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君と出逢ってから

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 本木雅弘、鶴田真由、寺脇康文 他

【放送】 1996年(TBS)

 

交通事故に遭った男が彼をひたむきに愛する女性と出会い、事故の後遺症と戦いながら愛を育むハートウォーム・ラブストーリー。

 

天涯孤独な少女・神谷沙知子はカフェでバイトをしながら東京美術大学への進学を目指していた。しかし試験には不合格となり、すっかり落ち込んだ沙知子は一人で店の掃除をしながら泣いていた。気が付けば終電に間に合うかどうかの時間。自作の絵を抱えて急いで駅を目指すが、路地に入った途端、自分を追いかけて来る足音に気付く。しかしそれは痴漢の類では無く、単に沙知子が落とした鍵を拾ってくれた会社員・戸川誠二だった。戸川はカフェの常連客で沙知子が密かに憧れていた男性でもある。結局、終電を逃してしまった二人はタクシーで帰る事に。ところが戸川は沙知子が受験に失敗したと知るや否や励ますために夜の海へと連れ出す。感激した沙知子は戸川に持って来た絵を渡して、もう一度受験を頑張るために持っていて欲しいと頼み込む。

 

非常に順当なラブストーリーである。一度は純粋に愛を育み、それが何らかの事情で破局。そして困難を乗り越えて再度ゴールイン。良くあるラブストーリーと言ってしまえばそれまでである。これだけ順当だと先が読めてしまうのでこのドラマを印象付けるような切り口は無いものの、逆に言えば安心して見ていられる内容でもある。

 

珍しいと感じたのはドトールコーヒーが実名でこのドラマに登場している事である。実際にその店で主役の二人が巡り合う舞台になっており、ドラマ中にも何度も店が登場する。一つの店だけをこんなにもクローズアップするのは非常に珍しい。大抵は色々なスポンサーがつく関係上、ここまでプッシュする事は無いと思うのだが・・・。

 

さて登場人物に目を向けてみると、ヒロインの兄がやたらと壊れた人物なのが悪い意味で印象的だった。妹思いの人物の扱いなのだが、このクズさ加減が最悪である。過去に苦い思いをしているというのは判る。しかし誰彼構わず、商社マンに暴力を振るい、妹の仕事先で暴力沙汰を起こすのは愚の骨頂。おまけに妹の幸せを自分がぶち壊しているという意識がまるでない。これで本人は妹のために正しい行いをしていると思っているのだから幸せな人間である。どう斜めに見てもこのドラマのヒロインを苦しめているのは兄の存在であり、この男が妹の同僚達から何故に暖かく迎えられるのか不思議で仕方が無かった。また戸川のリハビリを担当した梶原は人が良過ぎ。演じている段田安則がこの当時この手の良い人役ばかり演じていたのを思い出して懐かしかった。

 

満足度は★★★★

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やさしい遺言

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 内藤剛志、風間杜夫、姿晴香 他

【放送】 1996年(日テレ)

 

高校時代に付き合っていた女性が同窓会の翌日に服毒自殺を図った。彼女の無念を晴らすため刑事が事件の真相を暴く刑事ドラマ。原作は土屋隆夫著の『夜の判決』。

 

栃木県のとある村で平穏に暮らしていた主婦・浜野美砂は同窓会に出席した日の夜、何者かによってレイプされる。その日、夫は出張中だった。思い詰めた美砂は農薬を飲んで服毒自殺を図る。美砂と同級生でかつての恋人関係にあった南栃木署の刑事・田所は同僚の河野から知らされ病院へと駆け付ける。美砂は意識不明の重体。第一発見者は浜野家の隣人の今野だった。その後、美砂の日記帳が発見され、そこにはレイプされた事実が記載されていた。憤りを感じる田所だったが、美砂が自殺では警察も動きようが無く、また美砂の夫がレイプ事件に関して被害届を拒絶したためレイプ事件の捜査にあたる事も出来ない。田所は警察の意向を無視して、美砂以外の近所付き合いが無い今野に疑惑を持って尾行を始める。

 

このドラマの焦点となるのは背後に潜む人間関係である。序盤から農薬(殺虫剤)の存在がはっきりと示されていて、それがよりにもよって『かつおだし』とシールの貼られた空き瓶に詰められる。これだけでもう登場人物にこの農薬がどんな影響を与えるのかが想像出来てしまう。もしもこの農薬を使用した殺人だけがメインのストーリーであるなら、このドラマははっきり言って何の面白味もない二時間ドラマで終わってしまっただろう。ところがこのドラマの場合、毒殺に関してはむしろ二の次。重要なのは人間ドラマであるのが興味深い。

 

人間ドラマと言ってもキャラクターが尖っているわけではない。何処かにいそうな人物でありながら、それぞれ個性を持たせてしっかりとした人間像を作り上げている所が素晴らしい。至って素朴なストーリーであって、だからこそ美砂の最期の言葉が生きてくる。美砂は穏やかな心優しき女性。その対極にいるのが美砂の友人・奈美。ストーリーが進むに従ってこのコントラストが色濃く表れて来る。その人物がどんな人間であるかだけでなく、周囲の人間がどんな反応を示すのかにも拘りを持って制作されていた。

 

誰も救われない悲しい話でありながら、何処かほっとするような後味が残る。それは美砂がもたらした余韻なのかも知れない。

 

満足度は★★★★★

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留守宅の事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 古谷一行、内藤剛志、余貴美子 他

【放送】 1996年(日テレ)

 

密かに想いを寄せる従妹を心配して夫の出張中に家を訪ねた男が従妹を殺害した犯人と疑われてしまう。あの時、従姉は既に殺されていた。事件の真相は如何に?原作は松本清張著の『留守宅の事件』。

 

主婦・栗山宗子が自宅で遺体となって発見されたのは死後五、六日経ってからの事だった。第一発見者は夫の敏夫。東北へ出張から帰宅したら、宗子が死んでいたと言う。福島県在住の証券マン・萩野光治のこの事件に巻き込まれる羽目になったのは敏夫が出張のついでに荻野宅を訪ねた事に起因する。光治と宗子は仲の良い従妹同士で、敏夫とも家族ぐるみの付き合いがあった。敏夫はかつて仙台支社で働いていたコンピューター関係の優秀な営業マンで、その実績を買われて業績不振となった仙台支社の応援を頼まれたのだ。そのせいで敏夫はもう一週間以上も自宅に戻っていない。敏夫の話ぶりから何となく栗山夫妻の関係がぎくしゃくしているのでは無いかと直感した光治は、敏夫が出張を終える前に一度宗子と話をしてみようと思い立つ。

 

原作の小説は短編なのでそう驚くような展開は見せない。良くも悪くも昔ながらのミステリーである。但し原作とは主人公が異なり、光治は逮捕され、刑事が事件を解き明かすストーリーになっている。

 

主人公の光治はごく普通の証券マンのように見えるのだが、このドラマを見ていると如何に女にモテる男だったかを思い知らされる。そもそもそれだけ女にモテなければこのドラマ自体成り立たないのだが・・・。登場する主要な女達が何れも光治に恋い焦がれているって、どんんだけモテるんだか。それに対して妻を失った男・敏夫はギャンブルに狂い、女に狂い、最悪の男のような設定なのだが、不思議な事に表面上はその悪さが全く表れていない。光治夫妻と鍋をつつく敏夫はごく普通の、いや、むしろ仕事の出来る営業マンであり、人付き合いも良く、非の打ちどころのない人間のように見える。ところが台詞の中に時折気になる言葉を登場させる事で、光治夫妻は敏夫の人間性や夫婦仲を勘繰り始める。この辺りの台詞のやり取りの上手さが絶妙だった。

 

今はスマホの登場でこのドラマのようなシチュエーションを実現するのは難しくなってしまったが、スケジュール表に書かれているルートを時刻表や地図で確認するアナログな時代が懐かしく感じた。

 

満足度は★★★★

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ハロー張りねずみ

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【出演】 緒形直人、内藤剛志、有森也実 他

【放送】 1996年(TBS)

 

お人好しで間抜けな探偵が幼い子供の誘拐事件に乗り出す探偵物語。原作は弘兼憲史のコミック『ハロー張りネズミ』。

 

あかつか探偵事務所で探偵をしている七瀬五郎は尾行中に老人を助けている間に財布をすられた挙句、逃げられてしまう等、お人好しで何処か間の抜けた探偵である。これが七瀬だけならまだしも、相棒もまた所謂間抜け。ある日、探偵事務所に子供が誘拐されたと建設会社の社長・北村とその愛人がやってくる。実は誘拐されたのは愛人の子供、つまり隠し子だったのだ。犯人から要求された身代金は五千万円。犯人からの指示通り動く北村と愛人だったが、最終的に金を受け渡すのは愛人の役目に。心配した七瀬が受け渡し場所へ一緒についていくのだが、そこに現れたのは七瀬のかつての恋人・ユミだった。ユミが七瀬を見かけて何故か執拗に話しかけてきて右往左往している間に七瀬の正体が犯人にバレてしまう。

 

他愛のない話を無理矢理二時間ドラマに引き延ばした感じがする。結局このドラマは誘拐事件を解決して人情味ある結末を導き出すのが目的であるのだが、誘拐事件自体は大した話でもなくどちらかと言えば登場する人物の背景に着目してそちらを誘拐事件に絡ませて話を膨らませたような内容である。それに加えて主演の緒形直人扮する七瀬があまりにも普通のその辺にいるにいちゃん的な存在で印象が薄く、推理力に長けているという印象もなければ、ここぞと言う時に見せる格好の良さも無い。ただ自分の犯したミスに気付いて探りを入れていたらビンゴ!だっただけの話。そもそも七瀬の仲間にさえ打ち明けずにとる単独行動は探偵としてどうかと問われるような行為であり、勿論探偵に警察のような規則があるわけでもないのだが、色々な面でツッコミどころ満載である。

 

猟奇的もなければド派手なアクションもない代わりに、良くも悪くも無い中途半端なラインを延々と突き進むストーリーだけに見るのにそんなに苦は無いが、山も谷もなく淡々と進む内容に途中で飽きてしまうのは否めない。せめてサスペンスタッチの演出にしてくれれば良いものを誘拐事件が起こっているのに全く危機感を覚えない。全編を通じての平和ボケ感が仇となったドラマである。

 

満足度は★★★

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女監察医・室生亜季子 身元不明

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【出演】 浜木綿子、柴田理恵、中西良太 他

【放送】 1996年(日テレ)

 

六年前、公金横領して失踪した男が妻に殺害されて家の裏に埋められたという噂が流れる中、実際に家の裏から白骨遺体が発見される。しかし失踪した男の骨では無かった。白骨遺体の正体は?火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第二十一弾!

 

川越で三代続いた開業医で、地域の監察医を務める室生亜季子が急病の連絡を受けた遠藤家は、六年前にその家の主・遠藤裕一が勤め先の信用金庫から公金を横領し失踪した家だった。失踪直前に裕一が妻に殺されるような事を仄めかしていた事から、妻の利江が裕一を殺害したと噂が広まり、六年経った今も心無い輩からの嫌がらせを受け続けている。そんな中、遠藤家の裏に遺体が埋まっているとタレこみが室生医院と警察に入る。疑惑を晴らすために遠藤家の裏を掘ってみると本当に白骨遺体が発見される。ところが亜季子が白骨の鑑定をした所、裕一では無く、もっと年配の男性だった事が判明。実はタレこみは娘の幸子が真相を知りたくて友人の頼んで電話させたものだった。幸子は以前入っていたひったくりグループのリーダー・根本が一年くらい前に人を殺害して幸子の家の裏に埋めたと脅されていたと警察に証言する。

 

真相が判った方が良かったのか悪かったのか、何ともすっきりしない事件である。結果的には幸子にとっては心の中の蟠りを拭い去り、新しい未来へ踏み出すためのきっかけとなった出来事ではあったが、そのために失ったものが多過ぎる。まだ高校三年生の幸子には随分荷が重い事件になってしまった。事件の核心部に辿り着くのはいつもの事ながら亜季子なのだが、穴を掘ってる最中にいきなり事件の全容が頭の中に映像として再現されるのは行き過ぎではないだろうか?人間にはふと何かを閃く事もあるので、それを表現したかったのだと思うが、いきなり過去の映像(実際には亜季子の想像上の映像)が登場するので咄嗟についていけなかった。

 

ところで事件の根底にあるのは古いしきたりや本家や分家の慣習に縛られ、引き裂かれてしまった男女の愛情。舞台の川越が江戸情緒残る街並みを未だに称えているように、その地に古くから住む人々は未だにそうした慣習を大切に生きていると暗黙の内に語り掛けているようでもあった。

 

満足度は★★★

高橋真梨子,十川知司,大森俊之,カラオケ
ビクターエンタテインメント
(1996-06-21)

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女監察医・室生亜季子 拳銃

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 浜木綿子、久野綾季子、神保悟志 他

【放送】 1996年(日テレ)

 

元市会議員が銃殺される。殺人現場に残された犯人の足跡から川越の田原が原でのみ自生するサクラソウの花びらが発見された。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第二十弾!第二十回を記念して、すまけいがゲスト出演している。

 

川越で三代続いた開業医で、地域の監察医を務める室生亜季子は浜田警部の娘の結婚式の仲人を頼まれる。田原元警部に夫役を頼もうと電話をした所、田原は現在警察の嘱託職員で丁度殺人現場の捜査中だった。被害者は元市会議員の宮崎公平で、自宅で胸を拳銃で撃ち抜かれていた。薬きょうは見つかったが、凶器の拳銃は発見されなかった。二日後、結婚式の衣装選びの後、川越西署の刑事達がスナック『ゆり』で結婚祝賀会を開く。その際、暴力団員・堺光夫が貸切と知らずに訪れた事から、浜田警部はこの店の後ろ暗い部分に警戒を示す。実は堺はアタッシュケースを失くして、心当たりを当たっていたのだが・・・。そんな中、田原が福島から刑事達を連れて上京する。犯人の足跡の泥からサクラソウの花びらが発見されたのだ。この時期、サクラソウは川越辺りでしか咲いていない。そこで川越西署に捜査協力を願い出たのである。

 

事件そっちのけで亜季子を巡る男やもめ二人の争いが楽しいドラマである。亜季子に気があるのはどっちもどっち。普段は亜季子を独占している浜田としては面白くない。上京した田原が室生医院へ寝泊まりした上に結婚挨拶の場では亜季子を妻呼ばわりする図々しさを見せれば、短気な浜田は即座にぶち切れする所だが、娘の手前ぐっと我慢で手酌酒というのも何とも空しい光景である。亜季子も二人の男達と上手く距離を置いて操縦しているから始末に負えない。しかし一番の強敵が死んだ夫である事を忘れてはならない。ラストでサクラソウを見る度に植物画を得意としていた亡き夫に対抗するために浜田がサクラソウの自作の絵を亜季子にプレゼントしようする場面が登場する。勿論、絵の完成度はお話にならなかったが、本当のプレゼントが笑顔ならば浜田も一矢を報いた事になるのではないだろうか。

 

それはそうと今回は暴力団絡みの事件と何とも物騒なストーリーである。最初に殺害された宮崎も裏では暴力団と癒着した黒い噂のある人物。そして次なる犠牲者も暴力団員。事件は凶器である拳銃の行方を追う方向に進んでいく。解決編では堺がアタッシュケースを失くした経緯が語られるが、正直な所、間抜け以外の言葉が見つからない。

 

満足度は★★★★

高橋真梨子,十川知司,大森俊之,カラオケ
ビクターエンタテインメント
(1996-06-21)

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肥前蛍の里殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、杉田かおる、秋本奈緒美 他
【放送】 1996年(日テレ)

陶芸店の女性オーナーが撲殺される。彼女の殺害容疑をかけられた友人の容疑を晴らすため、フリーライターとカメラマンのコンビが奔走する『小京都ミステリー』シリーズ第十七弾!

雑誌編集者の柏木尚子と相棒のカメラマン・山本克也は陶磁器の取材のため伊万里焼発祥の地である佐賀県へとやって来る。実はここには新進の陶芸家・増田弦と結婚した尚子の友人・恵美がいる。早速窯を訪ねて取材をさせて貰う尚子達だったが、取材中に突然青山の陶芸店『冴』のオーナー・南雲冴子が乱入し弦を連れ出してしまう。その夜、尚子は恵美を連れ出して唐津ロイヤルホテルへとやって来る。しかし恵美は弦の事が気に懸かって悪酔いし、丁度鉢合わせした冴子に「殺してやる」とあわや乱闘騒ぎになる所だった。酔い潰れて眠ってしまった恵美は尚子が眠っている内にホテルを抜け出す。しかもその直前に冴子もホテルを出ていた。朝になっても冴子がホテルに戻らなかったと知った尚子は克也と共に慌てて飛び出して行く。すると尚子が危惧していた通り、冴子が頭を殴られて死亡していた。

冒頭にいきなり今後のストーリーに関わる伏線を張って来るのはドラマでは良く見かけるが、これがミステリーとなると少々意味合いが変わってくる。最後まで見て「ああ、そうだったのか」と視聴者を驚かせる秀逸な伏線であればまだしも、あからさまにやり過ぎるとドラマの単なる紹介になってしまい、興味が半減してしまう。このドラマの場合、見事なまでの後者である。おそらく前者のような効果を狙ったものの失敗してしまったというのが正直な所だろう。

そんな冒頭から入るいささか残念なドラマではあるが北原白秋の『蛍』という作品を謎を解く一つのキーワードに扱っている部分には惹かれるものを感じた。一般認知度があまり高くない作品を狙ってきた点も評価する。しかしその反面犯人が殺人に至った動機や背景に関しては捻りが全くない上に古典的で、一部は冒頭で既に触れられてしまっているので意外性も何も無い。判り易いと言ってっしまえばそれまでなのだが、あくまでライトミステリーの域を出ない内容に物足りなさを感じずにはいられない。

それにしても毎回殺人現場から証拠品を勝手に持ち出してしまう尚子が何故罪に問われないのだろう?

満足度は★★★★
 
高橋真梨子,十川知司,大森俊之,カラオケ
ビクターエンタテインメント
(1996-06-21)

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みちのく角館殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、佳那晃子、江藤潤 他
【放送】 1996年(日テレ)

別荘で転落死した女性の殺害容疑をかけられたフリーライターが相棒のカメラマンと共に嫌疑を晴らすべく事件の真相に迫る。『小京都ミステリー』シリーズ第十六弾!

雑誌編集者の柏木尚子の今度の取材先は東北の二大小京都盛岡と角館。相棒のカメラマン・山本克也が取材を前に骨折し城南大学病院に入院しているため、尚子は単独で角館入りをする。この地方の伝統工芸品である革細工を見に藤木伝四郎商店へ立ち寄った尚子は革細工職人の妻・早坂冴子を紹介される。残念ながら冴子の夫・信次は職人気質で尚子を快く思わなかったが、冴子とその娘とは親しくなる事が出来た。取材を終えた尚子が八幡平ロイヤルホテルへ向かう途中、守屋史祐と名乗る少年を八幡平温泉郷まで同乗させる。少年の事がどうも気に懸かった尚子は別荘地で『守屋』という表札を見つけて訪ねる。ところが建物の中では赤ん坊が気持ち良さそうに寝かしつけられていたが人の気配は感じなかった。不審に思って外へ出た尚子はベランダから転落したと思われる女性の遺体を発見する。慌てて通報したものの警察は尚子が別荘荒らしで、口封じのために女性を殺害したととんだ濡れ衣を着せられてしまう。

山本克也役の船越英一郎がどうやら実際に骨折していたようで、ドラマの中でも不慮の事故で骨折した前提で松葉杖姿での撮影となっている。尚子への愛を示すためにギプスに『尚子』とハートマーク付で書いているはご愛敬。移動場面も多いだけに良くこの状態で撮影出来たと感心する。

今回の舞台は古い慣習が残っている東北地方。跡継ぎに対する考え方も(このドラマの放送時よりも更に)昔風で、それがストーリーの軸になっている。解決編を見ると犯行は衝動的で犯人が何の工作も行っていないのに、尚子&克也の活躍が無ければ警察は全く事件の真相に行きつかなかったという無能ぶり。流石にここまで無能だと目も当てられない。殺人犯と疑われた尚子が自分から働きかけて警察と情報を共有しようとする姿勢が見られるのが唯一の救いだろうか。

ドラマの中で尚子が同乗させた少年が三年前に亡くなったはずの少年だったというオカルトめいたエピソードを持って来ている。岩手県は座敷童子の話があるような土地柄なのでそうしたオカルトチックな風合いを生かすのかと期待していたのだが全くそんな気配は無いままに終了してしまった。その点が非常に残念だった。

満足度は★★★★
 
沢田知可子,小野沢篤,カラオケ
ダブリューイーエー・ジャパン
(1995-03-10)

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黒い羽根の呪い

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【出演】 古谷一行、とよた真帆、佐久間良子 他
【放送】 1996年(TBS)

殺害した遺体にカラスの羽を咥えさせる奇怪な連続殺人事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『鴉』。TBSの金田一耕助シリーズ第二十三弾!

昭和三十二年、岡山県阿部郡矢神村で首吊り事件が起きる。遺体は温泉宿『蓮池館』を営む蓮池紋太夫の秘書・垂水直次郎で口にはカラスの羽を咥えていた。奇しくもその日は紋太夫の孫・彦太郎の誕生日で宿は祝賀ムードの真っただ中にあった。たまたま蓮池館に招待された金田一耕助も事件に乗り出す羽目になる。検死の結果、直次郎は他殺で絞殺された後に梁から吊るされたと判る。直次郎の葬儀には蓮池家と敵対する兵頭家も訪れていたが、紋太夫は直次郎が兵頭家に殺されたと思い込んで一触即発の事態に。蓮池家と兵頭家はどちらも山持ちの旧家で先祖の代から争いが絶えない。未だに勢力争いを続けている。河合警部は金田一に三年前に起きた蓮池貞之助の失踪事件について話す。貞之助は紋太夫の養女・珠生の夫。蓮池館の女中・郁代が屋敷稲荷の前で貞之助を見掛けて追いかけたが、「三年後帰る」とカラスの血で記した祝詞を残して姿を消してしまったと言う。その期日が後三日に迫っていた。

オープニング早々、家紋入りの白幕に影絵として殺害場面が映し出される。勿論、犯人が誰かはこの時点で判らない。その後もカラスを使った演出が随所に見られる等、演出に拘って制作されたドラマであるが、結局の所、殺人事件の裏側にあるのは横溝正史の小説にはありがちの出生の秘密に纏わる因縁。また他作品でも見掛けるような内容が多く、カラスを用いている箇所を除けばありきたりのストーリーである。原作とは内容を変えて来ているので、余計にそう感じるのかも知れない。

尚、解決編とエンディングではカラスに因んで『七つの子』がBGMに流れる。

それにしてもいがみ合う両家(これもありがちだが)の間で起こる悲劇の話ではあるのだが、そのいがみ合いが希薄に感じてならない。冒頭で当主同士がいがみ合う場面はあるものの、その後は大して両家の対立は重要視されていない。後半に差し掛かる頃には兵頭家がある事すら頭から消えていてすっかり肩透かしを食らった気分になる。また密室トリックもあるにはあるのだが、あまりの単純なトリックに唖然とする。これをわざわざ金田一耕助に解かせるものなのかという点に疑問が湧く。

見終えた後、色々な面で不満の残るドラマだった。

満足度は★★★

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火と汐

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【出演】 神田正輝、南果歩、内藤剛志 他
【放送】 1996年(フジ)

京都で密会中の女が突然行方不明となり、遺体となって発見される。殺害容疑をかけられた密会相手の男が彼女の死に疑問を投げかけるサスペンス。原作は松本清張著の『火と汐』。

八月十四日、油壺では『三宅島レース』のアナウンスが流れていた。三宅島レースとは油壺から三宅島を巡る三日間のヨットレース。レースに参加する芝村モーターの社長・健介は社員の上田と共に乗船する。その頃、健介の妻・美弥子は舞台作家の曽根晋吉と京都のホテルで待ち合わせて密会していた。二日後、美也子は別れを切り出す。先の見えない関係を終わらせたがっていたが、それに反して晋吉は結婚を望んでいた。その夜、二人で大文字焼見物の最中、突然美弥子の姿が見えなくなる。

美弥子が行方不明になるまでの過程は非常に簡潔に描かれており、密会相手である晋吉との関係はあまり濃厚には描かれていない。またドラマの半分以上は生前の美弥子がどういう女性だったのかについて語られているのだが、彼女を知る人々の中では本当の彼女の人物像が飛び出してこない。非常に謎めいた女性としての描かれ方をしている。

何故、彼女は密会相手の前から忽然と姿を消したのか?

何故、彼女は殺害されたのか?

そんな謎を秘めながらもずっと静かにドラマは進んでいく。会社社長夫人として何不自由のない贅沢な生活を送っていた美弥子。しかし晋吉に言わせれば、美弥子は夫との生活では満たされない何かを求めていたと言う。

勿論、殺人事件なので後半の警察の動きには事件の真相を追い求める刑事としての執念や、地道な捜査の場面は登場する。ところが肝心の殺害された被害者の夫も愛人も自ら殺人事件に対して熱くなる場面は一切見られない。つまりは裏を返せば、どちらも美弥子の本心に辿り着いていなかった、或いは美弥子の死に駆り立てられる程の親密な距離にいなかった事になる。あまりにも静か過ぎる展開は被害者の空虚な心を表しているようでもある。

やがて明かされる事件の真相。その中で語られる美弥子の本心は考えてみれば非常にささやかな願いであった。ただそれだけのために殺されたのかと思うとやり切れない。

満足度は★★★★★

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