カビ

  • 2016.11.13 Sunday
  • 13:11

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 桃井かおり、中村嘉葎雄、北村総一郎 他

【放送】 1987年(フジ)

 

悪名高き不動産会社の社長が突然肝臓癌で死亡する。社長の死の謎を知った男の恐怖を描いたサスペンス。原作は夏樹静子著の『カビ』。

 

不動産業を営む広橋は五年前に交通違反の呼び出しを無視したせいで逮捕された経験がある。その際に出会ったのが同業者の大友だった。以来、金儲けに貪欲な大友に振り回されっ放しの広橋だったが、大友が死亡したため広橋はその葬儀の手伝いに駆り出されることになる。受付を担当していると、不意に美しい女性弔問客に目を留める。その女性は首から指輪をネックレスのようにかけ、故人の遺影をじっと見つめていた。大友の妻は彼女を故人の愛人と疑うほどだった。葬儀も終わり広橋が嫌がらせで届いた祝電を破り捨てようとしたところにさっきの女性が現れ、一緒に火葬場へ行こうと誘ってくる。彼女の名前は加藤洋子。実は大友の直接の知り合いではなく、知人から香典を預かっただけだという。洋子は大学でカビの研究をしている研究者らしいが、広橋には彼女に見覚えがあった。

 

ドラマの殆どが広橋と洋子の車内の会話だけで進んでいくタイプのドラマで、特別その間に殺人事件や事故といったハプニングが起きるわけでもなく、ただ広橋が以前どこで洋子と会ったのかを過去の記憶を頼りに考えを巡らせていくだけの内容である。だからこそ最後の洋子一言が爆弾的な威力を発揮する。全体には大人しいドラマであるが、最後に襲う恐怖がいつまでも余韻として残される。

 

面白いのはこの広橋という人物は散々自分を利用してきた大友に憎しみを募らせ、被害者意識が非常に強いのに、何故かそんな大友の葬儀の手伝いをしている点である。これは広橋の性格的なものが大きく影響していると言えるだろう。広橋は強引な性格の人間を前にすると抗うより従う方をとってしまう臆病な人間である。むしろ誰かに束縛された生き方が広橋には楽なのかも知れない。そのせいか広橋は大友に嫌悪を抱く一方で大友を認める発言も口にしている。しかし第三者から見れば広橋は決して被害者ではなく立派な加害者である。悪事に巻き込んだのは大友だとしても、一緒に仕事をしていれば同罪である。つまり広橋は自分が加害者であることを全く認識していない。

 

しかし広橋のような人間が特異な人間かといえばそうではない。この世の中、広橋のように自分は被害者と思っていても、他人から見れば加害者という人間は何処にでもいる。ドラマの焦点となっているのはタイトルも示すように殺人兵器のような『カビ』の存在なのだが、このドラマの真の恐怖は自分が認識していない現実に直面することのようにも思えた。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

燃えがらの証

  • 2016.11.04 Friday
  • 14:22

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 萬田久子、江藤潤、朝加真由美 他

【放送】 1987年(フジ)

 

デパートの取締役夫人が自宅で刺殺されていた。人形師の恋人の容疑を晴らすため、雑誌編集者が事件解明へと奔走する。原作は夏樹静子著の『燃えがらの証』。

 

創新出版社に勤務する雑誌記者の滝子は博多人形師の篠沢芳春と恋愛関係にあり、師匠と揉めたのを機に東京へ呼び寄せる。公私ともに支えとなって尽くす冴子だったが、いつの頃からか篠沢の作る人形に妖しい色香が漂うようになったことが気に懸かっていた。ある日、酷く泥酔して自暴自棄になる篠沢に思い切って女の存在を尋ねたが拒絶。ところがその翌日、三星デパートの菊野取締役夫人が亡くなったと一報が流れ重要参考人として篠沢が警察に連行されてしまう。夫人の遺体の傍に篠沢の個展の招待ハガキの燃えカスが灰皿にあり、凶器の果物ナイフから篠沢の指紋が検出されたためだった。刑事から話を聞いた滝子は篠沢の身の潔白を訴えるが、篠沢と被害者は滝子に内緒で不倫関係にあった。

 

菊野夫人が亡くなった件に関してはともかくとして、興味深いのは恋人のいる人形師と人妻である菊野夫人が不倫に至るまでの経緯である。そもそもこの二人は単に人形師とそのファンとして出会ったに過ぎない。しかしこの二人の不倫の引鉄を引いたのは、滝子の一言であったのは否めない。要するに滝子は自分で自分の首を絞めてしまったのである。

 

ほんの何気ない一言のもたらすものの大きさ。それは日常生活でも起こりうるかも知れない。結果として滝子は不倫相手に敗北を喫するのであるから、何が災いするか判らないものである。日常的な一コマで起きたサスペンスというのが相応しいドラマだと言えるだろう。

 

主演の萬田久子がトレードマークのロングのストレートの髪をそのままに、おそらく当時の流行であるズボンスーツを着用しているのだが、その似合わなさ加減が気になって仕方がなかった。

 

満足度は★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

浅見光彦ミステリー 天城峠殺人事件

  • 2016.07.15 Friday
  • 00:55

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 水谷豊、加納みゆき、角野卓造 他

【放送】 1987年(日テレ)

 

天城峠で起きたひき逃げ事件とタレントとマネージャーの心中事件。二つの事件に巻き込まれたルポライターが事件解決に乗り出すトラベルミステリー。このドラマは火曜サスペンス劇場版浅見光彦シリーズ第二弾!原作は内田康夫著の『天城峠殺人事件』。

 

十月十五日、天城峠のトンネル内を暴走する車が事故を起こす。危うく轢き殺されそうになったハイキングの一行がその後を追うと、事故の形跡は残っていたが、崖から転落したのか車はどこにも見当たらなかった。それから一か月後のある日、ルポライターの浅見光彦が伊豆へ取材旅行へ出掛けようとした矢先、タレントの桜井夕紀が訪ねて来る。以前、夕紀はドラマ『義経と静』の静御前役に抜擢された記事を光彦に担当して貰った経緯があり、この日も何か相談があったようなのだが結局何も告げずに帰ってしまう。修善寺に到着した光彦は小松朝美という女性と遭遇する。朝美は十月十五日に天城峠でひき逃げに遭って死亡した父親の痕跡を求めて千社札を探していたらしい。発見された当時、父親は百枚持っていた千社札を一枚も持っていなかったと言う。発見は二十五日であったにも関わらず、死亡が十五日に特定されたのは事故を通報した若者がいたからだった。しかし実際に天城峠に足を運んだ光彦は崖から転落しても視界を遮るものは見当たらず、何故十日も経ってから発見されたのか疑問を感じる。取材から戻ってみると、夕紀がマネージャーの藤田真二と心中を図ったと言うニュースが流れていた。

 

伊豆の手毬歌は何処へ?

 

第一作目もそうだったのだが、この第二作目も事件の深淵部分に触れずにあっさりと終わってしまう印象がある。実際、原作では手毬歌が重要視されているにも関わらず、ドラマでは一切そういった部分を削除して簡略化されており、むしろ浅見光彦の活躍を強調させるようにカーアクションを入れてみたりサスペンス的な要素に力を入れた印象である。また浅見光彦の今回の衣装も、ジャケットを着たスタイルであるのは変わりないが、中に着ているシャツの色が濃いめの黄土色で何となく印象が違う。改編上等のこのシリーズ、一体何処へ向かおうとしているのだろうか?

 

但し浅見光彦の仕事面では前作よりは遥かにルポライターらしい仕事ぶりである。ちゃんと伊豆の取材に行っているし、今回は同行のカメラマンもついている。

 

ところで朝美と良い関係になったにも関わらず最後の最後で一歩引いてしまったのは、勿論朝美にそこまで真剣になれなかったのもあるだろうが、結婚後の名前が理由とは。良いオチがついたという事で・・・。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

浅見光彦ミステリー 平家伝説殺人事件

  • 2016.07.14 Thursday
  • 03:05

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 水谷豊、有森也実、音羽信子 他

【放送】 1987年(日テレ)

 

平家落人伝説の残る村出身の二人の男が立て続けに謎の死を遂げる。二人の死に繋がりを直感したルポライターが事件解決に乗り出すトラベルミステリー。このドラマは火曜サスペンス劇場版浅見光彦シリーズ第一弾!原作は内田康夫著の『平家伝説殺人事件』。

 

熊野詣でに行きたいと言い出した母親に付き添った浅見光彦はフェリー『さんふらわあ号』で高知へ向かっていた。光彦は現在33歳。エリートの父や兄と違って気ままなルポライターの光彦が母親にはどうも頼りなく見えるようで、何かといえば小言ばかり。船酔いした光彦が甲板で風に当たっていると、平家の落人の村・相ノ川へ久々に里帰りするとご機嫌の男性が現れる。ところがその直後、悲鳴と共に男が船上から消えてしまう。夫がフェリーから転落したかも知れないと知った男の妻は半狂乱だった。翌朝、フェリーは那智勝浦に到着。事件は新聞の片隅に取り上げられる程度で大きくは扱われなかった。一年後、保険会社の調査員が事件の話を詳しく聞きたいとやってきて、未だ事件を忘れさせてはくれない。そんな中、あのフェリーに乗っていた当山林太郎という男性がマンションから転落死する。警察は自殺とみているが、光彦はフェリーであった時の当山の太々しい態度を思い出して自殺に疑問を持つ。

 

平家落人伝説は何処に?

 

最後まで見てしまった後、思ったのがその事だった。様々な俳優が浅見光彦役を演じる中で水谷豊演じる浅見光彦は少し落ち着きの無い印象はあるものの、割合原作に忠実で違和感を覚えなかった。その他の登場人物に関しても順当と言う表現が合っており、何の気なしに最後まで見てしまったのだが、改めて考えてみれば平家落人伝説に関してあまり取り上げないままに終わってしまった気がする。とにかく二つの事件の真相を暴く事だけに集中してしまって、せっかくの平家落人伝説がおざなりになってしまっているのである。何のためのタイトルなのだか非常に疑問。まあ、確かに相ノ川が平家落人伝説の残る土地なのでそこからとったと言えばそれまでなのだが・・・。そのためだろうか?ドラマに今一つ重みが足りない。真相が判っても「ふーん」程度の軽さで伝えられ、事件にあまり深くは関わらないままに終わってしまった感が強い。

 

ところで光彦がルポライターという設定は合っているのだが『金魚』の原稿は無いのでは?専門は紀行文のはずだし、仕事の合間にそう言ったジャンル外の依頼に応えている最中なのかも知れないが、幾ら何でもあれは無い。笑いを取りに来たとしてもお粗末過ぎる。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

虚構の空路

  • 2016.02.07 Sunday
  • 14:23
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 多岐川裕美、露口茂、峰岸徹 他
【放送】 1987年(日テレ)

父を裏切り死に追いやった男達に復讐するために大手旅行社に戦いを挑む小さな旅行者の女社長。しかし相手は思った以上に強大だった。全てを捨てた女の執念の復讐劇。原作は森村誠一著の『虚構の空路』。

新東京国際空港でオリオン国際旅行社の工藤社長が娘夫婦や部下を引き連れて視察に来ている所へ突然古い新聞が届けられる。その直後、インターナショナルエアライズの小泉からオリオン国際旅行社が企画していたハワイツアーの100人分の航空機が抑えられないと断りの連絡が入る。このツアーは大切な大口客が予約しており、このツアーが潰れればオリオン国際旅行社には相当な打撃になる。実はその裏には高村トラベルサービスという社員三人の零細企業の存在があった。社長の高村杏子はやり手で、一流のホテルチェーン・ユニバーサルホテルのオーナーで能代コンツェルンの御曹司である能代と恋人関係にあった。高村トラベルサービスはその成功を足掛かりに事業を少しずつ拡大する。杏子の正体に疑問を持ったオリオン国際旅行社の部長・光永は、古い新聞に倒産した会社の音川社長が自殺した事件が載っていた事から杏子が亡くなった音川の娘ではないかと疑う。

このドラマの一番の見せ場は後半に待ち構える飛行機を使ったアリバイトリック。旅行社を経営する杏子だからこそ出来る鉄壁のアリバイトリック。完璧な計画のはずだったのだが、そこは人間のやる事。思いもつかない綻びがどこかに生じてしまう。躍起になってアリバイを崩そうとする刑事達と杏子の対決が見所である。

しかしドラマの大半は杏子が犯罪に手を染めるまでの経緯が描かれており、いきなり最初に殺人事件が起きるような良くあるミステリーとは異なっている。犯罪を犯すにはそれ相応の動機がある。その部分に重みを置き、やったらやり返すという殺伐とした内容でも無い。ただいささか杏子がのし上がる過程が短絡的である嫌いはあるものの、事件の裏にある人間ドラマが切ない。

満足度は★★★★
 
にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

再会 −その危険な罠−

  • 2015.12.02 Wednesday
  • 19:20
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 酒井和歌子、夏八木勲、柴俊夫 他
【放送】 1987年(フジ)

子持ちの男性と再婚してようやく新しい人生を歩みだした女が十年ぶりに別れた夫と再会する。しかし彼は夫が担当する事件の容疑者だった。否応なしに事件に巻き込まれていく刑事の妻のサスペンス。

鎌倉東署の刑事・沢井公一と再婚した衿子は鎌倉に出掛けた際に十年ぶりに別れた夫・行夫と再会する。蒸発したまま離婚届だけを送ってきた行夫との再会は決して喜ばしいものではなく、もう一度会いたいと望む行夫の言葉を無視して逃げるように帰ってしまった。ある日沢井が仕事で呼び出された後、買い物に出かけた衿子の前に行夫が現れ、強引に荷物を預けていく。中身を見た衿子は愕然とする。昨今、鎌倉の寺で仏像が盗まれる窃盗事件が連発しており、衿子が預かったのはその中の一つだったのである。皮肉なことに事件を担当しているのは公一だった。

つくづく思うのは夫と前夫の間で心が揺れる女の微妙な心の揺れを表すには二時間では足りないという事である。再婚してようやく人生の再スタートを切ったヒロイン・衿子だが、今の夫も再婚で大きな息子までいる。結婚してもどこかぎくしゃくして本音でぶつかり合う事もない。結婚生活に不安を抱いている時に、まるで衿子の心の隙間を見計らったように現れた前夫・行夫。十年間忘れられなかったと言われれば、心が動いてしまうのも判らなくはない。

しかしこのドラマでは衿子の迷いが十分に表現され尽くしていない。おそらく情に流される一途な女を表現したかったのだろうが、身勝手な前夫の言い分に平手打ちを食らわした直後にベッドインの急展開では節操のない尻軽女になってしまう。しかも義理の息子を犠牲にしてようやく目が覚めたかと思えば、またもや情に流されて・・・。あまりの馬鹿さ加減にほとほと愛想が尽きる。

結果的に事件は解決するが、夫婦の問題は解決されたのかどうか微妙である。

満足度は★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

雪の朝に

  • 2015.11.28 Saturday
  • 23:14
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 いしだあゆみ、千葉真一、宇崎竜童 他
【放送】 1987年(フジ)

妻子ある医師と恋に落ちたカフェバーのママ。出所した元夫の執拗なまでの執着が二人の幸せに影を落とす。冬の北海道の大自然を舞台にした大人のラブストーリー。

雪深い釧路で暮らしていた野間瑤子の元に突然別れた夫・道生が訪ねてくる。道生は一緒に暮らしていた女を刺して逃走中だった。瑤子は慌てて道生を逃がそうとするが、既に警察の手がった後で道生はあっさり逮捕されてしまった。あれから三年が経ち、瑤子は札幌のカフェバーのママとなってた。ある日、幌南医大に勤務する坂本助教授の妻が子供を連れてやってくる。親戚の法事なのに夫と連絡が取れず、止む無く夫の行きつけの店へ立ち寄ったのだと言う。実は瑤子と道生は不倫関係にあった。動揺する瑤子の前に元夫の妹・かおりが現れ、道生の出所を知らせてくる。瑤子にとっては好ましくない出来事が立て続けに起こる中、今度は当の坂本が上機嫌で店へとやってくる。この日坂本は明日の教授会で教授に推薦される事が決まり、スキャンダルになりそうな火種は消すようにと教授から念を押されていた。

何と言っても圧倒される雪深い北海道の大自然が魅力のドラマである。助教授役の千葉真一がどう見ても41歳には見えないとか、道夫役の宇崎竜童が自衛隊あがりにしてはあまりにひ弱過ぎるとか、俳優陣に色々難点はあるもののそんな物をすっ飛ばしてしまうくらいに、ドラマの中で占める大自然の光景の割合が大きい。しかもドラマと言うより映画と思えるくらいにそうした自然をじっくりと撮っている。撮る側も演じる側も、すべてにおいてかなり骨の折れる制作になったのがひしひしと伝わってくる。

ところでストーリーはと言えば、色々キーワードを盛り込んでいるものの、それが十分に発揮できずに終わってしまっている。映像の方に力を入れた分だけストーリーはややおざなりにされ、あまり捻りのない直球のストーリーは何となく時代劇を思わせる。逆に言えば良くこれだけの内容で二時間持たせたと感心する。男女の不毛な関係を取り上げている割にはあまり深く踏み入ったりはしない。綺麗過ぎるのである。そんな中で唯一強い感情を表に出したのは坂本の妻のみ。最後の最後に愛人の瑤子に言った一言が彼女の強い感情の全てを表している。あの場面だけは見応えがあった。

さてこうしたドラマでは通常他番組名は控えるものだが、上映中の映画に『スケバン刑事』、テレビの画面に『タッチ』、セリフの中にも『さんまのまんま』等々、具体的に番組名やその一場面を登場させる珍しいドラマである。時代を感じさせると同時に懐かしさがこみあげてくる。

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

女監察医・室生亜季子 瀬戸内竹原殺人行

  • 2015.07.29 Wednesday
  • 11:25
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 浜木綿子、岩本多代、田村亮 他
【放送】 1987年(日テレ)

二十五年ぶりに再会した同級生が故郷の海で発見される。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第三弾!

川越で開業医を営む傍ら地域の監察医を務める室生亜季子は四月のある日二十五年ぶりに高校の同級生・小沢美子に再会する。独身の美子はどこか寂しい感じがした。同じ日、亜季子の元に同じく同級生の本多真記から手紙が届く。中身は8月に開催される同窓会の知らせで、同封された名簿を見ると美子の住所だけ空白になっていた。亜季子は法医学会と同窓会のために室生医院を八月に一週間休業にすると決める。そんな中、川口のアパートの一室で大量の血痕が見つかる。亜季子が鑑定した結果、血は人間のものだった。大家の話では部屋の住人・大山和子は突然挨拶も無くアパートから行方をくらませてしまったらしい。事件なのかどうかも判らぬまま四か月が経ち、亜季子は故郷の広島へ飛ぶ。学会の行われるホテルに到着すると、丁度真記が義弟と共に商談に来ていた。

今回は室生亜季子の高校時代の話が登場する。高校時代仲良し四人組だった、亜季子、晴子、美子、真記が登場するのだが、四人中晴子だけが何故かどこにでもいる普通のオバチャンで明らかに見劣りがするのに笑った。それだけで晴子が事件に何の関わりを持たない事が明白である。

さて今回もこれぞ法医学!という場面が度々登場する。一つ目は血液の鑑定の場面。警察の鑑識官が現場でルミノール反応を調査するためにルミノールを噴射するのだが、昔の香水の入れ物のような容器に呆然。また白骨から生前の顔を復元する際、第一弾では粘土でこつこつ手作業で作成していたが、今回はこれをパソコン上で行うと言う進化を見せている。但し当時のパソコンの能力では計算速度や描画速度にかなり難があり、平面に色を塗る際に目の前でゆっくり変わっていくのを待たなければならなかったり、画面切り替えの際に裏で動くプログラムソースが見えてしまったり等々当時の状況が窺える。それはそうとあのアナログな画像で誰かを特定できる人間の想像力の方に舌を巻く。

ストーリー自体は昔は仲の良かった四人組が大人になって再会して、悲しい事件に発展してしまったという内容でミステリーとしても人間ドラマとしてもなかなか面白い内容である。ただ一つ難点を言えば、絵の好きだった美子が高校時代に描いた絵(劇画)のタッチがあまりに1980年代っぽい事に違和感を覚えた。逆算すると美子が描いたのは1960年代前半のはず。もし本当にその当時に描いていたなら、先見の明があり過ぎる。

満足度は★★★★★

岩崎 宏美
ビクターエンタテインメント株式会社

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

女監察医・室生亜季子 遺された眼

  • 2015.07.26 Sunday
  • 00:40
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 浜木綿子、石井光三、すまけい 他
【放送】 1987年(日テレ)

排気ガス中毒で亡くなった娘から眼球を移植した父親の執念が時効間際の事件を解き明かす。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第二弾!

室生亜季子は川越で三代続く室生医院の院長で地域の監察医を兼任している。監察医だった夫が志半ばで命を落としてから既に十年が経つ。夫の命日に墓参りに来た亜季子だったが、突然川越西署の田原刑事達に連れ出されて事件現場へ向かう。マフラーから排気ガスが車中に流れるように細工された車の中で女性・芝田ヨシ子の遺体が横たわっていた。警察は自殺とみるが、亜季子はシャツの胸元のボタンが外れ、そこに染みがあった事を気に懸ける。司法解剖の結果、遺体の胃の中から微量の睡眠薬が検出される。そんな中、川口刑事が父親に目を移植して欲しいと書いた遺書が芳子のアパートから発見される。

遺体から摘出された眼球のグロさがインパクト大。肉片の塊がついた眼球が保存容器の中へ入れられる場面は現代のドラマでは決して拝めない光景である。現在はこうしたグロさは極力避ける傾向にあるため、何とも懐かしい限りである。殺人事件を扱うミステリーはグロさがあってナンボである。昨今の配慮され過ぎた表現の甘さが嘆かわしい。

まあ、それはともかく、田原刑事が気にしているのは自殺か他殺かの一点に尽きるのに、何故か事件の捜査は刻一刻と進展し、挙句の果てにとんでもない情報が向こうから飛び込んできて田原刑事が手柄をあげるというストーリーで、肝心の自殺か他殺かの判断を示すために室生亜季子が法医学者として活躍するシナリオになっている。それもあって田原刑事の亜季子への惚れこみようは尋常ではない。勿論、亜季子は相変わらず亡き夫を思い続けているので特別な感情は皆無のようだが・・・。

さて今回もこれぞ法医学とでも言わんばかりに水の中に含まれる生物の検出作業場面が登場する。まるで中学校の理科の実験を見ているかのようだったが、このドラマの放送当時はあれが一般的だったのだろう。

満足度は★★★★

岩崎 宏美
ビクターエンタテインメント株式会社

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

離婚居候人

  • 2014.11.22 Saturday
  • 16:17
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 野川由美子、生田悦子、山田吾一 他
【放送】 1987年(テレ東)

夫と離婚した看護師の家に離婚志願の女が押しかけてくる。娘と二人の生活が一人の他人の存在で脅かされていく。はた迷惑な居候を追い出すまでの一悶着を描いたドラマ。このドラマは『ドラマ・女の手記』シリーズの一編として放送された。

愛人の元に走ったカメラマンの夫と離婚した看護婦の新田美沙子は娘の理恵とマンションで二人暮らし。仕事から帰る途中、探偵に尾行されているのに気付き、探偵を問い詰めるも依頼主の名前は黙秘される。その日、以前美沙子が担当していた患者の黒木澄江から離婚を仄めかす電話がかかってくる。しかも深夜になって澄江が直接訪ねてきて、住処が見つかるまでの数日間マンションに泊めて欲しいとあがりこんでしまう。美沙子が離婚の理由を尋ねると澄江は自立した美沙子の姿に憧れ、何不自由のない専業主婦から美沙子のような自立した女性になりたくて離婚を言い出したと判る。翌朝、眠気を訴える澄江を置いて仕事へ行った美沙子だったが、澄江の様子が心配になって昼休みに戻ると澄江は愛人の石崎を家にあげていた。

どこにでも図々しく厚かましい人間はいるもの。自分がどれだけ相手に迷惑をかけていようとお構いなし。自分がこうしたいと思えばどんな手を使ってでもそれをやり通す。我儘放題の厚顔無恥。そんな女が突然家に押しかけてきたら、当然平穏な暮らしは奪われてしまう。

このドラマでは面倒見の良い美沙子の性格に付け込んだ澄江が家に押しかけてしまう。澄江は本当に離婚をしたがっているのかと言えばそうではない。ただ人に迷惑をかけて、自分を構って貰いたいだけ。要するに離婚は口実だったのである。長年連れ添った夫や無関心になりつつある子供達を振り向かせるためにはこうした大胆な手段も時には必要なのかも知れないが、そのために利用された美沙子親子にははた迷惑以外の何でも無い。

ネタバレにはなるが、結局は澄江は元の鞘に収まっていく。しかしそのふてぶてしさは相変わらず。澄江がいなくなった家の中を見て、何故か寂しいと感じる美沙子と理恵に彼女達の人の好さが滲み出ている。また訪ねて来られたら、突き放せないに違いない。

主人公が深刻な悩みを抱えた内容である割には陰惨とした空気にはならず、アットホームとは言えないものの、あまり緊迫感を持たせない雰囲気を常に漂わせている。そのため澄江があまり悪女には見えなかった。

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM