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きのうの敵は今日も敵

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 石田純一、黒木瞳、伊東四朗 他

【放送】 1995年(TBS)

 

急死した社長の代わりに社長に就任するのは誰か?研究一筋の長男、革新派の次男、人が好いだけの長女の夫が三つ巴で社長の座を目指す。仕事に恋に張り合いながら新社長が誕生するまでの成長物語。

 

男性化粧品会社『嵐ポマード』では新入社員を迎え、社長室で入社式を行っていた。本来ならば社長が挨拶するところだが、社長が急死したため止む無く社長無しで入社式を行っていた。この式には役員の他、社長の長男・嵐公平が出席する事になっていたが、公平は一人息子の等の野球の試合で大遅刻。母親の則子はそんな公平に激怒する始末だった。その頃社内では誰が二代目社長になるかが専らの噂となっていた。おそらく社長は公平を後継者として育てるつもりで、入社以来研究一筋だった公平を本社に呼び宣伝部長とさせていたと思われるが、育てる間も無く病死したため公平では社長は務まらないというのが専らの見方だった。また次男坊の信英は『嵐ポマード』の外食事業部を展開するリーダーであるのだが愛人の子供であるため則子が許すはずが無い。また長女の里美も夫の井上常務の社長就任を狙っていた。そんな中、公平は本屋で外食事業部の岡部恵子と知り合いになる。彼女が酔っ払いに絡まれたのがきっかけで、二人は男女の仲に。社長の四十九日法要の後、則子が社長に指名したのは案の定公平だった。しかし公平は辞退し、外食事業部は信英を社長にしろとクーデターを起こす。

 

一時はサラリーマンと言えばポマードが必需品となっていた時代があるが、このドラマはポマード全盛期を過ぎた時代が舞台。男性化粧品は次第に多様化し、ポマードは廃れつつある。そんな時代にポマードで成りあがった男性化粧品会社の社長が急死。ドラマの中心となっているのは次期社長に誰がなるのかという社長レースだが、廃れ行く会社の生き残りを賭けて誰が活路を見い出していくのかも関わって来る。あまりシビアな内容では無い反面、様々な思惑が入り乱れる中で社長候補者が成長していく姿が拝めるストーリーはなかなか面白い。放送当時はラブストーリー全盛の時代だけに、仕事だけでなく恋愛も絡んでバトルになるのは致し方ないのかも知れない。また同族会社という設定上、ホームドラマ的な要素もある。

 

一番の見所は石田純一演じる公平の成長だろう。毎回様々な困難を乗り越えて人間的に成長する姿がはっきりと見て取れる。最初は研究職から急に本社勤務になった頼りないだけの男だったが、人望、考え方、統率力等々、社長に必要と思われる物を一つ一つ身に付けていく。またがつがつしない物腰の柔らかさも魅力の一つである。

 

満足度は★★★★★

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女監察医・室生亜季子 時効なし

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 浜木綿子、岸田智史、鮎ゆうき 他

【放送】 1995年(日テレ)

 

寺の土地から死後二十年以上経った白骨遺体が発見される。白骨には絞殺された形跡があったが、既に時効は成立していた。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第十八弾!尚、藤田まことが駅前のうなぎ屋の主人という役で友情出演している。

 

川越で三代続いた開業医で、この地域の監察医を務める室生亜紀子は駅前の『岸野胃腸クリニック』に患者を取られてすっかり暇を持て余していた。新しくクリニックにやって来た医師・岡崎昇の評判がすこぶる良いと言う。早速、様子見に胃カメラ検診に行った亜季子は岡崎が恩師の息子であると判り大喜びする。しかし恩師は七年前に交通事故で植物状態になっていた。その頃、了善寺で白骨遺体が見つかる。亜季子が鑑定した結果、白骨は三十歳前後の大柄の男性で扼殺された形跡があった。白骨の状態から死後二十年以上経ったものだと判る。そうなると時効が成立してしまい、例え犯人が判っても控訴出来ない。白骨遺体の身元を特定しようとした浜田警部はマスコミに控訴出来ない事件の捜査は税金の無駄遣いと言われ、ついカッとなって司法解剖が当てにならないと暴言を吐いてしまう。心ならずもその言葉が新聞に取り上げられてしまい、翌朝慌てて浜田警部は室生医院へ謝罪にやってくる。一方、亜季子は岡崎が白骨遺体にやけに拘るのが気になっていた。実は白骨遺体が発掘された土地は昭和四十二年から昭和四十五年まで岡崎教授が先代住職から畑用地として借りていた土地だったのである。

 

亜季子の人柄を表すような場面は多々あるが、その中でも植物状態となった恩師に会いに行く場面にそれが色濃く出ている。言葉も話せず、寝たきりで人手に頼らなければ何も出来ないかつての恩師。そして七年間、彼の面倒をずっと看続けている女性。その二人の愛の強さに思わず亜季子は感動の涙を流してしまう。人の気持ちに寄り添う事の出来る人情派の亜季子ならではの場面である。

 

また浜田警部の人間性もこのドラマでは良く出ている。時効の成立した事件だけに部下の刑事達は控訴も出来ないと判って白骨遺体の捜査に投げやりになるし、マスコミも税金の無駄遣いと責め立てる。それを一喝して白骨遺体の身元調査を推し進めるのが浜田警部。どんな人間であれ、仏さんの身元を判明してやるのが礼儀という信念を通した姿はいつになく格好良く見える。

 

さて今回の場合、白骨遺体が見つかりさえしなければ・・・という思いがどうしても残ってしまう。死後二十年以上経った今、その事件に関わった人々は何事も無く暮らしている。しかも咎められるような生き方はしていないのである。そして新たな事件を生む事も無かった。亜季子が犯人に対してやり切れなさをぶつけたように、見ている側も胸の詰まるストーリーだった。

 

満足度は★★★★

沢田知可子,小野沢篤,カラオケ
ダブリューイーエー・ジャパン
(1995-03-10)

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大和路くみひも殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 片平なぎさ、永島敏行、友里千賀子 他
【放送】 1995年(日テレ)

取材中に遭遇した心中事件が二年前に消息を絶ったくみひも作家一家の悲しい過去を紐解いていく。フリーライターとカメラマンのコンビの奔走する姿を描いた『小京都ミステリー』シリーズ第十五弾!

蒸し暑い夏の盛り、旅行特集の大和路特集の取材のため編集者の柏木尚子と相棒のカメラマンの山本克也は古代文化の故郷と言われる柏原を訪れる。静かな街並みを散策していた二人は古風な和服の女性の写真を撮影しようとして、彼女に付き纏っていたチンピラ風の男にカメラを盗まれてしまう。取材の予定を終えた二人は伊賀上野へ向かう。伊賀上野は伊賀流忍術の発祥の地として有名で、松尾芭蕉ゆかりの地が方々に見られる。また伝統工芸であるくみひもでも有名な地である。尚子は旧友のくみひも作家の藤村夕紀一家に会うつもりだったのだが、二年前から家族全員が行方不明になっている事実を知って驚く。翌日、心中事件があり、偶然通りがかった二人が遺体を確認すると克也のカメラを盗んだ男だった。尚子は心中の状況を聞いて、着物を締めていた帯締めと別の帯締めで互いの手首を結んでいた事が気に懸かり、もしかしたらこの心中は心中に見せかけた殺人では無いかと疑い始める。

二年前のくみひも作家一家の行方不明事件を伏線として、偶然遭遇した心中事件の真相を究明するとみせかけて行方不明事件の真相を重点的に解き明かすという事件の二段構えの構成になっている。この手法は『小京都ミステリー』シリーズでは割合良く使用される手法で、ともすれば前作のように当初の目的を忘れて暴走する可能性をはらんでいるものの、ストーリーを膨らませるには有用な手法である。ただ今回の場合はどちらの事件も密接に繋がりを持たせているので比較的すんなりと受け止められる。

それにしても心中事件の男女の遺体が人々の前に晒される場面があるが、まあ入水自殺だし表現としては正しいのかも知れないが、流石にあれは演じている女優が気の毒だと思った。一目見て和装の男性とチャライ男の心中事件と頭が受け付けてしまったくらいである。髪はカツラを外した直後のような悲惨な事になっているし、遺体用のメイクが施されているせいで女性だと言われなければ全く気付かない。せめて画面上状況が判り易いように女性らしさを残しても良かったのではないだろうか?

総合的に見て話の内容は割合面白かった。小京都ミステリーの看板を背負っているためどうしてもその土地のアイテムを利用する縛りありきの中で制作しなければならなかったり、伏線を回収し切れなかったり、何故に今この事件が起きる必要があったのか等々腑に落ちない細かい点はあるものの、恥も外聞も捨てて娘のために駆け回る親のエゴやそれに対する不条理な扱いなども絡ませてきっちり仕上げて来た印象のあるドラマである。

満足度は★★★★
沢田知可子,小野沢篤,カラオケ
ダブリューイーエー・ジャパン
(1995-03-10)

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山陰但馬殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 片平なぎさ、余貴美子、芦川よしみ 他
【放送】 1995年(日テレ)

幼い娘を残して亡くなった母親の死は自殺なのか?それとも他殺なのか?母を恋う少女のためにフリーライターとカメラマンのコンビが一肌脱ぐ。『小京都ミステリー』シリーズ第十四弾!

雑誌記者の柏木尚子と相棒のカメラマンの山本克也は雑誌の蕎麦特集の取材に但馬空港へ降り立った。空港で新進のデザイナー・佐野綾子を見掛ける。実は以前から尚子は綾子に取材を申し込んでいたが何回も断られている経緯があり、この日もあっさり逃げられてしまう。その後二人は地元の川村に案内され出石蕎麦の工場や出石焼の取材を行い、出石の静かな街並みを散策する。ところが宿泊予定のホテルの到着すると昼間見掛けた小さな女の子・美幸が母親を待っていた。母親はいつまで経っても現れない。見兼ねた二人は美幸を誘って一緒に食事をした後、尚子の部屋で宿泊させる。翌朝、美幸の母・古田しのぶが城崎で遺体となって発見されたと連絡を受ける。城崎警察署の霊安室で母親と対面した美幸は必死に涙を堪えていた。しのぶは末期の乳癌で心臓に刺さった果物ナイフを両手で握り締めていた事から警察は自殺と見ていた。尚子はしのぶが娘をホテルのロビーに置き去りにして死ぬわけはないと他殺の線で調査を始める。

ストーリーはしのぶの死が他殺である証拠を集めるために駆け回る内、次第に焦点がずれて美幸の父親探しへと変貌する。元々は他殺と推理したもののその証拠はまるで無く、仕方が無いので死期が迫ったしのぶが自分が死んだ後の事を考えて美幸を父親の元へ預けたのではないかと推理した事が発端となっているのだが、いつの間にか本来の目的を失って探偵役の二人が走り出してしまったような気がしないでもない。その結果、美幸の出生の秘密に迫る事となるのだが、まあその流れは良いとして克也が途中で披露する苦しい推理に息が詰まりそうになった。明らかにミスリードのために用意されたものだとは判るが、真相が単純明快なので普通に考えればどう転んでも真相に辿り着いてしまう。そのため一生懸命捻りだした推理がまずそうは考えられないこじつけ。むしろそう考える人がいる方がレアである。もっとも最後には巡り巡ってしのぶの事件に戻って来る。総合的に見れば成立するものの、関係のないような調査の先に必ず真相があると約束された上で行動しているようでどうにも腑に落ちない。

しのぶの過去の映像が白黒で流されるが、その映像の質感が白黒全盛時代のテレビドラマの映像に見えて何とも趣深い。現代の技術では質感の面で綺麗過ぎてしまいこんな味わいが出ないだけに、貴重な映像だった。

満足度は★★★
 
沢田知可子,小野沢篤,カラオケ
ダブリューイーエー・ジャパン
(1995-03-10)

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豊後路石仏殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、音無美紀子、浜田万葉 他
【放送】 1995年(日テレ)

六年前に蒸発した男の帰りを待ち侘びる家族を脅迫していた男が殺害される。フリーライターとカメラマンのコンビが事件の真相に迫る。『小京都ミステリー』シリーズ第十三弾!

十二月の初め雑誌記者の柏木尚子とカメラマンの山本克也は大分県の国東半島の南の玄関口にある小京都・杵築で取材をしていた。途中で見掛けた修行僧に取材したいと考えた尚子は熊野磨崖仏で宿泊するが、肝心の修行僧には逃げられてしまう。別府で一泊し、次の取材地である臼杵を訪れた二人は今度は石像の掃除をする老婆・高木きぬと会う。きぬにも取材は出来なかったが、きぬを知る人の話では息子が帰って来るのを祈って善行を行っているのだと判る。何でもきぬの息子は外科医だったが医療ミスを起こして蒸発してしまったのだと言う。直後倒れたきぬを見つけて自宅まで運ぶが、蒸発した息子について尋ねた途端追い返されてしまう。尚子は蒸発した時期とあの修行僧が現れた時期が近い事から同一人物ではないかと疑い始める。ところがその夜、きぬの孫・高木幸子と偶然会った二人は彼女のマフラーにべっとりと血がついている事に気付いて驚く。彼女が来た方向へ足を向けると男が胸をハサミで刺されて死んでいた。

今回の事件の鍵を握っているのは修行僧。誰にも心を開こうとしない修行僧を口説き落とすために尚子がとった行動が自らも修行僧となる事。尚子の思い切った行動に驚かされる。修行中の尚子がふらふらになりながら修行に耐える姿はこのドラマの一番の見せ場とも言える場面となっている。

ところで肝心のミステリーはと言えば、正直言ってこのドラマはミステリーでも何でもない。関係者の供述だけで事件の真相が解明してしまうので、探偵役の二人の行動は如何にして関係者から話を聞き出すかに限られている。殺人犯の容疑者となった幸子を救うためにあちこち駆けずり回ったのは認めるが、そこに推理力が必要かと言われると疑問である。

さて未だしつこく尚子に片想いをしている克也だが、尚子に電話で「好きよ」と言われただけで舞い上がり、何でもいう事を聞いてしまう。尚子にとってこれほど扱いやすい相手は無いだろう。所謂その程度の存在という事なのかも知れない。

満足度は★★★
 
白井貴子,秋元康,十川知司,カラオケ
テイチクエンタテインメント
(1994-06-01)

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課長 島耕作3

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【出演】 宅麻伸、斉藤慶子、安達祐実 他
【放送】 1995年(フジ)

大手電機メーカーの課長として働くサラリーマンの姿を描いた企業ドラマ『課長 島耕作』シリーズの第三弾。今回のテーマは派閥争いと愛人スキャンダル。原作は引兼憲史の人気コミック『課長島耕作』。

初芝アメリカを軌道に乗せた功績を評価された大泉が副社長に抜擢された。その大泉が帰国すると聞いて、部長の中沢と共に島耕作は空港まで迎えに行く。大泉の隣に寄り添っていたのは耕作が贔屓にしている銀座のBARのママ・典子だった。耕作は典子から大泉との関係は秘密にして欲しいと頼まれる。しかし大泉の副社長就任を面白く思わない福田常務はショールーム課の課長・村木に大泉のスキャンダルを暴いて副社長の座から引きずり下ろせと命令を出す。ところが耕作の活躍で村木の策略は失敗。福田常務は次に創業者の清廉潔白なイメージに傷をつけるべく、愛人に目をつける。それは耕作の部下で恋人の大町久美子の母親だった。否応なしに耕作は派閥争いに巻き込まれていく。

出世に興味のない島耕作はどこの派閥にも属さず中立な立場をとり続けていたが、初芝電器創業者の隠し子である久美子が関係していたために自らが苦しい立場に追い込まれてしまう。会社の危機を救うためには久美子の出生の秘密を明かさなければならない。しかし恋人である久美子を守るためには秘密を明かせない。究極の選択を迫られた耕作が如何なる判断を下すかが今回のドラマの見どころとなっている。

あっちを立たせればこっちが立たない。中間管理職は常に板挟みの状態である。今回は中間管理職というよりは男として板挟みとなってしまったのだが、どちらにしても苦しい状況には変わりない。おまけにどちらに転んでも耕作は痛みを伴ってしまう。

また父親としても娘に試されてしまう。既に娘の奈美は中学受験を控えている年齢。可愛いだけの子供ではなく、様々な事を考えるまで成長している。離れて暮らしている耕作はそんな娘の成長を実感しているわけではない。インターネットの普及した現代からすると懐かしいパソコン通信でのやり取りで初めて娘の成長を実感した耕作の驚きと戸惑い。それ故に失ってしまった娘の信頼。仕事、恋愛、家族。どの面においても精一杯尽力する耕作の姿はまるで正義のヒーローのようにも見えるが、そこまで気が回る人間はそうはいない。しかしそれが当時のサラリーマンの憧れの姿でもあったように思える。

満足度は★★★★

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悪魔の花嫁

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【出演】 古谷一行、高橋ひとみ、古尾谷雅人 他
【放送】 1995年(TBS)

京都の資産家の家で起きた連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の短編小説『悪魔の家』。但し原作では金田一耕助は登場しない。TBSの金田一耕助シリーズ第二十一弾!

昭和三十一年夏、金田一耕助の元に恩師の知り合いの女性・宇津木香織から一通の手紙と鈴が送られてきた。早速指定された待ち合わせ場所である京都の料亭へ出向いた金田一だったが、待てど暮らせどそれらしき女性は一向に現れなかった。仕方なく連絡先を伝えて料亭を後にする。その夜は濃霧だった。帰宅途中の鶴田弓枝と出会った金田一は彼女を家まで送る途中鈴の音を耳にして立ち止まる。すると闇の中に異様な顔が浮かび上がっていた。悪い悪戯と先を急ぎ、無事鶴田家に到着した金田一は弓枝に誘われて鶴田家にお邪魔する事に。鶴田家は大層な豪邸で何人もの召使が仕えており、どうやら弓枝はそこの令嬢のようだった。弓枝は真っ先に小さな少女・鮎子に声をかけるが、鮎子が手にしていた西洋人形を見た瞬間、金田一はぎょっとする。その人形はぼろぼろで顔が焼けただれていた。

京都の資産家の家に招待されたばかりに連続殺人事件に巻き込まれてしまう金田一耕助の活躍を描いたストーリーではあるが、夜道で会った弓枝がかつて金田一が結婚を考えていた女性に似ている等ささやかなラブロマンスを交えている。惚れた弱みとでも言えば良いのか弓枝が望まぬ結婚に身を投じようとしているのを見ていられず、お節介にも事件解決に走り回り、その挙句真相を暴いても結局は事件を解決させないままに終焉を迎える。まあ、金田一はあくまで探偵であり、警察では無い。そのため犯人をどうするかは金田一の胸三寸。たまにはこんな幕切れもありとは思うが、見ている側としてはどうにもすっきりしない。主演が古谷一行という事もあり、ラストシーンがつい『失楽園』とダブって見えて仕方が無かった。勿論、『失楽園』の方が後で制作されたドラマなので模倣ではない。

原作が短編小説だけあってストーリーもトリックもあまり手の込んだ内容ではなく、それを様々なエピソードを加えて二時間に仕上げた感じだった。ストーリーを簡潔に言ってしまえば財産を正式な後継者に遺したという話で、連続殺人はその過程の一つだったに過ぎない。

ところで闇夜に浮かび上がる不気味な顔はかなりちゃちだと感じたが、そのからくりを知ればちゃちなのも仕方がないとは思われる。但し時代背景を考えるとこれでも精巧過ぎるくらいである。正直、まるで恐怖を感じなかったし・・・。

満足度は★★

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華やかな招待状

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【出演】 篠ひろ子、秋本奈緒美、夏木マリ 他
【放送】 1995年(フジ)

結婚を機に引退した女優の豪邸を舞台に発生した連続殺人事件の謎にベテラン女優とマネージャーのコンビが挑む。女優夏木みどりシリーズ第七弾!このシリーズはこのドラマが最終作となる。

空港で喧嘩別れした三木俊介が帰った後、ベテラン女優・夏木みどりの面倒は全てプロデューサーの谷村が看る事になるという波乱の幕開けをしたスペシャルドラマ『落日』のハワイロケ。撮影は企画者である大城江里子の豪邸で行われるのだが、共演者は何れも癖のある連中ばかり。かつてライバルであった江里子とみどりは再会した早々火花を散らす。邸内を歩いていたみどりは開いたままのドアを不審に思って覗き込むと、江里子の写真を何者かに切り裂かれていた。またドラマの顔合わせだとばかり思っていたガーデンバーティが江里子の女優生活二十周年記念パーティーと知ってみどりは激怒。遅れてやって来た脚本家の本間は明らかに不機嫌そのもの。誰一人として江里子を祝う者はいなかった。その夜、みどりが部屋に入った途端停電が起きる。翌日から撮影は開始されるが、キャスティングは全て江里子の独断と聞いてまたもやみどりの頭に血が上る。その時天井から水が・・・。異変に気付いて真上の部屋へ行くと、浴槽の中で共演者の女優が亡くなっていた。

今回は三木の代わりに谷村がみどりとコンビを組むのかと思いきや、やはり収まるべき所に収まるもので、最終的にはみどりと三木のコンビとなる。まあ、みどりのような気分屋で我儘な女優のマネージャーが務まる人間はそうはいない。

ところでこれまでお馴染みとなっていたみどりの恋愛話が今回は全く登場しない。もしや前作まででネタ切れ?いや、もしかすると三木との切っても切れない仲を持って恋愛話は終了したのだろうか?どちらにせよみどりの恋愛話は皆無なので寂しい限りである。

また今回のミステリーの内容なのだが、これまでのこのシリーズのドラマの切り貼りしたような感じが否めない。海外ロケに豪邸と設定は豪華なものの、内容はイマイチだった。

満足度は★★★

マリリン・モンロー,ジェーン・ラッセル
ビクターエンタテインメント
(1999-07-07)

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阿部一族

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【出演】 山崎努、佐藤浩市、真田広之 他
【放送】 1995年(フジ)

藩主の死後、藩主の命を守ったばかりに苦境に立たされ、全滅した阿部一族の悲劇。原作は森鴎外著の『阿部一族』。

島原の乱で多くの命を落とした肥後藩では藩主の細川忠利が病に伏し、今また命の灯火が消えようとしていた。忠利は最も忠実な家臣である阿部弥一右衛門を呼び、生き抜く事を命じる。忠利の死後、側近の者達が次々自害する中、弥一右衛門を始めとする阿部一族だけは亡き藩主の命を忠実に守り生き長らえていたが、大切に飼われていた鷹が主の亡骸を燃やす火の中に飛び込む事件が起こる等の経緯もあり、周囲の阿部一族に対する風当たりは日増しに強くなっていった。思い余った弥一右衛門は一族を屋敷に集め、切腹すると宣言する。

時代は江戸時代初期。日本は忠義に厚い人物こそが尊ばれ、命よりも尊厳を守る事を重視する風潮にあった。しかし忠義を誓った人間がいなくなった時、時として政を行う者達の思惑によってある者の運命を大きく変えてしまう事がある。細川忠利は死んで忠義を尽くすのではなく、命を大切にして生き長らえていく事が大切な家臣である阿部弥一右衛門への最大の恩情であったのだろう。勿論、現代ならばそれが当然の感覚ではあるが、この時代にはその考えはあまりにも受け入れ難い考えであった。そのため弥一右衛門は死ねば忠利に背く反逆者、死ななければ死を恐れて藩主の後を追わない卑怯者とどっちに転んでも非難を浴びる立場に追いやられてしまう。

結局弥一右衛門は忠利の命を破って切腹。これは自分だけでなく一族のための決断だったが、弥一右衛門のこの決意は決して正しかったとは言い切れない。何故ならそのせいで一族は全滅に追い込まれたのだから。

勿論、阿部一族滅亡の裏には政の思惑が強く絡んでいる。言ってみれば阿部一族は新体制となった肥後藩が結束を深めるための見せしめであって、これほど馬鹿げた采配は無いとも言える。確かに虚しさしか残らないストーリーではあるが、最終的にこの阿部一族の滅亡がどのような結末をもたらしたのかを教訓としてあげている点が昔の名作らしいと感じた。

満足度は★★★★

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お待たせしました!! 名古屋嫁入り物語7

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【出演】 植木等、小西博之、川島なお美 他
【放送】 1995年(フジ)

名古屋の結婚事情をテーマに結婚にまつわる騒動を描いたホームコメディー。『名古屋嫁入り物語』シリーズ第七弾!毎回植木等&山田昌が異なるシチュエーションで夫婦役を演じ、名古屋をこよなく愛するが故に起きる騒動の数々が楽しい作品。尚、毎度お馴染みの名古屋をこき下ろす二人組はおぼんこぼんに代わってほんじゃまかが努めている。

名古屋の食堂『ナゴヤキッチン』の店主・伊藤康平は海老フライにかけては右に出る者はいないと呼ばれる名人。赤味噌ダレをかけた特製『エビフリャー』には絶大の自信を持っている。そんな康平の目下の関心は娘・名津の結婚。丁度弁護士との縁談も持ちあがり、夫婦共々名津の結婚を楽しみにしていた。ところが見合い写真を見せた途端、名津は結婚を約束した相手がいると告白。相手は名古屋ドームの建設に携わる一級建築士の落合。東京出身と聞いて渋い顔を見せた康平だったが、実際に会ってみると人柄は良く、中日の大ファンという事で意気投合。ところが名津が働いている幼稚園の園児・綾が現れた事で事態は急変。綾は落合の娘。落合がこぶ付きのやもめ男だと判った途端、康平夫妻は結婚を大反対する。

今回は子連れ男との結婚。珍しく康平は落合が東京出身である事には気にも留めず、専ら関心は子連れのやもめという部分にある。まあ、康平じゃなくても子連れ男との再婚は難色を示すものである。前妻とは死別したと言っても一緒に暮らしていれば何かにつけ前妻を意識してしまうのではないかとか、結婚すると同時に血の繋がりの無い他人の子を母親として育てて行けるのかどうかとか、二人の間に子供が出来た時分け隔てなく愛せるのかどうか等々。初婚同士の普通の結婚でさえ親は行く末を心配するのに、そこに悪条件が重なっては反対したくなる気持ちも判らなくはない。これまでのシリーズの中で最も親の気持ちに共感出来るドラマとなっている。

いつもは結婚式がゴール地点で、結婚式に一悶着はあるものの結果として幸せな家族の構図を見て終了する。今回も思わぬ騒動が待ち受けている。何しろ子連れの男との結婚である。二人が結婚すればその陰で悲しむ人間もいるわけで・・・。しかしそこは康平の出番。名古屋の親父として円満な解決へと導いていく。とはいえ、少々都合良過ぎる展開のような気がしないでもない。

最後の最後に見せる康平夫妻の仲睦まじさがとってもほっこりとさせられる。頑固者の夫にあそこまで言わせる妻の凄さを見せられる一幕でもある。

満足度は★★★★★

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