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蜘蛛

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 山口崇、内藤武敏、堀内正美 他

【放送】 1986年(フジ)

 

怪談会の夜、熱海の宿で体験した恐怖話を披露した作家に更なる恐怖が襲う。原作は遠藤周作著の『蜘蛛』。このドラマは現代怪奇サスペンスの一篇として放送された。

 

医者や重役達を集めた趣味の怪談会が定期的に開催されている。その主催者である伯父に誘われて怪談会に参加した作家は赤ランプだけの薄暗い部屋の中で常に誰かの視線を感じていた。休憩中に青白く端正な顔立ちの青年と目が合い、もしかしたら彼の視線では無かったのかと疑問を持つ。青年からは酷く生臭い臭いが漂っていた。いよいよ作家が怪談話をする順番が回ってくると、作家はかつて熱海で体験した幽霊話を話して聞かせた。鬱蒼と生い茂る竹林の先にある『梁塵荘』では建築上禁忌となっている鬼門の造りで、夜中眠っていると得体の知れない物に襲われたと言う。穏やかな口調で話される作家の話は参加者の恐怖を煽り、会に招いた伯父も大満足だった。帰宅を急ぐ作家はさっきの青年に誘われ、タクシーで相乗りする。

 

最後まで青年の正体は判らず終いなのだが、作家が二度に渡って熱海の宿で体験した恐怖の後に、この青年がとてつもない砲撃を放って更なる恐怖に陥れるというストーリーになっている。一応この青年は作家の幽霊体験のネタ晴らしをしてくれる役割を担っている。

 

作家が幽霊体験と宣言してしまっている事もあり、正体不明の青年が如何にも幽霊であるかのような演出がなされている。生気のない青白い顔色に感情表現が一切見られない乏しい表情。そしてその静かな立ち振る舞いや常に作家を追う目つきに赤い唇等々、作家に取り憑く幽霊か背後霊のような印象を受ける。しかしこの話の本当の怖さは幽霊などでは決してない。最後にこの青年が語った話こそが真の恐怖の源であり、これだけでも想像すると鳥肌が立つくらいぞっとするのに、それを話だけに留めず作家に味合わせる所にある。

 

一時間枠の短いドラマであるので、不明な点が多いままで終わってしまうが、それがまた想像を掻き立ててくれる。

 

満足度は★★★★★

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怖い贈り物

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 田中健、田中好子、小倉一郎 他

【放送】 1986年(フジ)

 

黒百合の花言葉は『呪い』。花言葉に託した女の愛と執念を描いた恐怖サスペンス。原作は結城昌治著の『怖い贈り物』。現代怪奇サスペンス枠で放送された。

 

定年退職する同僚の送迎会で南は同僚の百合子をダンスに誘い、酔った勢いでキスをした。翌日から机の引き出しに毎日のように百合子から花束のプレゼントが贈られるようになる。南にとっては百合子とのキスはほんの遊びに過ぎなかったのだが、百合子の方は本気だった。花言葉で自分の気持ちを伝えて来る百合子の少女趣味な好意が南には鬱陶しくて仕方がない。困り果てた南は友人の内田に頼んで、関西出張している間に百合子の好意が迷惑だと伝えて貰う。一見、それでカタがついたように思えたのだが、今度は南の自宅アパートの玄関先に花が置かれていた。

 

百合子のような女性がいたらマジで怖いって!

 

南は遊び人で女性と深い付き合いを望まないタイプの男性。当然ながら百合子を誘ったのも恋愛感情は度外視した社交辞令のようなものである。しかし男性経験の少ない百合子にはそんな遊び人の理屈は通用しない。百合子の頭の中の方程式はキス=恋人なのである。会社にいる間も南を熱いまなざしで見つめ、毎朝自分の気持ちを花言葉に持つ花を南の机の引き出しにそっとしのばせておく。南はこの行為を少女趣味と表現しているが、これが会社内だけでなくアパートにまで押しかけて花を贈るとなればもはやそれはストーカーの領域。正直、百合子の行動だけでもぞっとするものがあった。

 

しかし百合子の恐ろしさはここからが真骨頂。

 

南からすれば誰にも相手にされないような百合子に声をかけてやっただけでも感謝して欲しい所だろうが、百合子にしてみればそうはいかない。百合子の中ではキスした以上は最後まで責任を持つのが男性のセオリー。つまり責任を取る気のない南は百合子を裏切った酷い男であり、そんな男性には復讐の鉄槌を下すのもまた百合子のセオリーなのである。一風変わった百合子の仕掛けた罠に南は気付かぬ内にはまっていく。

 

オカルト的な要素は無いものの、これは一種の心理サスペンスである。

 

満足度は★★★★

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若い人

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 石川秀美、根元りつ子、田中健 他
【放送】 1986年(フジ)

複雑な家庭環境で育った多感で傷つきやすい女子高生が教師との恋を経験し、成長していく物語。多感な年頃の少女の心情を繊細に描いた青春ドラマ。原作は石坂洋次郎著の『若い人』。

ミッション系の女子高に通う女子高生達は男性の話題に興味津々。家庭に事情のある江波恵子もまた教師の間崎に微かな想いを抱いていた。ある日、間崎は同僚の美しい女性教師・橋本から恵子の作文を見せられる。内容は衝撃的な内容で、男に縋って生きる母親を見て育った恵子が自分も同じ生き方しか出来ないと悟り、早く男を知りたいと書かれていた。橋本は恵子の間崎に対する気持ちに気付いていて、恵子を救えるのは間崎しかいないと踏んでその作文を見せたのである。意味深な笑みを浮かべる橋本に間崎は頭を抱える。実は間崎と橋本は恋人関係にあった。

非常に文学的なドラマであり、全てにおいて詩的に美しく作り上げている。実際、生々しい話であるのだが、その生々しさを詩的な表現でオブラートに包んで、多感な年頃のヒロインの性や生き様を清廉潔白に見せている。これはある意味作者の理想像なのだと感じる。多感期の少女をあくまでも穢れなき存在としたい願望のようなものが伝わってくる。

不道徳な生き方をする母親を見て育った恵子は母親を最初から女とみている。しかしそれが良い事なのか悪い事なのか判断がつかない。そもそも彼女は道徳的な生き方がどういうものかを知らずに育ってしまったからである。だから彼女は他の同年代の少女のように子供目線で性に興味を持つのではなく、端から女として性に興味を持っている。女だから間崎に好意を持つ橋本に棘を見せ、女だから間崎にただ憧れているだけでなく欲しいと願ってしまう。勿論そんな異質な人間がいれば、同じ世代の少女たちからは除け者にされる。

このドラマを見ていると今と昔の美徳の違いを感じる。現在はダイレクトに心情を語るのが良しとされるが、このドラマは一歩引いて霞の向こうに真実の心を置いて想像をかきたてる事を良しとしている。そのせいか現代の目線で見てしまうと、底の浅いドラマと受け止められるだろう。

満足度は★★★★

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花嫁の賭け

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 石野真子、柳葉敏郎、坂上忍 他
【放送】 1986年(フジ)

恋人の煮え切らない態度に業を煮やしたOLが家出少年と知り合った事から偽装誘拐事件、人質立てこもり事件に巻き込まれてしまう。破局しかけた恋人たちの顛末を描いたサスペンス。

裕子には付き合って三年になる恋人・卓也がいる。しかし卓也は脱サラしてゲーム開発を手掛けてはいるが、ヒットにも恵まれず生活は不安定でとても裕子を嫁にしたいとは言えずにいた。そんな卓也の気持ちも知らず、裕子は煮え切らない卓也へ当てつけるように見合いをする。見合いを終えた裕子が卓也の元を訪れると、卓也は見慣れない小学生・明と一緒にいた。ところが明はいつまで経っても家に帰ろうとしない。不審に思った裕子が明の家に電話をすると身代金の金額を聞かれて驚愕する。明は誘拐された事になっていたのだ。

取り留めのないストーリーが破局間際の恋人達を題材にした当時流行のトレンディドラマを思わせる。非常にラブコメ色の強いサスペンスである。結婚に焦る裕子と彼女の気持ちを判っていながらそれを言い出せない卓也。それだけでも十分ドラマになりそうな設定だが、おそらく連ドラならばこの関係性を長々と焦らしつつ拗らせていく所だろうが、そこは時間の決まった二時間ドラマ。二人の関係に決着がつくように事件を利用してそう仕向けている。そのためサスペンスドラマとして見るにはイマイチの内容である。

見せ場は何といっても柳葉敏郎のスタントなしのアクション。建物の二階のベランダから軽々と侵入する身の軽さ、そして屋根の上で繰り広げられる格闘シーン。毎日パソコンの前でゲームを相手にしているタイプの人間とは思えぬ身のこなしに目がテンになる。

さて明が家出した原因はパソコンを親が買ってくれなかった事。放送当時の背景を考えると当時はまだパソコンが一般に行き渡っていない時代。今より断然価格は高かったし、インターネットという言葉さえなかった。現代の子供にスマホを与えるべきかという問題が、この当時ではパソコンを与えるべきかという問題にそのまますり替わっているのが面白い。因みに卓也が開発していたゲームがとても売れるとは思えない稚拙な代物で、いかにもその場凌ぎで用意したのがバレバレであるのに笑えた。

満足度は★★★

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風の中の秘密

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【出演】 秋吉久美子、平田満、三浦洋一 他
【放送】 1986年(フジ)

八年ぶりに再会した元恋人は指名手配中の殺人犯として警察に追われていた。結婚して離島で平穏に暮らしていた女の苦悩の日々を描いた女のサスペンス。

瀬戸内の小さな島で暮らす川辺涼子が家族揃って上京したのは隅田川で花火大会があった日の夜だった。涼子の絵が絵画展で入選しその表彰式が行われるのと、郵便局員である夫が会議に出席するためではあったが、夫と息子が野球観戦に出かけた間に涼子はかつての恋人・田島の部屋を訪ねていく。しかし田島は留守だった。仕方なく帰ろうとした時、突然昭平橋の下から酷く慌てた男とぶつかりそうになりバッグを落としてしまう。まさかそのぶつかりそうになった男こそが田島で、丁度誤って人を殺めた後とは思いもせずに涼子はそのまま家族と島へ戻ってしまう。翌日、橋の下から男の遺体が発見される。傍らには涼子のバッグからこぼれた口紅と三人分の航空券が落ちてた。警察は涼子に目星をつけて事情聴取にやってくるが、丁度その時田島が容疑者として浮上したと連絡が入り、涼子は解放される。ところが田島は自分に捜査の目が向けられたと知った途端、涼子に会いに来る。

結婚して幸せに暮らしている女の前に元恋人が現れて、そのせいでせっかく築き上げてきた家庭が台無しになるというのは良くある話だが、このドラマの場合は少し違う。現れた元恋人の田島は全国に指名手配された殺人犯であり、しかも涼子は田島が現場から逃走する田島の姿を目撃しているのである。それなのに涼子は田島を匿ってしまう。その理由がイマイチはっきりしなかった。まあ、考えられる理由は幾つかある。まだ田島に未練を残しているため。殺人犯にまで身を落とした田島に同情して手を差し伸べたくなったため。仕事熱心な刑事だった田島が自分のせいで警察をクビになっていたと知ったため。一応、最後の方に困っている田島に手を差し伸べずにいられないと夫に話しているものの、本当にそれだけで殺人犯を自宅に匿うだろうかと疑問になる。また八年前に涼子が田島を振った場面を見ると、涼子がきっぱり見切りをつけて去っていく様子からずるずる未練を残すようなタイプではないような感じがする。八年間、送り続けた差出人のない年賀状は自分だけが幸せになった事に悪気を感じてと受け止めた方がしっくりくる。結局、ただの同情で匿った上に逃がそうとしたのだろうか?

むしろ目立つのは田島の情けなさだろう。八年前に自分を振った女に未練たらたらで、迷惑はかけないと言いつつ思いっきり涼子におんぶに抱っこ。かなり質が悪い。それを突き放せない涼子のもどかしさにイライラする。反面、涼子の夫の懐の深さには感心した。

満足度は★★★

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黒い葬列

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【出演】 紺野美沙子、広岡瞬、河原崎長一郎 他
【放送】 1986年(フジ)

妻を失った寂しさからアルコール中毒になった父親が子供たちの旅行中に焼死体となって発見される。火災直前に見られた黒い糸の正体を巡るミステリーサスペンス。原作は日下圭介著の『黒い葬列』。

図書館司書の朝長律子はアルコール中毒の父親からの暴力に耐え忍ぶ日々を送っていた。しかし高校生の妹・裕子と小学生の弟・弘の母親代わりとして放っておくわけにもいかず、恋人の笠原からのプロポーズの返事も渋っていた。実際、酒乱の父親に怯える弘は一週間も学校を無断欠席する始末。せめて弘が中学生になるまでは結婚はしない予定だった。ある日、笠原が朝長家に挨拶にくる。その時も父親は酒を飲んで結婚を反対したばかりか律子と笠原を殴ってしまう。正気に戻った父親は律子に謝罪し、夏休みに子供達だけで信州の叔母の家に遊びに行く許可を出す。幸い笠原も結婚を諦める気はないと知って律子はほっと安堵する。ところが出発直前父親はまたも酒に酔って、旅行に浮かれる弘を殴ってしまう。気を取り直して信州での日々を楽しむ律子に父親の訃報が飛び込む。

真実はあまりに過酷である。ヒロインの律子は母亡き後、妹と弟の母親代わりとなって育て、いつも自分の幸せは後回しにする苦労人。苦労の先に幸せがあれば少しは救われるのだが、このドラマは律子を散々苛め抜いた後、更なる悲劇を味合わせている。正に身も蓋もないドラマである。様々な困難に見舞われていくヒロインが強い女性ではなく、風が吹けば折れてしまいそうな弱弱しさを孕んでいるだけに余計に見ていると胸が詰まってしまう。ラストまでそんな調子の上に、最後に意味深なメッセージまで添えられて、彼女は何のために一人苦しんで生きているのか本当にやり切れなくなる。

さて父親の事件は事件当日に目撃された黒い糸がキーポイントとなっているのだが、その正体を匂わす場面をやたらとピックアップし過ぎの感がある。前半のストーリーから何かにつけその場面が登場するので、嫌でも黒い糸の正体が分かってしまい、真実が判明した時のサプライズ感があまりにも薄いのがネック。さりげない程度に留めておけば良かったとつくづく思う。また父親が酒乱になった途端辺りが真っ暗になる演出もまるでコントを見ているようで笑ってしまう。

ところでまだこの時代は携帯電話が普及する以前の話のため、恋人と連絡するにも公衆電話ボックスからテレホンカードで電話をかけている。その光景が酷く懐かしく思える。そして同時にそういう連絡がなかなか取れない状況であるからこそ多くのストーリーが生まれたと痛感せずにはいられなかった。

満足度は★★★★★

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歩き出した白骨死体

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【出演】 浜木綿子、柏木由紀子、すまけい 他
【放送】 1986年(日テレ)

廃車の中で発見された焼死体の正体は?火曜サスペンス劇場の人気シリーズ浜木綿子主演の『女監察医・室生亜季子』の第一弾!

室生亜季子は川越で三代続いた室生医院の院長で、夫の死後夫のライバルだった生沢教授の元で法医学を十年間学び、埼玉県警から嘱託された監察医となった。午前中の診察を終えた亜季子は警察からの連絡を受けて河原へと直行する。そこには灯油をかけられ車ごと焼かれた黒焦げの焼死体があった。川越西署の田原刑事は他殺と主張するが、亜季子の母校・埼玉中央医科大学法医学研究室で亜季子自ら執刀した所、他殺の線が濃厚だったが生沢の助言を受けて亜季子は他殺と断定しなかった。ニュースを見て焼死体が自分の夫ではないかと二人の女性が名乗り出る。一人はスナックのママでの清水久子でもう一人は亜季子の患者で膠原病を患っている北川雅代だった。現場から発見された鞄は久子の夫の物だった事から警察は遺体が久子の夫と断定するが、MN式での血液型検査では久子の夫ではないと判明する。

第一弾だけあって室生亜季子はまだ新人の監察医という設定。きびきびした口調は女性ながら親から引き継いだ室生医院を切り盛りするバイタリティーのある女性をイメージさせる。しかし監察医という立場ではあっても警察の人間と見られるのを嫌う庶民的な人間であり続け、決して非常には成りきれない一面も持っている。江戸情緒溢れる川越の街並みを真っ白なウェアでジョギングする姿も清々しい。ドラマ中の台詞に「若く見えますね」という刑事の言葉が出て来るが、亜季子の年齢設定は40歳。確かに肌はすべすべで若く見えるには見えるが、驚愕する程ではないと思っていたら、ドラマ放送当時の浜木綿子の年齢は既に50歳過ぎ。実は11歳も年下の年齢の女性を演じて、更に若く見えるとは驚きである。良くある若見えCMに登場してもおかしくない若さである。

それはさておきそんな亜季子の登場は世間に法医学の面白さを伝えたと言っても過言ではない。今でこそ法医学はメジャーになっているが、当時はそこまでの知れ渡ってはいなかった。血液型の分類法が二種類しかなかったり、白骨の遺体を粘土で復元したり、科学捜査が当たり前となった現代では考えられないくらいの原始的な方法が取られているが、それも当時とすればそういう場面がテレビで見られる事自体が驚愕的な事だった。

そんな興味をそそるような法医学が盛り込まれただけでも十分魅力的なドラマであるのだが、それに加えて二転三転するストーリーは非常に面白い。このドラマがシリーズ化したのも充分納得がいく面白さである。

満足度は★★★★★

岩崎 宏美
ビクターエンタテインメント株式会社

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虹への疾走

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【出演】 山本陽子、松方弘樹、田島令子 他
【放送】 1986年(フジ)

社長令嬢が絞殺死体で発見される。スーツケースの中からマリファナが出てきた事から、警察に犯人として疑われた税関の監視官が身の潔白を晴らすために活躍するミステリー。原作は山村美紗著の『虹への失踪』(『目撃者ご一報下さい』所収)。

大阪伊丹国際空港の税関に勤務する監視官の大和田麗子は仕事帰りに城南宮へ寄り、待ち合わせの相手を待っていた。丁度その頃、裏の森ではカップルが池伸銅工業株式会社の社長令嬢・池朱美の絞殺死体を発見する。遺体の傍には被害者の所持品と見られるスーツケースがあり、中を調べるとマリファナが入っていた。翌日、出勤した麗子は朱美殺しの容疑者として任意同行を求められる。警察は税関で朱美のスーツケースを検査したのが麗子だったという理由だけで、朱美と麗子がグルで、マリファナを巡る仲間割れの結果麗子が殺したと仮説を立てていた。勿論、麗子はそれを全面否定する。しかし麗子は頑としてアリバイを言わず、マリファナの入っていたビニール袋から麗子の指紋があった事から警察は麗子への疑いを強めていく。

相変わらずチャラい狩谷警部が登場するシリーズではあるものの、このドラマでは主役は大和田麗子であり、謎を解き明かすのも彼女である。狩谷警部は何をやっているかと言えば、捜査は全て部下に任せて、麗子が謎を解き明かしていく一部始終を遠くから見守っているだけ。狩谷警部が何を解き明かしたかと言えば、麗子に男がいるという事実。

おいおい、完全に趣味で捜査してるよ、この人。

そして最後に明かされた狩矢警部の奥さんは中も外も強気なと〜ってもキツイ女性だという衝撃の事実。流石の狩矢警部さえ手を焼くらしい。良くそんな女性と結婚したものだと思わず苦笑してしまう。

意外と内容がぎゅっと詰まった話であるので1時間の枠で放送するのはかなり厳しかったように見える。繊細な女性の心理をもっと深く掘り下げてストーリーに絡ませて欲しかった。その点が残念でならない。

満足度は★★★★

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京菓子殺人事件

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【出演】 松方弘樹、和由布子、広岡瞬 他
【放送】 1986年(フジ)

茶会で料亭の女将が毒殺された。暖簾を守るために引き裂かれた男女の愛の結末を追った悲しいミステリー。原作は山村美紗著の『京菓子殺人事件』。

京都の老舗和菓子屋『三条菊屋』は心臓を患った店主・菊川に代わって和菓子職人の田村信吾が店を支えていた。ある日、紅梅庵で京都の名士が集まる大茶会が開催され、『三条菊屋』の銘菓『秋宵』がお茶菓子として客人に配られていた。ところが和菓子に手をつけた途端、料亭『花蝶』の女将・沢田眉子が苦しみ出す。眉子が手をつけた菓子にだけとりかぶとの毒が混入されていたのだ。警察は毒の混入が菊屋と茶会のどちらかで行われたと見て捜査を始める。両方に関わっていたのは菊屋の娘・千秋だけ。また千秋の婚約者で洛北銀行の頭取の御曹司・川瀬一郎も茶会に出席しており、眉子とは肉体関係があった。しかもその関係は千秋も眉子の夫も知っており、眉子夫婦はそのせいで普段から喧嘩が絶えなかったと判明する。

殺人事件を扱った内容ではあるものの、その事件自体にはあまり重点を置かれてはおらず、むしろ事件の関係者である千秋と信吾の深い愛情に着目したドラマである。千秋の父は老舗の暖簾を守る事こそが全てであり、そのためには家族を犠牲にしても当然だという信念の持ち主。当然娘の千秋もそうだと思い込んでいる。だから店のために千秋の意向を無視して洛北銀行の御曹司・川瀬と婚約させても、千秋はそれを大人しく了承すると思っていた。

しかし肝心の川瀬は美しい千秋を気に入ってはいるものの、生来が遊び好きな性格。そんな男を千秋が愛せるはずもなく、ひたすら千秋は信吾を思い続けている。

そんな背景の中、起きた殺人事件。事件に乗り出してきたお馴染み狩矢警部はこの毒殺が眉子への怨恨による計画殺人なのか、それとも無差別殺人なのかという観点に立って捜査を続けて行く。もし眉子への怨恨ならば眉子に恨みを持つ人間が犯人となるが、犯人の目的が大きく変わってくる。

相変わらず松方弘樹演じる狩矢警部がチャラい!名警部である事は間違いないのだが、皮肉めいた言葉を口にしたり、そうかと思えば関係者の子供と遊園地で遊んでしまうような親しみ易さも持っている。従来の狩矢警部のイメージを大きく覆す不思議な人物である。

満足度は★★★★

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お見合いツアー殺人事件

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【出演】 大空真弓、杉田かおる、萩原流行 他
【放送】 1986年(テレ朝)

恋人に振られた腹いせからお見合いツアーに参加したOLに危険が忍び寄る。犯人はツアー参加者の中に?八丈島を舞台に繰り広げられるミステリーサスペンス。

旅行会社に勤務する高橋冬子が提案した新企画『お見合いツアー』が採用される。この企画には冬子のある思いが込められていた。丁度その頃、デパートの店員・井沢涼子は結婚を考えていた恋人に捨てられ、お見合いツアーに参加しようと思い立つ。ツアーには十六名が参加すると聞かされていたが、集合場所へ赴くと寿退社するはずの同僚の三田久美子まで参加していた。日の出桟橋から八丈島へ向かう船の中では早速参加者同士で親睦を図り始める。そんな中、船酔いした涼子がデッキで風に当たっていると、何者かに海へ突き落されそうになる。

『コンピューターが弾き出した』とか『ファクシミリで送って貰います』という台詞に時代を感じてしまう。

さてこういう集団見合いの場では均等にカップルが成立するわけではなく、大抵人気のある人へ群がってしまうのがオチである。だからこそ人気の無い人にも平等にチャンスを与えるため、主催側はゲーム等の手段を用いて出来るだけ多くの人と接する機会を増やそうと考える。今回の場合、それがコンピューター、つまり相性診断によって勝手にカップルを成立させるというやり方なのだが、バスの中で終始勝手に決められた相手と一緒に旅をするというのも考えものである。生理的に好かない相手と組まされた日には目も当てられない。

しかしこのドラマを今見るとツッコミ所が満載で違った意味で楽しめる。殺人事件が起きて警察から足止めされているにも関わらずツアー続行でハイキングコースに出掛けるなんて信じられない展開。幾ら刑事同伴と言っても自由行動をとる時間はあるわけだし、人数的にも刑事二人が掌握できる人数ではない。また参加者随一の二枚目役の萩原流行のイチイチ気合の入ったアップも見物。犯人の告白は崖の上で。う〜ん、まさに2時間サスペンスの王道!

ところでこのドラマのヒロインは杉田かおるが演じている。当時、杉田かおると言えば子役から活躍する名の知れた若手女優の一人ではあったが、決して美人ではなく普通っぽさが最高に良い。こうした二時間枠のドラマの場合、ヒロインに抜擢されるのはどんな役柄であろうと美人ばかり。男に振られた惨めな役柄を演じさせるには多少なりとも不自然さが生じる。その点、杉田かおるの起用は的を得ている。主役であると同時に引き立て役も担っている。自己主張の強い役者の多い中、こういう役者は貴重である。

満足度は★★★★★

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