美しき悪女の伝説 黒蜥蜴

  • 2016.11.15 Tuesday
  • 22:04

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 岩下志麻、伊武雅刀、野村真美 他

【放送】 1993年(TBS)

 

美女をコレクションする美しき女怪盗と明智小五郎の対決を描いた黒蜥蜴視点のサスペンス。原作は江戸川乱歩著の『黒蜥蜴』。

 

公衆の面前で美女を誘拐しては水槽の中で生きる水中生物に作り替えてコレクションする黒蜥蜴は、捕らえた獲物が水槽の中で泳いでいるのを興奮しながら見つめていた。黒蜥蜴に忠誠を誓った青年・雨宮潤一はそのコレクションを見せられて驚愕する。全ては黒蜥蜴の部下・青木浩三の手によるもの。そんな時、黒蜥蜴はふとこの水槽を照らす物を盗むと言い出す。それは宝石。明智小五郎との対決を心待ちにする黒蜥蜴は期待に打ち震えていた。その頃、都内のホテルに滞在する岩瀬は何度も自宅に送られてきた脅迫状がホテルに宿泊した途端ホテルに届いた事に恐怖を感じていた。脅迫状の中身は一人娘の早苗の身辺に気を付けろという内容。早苗の警護に雇われた明智小五郎に不安を訴える岩瀬だったが、当の早苗はまるで気にせずあっけらかんと笑い飛ばす。

 

原作にかなり斬新な改変を加えており、コレクションした美女たちを原作では精巧な剥製だった物を水中生物に手術で生まれ変わらせるという内容に変更されている。江戸川乱歩の作品には『孤島の鬼』のように人間を手術で人外生物に作り変えるという作品があるため、その要素を敢えてこのドラマに追加している。因みにそれを行える天才外科医、ある意味芸術家でもあるが、それは特別出演の津川雅彦がカラーコンタクトを使用して熱演している。しかも黒蜥蜴に一方的な想いを募らせる狂人として。

 

とまあ、改変はそれだけに留まらないのだが、気になるのはツッコミどころの多さ。そもそも何故に蜥蜴が手のひらに現れるのか、そこから首を傾げる所である。おまけに明智がブラックジャックでも真似ているのか前髪の一部を白髪に染色し、そのせいで見た目が腹話術の人形のように・・・。他にも水の中でしか生きられないはずの生物が海に離した後、沈まないまま泳いだ挙句息継ぎをするわ、明智の変装がお粗末すぎるわ、イロモノ過ぎる感が半端ない。もはやコメディーの領域に達しているのではないだろうか。

 

ストーリーに関して言えば、黒蜥蜴視点のためなのかミステリアスな面は何一つない。本来隠されている内容が全部画面に出てしまっている謎もへったくれもない。明智との対決もスリリングとは言い難く、拍子抜けで終わる。まあ、言うなれば主演の岩下志麻の威厳と美しさを押し出すためのドラマと言えなくもない。

 

満足度は★★★

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喪失

  • 2016.10.10 Monday
  • 10:39

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 桃井かおり、豊川悦司、川上麻衣子 他

【放送】 1993年(フジ)

 

死期が迫った女が残していく夫に対する複雑な感情を抱きながら過ごす日常を描いたストーリー。原作は三浦綾子著の『喪失』(『毒麦の季』所収)。このドラマは特選!黒のサスペンスの一篇として放送された。

 

小樽に住む九島文恵は退院してから体調は思わしくなく、二年前に亡くなった妹と同じように癌を発症していると何となく察していた。身辺整理を始めた文恵は毎日夫へのメッセージをカセットテープに録音しようと思い立つ。そんな中、義弟・守幸から突然告白される。そして文恵を諦めるために別の女性と再婚すると言い出す。そんな守幸を見た文恵は残された夫が幸せでいて欲しいから再婚して欲しいとメッセージを録音する。ところが守幸が再婚相手の照美を連れてきた時、文恵は夫の再婚相手に嫉妬を覚えて悩んでしまう。そんな文恵に友人は文恵が男を作れば良いとアドバイスするのだった。

 

自分の命が後僅かしか残されていないと知った文恵が自分の死後を見据えて、今で言う終活を行う話なのだが、夫に自分の死後も幸せに暮らして欲しいと思う一方で、自分を忘れて若い女に乗り換えると思うとどうにもやるせなくなるという複雑な文恵の女心を綴ったドラマである。ここで一つはっきりしているのは文恵が誰よりも夫を愛しているということ。結婚して何年も経てばやがて恋愛していた頃の気持ちが薄れて夫が男から家族になっていくもの。それが文恵には感じられないのである。義弟の結婚を目の当たりにして、文恵は夫が再婚した時どんな気持ちになるかを悟る。その時にはもう自分はこの世にはいないと判っていても再婚相手に嫉妬する気持ちは抑えられない。文恵はあくまで女なのである。妻となっても夫に女として接していると痛いくらい伝わって来る。勿論成熟した女性であるのは間違いないので、夢の中では浮気願望もあるようだが・・・。

 

ところが文恵が妻として理想的な女性に描かれている反面、友人と守幸の再婚相手の照美に至っては文恵との差別化を出すためかも知れないが、結構キワモノの女性になっている。女として文恵よりずっとさばけているというか、恋愛に手馴れているというか、文恵がまるで少女のまま主婦に収まっているようにさえ感じてしまう。これは原作者の登場させる女性観によるものなのだろう。

 

さて面白いのが文恵の夫。終始守幸は登場するのだが、このストーリーの中に文恵が愛する夫が一切登場しない。登場しても画面に映し出されるのは後姿や寝ている際の顔の一部。文恵がこんなにも大切に考えている相手の男がこんな程度の扱いで良いのかと疑問を感じる気持ちがなきにしもあらずだが、演出としては面白い。

 

ラストは文恵という女性の真の姿を最も映し出した結末となっている。このラストは興味深い。ただの一人の女の願望を叶えたドラマで終結しないところが良かった。

 

満足度は★★★★

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女監察医・室生亜季子 震える海

  • 2016.07.05 Tuesday
  • 10:19

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【出演】 浜木綿子、吉野真弓、三浦リカ 他

【放送】 1993年(日テレ)

 

睡眠薬の大量服用により搬送された女性の恋人が自宅マンションから転落死する。息子の事故死説を信じられない母親が悲痛な訴えを起こす。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第十四弾!

 

川越で三代続いた開業医であり、地域の監察医を務める室生亜季子は看護師と浜田警部に昼間から誕生日を祝って貰っていた。この日は休診日。しかし室生医院のすぐ近くで二十歳の女性が睡眠薬自殺を図ったと連絡があり、恋人が車で彼女を運び込む。女性は浦和デザインスクールの学生で吉田眞左美。幸い命に別状は無く、彼女曰く普段から睡眠薬を常用しており、恋人・杉山裕二と喧嘩して眠れず量を誤って飲んでしまったらしい。数日後、眞左美は母親を伴って礼を言いにやってくる。これを機に鳥羽に戻って宝飾店で働き、宝飾デザイナーとして働くと言う。亜季子は快く送り出してやる。十日後、裕二がマンションから転落死する事件が起きる。知らせを聞いて慌てて会社を飛び出した眞左美だったが、母親のばつの悪そうな様子に疑問を感じる。一方、東京で息子の遺体と対面した裕二の母親は他殺と証言して司法解剖を依頼する。ところが亜季子の診断もアルコール成分は検出されたが外傷は無く、自殺とも事故とも他殺とも判断出来ない状況だった。

 

亜季子の年齢が今一つ不明のままだったが、今回の誕生日シーンで浜田警部が五十歳と漏らした事により判明。第一作目が放送されたのが七年前であるのを考えると、当時はアラフォー扱いであった亜季子も七年の年月が経っているのに納得である。この手のシリーズは下手をするといつまで経っても年齢があがらないという設定にされる場合が多いが、このドラマはきちんと年を取らせる設定にしているらしい。このシリーズが足掛け二十年も続いた事を考えると、良い判断だったと言わざるを得ない。

 

さて今回のストーリーは子供達のほんの軽い気持ちでやった悪戯が、その後、何年も後に彼らの心に大きな傷を残し、それがきっかけで話は子供達の親を巻き込む騒動になっていく。小さな鳥羽の田舎で仲良く暮らしていた人々が、子供達の悪戯のせいでそれまで長年に培ってきた信頼や友情、そうしたものを全てずたずたに切り裂いていくのである。幾ら悪意が無かったとしても、果たして許されるものなのかどうか?

 

時間は亜季子の活躍で解決する。しかし解決しても誰も救われない。唯一の救いはラストシーンで見せる眞左美の前向きな姿。まだ若い眞左美にはこれからの人生が残っている。今回の事件は眞左美にとっても悲しい出来事であったはずだが、それでも哀しい真実を乗り越えて行こうとする姿勢が清々しい。

 

満足度は★★★★

岩崎 宏美(益田 宏美)
ビクターエンタテインメント株式会社

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女監察医・室生亜季子 犯罪性なし

  • 2016.07.02 Saturday
  • 01:30

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【出演】 浜木綿子、ベンガル、風祭ゆき 他

【放送】 1993年(日テレ)

 

ビニールハウスで農家の嫁が一酸化炭素中毒で死亡する。事故死として片付けられた事件現場から不審点を探し出す。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第十三弾!

 

川越で三代続いた開業医で地域の監察医を務める室生亜季子は、最近浜田警部に誘われて夜な夜なカラオケスナック『エコー』へ繰り出していた。そんな中、スナックで偶然患者の白井園子に出会う。園子は農家の後妻だが、農業が嫌いでストレスから不眠症を訴えていた。しかし実は園子はスナックのマスターの不破と不倫関係にあり、農家に愛想が尽きて不破に結婚を迫っていた。一週間後、早苗が帰宅するとビニールハウスの中で園子が死亡していた。司法解剖を依頼された亜季子の診断は死因は一酸化炭素中毒。外傷も無かったため、浜田警部はビニールハウスの中では練炭火鉢が置かれており、マスクをつけ忘れた事による事故死であり、事件性はなしと断定する。葬儀も終わって間もない内に園子の夫・一也が心筋梗塞で入院する事になり、一人残された早苗は亜季子が預かる事になる。園子の遺体を見たショックからか早苗は失語症になっていた。

 

死因は一酸化炭素中毒で疑いようがなく、また外傷も無かった。誰が見ても事故死としか思えない状況で、死因にケチがついたのは園子の妹の訴え。園子が生前誰かに殺されると常々言っていたと証言したため、捜査は振り出しに。しかしこの死んだ園子にしろ、妹にしろ身勝手で欲深い、所謂悪女である事には変わりなく、こんな生き方をしていれば周囲から恨みを買うのは目に見えている。本来なら事故で片付けられる所だが、他殺を疑うのも無理のない話である。

 

さて幼い子供が登場し、その子供に何らかの障害が生じているのであれば事件に関わりがあるのがこういったサスペンスのお約束である。このドラマも例外なくそのパターンで、事件の鍵を握っているのは失語症になった早苗。亜季子は事件の裏に隠された真相を究明する一方で、早苗の心の闇へも迫っていく。

 

この当時、カラオケと言えばカラオケスナックを指し、まだカラオケ専門の店は一般的では無かった時代である。確かカラオケボックスは存在したと思うが・・・。他の客がいる中で自分が予約した曲が掛かるとステージの上に立って唄うスタイルは、今から見ると恥ずかしくないのだろうかと真面目に感じてしまう。あの当時のカラオケは相当度胸が据わっていないとハードルの高い趣味だったのかも知れない。

 

また今回登場する亜季子のファッションにも注目。当時の流行で肩パット入りのコートが主流なのはおいといて、ベビーピンクのコートが何とも愛らしくて目を惹く。亜季子のヘアースタイルもアップになっていて、ちょっとした夜の店のママさん風。この姿で診察鞄を持って往診とは流石に誰も医者とはみないだろう。

 

満足度は★★★★

 

岩崎 宏美(益田 宏美)
ビクターエンタテインメント株式会社

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間違えられた男

  • 2016.06.30 Thursday
  • 13:48
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【出演】 片岡鶴太郎、原田美枝子、古尾谷雅人 他
【放送】 1993年(フジ)

立て続けに起こった二件の銀行強盗の犯人に間違われたクリーニング店の主人の悲劇。

商店街で小さなクリーニング店を営む清水耕平は大手チェーンのクリーニング店の進出により資金繰りが厳しくなり、いつも取り引きをしている銀行からも融資を断られてしまう。切羽詰まってこれまで付き合いの無かった信用金庫へ融資を申し込もうと訪れる。ところが行員は耕平を見るなり警察に通報。耕平は警察へ連行されてしまう。取り調べを行った冬木刑事はいきなり二か月前の八月四日と二十五日のアリバイを尋ねて来る。実はその二日間では近隣の信用金庫で強盗事件が起こり、その内の一方が今日耕平が訪れた信用金庫だったのだ。行員達は全員が犯人は耕平だと断言した事から警察は耕平が犯人だと確信し、捜査を始める。耕平にあらぬ疑いがかけられたと知った妻・悠子はかつて自分が振った相手である南野弁護士に助けを求める。

このドラマは奇しくも自分とそっくりな人間が悪事を働いたために起きてしまった悲劇で、無実を晴らすまでに一人の男が辿った苦難の日々を綴ったドラマである。

注目すべきは冬木刑事の対応。誤認逮捕を誰でも間違いはありますから〜程度の軽さで流してしまう冬木刑事の対応は耕平からすれば到底許せるはずはない。現代でこんな対応をすれば間違いなく社会的制裁を受ける案件だが、今から二十年近く前ではそこまで問題にされず、むしろ凶悪犯を逮捕するためにはこの程度の過ちは許されるべきだと自分達の正当性を主張する警察の傲りがまかり通る時代であったのかと驚かされる。一度疑われれば、犯人で無くとも何もかも失ってしまう恐怖さえ感じる。もしもそんな事が自分の身に起こったとしたらと考えるとぞっとする。

それはともかくとしてこのドラマの主人公である耕平はつくづく運の無い男である。様々な偶然が結果として悪い方向へ全て働いてしまい、耕平の不幸は家族にまで暗い影を落としていく。面白いのは何もかもを失いかけた耕平に手を差し伸べたのが、かつての恋敵だった事だろうか。

ストーリーが大味過ぎる気がしないでもないが、日常に潜む恐怖を描いたドラマとしてはまあみられる内容だった。

満足度は★★★

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三つ首塔

  • 2016.03.01 Tuesday
  • 20:06
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【出演】 古谷一行、大谷直子、安永亜衣 他
【放送】 1993年(TBS)

京都の小さな村で起きた遺産を巡る連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『三つ首塔』。TBSの金田一耕助シリーズ第十七弾!

昭和二十五年、京都丹波にある法師村を訪れた金田一耕助は座光寺由香利と共に座光寺家へと向かった。実は座光寺玄蔵が米国で亡くなり、残された遺産相続の件で黒川弁護士を通じて金田一が遺言状執行人代理を依頼されたのである。座光寺家には座光寺の直系の家族が顔を揃えていたが、遺言には宮本家の人間も指定されていると聞いて家長の座光寺雷蔵は憤慨する。宮本家は由緒ある家柄だったが、成り上がりの雷蔵に土地を全て奪われて今やすっかり落ちぶれてしまっていると言う。ようやく宮本薫、俊作親子が到着し、いよいよ遺言状が公開される。すると六億五千万円もの遺産が宮本俊作と座光寺音禰に譲渡すると書いてあった。しかも俊作と音禰の結婚が条件となっており、雷蔵も妹の蝶子も納得がいかない。その夜、宴の席で突然宮本薫が吐血して倒れる。幸い命に別状は無かったが、原因がトリカブトと聞いて一同は驚愕とする。

やはりと言って良いものだろうか?原作とはまるで異なるストーリーで、同じ名前の登場人物はいるもののもはや別物。狐の嫁入りを取り込んだ完全オリジナルストーリーである。本来、ヒロインとなるはずの座光寺音禰はこのドラマでは性悪女と化し、狐面のような白塗りの化粧で不気味さを存分に醸し出している。しかも京都舞台でありながら、何故か彼女だけが京都弁を話している不自然さ。おまけにこれがやけに上手いものだから必然と音禰のインパクトが絶大となっている。勿論、彼女は主役では無い。

また如何なる理由があろうと四人目の犠牲者が出た時、犯人をばらしてしまうのは如何なものかと。その後犯人が判明するとしても、被害者の表情から犯人への想像を掻き立てるような演出にして欲しい。せっかくそれまでの犯行では犯人が特定されないよう顔を隠す演出をしていたのに、四度目の犯行現場でいきなり犯人の顔が出てしまうのは興醒めである。

それはそうとトリカブトって非常に毒性が高かったと思ったのだが、小さな診療所に運ばれただけで命が助かってしまうもの?

横溝正史の作品を模してそれらしく制作しているものの、ストーリーはどこか底が浅く、取り敢えずキーワードとなりそうな物をストーリーに織り込んで制作された感じが強かった。どうも納得がいかないジレンマだけが残るドラマである。

満足度は★★★
 
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
(1972-08-22)

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安芸奥の細道殺人事件

  • 2015.09.08 Tuesday
  • 11:02
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【出演】 片平なぎさ、村井国夫、二宮さよ子 他
【放送】 1993年(日テレ)

果樹園で俳句を手にした男が殺害される。句会への参加を巡って起きた殺人事件の謎にフリーライターとカメラマンのコンビが奔走する。『小京都ミステリー』シリーズ第十弾!

広島と尾道の間に位置する竹原で三万人の会員数を誇る萌木会の句会が行われる事になり、フリーライターの柏木尚子はカメラマンの山本克也と共に主催者である平山青風の取材に訪れた。萌木会は営利目的ではないかという尚子の辛口な質問を平山は平然とかわしてみせる。次は句会での取材のため、尚子と克也は竹原へと向かった。尚子の情報では句会の目玉は十七歳の女子高生・川口真木。ところが尚子が真木の取材に行くと、真木が句会から外されたと連絡が来た所だった。納得のいかない真木の父親は萌木会広島支部に乗り込み猛然と文句をつける。実は真木の父親は過去に永井に足を引っ張られ、俳句を諦めざるを得なかったと言う因縁があったのだ。翌日、永井の経営している果樹園へ足を延ばした尚子達は途中の波止場で真木の父親を目撃する。果樹園で座り込む永井に尚子が声を掛けると、永井は胸を刃物で一突きにされ絶命していた。

若き天才俳人の少女のロミオとジュリエット的なストーリーかと思えば、実際に事件に関わっているのはその親達の因縁の方。真木役には新人女優を起用しており、あくまで清楚で可憐な少女のイメージから逸脱しない役柄になっている。恋愛の場面はあってもほんの僅かだけで、殆どが親思いの芯の強い少女を印象付けている。終始綺麗なイメージしかないというのも奇妙な感じがする。

さてストーリーの方に目を向けると、誤認逮捕と思われる容疑者を尚子と克也のペアが事件の真相を暴いて真犯人を逮捕するという流れ。サスペンスドラマではよくあるパターンである。しかし真犯人が最後の最後まで判らないというより、いきなりそっちに矛先が向いてしまう展開が不満である。それまで一切触れられなかったどころか、殆どドラマに登場もしていない人物を突然の犯人扱い。あまりに性急すぎる展開が難点。制作する側の頭の中でだけ先走ってしまい、結果として見ている側には余計な部分を端折り過ぎたような解決編はいただけなかった。

尚、ベレー帽が流行なのか、今回の尚子は常にベレー帽スタイル。服に合せて何種類かあるようだが、結構似あっていた。

満足度は★★★★

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小京都ミステリー 出雲路天女伝説殺人事件

  • 2015.07.19 Sunday
  • 20:03
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【出演】 片平なぎさ、山口果林、仁藤優子 他
【放送】 1993年(日テレ)

羽衣伝説が伝承される鳥取県倉石で突然姿を消した仮出所中の女性をフリーライターとカメラマンのコンビが捜索する。『小京都ミステリー』シリーズ第九弾!

フリーライターの柏木尚子の次の取材地は城下町として栄えた鳥取県倉吉市。相棒のカメラマン・山本克也と共に長距離夜行バスで向かった尚子は日御碕神社を訪れる。日本神話の神々を祀った色鮮やかな神殿の取材をしていると、突然空から白いスカーフが落ちてくる。持ち主は尚子が四年前に取材をした岡本伸江だった。当時、伸江は夫殺害の罪で服役していたが、今は仮出所して蕎麦屋『荒木屋』で働いていると言う。店に入った尚子と克也は、伸江が前科者だと知る若い男と人目を避けて話している姿を見かける。気になった尚子が翌日もう一度蕎麦屋へ行くと伸江は既に姿を消してしまっていた。保護司も頭を抱えていた。このままでは刑務所に逆戻りと聞いて尚子は三日間の猶予を貰って伸江の行方を探し始める。そんな中、伸江と話していた男が湖の畔で殺害される。傍には伸江の白いスカーフが落ちていた。

羽衣伝説をモチーフに白いスカーフを羽衣に見立てて、離れ離れになった親子の深い愛情を描いたストーリーになっている。ドラマ内でも、伝承されている羽衣伝説では天に帰った天女が地上に残してきた子供を天に連れ帰るという内容で紹介されている。

今回登場する殺人事件は衝動的な殺人であり、大仕掛けなトリックが隠されているわけでも何でも無い。真犯人が判明するまで多少の紆余曲折あるものの、結局は昔から良くある古典的な流れに落ち着く。ミステリーと言う程の内容でも無いのだが、尚子&克也コンビのお約束のコミカルさと親子愛の感動で底の浅さをカバーしていると言った所だろうか。

気になったのは刑事の行動。あんなタイミングで良く現れるものだと感心するくらい神出鬼没である。それでいて疑いがあれば即逮捕。職権乱用も甚だしい。と言うよりあまり考えずに取り敢えず刑事を出演させているような感じが強かった。

満足度は★★★

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課長 島耕作

  • 2014.11.26 Wednesday
  • 18:26
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【出演】 宅麻伸、清水美砂、安達祐実 他
【放送】 1993年(フジ)

大手電機メーカーの課長に就任した一会社員が派閥争い、贈賄問題等々に巻き込まれながら、サラリーマンとして生き抜く様子を描いたサラリーマンドラマ。原作は弘兼憲史著の人気コミック『課長島耕作』。

初芝電器に勤務する島耕作は娘に課長になった事を知らせていた。妻とは三カ月前から別居中。英語の得意な妻は翻訳の仕事で自立を始めている。耕作は別居してからの方が妻と穏やかな関係でいられる事に驚いていた。ショールーム課の課長に昇進した初日、耕作はそれまで課長代理を務めていた今野に仕事内容の説明を受けていたが、今野が六つも年下の耕作が自分の上に立つのを快く思っていないのは明らかだった。ねちねちと嫌味をぶつけてくる今野にやり辛さを感じて、行きつけのBARのママ・典子に愚痴をこぼす。その翌日、社員食堂で耕作が小銭が無くて困っていると、突然千円札が目の前に現れる。差し出したのは昨日タクシーで乗り合わせた女性だった。彼女はオーディオ事業部の大町久美子。後日、同僚と問題を起こした久美子がショールーム事業部に異動になる。

課長と言えば中堅管理職。平社員より出世はしているものの上からも下からも挟まれた難しいポジションであり、また仕事に対する責任も重くなってくる。原作のシリーズは中堅管理職のサラリーマンのいわばバイブル的存在であり、終身雇用が当たり前の時代には共感する人も多かった。その反面、女性とのラブロマンス(妻と離婚しているので浮気ではない)があり、男性読者に夢を持たせる面もある。今の時代では少々ピンと来ないストーリーではあるのだが、当時の企業戦士が会社を舞台に戦う様はなるほど夢中になる人が続出するのも判る気がする。

正直な感想を言えば、主人公の島耕作はちょっとご立派過ぎる嫌いがある。仕事は出来るし、人望はあるし、正義感は強いし、信念を通す強さも持ち合わせている。その上、女性からはモテモテ。三十代そこそこでこれだけ人間が出来ている人はそうはいない。それはともかくとして耕作の前に立ちはだかる問題は会社では良くある問題。現実にその問題で足元をすくわれ、左遷されるケースもある。そんな問題に立ち向かう耕作の姿は確かに面白いし、会社で同じような問題で悩むサラリーマンへのエールにもなる。

但し二時間枠のドラマなので上手くまとめてはいるものの、少々物足りなさを感じる。

満足度は★★★★

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丸亀城伝説殺人事件

  • 2014.07.22 Tuesday
  • 10:04
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【出演】 篠ひろ子、杉田かおる、名高達郎 他
【放送】 1993年(フジ)

結婚式を終えたばかりの新婦が何者かによって刺殺される。結婚直後に妻を失った傷心のプロデューサーのためにベテラン女優が事件解決に立ち上がる。ベテラン女優とマネージャーのコンビが事件を解明するために奔走するミステリードラマ女優・夏木みどりシリーズ第五弾!

『四国巡礼の旅』の企画を持ち込んだプロデューサーの谷村から結婚すると聞かされて、ベテラン女優の夏木みどりとマネージャーの三木俊介は何の冗談かと笑い飛ばすが、現地のホテルへ到着してみると谷村は教会で本当に結婚式の真っ最中だった。新婦は谷村とは年の離れた若い苑子。幸せいっぱいの二人がボートに乗って行くのをみどりはやっかみ半分で見つめていた。結婚式の夜、ホテルの部屋から突然苑子がウェディングドレスを着たまま行方をくらます。一晩中探し回る谷村だったがついに発見する事は出来なかった。そんな中、丸亀城の大手門で苑子が遺体で発見される。ウェディングドレスは真っ赤な血で染まり、奇妙な事に口には真っ赤な口紅が塗りたくられていた。

プロデューサーの谷村は第一回から登場するメインキャストの一人だが、これまで登場はするものの特に脚光は浴びて来なかった人物。今回はその谷村がまさかの結婚。しかも年の差婚とあってみどりも三木も唖然。おまけに谷村の過去の恋愛話なども登場して、仕事に生きるお調子者のプロデューサーのイメージを一変させている。

勿論恋愛と言えばみどりも負けていない。仕事中だと言うのに恋人の響に気を取られてカメラにぶつかる始末。まあ、毎度毎度悲恋に終わるのだが・・・。

今回は香川を舞台に花嫁の殺人事件の謎をみどりと三木とそして谷村も加わって捜査していく事になる。次第に明らかになっていく苑子の正体。そして過去との因縁。このシリーズでは珍しく被害者の苑子が殺害される場面が登場する。メリーゴーランドの中でウェディングドレス姿の苑子が絶命するまで刃物で刺される映像はそれなりにショッキングだが、おそらく殺害場所のチョイスが悪かったのか殺害後の映像はメリーゴーランドと遺体が別枠で登場する残念な状態に。むしろ翌日、子供が何も知らずに血を指でなぞる場面の方が衝撃的だった。

満足度は★★★★

マリリン・モンロー,ジェーン・ラッセル
ビクターエンタテインメント
(1999-07-07)

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