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秘めた絆

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 手塚理美、神田正輝、森口瑤子 他

【放送】 1998年(TBS)

 

我が子の父親は夫じゃないかも知れない。夫から子供のDNA鑑定を迫られ、戦々恐々とする妻の不安な日々を描いたサスペンス。原作は夏樹静子著の『秘めた絆』。

 

短大を卒業しすぐに結婚した野々村珠子は三十歳の時に子供・純一にも恵まれ幸せを噛み締めていた。ある日、夫の康平は純一について苦言を漏らす。何故純平だけ左利きなのだろうと。これまで野々村家には左利きの人間は一人もいなかったのだ。その日、家に珠子一人になった時間を見計らって子連れの女が訪ねて来る。彼女は康平の愛人の薫。連れてきた子供は薫と康平の間に生まれた暁だった。彼女が訪ねてきたのはこれが二度目になる。六年前、いきなり訪ねてきたと思えば康平との関係を暴露したばかりか、結婚は望まないが康平の子供を産んで育てるのを了承して欲しいと頭を下げたのだ。当時子供に恵まれなかった珠子にとって屈辱的な出来事だった。しかし今回訪ねてきた目的は不倫を清算して、別の男性と結婚を考えているので、珠子に康平の説得を頼みに来たのだ。康平は野々村家の血筋の暁を手放すのは嫌がっていると言う。その夜、珠子が康平に話を持ち出すと、康平は暁を引き取ると言っているが、実は本当に自分の子かどうか疑っていると吐露する。珠子が見る限り暁は見た目も音楽の才能に恵まれているのも康平と良く似ていた。それでも康平が疑っているのは、純一が自分と全く似ていない事に起因していた。

 

突き詰めて言えば男と女の価値観の違いに目を向けたストーリーで、幸せになるには全てを明らかにするべきだと考える男と、不幸になる真実なら隠してしまった方が良いと考える女の考え方のギャップを上手く捉えたドラマである。またあまり見られない本妻と愛人の関係も面白い。愛人が夫の子供を身籠って本妻の座を狙うというストーリーは良くあるが、このドラマのように愛人が他の人と結婚するために本妻に夫の説得を持ちかけるというのはなかなか他では見られない。勿論、作者の意図あってのシチュエーションではあるのだが、愛人と本妻が対立するも手を組むも、それは状況次第。このドラマを見れば女が意外とタフで強かだと思い知らされる。こういったシチュエーションを作り出した事を評価したい作品である。

 

現代では割合一般的になりつつあるDNA鑑定であるが、このドラマが放送された当時は一般にはあまり浸透していなかった事を考えると、もしかするとこの作品がつくられた当時はDNA鑑定を取り入れる事だけで画期的な内容だったのかも知れない。勿論法医学等の内容のドラマではこの当時の作品でも使用されているケースはあるが、丁度変わりつつある時代だったのだろう。

 

さて本妻と愛人。ドラマでは非常に対照的に描かれている。自由奔放で思ったまま行動してしまう愛人と築き上げた幸せにしがみ付く事しか出来ない本妻。そのコントラストがはっきりしていてどちらも好演していた。

 

満足度は★★★★

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宮之原警部 こころの事件簿

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 仲代達矢、紺野美沙子、火野正平 他

【放送】 1998年(フジ)

 

人の心の流れを感じて事件を紐解く一風変わった老警部が京都で起きたクラブのママの事件の真相を独自の方法で解き明かす。人の心の寄り添った刑事ドラマ。原作は木谷恭介著の『京都高瀬川殺人事件』。尚、タイトルには1と記載がされているが、続編は制作されていない。

 

警視庁の宮之原警部が電車で移動中、電車の中でひったくり騒ぎが起きる。ひったくり犯人を必死に追いかける宮之原だが、年には勝てず寸での所で犯人を取り逃がす始末。駅員の協力で何とか取り押さえたものの、転んだ拍子に腰を痛めるという何とも情けない結果に終わる。実はその日、宮之原は警視庁長官付秘書官である小清水警視の下で働く申し出を断るつもりでいたのである。ところが会ってみれば小清水峡子警視は自分の娘同然の小娘。しかも押しが強くあれよあれよと言う間に京都で起きたクラブの那美江ママが死亡した事件の担当を言い渡されてしまう。実は事件担当の所轄刑事・魚津が自殺では無く他殺と主張して、上層部の命令を無視して強引な捜査を続けていると言う。しかし事件の報告書に目を通した宮之原は魚津と同じ他殺と睨んでいた。早速宮之原は京都へと向かう。

 

刑事らしからぬ温厚でちょっと間の抜けた宮之原警部を仲代達矢が演じているのだが、非常に良い味を出している。若かりし頃は事件に目の色を変えて機敏に動き回っていたであろうが、今や見る影もなく、普段の宮之原は言ってみればまったりした気の良いおっちゃんである。定年までそう時間もないのでゆったりと過ごそうという気持ちが全身から満ち溢れているのに、事件となれば刑事魂がにゅきにゅきと顔を出し、老齢の刑事らしい捜査で立ち回っていく。見ているとすっかり宮之原が警察の人間であることを忘れてしまいがちになるのが面白い。また推理の原点となるのは常に人の感情。証拠証拠と躍起になるのではなく、人の感情が動いた先に事件を解き明かすカギも存在するとばかりに独特の考え方も見物である。

 

宮之原警部シリーズは他にも様々な作品があるのだが、残念ながらフジでの宮之原警部作品はこの作品のみとなってしまっている。同じメンバーで他の作品も見たかったというのが正直な感想である。

 

満足度は★★★★★

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その男の恐怖

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 真田広之、黒木瞳、松田美由紀 他

【放送】 1998年(フジ)

 

酒に酔って交換殺人の約束をしたのは貞淑な仮面をかぶった計算高い悪女だった。妻を殺害され、女に追い詰められていく男の恐怖を描いたミステリーサスペンス。

 

やり手の実業家である妻に縋って生きる岸川はある夜、酷く酔ってBARで出会った行きずりの女と交換殺人の約束をしてしまう。内容は岸川の妻を彼女が殺害する代わりに、岸川が彼女の夫を殺害するというものだった。しかし翌朝ホテルで目を覚ました岸川は彼女の素性は何一つ知らず、昨夜の話も酒の上のジョークだと軽く考えていた。ところが岸川が接待で夜遅く帰宅すると、妻は何者かによって殺されていた。警察から事情を聞かれている最中、「次はあなたの番よ」と例の彼女から電話がかかってくる。

 

ほんの冗談のつもりだった交換殺人の約束が、自分にはそのつもりでも相手は本気だったという話から始まるストーリーで、殺人をせがまれる男が次第に追い詰められ、生き抜くためにどんな選択をすれば良いのか死と隣り合わせのまるでサバイバルゲームのような展開になっている。選択を誤れば死が待っている。主人公の岸川がどんな選択をして、その選択がどのような結末を導くのかが見どころとなっている。

 

さてこの岸川だが、都合が悪くなれば構わず涙を流す男である。それが例え妻の前であろうとその場を乗り切るためには涙で解決する。韓国ドラマが流行る以前の話なので、当時は男が泣くというのは惰弱と捉えられる風潮があったが、この岸川はそれが出来る人間である。という事は裏を返せば岸川は男のプライドよりもその場を乗り切る方を良しと捉える狡猾な男であったと言えるだろう。そんな狡猾な岸川に選択を強いる謎の女が加山あかり。彼女もまた狡猾な女性で、途中までは岸川が追い詰められる一方だったが、最後はその狡猾な二人が対峙して食うか食われるかの勝負に発展する。

 

ストーリーとしては面白いのだが、ラストがイマイチ。これも一つの結末ではあるのだが、あまり好ましいと思えるラストではなかった。もう少し捻りが欲しい。

 

満足度は★★★★

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女監察医・室生亜季子 不審死体

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【出演】 浜木綿子、左時枝、宮川一郎太 他

【放送】 1998年(日テレ)

 

重い心臓病を患った男が自宅の寝室で死亡する。司法解剖の結果、窒息死と判明するが、妻の友人の弁護士が異議を申し立てる。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第二十三弾!

 

川越で三代続いた開業医で、地域の監察医を務める室生亜季子の元に浜田警部が孫を抱いてやって来る。娘の美智子が腎臓病で入院している間、孫を預かっていたのだが、どうも具合がおかしいというのだ。診察の結果大事には至らず、ほっとして帰宅する途中、住宅街の一軒の玄関先で吉野妙子を見掛ける。翌日、妙子の夫・茂がベッドで就寝中に死亡。かかりつけの桜井医師は死因に違和感を覚えながらも、茂が重い心臓病を患っていた事から病死と判断し、警察へ検死を依頼する。ところが亜季子は遺体を見るなり扼殺を疑い司法解剖に踏み切る。そんな中、絵画教室仲間の弁護士・田中良子がお悔やみのために警察を訪れ、まるで妙子が犯人と疑われるのが判っていたかのように迂闊な事は言わないようしきりと妙子に言い聞かせるのだった。司法解剖の結果、死因は亜季子の見立て通り扼殺。しかし扼痕がやけに薄かった。茂の死亡推定時刻に妙子はパチンコ屋にいたと証言するが、その時間に浜田警部は妙子を自宅で見掛けている。また妙子は鰻屋の八木と不倫関係にあるとの噂があり、どうやら茂も二人の関係を疑って妙子に乱暴を働いていた形跡がある。妙子の夫殺害の疑惑はますます濃くなり、警察への任意同行を願うが、良子が強硬に出頭を拒否する。

 

田中弁護士の挙動が最初から明らかにおかしく、疑って下さいと言わんばかりである。亜季子は妙子と良子の間に何か特別な関係があると睨むが、当の妙子も実は良子の過剰な弁護ぶりに困惑している。この良子にどんな事情があるのかがこのドラマの一番の謎となっている。勿論、茂の死因の特定も謎の一つではあるのだが、それ以上に良子に焦点が当たったストーリーになっている。但し良子の謎部分の多さに対して、その謎を解くための情報が驚くくらい簡単に入手出来てしまうのには拍子抜けした。

 

もっとも終わってみれば哀しい話であり、事件が解決した後、ハイテンションで取り繕う亜季子を見れば亜季子自身が自分の身を切られるような苦痛と悲哀を感じていたに違いない。このドラマは女性の事件であり、人情派の路線を保つシリーズだけに表現には随分配慮されて茂を『異常性愛者』と呼ぶにとどまっているものの、実際にはかなり生々しい話になるのは必死である。

 

ところで浜田警部の孫の『トキオ』の話。亜季子が名付け親となって自分の名前から『季』をとって『トキオ』と名付けたと説明されているのだが、ラストのスタッフロールの中にも『トキオ』が登場せず、どんな漢字が充てられたのかは不明のままである。『季』が『とき』と読まれる事から考えて『季男』、『季夫』、『季雄』、『季生』等々が推測出来るが、一体どんな漢字を充てたのか気になる所である。

 

満足度は★★★★

ジョー・リノイエ,伊藤緑,西川進,鈴川真樹,カラオケ
ダブリューイーエー・ジャパン
(1997-09-10)

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女監察医・室生亜季子 死因に異議あり

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【出演】 浜木綿子、宮下順子、藤堂新二 他
【放送】 1998年(日テレ)

突然道端で倒れた不動産会社の社長がクモ膜下出血で死亡する。死因に疑問を持った女監察医が真相を究明する。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『監察医・室生亜季子』シリーズ第二十四弾!

川越で三代続いた開業医で地域の監察医を務める室生亜季子はここ半年監察医としての仕事が無く、代わりに風邪の流行で休みの無い日々を送っていた。ある日、浜田警部から娘・みどりの事で相談があると連絡が来る。ところが室生医院へ向かう途中、目の前を歩いていた男が突然倒れて救急車で病院へ付き添う事に。翌日、男は内因性のクモ膜下出血で手当の甲斐もなく死亡してしまう。男は山八不動産社長の野村。担当医の篠田は事件性が無いと断言し、浜田を返してしまう。浜田からその話を聞いた亜季子は不審に感じる。野村は亜季子の患者で動脈硬化はみられなかった。野村の妻に司法解剖を願い出ると、野村夫妻は酷く夫婦仲が悪く、妻は夫を女の敵だと罵った上で夫の死因より自分が事件に巻き込まれた夫の妻だと世間から好奇の眼差しを向けられる事に難色を示す。半年ぶりに監察医として亜季子が司法解剖すると、野村の死因は外傷性クモ膜下出血である事が判る。倒れた角度から、浜田が男を見掛ける前に側頭部を強打した事がクモ膜下出血を起こした原因と判明するが、同時に前頭葉の組織まで破壊されていて謎は深まるばかりだった。

野村の死因は外傷性のクモ膜下出血。つまり何らかの原因で外部から衝撃を受けて脳内に出血を起こした事になるのだが、研究熱心な亜季子は前頭葉の組織が破壊されている事に注目して、どんな状況によってそのような状況が引き起こされたかを調べていく事になる。ただ亜季子のそうした探求心より、人柄の方に注目したい。医師である以上どんな命も大切と考えるのは勿論、相手の気持ちに寄り添うように諭していく心の広さは周囲の人間だけでなく、頑なな犯人の心までも溶かしていく。今回のドラマではその点が非常に良く表されていた。

ところで野村に関してなのだが、本人登場が殆どない状態で周囲の人々の情報だけでどんどん極悪非道の人でなしに仕立てられあげていくのが面白かった。死んだ人間が口を利けないのを良い事に、ここぞとばかりに周囲の人間が故人を悪く言いふらす。まるで死んでくれてバンザイ!みたいなノリである。現実の話ならばかなり不謹慎ではあるものの、噂でしか判断の出来ない状況では仕方が無い。まるで一斉にマスコミが流した悪意のある報道を視聴者が正しい情報として頭の中にインプットするようなものである。

勿論、死んでくれたら嬉しいと誰もが思うような人間であっても、その人間を死なせた人間の罪は罪である。前頭葉に異常があった事で相手に殺意があるなしに関わらず他殺であるのは間違いないのだが、真犯人の捻くれた人間性や身勝手さは故人の遥か上をいく。言い分を聞いていると腹が立ってならない。だからこそ余計に亜季子が必死に諭す姿に感銘するのだろう。

満足度は★★★★
 
酒井法子
ビクターエンタテインメント
(2005-03-24)

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吉備津鳴釜殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、加納竜、羽場裕一 他
【放送】 1998年(日テレ)

天才刀工の内縁の妻が殺害される。『雨月物語』の中の一篇『吉備津の釜』に似た殺人事件をフリーライターとカメラマンのコンビが解き明かす。『小京都ミステリー』シリーズ第二十四弾!

岡山県の小京都・津山市を訪れた雑誌編集者の柏木尚子と相棒のカメラマン・山本克也は雑誌『日本の名刀』に掲載する記事を書くため天才刀工の喜多見史郎を取材する予定だったが、一時間程遅れるとの連絡があり、克也の提案で取材の前に吉備津神社の鳴釜の祈祷で時間を潰してから喜多見の自宅を直接訪れる。ところが喜多見の家では内縁の妻・加島安代が胸から血を流した状態で絶命していた。手にはしっかりと長い髪の毛が握られていた。丁度そこへ帰宅した喜多見は安代の死に驚愕する。現場検証に訪れた刑事から尚子達は喜多見が一年以上刀を作っていないと聞かされる。また近所の住人から喜多見と安代は三日に一度は夫婦喧嘩をしていたと証言があり、喜多見もこの日安代と揉めてパチンコ屋に行っていたと証言する。現場検証が行われる中、喜多見の兄弟弟子である相田があたかも今駆け付けたように喜多見にお悔やみを申し出る。しかし尚子達は喜多見の自宅付近を猛スピードで走り抜ける白い車を運転していたのが相田だと気付く。

『吉備津の釜』のように死んだ妻の幽霊が夫と愛人を殺したように見せかけたストーリーで、勿論既に死んだ人間が幽霊となって犯行を行うのはサスペンスではご法度。オカルト的な要素を真相に入れた時点でそれはホラーになってしまう。という事で、実際に幽霊を装って殺人を行ったのは犯人を追求するのが今回のドラマの目的となる。今回の殺人事件に関連した人物は何れも自分の思いが報われない闇を抱えている人物ばかりで構成されているのが何かドラマを見ていてももやもやしたやり切れなさが常に付き纏う要因となっている。最終的にこの状況を作り出した原因にまで尚子達は辿り着くのだが、その結果、誰が一番の元凶なのかはそれぞれ見た人によって意見が分かれる所だろう。因みに『吉備津の釜』はドラマ内でざっくりと説明されるが、ドラマ内の殺人事件に似ていると強調するためかなり都合よくまとめられている。ちょっと不十分ななぞらえ方だったような感じが否めない。

さて喜多見の死んだ妻は名匠である父親を尊敬し美しく我慢強い心の清い女性という設定になっているのだが、正直回想の場面に登場する彼女はあまり美しいとは言えず、この口煩さなら夫に浮気されるのも当然だろうというタイプの女性。そのためついつい愛人に走ってしまった喜多見に同情してしまう。本当は喜多見の方が酷い男のはずなのだが・・・。

満足度は★★★
 
康珍化,美香,鈴木雅也,カラオケ
バップ
(1998-11-11)

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水郷柳川殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、長門裕之、浜田万葉 他
【放送】 1998年(日テレ)

東京の取り立て屋が柳川城跡で殺害される。現場に残されていたのは18年前に起きた汚職事件の後、行方不明となっていた男の帽子だった。男の出現に気付いたフリーライターとカメラマンのコンビは事件の真相を暴く。『小京都ミステリー』シリーズ第二十三弾!

雑誌編集者の柏木尚子と相棒のカメラマン・山本克也は結婚式の取材のために福岡県柳川市を訪れていた。今回、尚子達が取材するのは松下高士と椛島綾乃結婚間近のカップル。二人の友人であり結婚式場『勝島』に勤める富田一枝が尚子達の案内役を務める事になった。取材をしている内に綾乃は18年前に起きた汚職事件の話を口にする。その事件では高士の父親が犠牲となり、事件のカギを握る一枝の父親はその事件を境に失踪して行方が判らなくなっていた。もしその事件が無ければ高士と結婚していたのは一枝の方だったと綾乃は打ち明ける。実は高士と最初に付き合っていたのは一枝だったのだ。その夜、克也は宿泊先のホテルで取り立て屋のプロ・尾崎を見掛ける。話の内容から尾崎が和枝の父親を追って柳川に来たと判る。翌日、新郎新婦の普段の姿を取材させて貰う事に。ところが派出所勤務の松下を撮影しようとした時、尾崎が遺体で発見される。現場を撮影した克也は遺体の傍に落ちていた帽子が柳川下りをした時に同じ船に乗った男の物だと思い出す。

このドラマの見せ場と言えば、ストーリー全部をすっとばしてラストの有明海を歩く尚子と克也の場面。二人が事件の後に二人きりで歩く場面はお約束となっているが、これまでは克也の求愛を尚子が上手くかわして、克也ががっかりしながらもまだ諦めないと意欲を見せる流れだった。ところが今回は尚子から初めて克也の気持ちをこの先受け入れる予定である事を吐露。今回の取材が結婚式という事もありそれに感化された上での発言ではあるが、克也大勝利のラストシーンとなった。

さてストーリーの方に目を向けるとどうもしっくりこない。特に18年前に失踪したはずのヒロインの父親の性格設定が無茶苦茶なのが気になって仕方が無かった。おそらく最初にドラマに取り入れたりイベントが幾つかあり、それらを繋げるために父親を登場させて暴言を吐いたりなんだりさせて軌道修正している感じがしてならない。父親役がベテラン俳優の長門裕之なので、登場する場面ごとに熱演を見せるものの、そこで熱くなる必要性も感じないのに熱くなるので不可解この上ない。何のための熱演だったのか首を傾げるばかりである。ヒロインと長年の友人との友情物語がメインのはずなのに何だか違和感のあるストーリーだった。

満足度は★★★
 
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津軽弘前殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、田村高広、勝村政信 他
【放送】 1998年(日テレ)

津軽で多発する若い女性を狙った通り魔事件が巷を騒がす中、結婚を間近に控えた鳩笛職人の孫娘が被害に遭う。彼女と知り合いになったフリーライターとカメラマンのコンビが事件の真相に迫る。『小京都ミステリー』シリーズ第二十二弾!

雑誌編集者の柏木尚子と相棒のカメラマン・山本克也は鳩笛の取材のために青森空港へ到着した。ところが尚子は妙な視線を感じて気が気では無かった。取材の前に青森の風景を撮影するために八幡宮の展望台に向かった二人は途中で赤いブルゾンの女性とすれ違う。その直後その女性は何者かに撲殺されてしまった。そうとは知らず宿泊先のホテル『海扇閣』へ到着した二人を待っていたのは、克也の親友で弘前日報の記者・長坂翔だった。長坂から最近青森県内で若い女性を狙った通り魔事件が頻発していて、さっきの女性もその被害者だと聞かされて驚く。翌日、取材の最中尚子は妙な男に目を留める。その男は行く先々で良く見かける男で、若い女性を見掛けるとすかさずカメラに収めていた。そんな中、またも通り魔事件が起きる。長坂と共に現場へ駆け付けた尚子と克也だったが、被害者を見て驚愕する。彼女は今回の取材で仲良くなった鳩笛職人の孫娘・久美子だった。しかも野次馬の中に例の男もいた。

第二の克也ともいえる克也の親友・長坂が登場!尚子に片想いをし続ける克也の気持ちも知らず、克也に恋のキューピッドを頼むという押しは強いが空気を全く読んでいない性格は幾ら仕事が出来ても女にモテないのは否めない。一方尚子も満更では無い様子だけに克也も気を揉む所。恋のライバルの出現に事件は別としてなかなか面白い内容だった。

さて事件の方に目を向けるとまたもやトリックでも何でもない行き当たりばったりで駆け回っている内に事件が解決してしまったパターン。今回は長坂が何かと出しゃばって来るので、ミスリードもほぼ長坂にお任せ状態。そのため気付けば恋愛パートのおまけに事件があったような構成になってしまっているのが残念である。

満足度は★★★
 
テレビ主題歌,中村彩花,白井貴子,沢田知可子,高橋真梨子,石井明美,酒井法子,岩崎宏美,杉山清貴,柏原芳恵,真璃子
¥ 7,333
(1998-11-21)

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課長 島耕作4

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【出演】 宅麻伸、藤谷美和子、戸田菜穂 他
【放送】 1998年(フジ)

大手電機メーカーの課長として働くサラリーマンの姿を描いた企業ドラマ『課長 島耕作』シリーズの第四弾。原作は引兼憲史の人気コミック『課長島耕作』。

初芝電器宣伝課の課長・島耕作はここ最近恋愛とはとんと無縁の生活を送っている。新製品のCMはCGを駆使すると方針を固めた矢先、福田常務から横槍が入る。女優の立花麗子を起用して欲しいと言うのだ。理由は社長がファンだから。要するに社長へのゴマすり目的だった。既に同僚の奥山を介して許可は取ってあるという。早速耕作と奥山は立花麗子に会いに行く。撮影が終了するまでの間、立花麗子が出した最後の曲『わずかの涙』を聞いていた耕作を見た麗子は突然CDを海へ放り投げてしまう。一年前、麗子は高い人気を誇っていたにも関わらず突然歌手を引退している。耕作は俄然麗子に興味を抱き始める。

ええっと、これはサスペンスですか?

前作の放送から三年経っている事もあり、主要メンバーは同じキャスティングでも内容はかなり様変わりしている。娘役の安達祐実は既に思春期真っ盛りだし、島耕作は女日照りという何とも情けない状況。前作までは花を添えていたBARのママも恋人もいない。おまけにドラマの内容は企業ドラマではなくサスペンス。島耕作を探偵役に迎えたちゃちな2時間サスペンスと言っても過言ではない。前作までで綺麗にまとめられているシリーズなのに、わざわざ続編として作る必要があったのかどうか首を傾げてしまう。

特にお粗末だったのは投げたCDの演出。麗子が海に投げ捨てたCDがUFOの如く遥か彼方にまで飛んでいくなんてありえない。思わず目を疑った。

ちょっと内容が酷過ぎる。結局耕作の本来の仕事はCM制作だったはずなのに、そちらの方は殆どそっちのけでストーリーの大半を麗子に嫌がらせを続ける犯人解明になっている。これまでは必ずあったお色気シーンもまるでなし。流石にこのドラマはいただけない。

満足度は★★★

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悪魔の仮面

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【出演】 古谷一行、真野響子、羽場裕一 他
【放送】 1998年(TBS)

遺産相続問題で揉める岡山県の旧家で起きた連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『薔薇の別荘』(『七つの仮面』所収)、『神楽太夫』(『刺青された男』所収)。TBSの金田一耕助シリーズ第二十六弾!

昭和三十二年、金田一耕助は岡山県吉備郡黒姫村へとやって来た。依頼主の仁礼鶴子に連れられ仁礼家に案内される。その日は村祭りで仁礼家には親戚一同が顔を見せていた。招かれざる客の到来に親戚一同怪訝な表情を見せる。当主の仁礼竜之介は病床で車椅子の生活を送っていて、若い妻の可南子に車椅子を押されて登場する。そんな中、仁礼家に神楽太夫が現れる。神楽太夫は村の古くからの習慣で各家を回る事になっているのだが、鶴子は神楽太夫に密かに何かしらの合図を送っていた。竜之介の弟夫婦も、その下の弟夫婦も金策に苦労しており、仁礼家からの借金を目論んでいてとても友好的な関係とは呼べなかった。その夜、村祭りの踊りの最中、竜之介が部屋の中で鎌で殺されているのが発見される。金田一が駆けつけると部屋の中に部屋の鍵があり、第一発見者のお民の証言で部屋には鍵がかけられていた事が判明。つまり事件当時部屋は密室だった。

横溝正史原作の二つの小説を合わせた内容になっているが、ドラマ化するに当たりかなり脚色されている。大部分は『薔薇の別荘』の内容に沿って進行していくもののその背景は『神楽太夫』の方から取って、横溝作品ではお馴染みの岡山県を舞台にしたドラマにしている。その方が警部役を変更しなくて済むので都合が良かったのだろう。深く考えてはいけない事なのだが、一体岡山でどれだけ難解な殺人事件が起きたら気が済むのやら。

そもそも金田一が鶴子に受けた依頼は竜之介の介護をする可南子の出生について。かつて仁礼家に奉公していた女性の娘である可南子が竜之介の実子である事が判れば、しかも死後認知が可能だとすれば、親族たちは面白くない。ただ当時はまだDNA鑑定による親子判定が可能な時代ではないため、ドラマの中では血液検査の結果とお茶を濁している。この辺りに古い日本を舞台にした作品を現代(放送当時)で放送する際の苦労を感じる。

事件は家紋がキーを握っている事に気付いた金田一が犯人とその動機を暴いていく。おそらく登場する家紋は架空の家紋だと思うがその絵柄に少々疑問が・・・。また解決編での殺害場面は幾ら何でも血が噴き出し過ぎ。ラストは金田一シリーズでは度々見掛ける「犯人はどこいった〜!」の場面に思わず苦笑。これまでの事件で何度も逃がしているのだからどうなるかくらい判るだろう。ネタばれにはなるが最後に犯人の死んだ意味を解説する金田一の話に聞き入る一同に、その前に遺体を引き上げてやれとつい突っ込んでしまった。

難点はあるものの、それなりに金田一の世界観を楽しめる内容ではあった。ただ秀逸な作品が多数あるシリーズだけにそれと比較してしまうと物足りなさを感じる。

満足度は★★★★

横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
(1979-08-23)

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