仮面の欲望

  • 2016.10.08 Saturday
  • 00:07

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 根津甚八、藤田弓子、高部知子 他

【放送】 1989年(フジ)

 

気弱な性格が災いして家でも会社でも馬鹿にされていた男が別人になり切ってある計画を実行するサスペンス。原作は西村京太郎著の『仮面の欲望』。

 

生まれつき気が弱く人と争うことが嫌いな坂口良介は学生時代は苛められ、今また妻に馬鹿にされているが一度も怒りを露わにしたことがなかった。しかし胸の中では家事もせず眠っている妻に殺意を抱いていた。会社でも同僚の坂口にいいようにこき使われ、飲食代の支払いまで命じられる。妻の誕生日を祝おうとする良介の事情などお構いなしだった。ようやく解放されて帰宅したものの、妻はスナックで会った男を連れ込み、良介を無視して二人でケーキを食べる始末。そんな中、ついに良介に辞令が下り左遷が決まる。送別会では女子社員の提案でヤクザに変装した良介はこれまで一度も盾突いたことのない鈴木に強気に出る。鈴木を快く思っていなかった女子社員は大喜び。その日、良介は初めて浮気をする。

 

変装した姿は確かに元の気弱な良介とは別人に見えるのだが、頬を膨らませるとどうしても不自然で如何にも変装しましたと言っているようでお粗末な仕上がりであるのが難点。横から撮られると特に頬の不自然さが目立ち、ついそこに目がいってしまう。またかつらからかなり年配の男性をイメージしているのだと思うのだが、顔にほうれい線が一切見られないのも不自然に見える。素人が自力で別人になり切ろうとしたというシチュエーションなのでもしかするとわざとそうした不自然さを残したのだろうか?

 

気弱な人間が変装で別人になり気が大きくなってとんでもない事をしてしまうというのは心情的には判る気がする。そもそも気弱で何も出来ない人間というのは自分がこんな事をしたらどうなるかが他人の行動を見て先読み出来てしまうので躊躇してしまう。このドラマの主人公・良介にはそういう傾向が見られる。その良介が自分というものを隠した事によって、自分が何かするのではなく別人が何かをするという錯覚に陥り、何でもできてしまうのである。そこまでは面白かったのだが、ラストのオチが判り辛くイマイチに感じた。

 

満足度は★★★

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浅見光彦ミステリー 唐津・佐用姫伝説殺人事件

  • 2016.07.20 Wednesday
  • 11:57

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【出演】 水谷豊、遥くらら、小野みゆき 他

【放送】 1989年(日テレ)

 

有田焼の個展を訪れた人物が次々殺害される。会場に居合わせたルポライターが連続殺人事件の謎に迫るトラベルミステリー。原作は内田康夫著の『佐用姫伝説殺人事件』。このドラマは火曜サスペンス劇場版浅見光彦シリーズ第六弾として放送された。

 

ルポライターの浅見光彦は母親の有無を言わせぬ命令で有田焼の佐橋登陽の個展に出掛ける。何事も無く土産を貰って帰宅した光彦だったが、突然佐橋から電話がかかってくる。佐橋と会場で言い争っていた陶芸評論家の景山がホテルの一室で殺害されたと言うのだ。殺人事件と聞いて早速駆け付けた光彦は遺体の傍に黄色い砂が落ちていて、メモ帳に「佐用姫の」というボールペンの跡が残されていた情報を入手する。ところが今度は個展に来ていた唐津焼の陶芸家・草間完治が佐賀県の七ツ釜で発見される。二つの事件の謎が唐津にあると踏んだ光彦は唐津へ飛ぶ。相次いで知人を失ったショックで臥してしまった佐橋の代わりに唐津入りした弟子の成沢久子が光彦に同行する事に。七ツ釜を見て船を下りた際、久子はふとこの光景に見覚えがあると足を止める。

 

危惧していた通り急遽このドラマから光彦に高所恐怖症設定が採用されている。原作の設定通り、飛行機が空を飛ぶ理論がどうしても解せずに恐怖に感じる場面が取り入れられるのは良いとしても、高層ビルを見ただけで軽く眩暈を覚えて母親同様の高所恐怖症である事をアピールしているが、これまでのシリーズで散々崖や橋の上から下を平然と見下ろす場面を導入しておきながら今更高所恐怖症もあったものではない。随分ご都合主義な高所恐怖症である。

 

ヒロインの遥くららの顔を見ていると舞台映えはするだろうが、どうもあの顔のパーツの離れ具合がおかめの面を思い出させる。それはともかく、前作の黒木瞳に引き続いて今回のヒロインも宝塚歌劇団娘役出身の女優と随分重宝されている感がある。

 

佐用姫の伝説は悲恋の伝説。このストーリーもヒロインの久子を佐用姫と見立てて恋う人を待ち続ける運命の幸せに見放された女性として描かれている。最初は母親に、次は恋人に。光彦はいつのも調子で結婚を前提に久子の名前に『浅見』の苗字をつけて浮かれているが、いつもの如くいい雰囲気になるだけで交際にも発展せずに自然消滅が関の山だろう。そう考えるとむしろ光彦の方が悲恋の運命に魅入られているのかも知れない。一つ言えるのは見守るだけでは何一つ気持ちは届かないと言う事。このドラマからはそんな教訓がひしひしと伝わって来る。

 

満足度は★★★★

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海に消えた女

  • 2015.11.18 Wednesday
  • 22:44
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【出演】 林隆三、中原理恵、洞口依子 他
【放送】 1989年(フジ)

夫殺しの容疑をかけられたまま死亡した妹の無念を晴らそうとする兄が流れ者の女と恋に落ちる大人のラブストーリー。原作は斉藤澪著の『待っていた女』。

妹の奈津江が危篤と連絡を受けた矢沢は赴任先のザイールから急いで病院へ駆け付けるが、奈津江はまもなく息絶えてしまう。葬儀の席では泥酔した矢沢の叔父が参列していた浪江警察署の刑事・高野の頭から酒をかける騒動が起きる。実は奈津江は夫の修一殺害の容疑で逮捕され、取り調べ中に流産して命を落としたのである。翌日高野に謝罪にいった矢沢は奈津江の事件の詳細を高野から聞き出す。船で男が死んでいると女性の声で通報があり、警官が駆け付けてみると血まみれの修一の傍に奈津江が倒れていた。近くには凶器も落ちていて奈津江の指紋が検出されている。以上の事から警察は奈津江を逮捕したが奈津江は一貫して容疑を否認し、その挙句流産して命を落としてしまったのである。奈津江の事件を調べ始めた矢沢は父親から奈津江は生前修一に女がいると漏らしていたと聞かされる。

原発景気の賑わいが去り脚光を浴びなくなった東北の小さな漁村の中での話なので、閉塞感のある村の独特な雰囲気がそこかしこに滲み出るドラマである。隣近所のプライバシーが筒抜けの誰もが家族のような親しさを持った風潮は閉鎖的な村の良さともいえるが、中にはそれを鬱陶しく思う人間もいる。このドラマの主人公の矢沢は正にそんな人物。村の出身者であるがどこか村からはみ出した感じが漂っている。それ故彼が夢中になったのは同じ村の少女ではなく、よそ者の女性。そんな二人が出会い、恋に落ち、そして別れを迎えるまでの軌跡を事件の真相を追う矢沢の目線でじっくりと描いていく。

結果から言えば悲恋に終わってしまうのだが、どこか影のあるヒロイン・圭子が要所要所で見せる可愛らしさが非常に印象に残る。矢沢はあまり感情を表に出す人間ではないので、余計に目立つのかもしれない。またその裏で矢沢との結婚を夢見る少女・すずの成長も見逃せない。最初は恋する少女の初々しさを見せていたすずも最後には大人の女の顔で矢沢を見つめている。ラストで見せるすずの表情も印象的だった。

満足度は★★★★★

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遮断機の下りる時

  • 2015.10.12 Monday
  • 10:23
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【出演】 水谷豊、川上麻衣子、一色彩子 他
【放送】 1989年(フジ)

奇しくも同じ日の同じ場所で自殺を決意した男女が殺人事件の真相を究明するラブサスペンス。原作は仁木悦子著の『遮断機の下りる時』。このドラマは乱歩賞作家サスペンスの一編として放送された。

遮断機の前で煙草の最後の一本に火を点けた長束賢は下りの最終電車がここを通るのを待っていた。彼は将来を嘱望されたピアニストだったが、ピアノを前にすると手が動かなくなってしまうという精神的疾患を抱えていた。絶望の底に突き落とされた彼は自殺を決意していた。ところがいざ自殺を図ろうとした際、一足早く見知らぬ女性に先を越されてしまう。賢は無意識の内に彼女を線路上から助け出していた。ひとまず自宅に連れ帰り、彼女から事情を聞くと、彼女は宇水千紗子と名乗り、借金の用立てを頼みに行った伯父に乱暴されそうになり、抵抗している内に花瓶で殴って殺害してしまったと言う。現場へ確認に行った賢は千紗子の証言と食い違っているのに気付き、犯人が別にいると推理する。

特別難解なトリックがあるわけでもなくあっさり事件が解決してしまうのでミステリーとして見るには物足りないの一言。但し、その事件を背景に自分の進むべき道を失った者同士が支え合っていく恋愛要素も含まれているので、事件の方にさほど重点が置かれていなくても許せる内容である。

意外とあっさり流されてしまっているが、長塚賢のおかれた状況は非常に深刻である。病院で精神的要因と診断されて済むような事態ではない。何しろピアニストがピアノを弾けないのである。あと一歩で世界に名を轟かせるかどうかの瀬戸際にそんな状況に陥ったのだから本人の絶望は計り知れない。そもそも死活問題である。大勢の見守る中、多くの人達の期待を背負った舞台での失敗。実際に考えてみるとぞっとする。おまけにそれが原因でそれまで二人三脚で歩んできた妻からも見放されているとは、賢が世の中に絶望し命を絶とうとした気持ちも判らないではない。

それに対してひょんな事から出会った千紗子は賢が何者かを知らなかった。ピアニストとしての賢を愛した妻とは違い、千紗子は職業などどうでも良く、ただ自分が困難な状況にいた時に一緒にいてくれた優しい人という意識しかない。ひょんな偶然から知り合った二人だが、一緒に困難を乗り越えていく間に愛が芽生えてしまってもおかしくはないだろう。恋愛方面だけを見れば、納得の1時間ドラマである。

満足度は★★★★

アン・ルイス
ビクターエンタテインメント株式会社

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レジャーランド殺人事件

  • 2015.08.15 Saturday
  • 21:54
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【出演】 斉藤慶子、広岡瞬、荒井注 他
【放送】 1989年(テレ東)

レジャーランドのゴンドラで男の刺殺遺体が発見された。事件前に被害者を訪ねてきた謎の美女を追うミステリーサスペンス。原作は森村誠一著の『裂けた風雪』。尚、ドラマ内で殺害現場として使用されている那須ロイヤルセンターは2000年に閉鎖されている。

多くの人々で賑わう那須ロイヤルセンターのファンタラマ。ある日、ゴンドラの中で胸を一突きにされた男の遺体が発見される。所持品の名刺から被害者は増原省吾と判明。金を盗まれていない事から警察は怨恨の線で捜査を始める。早速刑事達は増原の勤務先で聞き込みをするが、増原は優秀な営業マンで恨みを買うようなタイプでは無かったと言う。増原の営業日報を見ると事件の十日ほど前の十一月二日に那須塩原駅と記載があり、その横に電車の時刻と思われる数字が書きこまれていた。同僚の女性社員の証言からその一週間後に増原を訪ねてきたのにすぐに姿を消してしまった若い女性がいた事が判る。また増原は非常に優雅な暮らしを送っていた事も判り、会社以外に収入源がある可能性が大きかった。

このドラマには少しもお笑いの要素は無いのだが、何故か刑事役を荒井注が演じるとシリアスなはずなのに軽快でどこかコミカルな雰囲気が漂い出す。当人は至って真面目で、ドラマ中笑う場面も無ければ滑稽な台詞を話すわけでもない。それなのにその存在があるだけでドラマが変わって見えるのは荒井注自身の強烈な個性のためだろう。コンビを組むもう一人の刑事との面白味のない会話がコントを見ているような気分になるのは不思議である。

さてストーリーは優秀な営業マンであった増原と謎の美女との接点に絞られてくる。二人の間に何が起きているのかが中心となっているのだが、一時間枠内でまとめるのはかなり難しかったようで、増原が優雅な生活を送っていた事情についてはあっさりと流されている。またゴンドラを使ったトリックに関しても、人の溢れたレジャーランド内でその状況を作り出すのはかなり困難だったはずなのだが、その点については殆ど触れていない。ミステリーとしてはやや説明不足感が否めない。

そう言えば初っ端から刑事に事情を説明するレジャーランド従業員の棒ぶりに目が点。素人でも使ったのだろうか?

満足度は★★★★

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女監察医・室生亜季子 もう一つの指紋

  • 2015.08.07 Friday
  • 19:18
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【出演】 浜木綿子、音無真喜子、渡辺正行 他
【放送】 1989年(日テレ)

腐乱した女性の遺体は誰なのか?自宅から発見された二つの指紋が意外な真実を導き出す。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第七弾!

川越で三代続いた室生医院の院長を務める室生亜季子の家に突然四方晴夫という男が訪ねてくる。彼は警察の鑑識課に勤務する警官で、上司に亜季子の弟子になれと言われたのを機に警察犬を連れて室生医院に下宿しにやって来る。流石に荷物持参では亜季子追い返す事も出来ず、二階に下宿させる事にしたものの、我が物顔で図々しい振る舞いに看護師の立花よう子は呆れるばかり。その夜、持病を抱えた吉崎はなも室生医院に入院したいと訪れ、亜季子の家は一気ににぎやかになる。実ははなには光子という娘がいるが、どこか体の具合が悪いらしく遅刻に早退を繰り返し勤め先の店長からは叱られてばかり。楽な仕事がしたいと言って東京へ行ってしまったらしい。そんなある日、女性の腐乱死体が発見される。現場付近に乗り捨てられていた車から発見された免許証から遺体は光子だと断定される。

前作で刑事を退職した田原刑事に代わって左とん平が演じる浜田刑事が川越西署の刑事として登場する。浜田刑事は初っ端から亜季子に対する態度が馴れ馴れしく、他人への気遣いに欠ける要注意人物。同時に図々しい四方までもが新たにメンバーに加わり、田原のどっしりと構えて部下を統括する落ち着いた雰囲気はどこ吹く風。プライベートの場面が随分賑やかになっている。

ところで今回は亜季子が監察医である姿を見せたのは司法解剖の時のみ。あとは専ら探偵役に回り、血液型の鑑定の場面もほんのおざなり程度にしか登場しない。その代わり今回のドラマのキーワードとなる指紋については四方が夢中になっている設定になっており、その上警察犬まで登場してこれまでとはかなり路線変更してきた感じである。

ストーリーにもやや問題あり。今回の指紋についての云々は亜季子が奇抜な発想で真相に近付いた事になっているが、トリックがあまりにもお粗末で、それに気付かない警察の無能さが露呈されたも同然だった。

満足度は★★★

竹内まりや,山下達郎
イーストウエスト・ジャパン
(1989-09-10)

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女監察医・室生亜季子 赤い髪の女

  • 2015.08.02 Sunday
  • 23:32
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【出演】 浜木綿子、江守徹、松阪隆子 他
【放送】 1989年(日テレ)

火事現場から発見されたのは男の焼死体と幼児の白骨。事件について回る赤い髪の女との関係は?火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズの第六弾!

夜中に火事が起きた日の翌日、室生亜季子は普段から世話になっている生沢医師の顔を立ててお見合いをする。ところが約束の時間が来ても相手は一向に現れる気配がない。実はその頃、見合い相手の医学博士・須貝良三は本屋で万引きで店長に捕まっていた。三十分遅刻した上に平然と万引きの話をした須貝に呆れた亜季子はさっさと帰ってしまう。帰宅すると田原刑事から昨夜の火事現場から発見された焼死体の司法解剖を依頼される。遺体の身元はスナック『夢』のオーナー・加納。司法解剖の結果、扼殺の後焼却されたと判明する。従業員の証言から加納は博打好きでかなりの借金があっ事も判る。一方、火災現場のトイレで発見されたブラシの髪を調べるために毛髪の研究の第一人者である須貝も借り出される事に。その頃、田原は先頃起きた幼児誘拐事件が解決したら退職しようと考えていた。

このシリーズの最初から登場していた亜季子に恋をする田原刑事が登場する最後の話になる。田原刑事は事件終了後、亡き妻の実家の旅館を手伝うために福島へ。最後まで亜季子への想いは成就する事は無かった。

今回は血液鑑定を実際に行う場面が登場する。また毛髪に関する事件のため、毛髪から人間を特定するための作業が如何に困難を極めるかをゲストの須貝医師が解いて聞かせる。こういう学者肌の人間と対極にある結論だけを知りたがる気の短い安田刑事とはどうも馬が合わないようで、何度かぶつかる場面を盛り込んでいる。見た感じどっちもどっちだと思うが・・・。

ところでストーリーに目を向けてみると、特徴的な先天的な赤い髪を使ったミステリーで、この事件の裏に何が隠されているかを亜季子と最悪の出会いをした須貝が追っていく事になる。火災現場で見つかった他殺体と幼児誘拐事件。この二つが繋がりを見せていく意外性が非常に興味深い。面白いストーリーだった。

満足度は★★★★★

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小京都連続殺人事件

  • 2015.04.17 Friday
  • 19:23
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【出演】 片平なぎさ、船越栄一郎、中村明美 他
【放送】 1989年(日テレ)

各地の小京都で同じ苗字の男が殺害される事件が連続して起きる。出版社に勤務するライターとカメラマンのコンビが小京都で起きる連続殺人事件の謎に挑む。原作は山村美紗著の『小京都連続殺人事件』。『小京都ミステリー』シリーズ第一弾!

柏木尚子は旅の友社の社員だが、半年前から現場を離れてデスクワークに回されていた。ある日編集長から小京都の女をテーマにした記事を任され、富山県井波へと向かう。尚子が目を付けたのは井波の伝統工芸である木彫りの職人・久美。ところがインタビューの途中、工房では漆不動産の社長・漆がホテル建設を巡って騒動が起きていた。取材後、大牧温泉に宿を取った尚子は露天風呂で三人の女性達に出会う。何れも小京都に所縁のある人々で小京都の話題で盛り上がり、うっかり妹と同じ金のイルカのイヤリングを持つのが誰かを聞きそびれてしまう。翌日、取材中に近くの旅館の一室で漆の遺体に遭遇する。遺体発見直前、部屋から飛び出す女性が清掃員に目撃されていた。

小京都と呼ばれる土地で起きた殺人事件の関連性に気付いた尚子が取材そっちのけで事件を追っていくという内容で、同行する克也は一緒に事件を解決するというよりは尚子に散々振り回されて、惚れた弱みか良いように利用されてしまう。尚子の克也に対する態度はかなり酷い。克也とすれば尚子に良い記事を書いて欲しいという一心なのだが・・・。

さて今回のドラマのヒロインは尚子が露天風呂で出会った女性の内の一人である冬木百合。百合の繊細で悲しみをそそる姿がとにかく目を惹く。探偵役の二人がすっかり場馴れした感じが強く安定感があるのに対して、百合の存在は新鮮そのものだった。

またこのドラマの特徴と言えるのがラストシーン。尚子は確かに事件の謎を解き明かしているのだが、この事件の全容を警察は掴んでいない。つまり犯人逮捕に至っていないのである。そのため事件は解決したと言い切ってしまって良いものか悩む所である。まして尚子は事件に関わる幾つかの事実を警察に明かしていない。これはおそらく迷宮入りの事件になってしまうのではないかとついついいらぬ心配をしてしまう。

満足度は★★★★

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捜査圏外の条件

  • 2014.11.14 Friday
  • 01:21
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【出演】 古谷一行、甲斐智枝美、伊藤蘭 他
【放送】 1989年(日テレ)

自己保身のために発作を起こした妹を置き去りにした男に復讐するため、七年の月日を費やして完全犯罪を目論んだ男の復讐劇。原作は松本清張著の『捜査圏外の条件』。

東西銀行の行員である黒井忠男は妹の光子と二人暮らし。流行歌の『神田川』を歌いながら洗濯物を取り込む光子は明るく前向きな性格で、未亡人となった現在忠男と同居してはいるものの、半年後には編み物教室のアシスタントとして自立すべく頑張っていた。ある日、銭湯からの帰り道、光子は亡き夫の墓参りに秋田へ行きたいと言い出す。忠男は心臓病を患っている光子の身を心配するが、光子の「最近は調子が良いから薬はいらない」という言葉を信じて送り出してやる。ところが帰宅予定日になっても光子は戻らず、心配になった忠男は秋田の叔母の家に電話をかける。すると光子は叔母の家には行っていなかったと判明。警察に捜索願を出して三週間程経ったある日、唐沢温泉の旅館で病死したと知らせが来る。狭心症の発作だった。役場で光子の遺体と対面した後、光子の所持品を見せて貰った忠男はバッグに貼ってあった真鍮の名札が毟り取られているのに気付く。実は光子は旅館に男と宿泊していた。

自己保身に走った妹の恋人を恨む忠男もまた自己保身に走った。

このドラマを見ているとどうしてもそう思ってしまう。忠男の復讐計画は自分を警察の捜査圏外に置く事。二人の間に関係性が認められれば忠男の犯行だとばれてしまう。だから忠男は妹を置き去りにした男との関係性が風化するまでに実に七年の月日をかけている。しかしそれは結局の所、復讐を果たした忠男自身が罪を逃れるための工作である。

両親と死別して以来、自分が親代わりとなって育ててきた大切な妹を大事に思う気持ちは理解出来るし、その妹が狭心症の発作を起こして苦しんでいるのを自己保身のために見捨てた男を恨む気持ちも理解出来る。しかし復讐を行う事と、罪を逃れる事は全く別の話である。

客観的に見れば妹を見捨てた男も忠男も同じ穴の貉である。そう考えると忠男に感情移入する気が萎えてしまう。

ところでこのドラマは忠男の16年間のストーリーであるにも関わらず、忠男が一向に代わり映えがしないのは頂けない。もう少し変化があっても良いのではないだろうか?

満足度は★★★★

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女友だち同窓会殺人事件

  • 2014.07.17 Thursday
  • 00:19
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【出演】 篠ひろ子、中島ゆたか、柏木由紀子 他
【放送】 1989年(フジ)

高校時代の友人同士で開いた同窓会で友人の一人が毒死する。ベテラン女優とマネージャーのコンビが謎を解き明かすため奔走するミステリードラマ女優夏木みどりシリーズ第二弾!

ベテラン女優・夏木みどりは少々落ち目のベテラン女優。最近、七歳年下のカメラマンと付き合い始め、彼の実家で福島の寂れた温泉旅館をロケに指定する程の入れ込みよう。実は福島はみどりの故郷でもある。その頃、みどりの女友達である作家の美和子、編集者のカオル、主婦の靖世や京子等々、続々と同窓会のために福島に向かっていた。ホテル『リステル猪苗代』に集まった面々は久々の再会を喜んでいた。女優となったみどりを褒め称える中、報道陣が突然やって来て美和子を取り囲む。実は美和子は主婦作家として女流文学賞を受賞していて、サインを求められるのはみどりではなく美和子ばかり。この状況をみどりは不満に思っていた。皆で近況を話していると、カオルが未だに独身と聞いてみどりは高校時代付き合っていた恋人の話を持ち出す。ところがその恋人は現在美和子の夫に収まっていると言う。そんな中、酔っ払って寝ているとばかり思っていた美和子が口から血を流して死んでいた。

このドラマは無意識の悪意がテーマとなっている。死んだ美和子が死ぬ間際に行った何気ない行動が、本人は良かれと思ってやった事でも優しくされた側は酷く傷付く事もある。美和子はそれが顕著だった。

一体、何故そんな事をしたのか?

美和子の不可解極まりない行動が謎を解明するカギとなっている。みどりはマネージャーの三木を引きつれてその謎に迫っていく。証言するのは全て高校時代からの友人ばかり。勿論美和子も高校時代の友人。幾らみどりでもこんなに胸が痛む事は無い。

ラストで美和子の死の真相が判明するが、非常に印象的な内容でいつまでも心に残ってしまう。互いに気を許した大切な友人だからこそ余計にその真相は悲しく、そして心に刻まれていく。ドラマ自体はコミカルに展開するものの、人の心情を読み解く良いストーリーである。

満足度は★★★★★

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