣にはなっていない。反面金田一耕助以外の登場人物(事件関係者)に関してはさほど印象に残らない。

さてこのドラマで有名な場面と言えば、遺言状公開の際にマスクの下から現れる焼けただれた恐ろしい顔。勿論このドラマでもその場面は健在。そして奇怪な殺害方法も忘れてはならない。

毎回ミステリーとしてはお手頃な回数での放送(あまり回数が多いと設定を忘れてしまう)であったが、1話完結の話が好まれる現在ではあまり受け入れられない放送形態かも知れない。

満足度は★★★★★
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氷柱の美女

  • 2010.01.16 Saturday
  • 00:31
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 天知茂、三ツ矢歌子、荒井注 他
【放送】 1977年(テレ朝)

土曜ワイド劇場がまだ1時間半の放送枠であった頃の放送で、もしかすると天知茂が明智小五郎を演じるドラマの先駆けになったドラマかも知れない。原作は江戸川乱歩著の『吸血鬼』。

魅惑の未亡人・倭文子(しづこ)を巡って2人の男が熾烈な争いを繰り返していたが、ある日その1人が失踪する。その頃から倭文子の身辺に正体不明の怪人が出没し、倭文子やその周囲の人々を恐怖に陥れていくというストーリー。

今からすればちゃちにしか見えないが、当時としては江戸川乱歩作品に次々登場する猟奇的殺人は非常に衝撃的だった。明らかにマネキンとしか見えない死体にも背筋が凍るような恐怖を覚え、夜になっても目の前にちらついて眠れなくなる事も多かった。

この作品の見所と言えば何と言ってもタイトルにある氷柱を使用しての殺害方法。氷柱を墓標に見立てて人間を生きたままその中に閉じ込めというもの。改めて考えるとかなり無理のある殺害方法ではあるが、氷という墓標に人を閉じ込めて永遠にその美しさを保とうとする考え方は江戸川乱歩の世界には良く登場するフェチシズムの表れとも言える。

また明智小五郎シリーズと言えば探偵明智小五郎以外の主要キャラとして登場するのが助手の文代と少年探偵団の団長である小林少年。そして何と言っても中村警部。この中村警部がどこか抜けているお調子者であればあるほど、明智小五郎の洗練された紳士的なイメージが際立ってくる。それをこのドラマで演じているのが荒井注。登場するだけで陰惨な事件を扱う推理ドラマにコミカルなアクセントを加えてくれるのが嬉しい。

満足度は★★★★
江戸川 乱歩
春陽堂書店
¥ 570
(1987-09)
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