津軽海峡ミステリー航路

  • 2018.01.19 Friday
  • 16:42

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 村上弘明、細川直美、河相我聞 他

【放送】 2002年(フジ)

 

函館と青森を結ぶフェリーの中で、一等客室の乗客が毒殺されるという事件が起きる。フェリーに乗り合わせていた刑事が事件の捜査に当たるミステリー。原作は斎藤栄著の『津軽海峡の愛と殺人』。

 

休暇を利用して函館署の青柳刑事は同窓会に出席した帰りに青森からフェリーに乗った。同じフェリーに乗った妹と話をしている最中、友人の船長から乗客が死亡したから来て欲しいと頼まれる。現場は一等客室。四人が使用出来るベッドが左右に並んでいたが、死亡した客は下の段のベッドに横たわっていた。話を聞くとこの男は東京のとある会社の開発本部長・友納だと言う。二人の部下を連れて乗船しており、その内の一人・杉山は出張が後から決まったために同じ部屋の乗船券が取れず、他の部屋で眠っていたという。青柳が見た所、病死では無く他殺。首筋に毒物を注射された痕跡が残っていた。青柳は早速函館署に連絡を取り、捜査に乗り出す。司法解剖の結果、死因はニコチン毒による死亡と判明。被害者が高血圧で禁煙中であるため、通常より強く反応して死に至ったらしい。以上の点から、犯人は被害者の生活習慣を知っている人間と絞られる。

 

刑事物の連ドラの中の1話のような感じのストーリーである。特色としては主役の青柳刑事なのだが、このドラマの中だけではただ思い込みの激しい単独行動の目立つ刑事で終わってしまって、キャラクターが上手く描き切れていないのである。長い目で見て特徴がじわじわと浸透するタイプの刑事なので、この一作で良さを伝えるには内容的に難しいように感じる。刑事としてちょっと捜査が行き過ぎる事があっても破天荒という程では無いだけに、視聴者の記憶に残るようなインパクトは無い。同じく主役に花を添える妹、部下の存在も、イマイチ特徴がいかせていない。

 

さてストーリーに目を向けると、二人が殺害される事になるのだが、そのどちらもあまり褒められたような人間では無く、捜査を進める毎に殺害されて納得の人物である事が判る。勿論、殺人を肯定するわけでは無いが、それだけの事をやっているのである。そのため殺害された人間に殺意を持つ人間の中から、犯人を見つける事になる。ただその中の一人が自分の身の潔白を示すためにアリバイを証明しようとするのだが、その証明がされるのが事件が全て解決した後というのが何とも。当人は疑惑が晴れて嬉しいだろうが、傍から見ていると無駄な努力をしたものだと残念な気持ちになる。

 

満足度は★★★★

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金沢能登殺人周遊

  • 2017.12.31 Sunday
  • 00:29

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【出演】 坂口良子、津川雅彦、江守徹 他

【放送】 2002年(BSジャパン)

 

金沢のホテルから突然姿を消した女が東京で遺体となって発見される。彼女と一緒に取材旅行をしていたルポライターが事件の真相を究明するミステリーサスペンス。原作は石川真介著の『金沢能登殺人周遊』。

 

2年前にサスペンス新人賞に輝いた作家・吉本紀子は現在『週刊スクープ』編集部でルポライターとして働いている。妹のように可愛がっている藤村公佳と共に金沢へ取材に来たものの、ホテルの部屋で紀子が風呂を用意している間に公佳の姿が見えなくなってしまった。翌日になっても戻って来ない公佳を心配して編集長の倉田に連絡を入れた直後、紀子の叔父である上島警視から公佳が東京で遺体となって発見されたと連絡が入る。慌てて東京へ戻った紀子は上島と倉田に付き添われて、公佳の遺体と対面する。公佳には金沢から飛行機に搭乗した形跡は無く、遺留品の類も無かったと言う。死亡推定時刻は昨夜午後八時頃。高い所から突き落とされたと見られている。紀子が悲しみに打ちひしがれていると、そこへ公佳の婚約者・垣内良彦が現れる。公佳は今回の金沢旅行で紀子に垣内を紹介するつもりだったのだ。

 

基本的には妹分の敵をとるためにヒロインの紀子が事件を解き明かす方向で進むのだが、如何せん紀子に協力する編集長と叔父が働き過ぎである。サポートと言いつつ至れり尽くせりの働き、特に編集長は生活面のサポートまで行い、紀子はただその敷かれたレールを歩いているようなもの。しかも妹分の婚約者に仄かな恋心を抱くなど、一体この事件を解明した立役者は誰なのか首を傾げてしまう。

 

まあ、それはともかくとしてこのドラマはトリック云々より心情的な問題がネックとなってくる。解決編では殺害当時の回想場面が流されるが、その中で被害者となる藤村公佳の言動を見ると、それまでヒロインの紀子が可愛がっていた女性と同一人物なのかと目を疑うようだった。確かにそれまでの話の中でも公佳は真実をとことん追求し、記事にする意欲のある女性だったというニュアンスは出て来るのだが、この姿が本当の彼女だとしたら正しく性格ブスである。考えてみれば女性は親しい友人をとかく好意的に捉える面がある。違って見えるのが普通なのかも知れない。

 

満足度は★★★★

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黒い目撃者

  • 2017.07.23 Sunday
  • 11:49

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【出演】 斉藤慶子、船越英一郎、前田吟 他

【放送】 2002年(BSジャパン)

 

民家を襲う烏の狙いは復讐。連続婦女暴行事件を追う警視庁特別処理班の老刑事とテレビのリポーターが犯人を追い詰めるサスペンス。原作は西村寿行著の『妖魔』。

 

東京都世田谷区経堂で母娘が何者かに絞殺される殺人事件が起きる。部屋の中は雑多に荒らされ、娘は性的暴行を受けた形跡があったが物的証拠は何一つなく未解決のまま捜査本部は解散。その後、引き続き単独で捜査に当たっていた中平正則刑事は事件から三年経って警視庁特別処理班へ異動となり、警部の徳田左近と事件を解明する事になった。同じ頃、世田谷区祖師谷のマンションで一人暮らしのOLが暴行された後絞殺された事件の現場に駆け付けた東洋テレビ報道部のディレクター兼リポーターの島村沙都美は、現場の状況が三年前に起きた経堂の事件と酷似していると不思議に感じる。勿論、警察は部外者の島村の意見など聞く耳を持たない。諦めきれない島村は二つの事件が連続殺人事件として記事を書きたいと上司に掛け合うがまるで取り合ってくれなかった。代わりに東京の増えすぎたカラス問題をテーマに記事を書けと命令される。

 

鳥類の中でも高い知能を持つ烏の習性に着目して、烏が殺人事件の目撃者であったらというテーマで制作されたストーリーで、烏の訴えを誰が気付けるかがキーとなってくる。このドラマではそれに加えて勘に頼る古いタイプの刑事とマニュアルに沿って行動する現代の刑事の衝突も要素の一つとして加えられ、特別処理班に追いやられてしまった古いタイプの刑事がマニュアルだけでは解決できない事件を解き明かす形態をとっている。そうした背景あってのドラマのせいだろうか。主演は斉藤慶子になっているものの、ドラマを見た感想ではむしろ前田吟演じる老刑事・徳田の方が主演のような扱いである。

 

但し、このドラマはあくまで犯人を逮捕する事が目的のドラマになっているため、本来ミステリー要素となるべきであろう部分に関してはかなり手薄にやり過ごした感がある。そもそも物的証拠を全く残していない殺人事件ならば、どうやってそんな事が出来たのかもかなり謎なのだが、その辺りはすっ飛ばし、物的証拠は何も無かったと報告されるにとどまっている。実際犯行の様子を見る限り、物的証拠があがらないはずが無いのだが・・・。そういう観点から見るとかなり大味なサスペンスである。

 

また気になるのは烏の生態。メインとなる烏のクロは流石に実際の烏にそういう仕草をさせるのは難しいのは判るのだが、作り物臭さはどうしても拭えない。

 

満足度は★★★

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黒い十人の女

  • 2017.07.19 Wednesday
  • 20:05

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【出演】 鈴木京香、浅野ゆう子、深田恭子 他

【放送】 2002年(フジ)

 

1961年に公開された映画『黒い十人の女』を監督市川崑自らリメイクしたテレビドラマ。テレビ局のプロデューサーが九人の愛人と妻に命を狙われる。豪華女優陣の華やかな競演に目を惹かれるドラマである。

 

話は数か月前に遡る。テレビ局のプロデューサー・風松吉は優しいだけが取り柄の男だが、彼には本妻の他に九人の愛人がいた。本妻の風双葉も石ノ下市子を始めとする九人の愛人達も松吉が自分だけの物にならないと百も承知だが、愛しているが故に関係を断ち切る事が出来ずにいた。勿論、こんな状況が好ましいわけはない。ある者は仕事が手につかなくなったり、ある者は松吉が他の女に走れば嫉妬で狂いそうになる。見兼ねた市子はこの状況を打破すべく双葉に松吉の殺害を提案する。松吉が皆の前から消滅すればもう松吉の事で悩む必要はなくなるのである。双葉と市子は完全犯罪を目論み、松吉の殺害方法を話し合う。

 

二時間ドラマでの放送だった事もあり、愛人が九人いるにはいるのだが、中心となっている市子や三輪子以外は殆ど誰が誰なのか区別がつかない程度の扱いになっている。本来はそれぞれの愛人に設定があるはずなのだが、双葉や市子の台詞の中で羅列されただけでそれが一体誰の事なのかまではさっぱりである。せっかくこれだけ女優をキャスティングしたのに無駄遣いの多いドラマとなってしまった。またこのドラマの中心となるアイディアは良いのに、それを表現するには時間が短過ぎたような気がする。二時間の時間枠に捉われて、強引に詰め込み過ぎたせいで登場人物が何故そういう発想になったのかが判り辛い。

 

さてその反面、やはり映画監督の制作だけあって演出は映画めいている。どの場面もそうだが、特にラストに終わりを告げる一文字が浮き出るような演出は映画に多い演出である。そう言った意味ではドラマと思えない程作り込まれていると言えるだろう。エンディングで登場する登場人物のスクラップもなかなか面白い。

 

ところでこのドラマの最大の謎は、登場する十人の女達の計画は成功したのかという事だが、成功してそうで本当の意味で成功だったのかどうかは見ている人間の判断に委ねられている。ドラマの主役・市子の難しい表情はまるで苦悩を抱え込んでいるようにも見えるのだが、果たして計画は成功したのだろうか?考える余地を与える余韻もまた映画的である。

 

満足度★★★★

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京都グルメ旅行殺人事件

  • 2017.06.28 Wednesday
  • 09:45

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【出演】 松下由樹、船越英一郎、田中美奈子 他

【放送】 2002年(BSジャパン)

 

旅行雑誌のグルメ企画のため京都へ取材旅行に出かけた三十代女性の一行が行く先々で危険な目に遭遇する。危機感を募らせる彼女達だったが、ついにその中の一人がホテルの一室で殺害される。旅行を企画した編集者が事件の謎に迫る。原作は山村美紗著の『京都グルメ旅行殺人事件』。

 

旅行雑誌の副編集長を務める小早川由美は編集長から『京都グルメとロマンの旅』の企画を任される。実は編集長の狙いは由美の同級生にあった。由美自身もそうだが、由美の同級生には三十歳を過ぎても各方面で活躍する独身女性が多い。女優の加藤順子、ノンフィクションライターの石野優子、スチュワーデスの藤田みどりを誘った由美は後輩のカメラマンを一人連れ京都へ取材旅行へと出かけていく。案内役には今や京都老舗旅館の女将となった彼女たちの先輩が務め、取材にも協力してくれる事になった。ところがついて早々トラブルに見舞われる。錦小路で買い物中に木箱が崩れてみどりを直撃したかと思えば、順子と優子が乗った人力車が車と接触しそうになったりと何れも一歩間違えば命の危険すら危ぶまれる事態だった。優子は仕事関係でトラブルになっている相手がいて、その相手が嫌がらせをしていると疑っていた。実際、旅行中優子に脅迫電話がかかってきたり、ホテルに不吉なメッセージの添えられた花束が届けられていたりと優子を狙っているような感じがあったのだ。不安は的中し、翌朝優子がホテルの一室で遺体となって発見される。由美は責任を感じて取材旅行の中止を決定するが、編集長は続行を命じる。

 

同じクラスから編集者に女優にスチュワーデスにノンフィクションライターが誕生しているという設定にまず疑問に思う。勿論、有り得ない話では無いのだが、ここまでバラエティーに富んだ職業についてそれぞれが成功しているというのはちょっと都合良過ぎるのではないだろうか。どう見ても華やかなイメージのある職業を選んで当てはめたとしか思えない。おまけに何れも見目麗しい女性達というのは、正直そんなクラスが存在するなら教えて欲しいくらいである。但し登場人物を四人にしたのは絞り過ぎである。これでは真犯人が誰だか一目瞭然。流石にこれではつまらない。お愛想程度にミスリードとしての犯人らしき人物は登場するものの、正直に言ってほんの時間潰しに過ぎず、絡ませ方が足りなかった。

 

責任を取って取材は中止したい!

 

由美が幾らそう訴えても編集長は頑として突き放す。これは障害を前にした人材に対し厳しく指導して育てていく上司としての思惑と、それに加えて話題性のある記事で雑誌の売り上げを伸ばしたいという編集長の下心も見え隠れする。当時の職場風景の実態を見せ付けられているような気がした。今ではパワハラと訴えられ兼ねない状況だが・・・。

 

満足度は★★★★

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家紋

  • 2016.02.12 Friday
  • 15:20
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【出演】 岸本加世子、大地康雄、吹越満 他
【放送】 2002年(BSジャパン)

結婚を目前に控えた女が家紋入りの提灯を持った男の夢にうなされるようになる。その男は十八年前に女の両親を惨殺した犯人だった。迷宮入りとなった事件を解明するミステリーサスペンス。原作は松本清張著の『死の枝』。このドラマは松本清張没後10周年記念作品として放送された。

丸に揚羽蝶は北陸の旧家生田家の家紋。この家紋は本家だけでなく分家でも同じものを使用している。報恩講の最後の夜、生田の分家の市之助の家では娘の雪代の容体が芳しくなく、妻の美奈子が付ききりで看病していた。報恩講の宴も終わり、お開きになった後、泥酔した市之助は一人で帰路についた。粉雪の舞う寒さの厳しい夜だった。市之助が眠りについた直後、本家からの使いと言う丸に揚羽蝶の家紋入り提灯を持った男が訪ねて来て、本家のお杉の容体が悪化したのですぐに来て欲しいと伝言を伝える。雪代の熱はまだ高く、取り敢えず市之助が先に向かい、何かあれば後から美奈子が本家へ駆け付ける事にする。ところが暫くすると再びさっきの男がやって来て、お杉の容体が急変したので娘も一緒に連れて本家を向かって欲しいと言い出す。仕方なく隣のお房に雪代の世話を頼んで、美奈子一人が男の後についていった。それが雪代が見た美奈子の最後の姿だった。翌日、市之助夫婦は弁慶土手で惨殺された遺体で発見される。二人も腹も首も鋭利な刃物で切られていた。知らせを聞いて駆け付けた本家の当主は使いを出した覚えは無いと言う。唯一の目撃者であるお房も男がマントに頭からすっぽり頭巾を被っていたので家紋の入った提灯以外は何も覚えていなかった。

ストーリー自体は悪くないのだが、時代設定に無理がある。そもそも放送当時既に四十歳を超えている主演の岸本加世子が二十三歳の役を演じている時点でかなり無理があるのだが、まあ、それはともかくとして、十八年前の北陸地方の様子はどう見ても昭和三十年代以前の時代を舞台にしているように思えるのに、十八年後の世界は現代設定。双方の時代で主演を除けば同じ役者が演じているため人は十八年の時代をメイクで何とか表現しているのだが、文化や風景に至ってはやはり不自然さが拭えない。いっそ十八年の年月の流れを二十八年に変更してみれば良かったのでは?とも思ったが、そうなると双方の時代に登場する刑事が現代で定年を迎えてしまうので仕方が無かったのだろう。

田舎の旧家に閉鎖された地域。ミステリーの舞台設定としては最高である。また事件が迷宮入りにならざるを得なかった理由もその地方独特の事情が背景にある等、単純にミステリーの雰囲気を作り上げるためだけでは無くストーリーに絡ませている所が見事である。但し、人物の心情の掘り下げ方に物足りなさを覚える。ラストで犯人の動機が明らかとなっていくが、犯人が殺意を抱くまでの経緯が淡々とした説明で済まされてしまうのが残念でならない。

満足度は★★★★
 
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たづたづし

  • 2015.10.16 Friday
  • 17:30
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【出演】 中村雅俊、牧瀬里穂、名取裕子 他
【放送】 2002年(テレ東)

殺害したはずの愛人が生きていた。キャリア官僚が陥った愛欲の罠。原作は松本清張著の『たづたづし』。

電車の中で農水省役人・仙川兼作はピンクのスーツに身を包んだ女性・平井アヤに声をかけられる。金を返したいので戸塚駅で降りて欲しいと言うのだ。実は仙川はアヤと三日前茅ヶ崎駅前のパチンコ屋の前で会っている。フィーバーしている最中に置き引きの被害に遭い、つぎ込む金が無くて困っていると言うのだ。あの時は気圧されて思わず三千円渡してしまったものの、内心新手の寸借詐欺と諦めていた。ところがアヤは律儀に利子分込みで四千円を返してくれた。上品で生真面目な妻・加奈子とはまるで違うアヤの奔放さに惹かれた仙川はすっかりアヤと意気投合し、アヤの家で肉体関係を持ってしまう。翌朝、加奈子に頼まれて購入した『萬葉集』をアヤの家に忘れた事に気付き、仕事の後仙川は昨夜の曖昧な記憶を頼りにアヤの家に再び訪れる。そこは貸衣装屋の倉庫の二階で、思った通り本はあったがアヤとの激しい情事の記憶が蘇り慌てて飛び出してしまう。

時代背景を現代にしただけでなく、ストーリー自体もかなりアレンジが加えられていてもはや原作の本筋をかろうじて留める程度の別物と化している。主人公の仙川は自己保身に走るエゴイストのはずだが、このドラマではもっと人間味のある人物に描かれていて、タイトルの『たづたづし』はそっくりそのまま主人公を示す言葉として使用されている。おそらくそういう意図の下アレンジされたのであろうが、特に後半部分の内容は個人的にはイマイチ。如何にも2時間サスペンスの意外性という雰囲気満載で、松本清張の味が出ていない。また純文学的な趣がすっかり失われている点も残念である。

ところで情事の後の中村雅俊の足があまりに綺麗過ぎて思わずガン見してしまった。何故にああもお手入れされているのだろう?すね毛一本無い足は本人の嗜好なのだろうか?

満足度は★★★★

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軽井沢夫人

  • 2015.06.28 Sunday
  • 02:07
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【出演】 坂口良子、原田大二郎、熊谷真実 他
【放送】 2002年(TBS)

夫の車が崖下で発見される。しかし遺体はついに発見されなかった。一年後、軽井沢の別荘で優雅な生活を送る妻の前に夫を名乗る別人が現れる。見知らぬ夫に脅かされる妻の恐怖を描いたサスペンス。

京極夫妻は軽井沢の別荘へ避暑にやって来た。夫の卓也が渓流釣りに出掛けた後、妻の泰江は絵を描きながら夫の帰りを待っていたが、突然やって来た刑事達から卓也が事故に遭ったと告げられる。朝方靄の出ていた影響で卓也は運転を誤り、ガードレールを突きぬけて転落したと見られる。しかし卓也の遺体はどこにも見当たらず、警察は車から投げ出されて崖下の渓流に飲み込まれたと見ていた。それから一カ月経っても卓也の行方は判らず、泰江は東京の屋敷を使用人に任せて別荘で夫の帰りを待ち続けると決める。時は流れ事故から一年が過ぎた頃、つい最近まで卓也とシアトルで暮らしていたという女が別荘に乗り込んでくる。しかし彼女が見せた写真の人物は卓也とは似ても似つかない別人だった。泰江は彼女が卓也の名を語るたちの悪い男に騙されたと思ってほっと胸を撫で下ろす。ところがそれから間もなく泰江の留守中に卓也と名乗る男が別荘にやって来る。別人だと夫の写真を見せた泰江だったが、何故か夫の写真は全てその男の写真になっていた。

このドラマはヒロインが盲目でない事を除けば『黒い館の女』(主演:松坂慶子、原作:小林久三『見知らぬ夫』)にそっくり。家政婦として別荘に乗り込む片桐はいりのアップが突然画面に現れた時には、もっとホラーチックな展開になるのかと期待したのだが、どうやらそういうわけでもなく視覚的なインパクトを与えるだけでそこから発展するわけでもなく、ヒロインが散々取り乱しただけで意外にあっさり終わってしまったという印象である。演出の物足りなさは否めない。

笑ってしまうのは丹波哲郎の登場。最後の最後に登場してごっそり良い所をさらっていく。他の俳優陣からすれば「ええっ、何故?」と声を大にして訴えたい所だろう。また卓也が死ぬまでの経緯も不自然さがひしひし。どうにかして卓也が死ぬ道筋を設定したかったのは判るのだが・・・。解決編で犯人が語る真相にもやもやしてならない。

満足度は★★★★

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だます女だまされる女4

  • 2015.05.24 Sunday
  • 21:50
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【出演】 余貴美子、高橋和也、加藤治子 他
【放送】 2002年(日テレ)

消費者生活相談員が老人を狙ったペーパー商法に絡んで殺人事件が起きる。老人を守るために立ち上がった生活相談員が見た真実とは?『だます女だまされる女』シリーズ第四弾!

東亀戸消費生活相談センターでは老人を狙った悪徳商法への注意を呼び掛ける広報活動に力を入れている頃、ウィズゴールドシステムという会社が老人に金投資をさせるペーパー商法に乗り出していた。社員の井沢健吾が狙いを付けたのは矢野繁子という孤独な老人。上着のボタンを繕って顔見知りとなり、後日偶然を装って繁子の家にセールスに出掛けたのである。しかし賢明な繁子は決して話に乗らなかった。ところがその夜、息子のすぐるが突然金をせびりにやってくる。生命保険金目当てに親に死ねとまで言う酷い息子に落胆した繁子は翌日井沢を呼び出して30万円の金投資の契約を結ぶ。ところが数日後、江戸川河川敷に埋められたすぐるの遺体が発見される。その頃、繁子がペーパー商法に引っ掛かったのではないかと疑った近所の人が繁子をセンターに連れてきていた。相談員の石毛まどかが契約書を確認すると、法違反すれすれの明らかな詐欺だと判明する。

今回は老人を狙ったペーパー商法詐欺。しかしこの商法に関わる人々がそれぞれ事情を抱えていて、単純な詐欺と吐き捨てられない側面が強調された内容となっている。騙される側となった繁子の場合、子供はいるものの、娘は日々の生活で精一杯。息子は未だ仕事にもつかず金が無くなると親に金の無心に来るような不届き者。そんな寂しい人生を送る繁子にとっては井沢は大切な息子同然。また井沢の中には常に自分の祖母を大切に出来なかった事への後悔があり、繁子を相手にその後悔の念を晴らそうとしている。相談員のまどかにとっても繁子には人並みならぬ想いがある。まどか自身実母を遠く離れた地で一人暮らしをさせている負い目があって、その事からも同じような境遇の繁子を騙そうとしている井沢を憎む気持ちがある。

人にはそれぞれ立場や事情があり、悪気は無くても親子関係がおざなりになる事がある。他人はそれを第三者的に見て不義理だの何だの非難するが、所詮はその人の身にならなければ判らないものである。このドラマはそんな普通に存在する親子関係をうまい具合に取り入れ、悪徳商法と絡ませている。但し、今回の騙す側は男性。タイトル収拾とはならなかった。

満足度は★★★★

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街の医者 神山治郎3 乳房喪失

  • 2014.02.17 Monday
  • 00:39
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【出演】 高橋秀樹、宮崎美子、中本賢 他
【放送】 2002年(日テレ)

交通事故に遭った女はドナーカードを持っていた。我が子を想う母親の悲しい覚悟を街医者が親身になって見届ける人情ドラマ。『町医者 神山治郎』シリーズ第三弾!

往診の帰りに鮮魚店へ立ち寄った神山治郎と看護師の辰子は店先に干物しか並んでいない現状に唖然。店主の平田は寝坊したと言い訳するが、本音はスーパーに客を奪われてやる気を失っていた。その最中、今度は近くの店で夫婦喧嘩が勃発。原因は小料理屋の美人女将・元村清美。最近、商店街の男性陣が彼女目当てに足繁く店に通い詰め、実は神山もその一人だった。ある日の早朝、仕入れ帰りの平田が清美を車ではねてしまう。神山は清美に付き添って病院へ行く。清美の家族へ連絡するために所持品を調べていると、腎臓に丸のついたドナーカードが見つかる。意識の戻った清美は平田が赤信号を無視して直進したと証言。しかし平田の慎重な性格を良く知っている辰子はこの証言に疑問を持つ。その頃、平田は気が動転し、警察に尋問を受けて自分が信号を見落としたと思い込んでしまう。

このドラマはミステリーと呼べるかどうか微妙である。序盤は交通事故が運転手と歩行者のどちらに非があったかを問う内容となっており、その部分だけを取り上げればミステリーと呼べなくもない。しかしドラマの大半はその事故で怪我をした清美の苦悩と葛藤がメインであり、神山は探偵役でなく患者を親身になって見守る役割に徹している。いわば主役は清美で、清美が如何に不幸な人生を歩んできたか、その半生を綴ったヒューマンドラマとしての色が濃い。

男性を魅了する美しさを持った清美は二年前から吉祥寺で小料理屋を営んでいるが、彼女の苦悩は今に始まった事では無い。ホステスをしていた彼女はその美貌からとある男性から求婚され、結婚した事から彼女の苦悩が始まる。薄幸の彼女が選ぶ道は茨だらけ。そんな彼女を救うため柳井診療所の面々は親身になって何が出来るかを考えていく。

流石に不幸な出来事ばかりでは気が滅入るが、不幸な分だけ最後に訪れる幸せの足音が生きてくる。人情ドラマだけに最後はお約束の大団円。清美だけでなく、彼女を取り巻く人々の決断も見所の一つである。

満足度は★★★

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