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柴門ふみセレクション 野望の女

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 羽田美智子、生稲晃子、沢向要士 他

【放送】 1992年(テレ朝)

 

社長が直々に採用した優秀な女性を巡って、周囲が騒がしくなっていく。原作は柴門ふみのコミック『柴門ふみベストセレクション』。

 

社長が直々に採用したMBA取得の女性がいきなり社長補佐のポストで入社すると聞かされ、社内は浮足立っていた。ところが現れたのは若くて可愛らしい由利菊子で、スーツにスニーカーを履いたアクティブな女性。鼓専務の息子・鼓龍一が菊子の面倒を看る事になり、第二秘書課の片辺カナ子は面白くない。実はカナ子は以前から龍一に片想いしているのだが、奥手なカナ子は未だ気持ちを伝える事が出来ずにいたのだ。早速会社で働き始めた菊子はしょっちゅう席を空ける始末。仕事をしているようには見えない菊子に、同僚達は彼女が社長の愛人だったのではないかと勘繰り始める。ところがそれまで席を空けてばかりだった菊子が大荷物を持って帰社する。それらは全て環境問題に関する品々。ようやくその時になって菊子がサボっていたのではなく、自分なりの方法で仕事を見つけていたと判明する。仕事の出来る菊子を褒める龍一の言葉を聞いて、カナ子は菊子に嫉妬する。

 

何と言っても生稲晃子の如何にもアイドルが演じていますと言った演技がツボ。可愛らしいと言えば可愛らしいのだが、秘書課に勤務している割にはあまりにも言動が幼稚で社会人らしさを感じない。所謂当時はまだ言われていた『腰掛けOL』を表現しているのだろう。社会人になっても重要なポストにはつかず、ひたすら結婚相手を探す場として就職するというもの。実際、彼女が仕事らしい仕事をしている場面はほぼ皆無で、後半になって菊子に憧れて仕事を始めている。今まで何しに会社にいたんだと小一時間問い詰めたい。

 

それにしてもちょっと一時間の放送では短すぎた感じだった。特別深い内容のあるストーリーでも無いのだが、突然現れて突然消えていく菊子の決断があまりに唐突で、そんな理由であっさり会社を辞めたり出来てしまうのだと驚くばかりである。もしかするとアメリカンスタイルのビジネスマンをイメージしているのかも知れない。一か所に長くいるわけでもなく、自分の足で歩く自立した女性としての菊子ははつらつとして同性に憧れるタイプの女性を象徴している。

 

ドラマを見て思ったのは重役連中が無能過ぎて、この商事会社の将来が明るくはとても見えない。一陣の風のように現れた菊子が社長としては希望の芽だったのだと思うのだが・・・。後はカナ子が菊子にどれだけ近付くかによるのかも知れない。何とも危うい会社である。

 

満足度は★★★

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女相続人連続殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 佳那晃子、岡田茉莉子、山村紅葉 他

【放送】 1992年(TBS)

 

莫大な財産を持つ女性実業家の遺産を巡っておきる連続殺人事件の謎を彼女の知人の女性ジャーナリストとその従兄弟が解明に乗り出す。30億円の遺産は誰の手に?原作は山村美紗著の『女相続人連続殺人事件』。

 

六年ぶりに帰国した天堂優子は亡き母の友人だった実業家・水尾マユに招待され、彼女が経営する琵琶湖湖畔にあるホテルにやって来る。その際従姉妹の浜口謙作もちゃっかり同行する。マユと久しぶりの再会を果たした優子だが、マユに養女が三人もいる事に驚かされる。長女の夏子、次女の雪子、三女の桜子、それと勤続十五年のお手伝いのふみの四名がマユの遺産を相続する資格があり、マユは遺産をこの四人にどう分けるべきか悩んでいた。優子を歓迎するため琵琶湖のクルーザーでパーティーを開いている最中、突然の悲劇が起こる。夏子が湖に転落して死亡したのだ。しかし警察が死因を調べた結果、夏子は溺死では無く青酸性の毒物を服用したための服毒死と判明する。パーティーの料理にも飲み物にもそのような毒物が混入した形跡はなく、夏子が転落する直前、優子が夏子の手の中に茶色い瓶のようなものを持っていたと証言したため、夏子が船酔いしやすい体質だと知っている誰かが乗り物酔いの薬だと偽って青酸性毒物の入った瓶を渡したのではないかという見方が強まる。

 

ドラマを見ていてヒロインの言動が如何にもキャサリンっぽいなと思ったら、原作はやはりキャサリンが名探偵を務めるシリーズの一作だった。従兄弟に置き換えられているが、同行する助手役が浜口という時点でお察しではあるが。最もそう言った変更点はあるものの、キャサリンを日本人に置き換えただけで、性格等々はそのままキャサリンのヒロインなのであまり違和感は無かった。

 

しかしこのドラマは大仕掛けのトリックがあるわけではなく、誰にでも犯行が可能であり、かつ十分な動機がある中で連続殺人事件が起きていく。むしろそちらのシチュエーションの中で犯行を行った人間を見つけ出す方がメインとなっているため、殺害方法や死因についてはかなりあっさりと流されている。謎解きというよりはアドベンチャーゲームをしている感覚で、ヒロインが判らない部分を足で稼いで行くのが目立つ。

 

推理という面で言えばヒロインが真犯人の心境を言い当てる部分がそれに該当する。『孤独』と表現した彼女の言葉が非常にしっくりとする。

 

満足度は★★★★

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女怪

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【出演】 古谷一行、丘みつ子、中条きよし 他

【放送】 1992年(TBS)

 

京都の山村で墓が荒らされ頭蓋骨だけが持ち去られた怪事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『女怪』(『悪魔の降誕祭』所収)。TBSの金田一耕助シリーズ第十五弾!

 

京都で偶然かつての恋人・虹子と十年ぶりの再会を果たした金田一耕助は虹子がママを勤めるBARに誘われる。虹子は金田一に何か頼み事があるような素振りを見せたが結局その話には触れないままその夜は別れた。数日後、日和警部に連れられて周山村にやって来た金田一は宿泊先で一人の青年・貞夫が行方不明になっている話を聞く。幼少時に両親を亡くした貞夫はおすわに預けられて育ったのだが、婚約者が肺炎で死亡して以来魂の抜け殻のようになってしまったと言う。しかも驚いた事に貞夫は虹子の弟だった。おすわに恩義のある日和警部が金田一を連れて来たのもおすわの力になって欲しいと思っての事。翌日、一人村に残った金田一は行者・跡部が常駐している修行場を探訪する。そこは亡くなった持田電機社長・持田恭平の別荘だったが、思いがけず持田の墓が荒らされ頭蓋骨が無くなっていたのを発見する。修行場に貞夫が毎日現れる事から墓場荒らしは貞夫の仕業と金田一は踏んでいた。ところがその矢先、川で貞夫が水死体で発見される。

 

虹子役に丘みつ子の配役はどうもイメージに合わず違和感がある。虹子は男達に人生をずたぼろにされた薄幸の女性であるにもかかわらず、常に気丈で凛とした品格を備えている。好きでもない男に抱かれている最中にもその姿勢を崩さない。濡れ場と言っても行為そのものの場面があるわけでもないが、襦袢姿に化粧を施してもあまり色気を感じないのである。虹子のように男達の欲望に好きなように蹂躙されてきた女ならば、ましてBARのママをやっているくらいなのだから、男が放っておかないような女の色香を撒き散らすような女の方が虹子に相応しい気がする。もしかしたら金田一が昔付き合っていた恋人という配慮から敢えてそうした演出にしたのかも知れないが、終始物足りなさを感じてならなかった。

 

ところで原作は短編小説なので、流石にそのままでは二時間枠のドラマに仕立てるのは難しかったと見える。原作には登場しない虹子の弟・貞夫を登場させ、貞夫のエピソードを交えているものの、無理矢理絡ませた感が半端では無い。正直、その部分を全てとっぱらっても十分成り立つストーリーである。おまけに貞夫の演出には意味不明で余分な箇所が多く、時間稼ぎと謎めいた雰囲気を作り出すための小道具のような扱いになっている。

 

金田一にしては珍しく恋愛感情を露わにする場面を織り込んだストーリー。それはそれで興味深い特徴ではあるのだが、その一方で各々の事件が独立していて関連性が掴み辛い。

 

満足度は★★★★

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花梨 みちのく誘惑の甘い罠

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【出演】 岸本加世子、根津甚八、山田辰夫 他

【放送】 1992年(フジ)

 

誘拐された飼い猫の身代金のため、骨董店の女店主は詐欺紛いの計画を立てる。宮城県を舞台にした旅情サスペンス。原作は高橋治著の『花梨』(『女たち』所収)。

 

骨董店『花梨』の女店主はどうしても一千万円を用意しなければならなかった。実は可愛がっていた飼い猫の太郎が誘拐されてしまったのだ。身代金は一千万円。四日の猶予を貰った女店主は店員や元恋人と組んで、店のお得意様である松木から一千万円を奪い取る作戦を立てる。松木が喉から手が出る程欲しがっている古九谷の大皿が古い蔵から見つかったという話をでっちあげ、まんまと宮城まで松木を呼び寄せたまでは良かったが、二人で旅行する内に次第に松木に惹かれていく。

 

飼い猫のために一千万円?

 

いきなりのとんでも展開にコメディーかと見紛うが、このドラマは比較的シリアス路線で進行していく。おそらく原作がコミカルな路線で描かれているのを無理矢理シリアスにしているかのような気もするが、まあ根底にあるのが大切にしていた飼い猫の誘拐なので、女店主の身とすればシリアス路線でもおかしくはない。但しストーリーは単純で先が容易に読めてしまう。最後は予想通りの肩透かしを食らった上でのハッピーエンド。一時間枠のドラマであるため難はあるものの、出来ればもう少しヒロインの揺れ動く気持ちを掘り下げて欲しかった。

 

さて花言葉について。このドラマの中で花梨の花言葉は『誘惑』とされているが、調べてみた所『豊麗』や『優雅』と言った記載があるものの、『誘惑』と言う花言葉がどうしても見つからなかった。勿論、同じ品種でも花の色によって花言葉が異なる場合もあるので、一概に誤りとは言えないのだが、もし単一の色の場合のみその花言葉が指定されているのであれば、随分レアな所をついてきている。

 

満足度は★★★

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女監察医・室生亜季子 もう一つの血痕

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【出演】 浜木綿子、榎木孝明、沖田浩之 他
【放送】 1992年(日テレ)

公園で殺害された女性の刺殺事件で捜査線上に浮上した男のシャツに血痕があった。ところが従来の血液型判定とDNA鑑定で異なる結果が出てしまう。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第十二弾!

川越で三代続いた開業医でこの地域の監察医を務める室生亜季子の目下の心配事は夜な夜な泥酔した浜田警部が室生医院を訪ねて来る事だった。実は川越西警察署に大卒の若手エリート警部・酒井が赴任し、頭の古い浜田と真っ向から対立しているのである。翌日も二日酔いで出勤した浜田を川越中央公園で起きた殺人事件の捜査から外してしまう。しかし何とか捜査に加わりたい浜田は亜季子を連れて直接現場へ向かった。現場では酒井が鑑識から話を聞いて、既に死亡推定時刻から死因まで断定していた。被害者は林待子。母親の証言から高校時代の同級生・島田正三からしつこく付き纏われていて、命の危険を母親に訴えていた事が判る。また島田には婦女暴行の前科があり、島田が前日着ていたシャツに血痕があった事から浜田は島田を連行する。血液検査の結果、シャツに付着した血痕は被害者ではなく島田自身のものと亜季子は診断を下す。ところが酒井は亜季子の診断をあやふやだと一蹴し、東京の大岡教授へDNA鑑定を依頼してしまう。その結果、DNA鑑定では島田の血液であると診断され、酒井は島田を犯人と断定する。

久々に『女監察医・室生亜季子』シリーズだと思わせてくれる従来の血液型判定とDNA鑑定についての説明がドラマ内でなされている。この当時はまだDNA鑑定があまり認知されていなかったようで、酒井がDNA鑑定の必要性を訴えた事に周囲は動揺を隠せない様子が見られる。今では警察に限らず一般人も身近に利用出来るDNA鑑定だが、放送から二十年以上経つとこうも世の中の常識が変わって来るものかと改めて驚かされる。

さて今回は従来の血液型判定vsDNA鑑定という対決の背景にあるのは老警部と若手エリート警部の争いがある。結果としてそれが亜季子にまで飛び火する事になるのだが、この当時は他のドラマでも頭でっかちの若手が自分のやり方を貫き、古くからのやり方を重視する老いぼれを軽視するという場面が多々出て来る。このドラマもそんな様相になってくるのかと思いきや、途中から「おや?」と首を傾げる事態に。この手の話は犯人を挙げるのを重視して規則違反すれすれの違法紛いの行き過ぎ捜査を行うのが老刑事の専売特許のはずだが、このドラマの場合はそれが逆に働いてしまう。行き過ぎ捜査を行うのは若手エリートの方で、老刑事がそれを宥める役に回る。何だか最初に思っていたのとまるで違った展開に少々面食らう事がちらほら。良い意味でも悪い意味でも裏切られるストーリーである。

最後まで見て思ったのは三十歳の結婚を焦る女性がどれだけ男を見る目が曇っているかという事。これだけ自分が犠牲を払った(或いは投資した)んだからそれだけの見返りを求めるのは当然という女性的な発想が垣間見える。それは現代の女性にもそうした傾向がちらほら見られるが、第三者的に見るとさもしい執着のあまり完全に他が見えなくなっているとしか言いようがない。身近にはもっと良い男がいたのに・・・。それがこのドラマを見た正直な感想である。

満足度は★★★★
 
岩崎 宏美(益田 宏美)
ビクターエンタテインメント株式会社

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女監察医・室生亜季子 歪んだ告白

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【出演】 浜木綿子、中島ゆたか、北村総一郎 他
【放送】 1992年(日テレ)

二つの変死体が発見される。どちらの被害者も事件直前に金物屋の女店主と会っていた。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第十一弾!

川越で三代続いた開業医であり、この地域の監察医でもある室生亜季子は日課としている早朝ジョギングの最中、金物問屋の青木みちが捻挫をして松葉杖をついて歩いている姿を見掛ける。それから五日後、怠け者の廃品回収の男・須藤が変死体で発見される。司法解剖の結果、須藤は頭がい骨骨折による死亡と判明する。また須藤が金づるを見つけて多額の借金を返済していた事も判る。その日、みちを診察した亜季子はみちが暴力を受けていると気付く。その頃、警察ではみちが事件直前に須藤と会っていた事から捜査線上にみちの名前が上がっていた。しかし決め手は無い。後日、行方不明になっていた貞次が入間川で腐乱死体となって発見される。亜季子がみちを問い詰めた所、みちは貞次が一億円の負債を抱えた挙句、離婚する代わりに店の権利書と委任状を寄越せとみちに乱暴を働いたと証言する。

川越付近で起きた二つの殺人事件。その何れもがみちと関係があり、彼女の犯行であると言われれば頷いてしまうくらいに状況証拠が揃っている。ただみちは夫から大怪我を負っており、例え殺害する事が出来たとしても遺体を運ぶことは出来なかった。事件の焦点は遺体をどうやって遺棄したかに絞られてくる。当然疑われるのはみちに代わって遺体を遺棄した共犯者の存在。

事件を究明するにあたって重要視されるのはみちの証言。しかしみちの証言の中には不自然さは見当たらない。実はここが非常に興味深いポイントである。サスペンス物なので証言の中身は回想としてとかく衝撃的に再現されがちだが、みちが務めて薄幸の女性そのものなので、非常にしっとりとした回想になっている。最後に真実が明かされた時も殺人事件なのに血生臭さとは無縁で、犯人が自分の罪を認める形で事件は解決する。サスペンス物よりもむしろ女の事件録といったドキュメント作品を見せられているような雰囲気がした。

さて内容とは関係ないが、浜田警部の亜季子に対するセクハラ行為がとうとう胸を触る事態にまで発展。現代ならば大問題となる所だが、今ほどセクハラに関する意識が薄い風潮もあって笑って済ましてしまう亜季子に寛大さを感じてしまう。しかし幾ら何でも胸を触っておいて詰め物は失礼でしょう。

満足度は★★★★
 
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東京エレベーターガール

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【出演】 宮沢りえ、赤井英和、東幹久 他
【放送】 1992年(TBS)

高校卒業後東京のデパートでエレベーターガールとして働き始めた社会人一年生の女の子の成長物語。

沢木つかさは多摩そごうで働く新米エレベーターガール。ある日、同僚の薫と上司の前野課長が不倫関係にあると知ってぼんやりしていると、エレベーターとフロアの間の溝にヒールが挟まるという失態を犯してしまう。その時助けてくれたのが広報部の島大紀だった。それまで見た目は良くても他人の名前を呼ばない島に嫌な印象しか持っていなかったつかさだが、助けて貰ったお礼を言うために一緒に従業員用のエレベーターに乗る。ところがエレベーターの故障で二人は中に閉じ込められてしまう。ようやくエレベーターが動き出しほっとするつかさに島は金曜日を楽しみにしていると告げる。実は島に興味を持ったエレベーターガールの野田尚子が島を誘って飲み会を企画していたのである。一度は断ったものの、島に好意を持ったつかさは尚子に飲み会に参加させて欲しいと頼み込む。

中心となっているのは若い女の子の恋愛観。東京に憧れを抱いて上京した女の子も最初の内は物珍しさや親の監視下から逃れた解放感に生活を楽しんでいても、次第に故郷を離れて東京で暮らす生活の孤独感にさいなまれていく。そんな時親身になってくれる人が現れたら、心が揺れてしまうのも仕方がない事なのかも知れない。また職場で仕事の出来る素敵な人がいればつい心惹かれてしまう。しかし彼女達を待ち受けているのは決して明るい未来ばかりとは限らない。時には恋に身を焦がし、泥に塗れてしまう事もある。このドラマはデパートで働く普通の女の子達がどんな恋愛をし、そしてその結果悲恋に終わってもそれを乗り越えて一歩ずつ大人の女性に近付いていく様子を描いている。

元気でやりよる?

ドラマのヒロイン・つかさは小豆島出身。そのため妹役の小川範子が近況を伝える手紙は必ずそんな方言から始まる。この手紙の内容は直接ドラマのストーリーとは関係なく、また妹が声以外で登場する事はないのだが、東京に憧れを抱く少女の心のありようを顕著に伝えてくる。実はこの妹の言葉を借りてつかさ自身の上京する以前の気持ちを投影している。しかし現実はそう甘くはない。理想と現実のギャップが手紙の場面では切に伝わってくる。

頭では判っていてもどうにもならないのが恋心。誰かを好きになったら、本気の恋を知ったら、もう誰も止められない。恋に悩む女の子達が凄く弱い小動物のように見える。特にヒロインのつかさの心情は非常に丁寧に描かれていて、男性の心を鷲掴みしてしまうような健気さや可愛らしさに溢れていた。

満足度は★★★★

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小京都ミステリー 薩摩恋人形殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、船越栄一郎、夏夕介 他
【放送】 1992年(日テレ)

殺害現場に落ちていた古い人形には戦争で引き裂かれた若い男女の儚い恋心が込められていた。フリーライターとカメラマンのコンビが事件解明へと乗り出す。『小京都ミステリー』シリーズ第七弾!

フリーライターの柏木尚子の今度の取材は鹿児島。相棒のカメラマン・山本克也と共に南国交通からサロンバス遊覧試乗招待券が送られてきた事もあり、鹿児島に到着した二人はサロンバスへと乗り込む。南国にひっそりと息を潜めたような小京都・知覧を経由し、酒蔵工場に到着した二人は親しくなったバスガイドの由美子から恋人の中村敏夫を紹介される。尚子の好奇心が働いたのは、敏夫の同僚・鈴木征一だった。人嫌いで無愛想だが、澄んだ目をしていた征一の私生活を知りたいと思い立ち、尚子と克也は征一の暮らしている簡易宿に向かう。ところが簡易宿の付近の路地から突然血塗れの手をした敏夫が飛び出してくる。路地を覗くと、昼間敏夫を恐喝していたタクシー運転手の遠山一郎が刃物で胸を一突きされて死んでいた。動転する尚子は遺体の傍に落ちていた古い人形を持ち去ってしまう。

小京都と呼ばれる知覧が舞台となっているので、小京都ミステリーには違いないのだが、実際にはあまり小京都事態は関係のない内容になってしまっている。むしろ重要となっているのは知覧に戦時中特攻隊の基地があった事であり、今回のドラマはそれに纏わる男女の儚い恋が下地になっている。ミステリー等の場合、死んだ人間が実は生きているという状況があるのは非常に都合が良い。特攻隊の話が絡んでくると、特攻して命を散らした人々の話より奇跡的に生還した人の話の方が多いのはそのためだろう。このドラマも御多分に漏れずそうした意味合いで使用している。

さて事件の方に目を向けてみると、殺人事件自体は至ってシンプルである。性質の悪い男が路地で殺害されたというだけの話で、実際真犯人が判明するまでの経緯は非常にあっさりしている。それだけならばとても二時間のサスペンスにはならないため、尚子に遺体の傍に落ちていた人形を拾わせるという荒業を行って、真犯人に辿り着くまでの道のりを引き延ばしている。またやけに強引で我の強い刑事だと思っていたら、どうやらご当地感を出すために薩摩隼人をイメージしたらしい。

戦争で引き裂かれてしまった恋愛話については確かに感動的でもあるのだが、それ以外はちょっとお粗末といった感じが否めない。

満足度は★★★

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会津涙橋殺人事件

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【出演】 片平なぎさ、高橋悦史、宮田恭男 他
【放送】 1992年(日テレ)

友人が新宿のホテルから転落死する。彼の死を他殺と睨んだフリーライターとカメラマンのコンビが彼の故郷・喜多方を舞台に起きた連続殺人事件の謎に挑む『小京都ミステリー』シリーズ第六弾!

フリーライター・柏木尚子が会社で遅くまで会津若松の下調べをしている頃、カメラマン・山本克也の元に写真学校時代の友人・清川から緊急を告げる電話がかかってくる。清川は切羽詰った様子で電話では埒が明かず、克也は清川が宿泊している新宿のホテルへと向かう。ところが部屋はドアが閉まらないように靴が挟まっており、部屋の中には清川はいなかった。不審に思っていると男の悲鳴が聞こえ、非常階段の下に清川の姿が!克也が駆けつけた時、清川は虫の息で「むねん・・・なみだ」と最後の言葉を伝える。清川が300万円持ち逃げしていた事から警察は自殺とみなしてロクに捜査しようともしない。助けを求めた人間が自殺するとはどうしても納得がいかない克也は尚子に相談する。丁度会津若松へ取材に行く事になっていた尚子は取材のついでに清川についても調べようと思い立ち、克也もそれに同行する事に。ところが取材のため尚子は会津若松で途中下車。仕方なく克也は一人で清川の故郷・喜多方へと向かう。

会津若松と言えば白虎隊所縁の地であるため、今回は白虎隊の武士道をモチーフに武士道精神を貫く一人の教師とその教師を慕う教え子たちの師弟愛の話になっている。中学の時に築かれた友情や師弟関係が大人になってもそのままの形で残り続けると言うのはあたかも有名な学園ドラマシリーズを見ているようだが、多少閉鎖的な面のある土地だからこそ成り立つ話なのだろう。良い話で締め括ってはいるものの、教師の若い娘にまで武士道精神を持たせてしまうのはやり過ぎ。時代劇のような流れに抵抗を感じてしまう。

ところで探偵役となる柏木尚子と山本克也の関係だが、相変わらず親しいながらもつかず離れずと言った距離感は保っている。ただ克也の方が回を重ねる毎に馴れ馴れしさを増している気がする。また今回の克也はかなり体を張ったシーンが多く見られる。夜中の電話に飛び起きた際に履いていた真っ赤な水玉柄のトランクス姿には思わず吹いた。また露天風呂に一人で浸かっている場面では全裸(勿論前張りはしている)を披露している。これも克也の調子の良さや軽さを表す要因となっているものの、馴れ馴れしさ同様表現方法がどんどんエスカレートしている。役者自身が楽しんでやっている感がひしひしと伝わってくる。

満足度は★★★★

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山峡の湯村

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【出演】 古谷一行、姿晴香、中島ゆたか 他
【放送】 1992年(日テレ)

山峡の温泉旅館で婚約者の帰りを待ちながら老作家の面倒を看続ける美しい仲居の生き様を、彼女を愛した傷心の国語教師が見つめたミステリーサスペンス。原作は松本清張著の『山峡の湯村』(短編集『馬を売る女』所収)。

世間からも忘れられた老作家・小藤素風は妻を亡くして以来孤独な余生を送っていたが、飛騨の山峡にある谷湯旅館の梅田親子の厚意で谷湯旅館に移り住む事になった。ところがその年の暮れ、予約の電話があったと仲居で婚約者の内海元子から聞かされた若旦那の梅田勇作が傘を持って雨の中を出掛けてそのまま行方不明になるという事件が起きる。三年後、高校で生活指導主任を務めていた教師の太田二郎は体罰主義の教頭の方針に従えず、その挙句胃を壊して手術する羽目になる。それを良い事に学校からは見舞いと称したお払い箱の通達が届き、二郎は嫌な現実から逃れるように湯治療養を決める。駅に到着した二郎を迎えに来たのは明るく美しい仲居の元子で、二郎は彼女に興味を惹かれる。何でも行方不明になった勇作を三年も待ち続けているらしい。ところが宿に到着した途端、素風が元子に散歩を命じて無理矢理連れ出してしまう。

これから過疎化していくであろう山峡の温泉地を背景にしたミステリーなのだが、主人公の太田二郎を含めて、とにかく登場人物には寂しい人達が登場する。ヒロインの元子ともう一人仲居が登場するが、順風満帆の人生を送っているのはこの女性だけではないだろうか?ストーリー自体は純粋なミステリーではあるのだが、登場する人物の寂しさに焦点を充てて、ただ謎を解明するだけではなく、その裏に人間の孤独や老い等の問題を絡めて、事件が解決しても一層寂しさを煽る内容となっている。

人間は一人では生きられない。しかし寂しい人間はより孤独な選択をしてしまう。

何よりもドラマの中で強く感じたのはその事だった。人間は誰しも幸せな選択をするわけではない。幸せになろうと願っても何かに後ろ髪を引かれるように孤独を選んでしまう事だってある。寂しい人間は捨てられない何かに対する気持ちの強さの表れであるようにも思えた。何もかもを失くした時、それがより表面に出てしまう。人間の心情をついたドラマである。

満足度は★★★★★

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