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生死を分ける転車台 駅舎と列車が大炎上!?

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 高橋英樹、佐藤藍子、三浦理恵子 他
【放送】 2011年(テレ朝)

ジオラマ作家の第一人者が殺害される。傍には彼の作品の燃えた残骸が残っていた。その作品には彼のある思いが詰まっていた。十津川警部が活躍する西村京太郎原作のトラベルミステリー第56弾!原作は西村京太郎著の『生死を分ける転車台〜天竜浜名湖鉄道の殺意〜』。

十津川警部の元に亀井刑事からの手紙が届く。亀井刑事は現在故郷の青森に一か月の出向中。若手警官を相手に講師役を仰せつかり、とても楽しんでいる様子だった。丁度その頃、第10回ジオラマコンテストの開催が発表されていた。このコンテストの目玉となっているのは小島英輔のジオラマ作品だったが、開催前日にも関わらず作品が送られてこず主催のジオラマランド社ではやきもきしていた。担当の望月江里子が催促のために出向くと、部屋の前に管理人と小島の妹・あかねがいた。何でも英輔と連絡がとれないらしい。中へ入ると、英輔のコンテスト用の作品が完成していたが、当の本人は留守だった。夜になっても英輔とは連絡が取れず、止む無くジオラマランド社長は先にジオラマを会場へ運ぶと提案。ところが英輔の部屋から出品予定だったジオラマが姿形も無くなっていた。翌朝、英輔の遺体が発見される。近くには燃やされたジオラマもあった。十津川警部は部下の西本刑事を連れ、ジオラマのモデルとなった転車台を訪れる。

亀井刑事がほぼ登場しないため、亀井刑事の役どころは新任の松山刑事に受け継がれるのかと思いきや、予想に反して西本刑事が引き継ぐ事に。西本刑事と言えば十津川警部と亀井刑事に次ぐ古参の刑事。当初は若手でどこか抜けている刑事という役柄だったが、今や先人の二人に劣らぬ老体刑事になり、既に西本刑事が刑事をやっている年齢でさえ無くなっている。現実問題として考えると、これだけ老齢の面々が上を仕切っている部署というのも仕事し辛そうな感じがひしひし。

それはともかくとして元マドンナ役の三浦理恵子が化け方にビックリ!設定年齢は実年齢とほぼ同等と思われるが、青いコートを着た場面では一気に初々しく見えてしまうから不思議である。そうかと思うとコンビニ店員の際の場面ではほぼ実年齢通りの見た目で、そのギャップが凄まじい。

ところでストーリーの方に目を向けると、今回の話はなかなか良かった。シリーズが長いので当たり外れがあるのだが、それで言えば今回は当たりと言える。勿論、このシリーズの第一作の秀逸さには敵わないが、犯人の犯行動機や、ミスリード等々非常に考えられている。オススメの一作である。

満足度は★★★★★

 
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生まれる。

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 田中美佐子、堀北真希、大倉忠義(関ジャニ∞)
【放送】 2011年(TBS)

51歳の母親の妊娠を通して命の大切さや家族の絆を見つめ直していくヒューマンドラマ。

小さな編集プロダクション『ダブルエース』で働く編集アシスタントの林田愛美は四人兄弟の長女として育ったせいかしっかり者の堅実派。そのため企画を出しても尊敬する先輩・国木から面白味がないと却下されてばかり。ある日、パン屋を営む父親が急性心筋梗塞で倒れてしまう。救急搬送されたが手遅れだった。一家の大黒柱を失った林田家の兄弟は悲しみに包まれると同時に将来への不満を募らせる。現実的な愛美はパン屋を閉めようと言うが、母親の愛子は気丈にも自分がパン屋を続けていくと宣言する。しかし夫を失って以来、愛子の体調はすぐれない。51歳という年齢もあり、生理が二カ月来ないので、てっきり閉経後の更年期障害だと思い込んでいた。そんな中、食べ物の匂いで吐き気をもよおした愛子はまさかの思いで妊娠検査薬を使用したところ陽性反応が!産婦人科で妊娠と診断される。その頃、愛美は社長の持ってきた高齢出産の企画の担当編集者に抜擢されていた。その話を愛子にすると、愛子は妊娠を告白。高齢出産のリスクもあり中絶を考えていると聞かされて愛美はほっと胸を撫で下ろす。ところが中絶手術の日、愛子は手術室から逃げ出してしまう。

放送前年の資料に寄れば、50代の出産は年間20名という発表がされている。しかしこれはあくまで出産した人数であり、妊娠しても中絶や流産した人もいる。つまり妊娠したのべ人数はもっと多くなるのである。しかし50代の妊娠はリスクが伴う。体力的にもそうだし、勿論体調面でも丁度更年期障害を抱える年代でもある。流産しやすいだけでなく、母体にも負担は大きく出産に耐えられない例もある。そんなリスクの大きい50代での出産をテーマにしたドラマであり、ローティーンの妊娠出産に匹敵するくらいの衝撃度がある。しかしながら世間一般の見方とすれば年老いた人間の出産にはあまり興味がないというのが本音であり、非常識だの馬鹿げているだのと一蹴する人もいる。これまであまり注目してこなかったレアなテーマを取り上げてはいるもののさほど注目度は高くなかった。

主演は長女の愛美で、彼女の目を通して愛子の出産を見守るストーリーになっているが、ホームドラマ的要素も満載で三人の弟や妹達の様々な問題も絡ませている。養子だった事実が判明して悩む長男、白血病の再発に苦しむ次男、虐めを受けて引き籠りになる次女。それぞれの問題が母親・愛子の妊娠を機にどんどん吹き出していく。そんな中、高齢出産をテーマにした本の担当を任された愛美は出産の現状を知り、母親の良き相談相手となり、家族の問題にも真摯に向き合っていく。

出産の話となると臍帯血移植の話は今やセット販売のようにドラマに登場する。まあ、命をテーマにしている話なのでそれくらいは容認できるのだが、長男の問題だけはどうも受け入れ難い。何かしらの問題をそれぞれに持たせなければという制作側の気持ちは判るのだが、ただ血の繋がった父親だというだけで自分の借金を返済を強要し、犯罪組織に加担する流れがどうもドラマのイメージに合わない。養子だと知ってショックを受けたのは判るのだが、あまりにも安易に思えてならない。しかも簡単にそこから逃げ出せるのも不思議。問題を無理矢理でっちあげたものの、話数に合わせて強引に打ち切った感が強かった。

クライマックスはいよいよ愛子の出産シーン。陣痛が起きてもなかなか生まれず、何かある度に愛子より見守っている愛美達の方が気が気ではなくなってしまう。取り上げた場面に使用される赤ん坊の映像は実際に出産時の赤ん坊の映像。いきなりリアルな場面が登場するのでインパクトがある。

妊娠・出産に関する様々な問題を贅沢に取り入れているのは判るのだが、結果として肝心な高齢出産の愛子のエピソードが後回しになってしまっている。せっかく高齢出産をテーマとしているのだから、愛子が出産するまでのエピソードを前面に押し出して欲しかった。

満足度は★★★★

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人類学者・岬久美子の殺人鑑定2

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 大塚寧々、渡辺いっけい、鈴木浩介 他
【放送】 2011年(テレ朝)

人類学者が段ボールに詰められた女性の白骨から殺人事件の謎を暴く骨鑑定ミステリー。

赤坂にあるワインバー『HORIE』のオーナーである人気ソムリエの堀江が殺害されたと報道が流れる中、『城徳大学みさきくみこ』と書かれた段ボールが届いていると人類学者・岬久美子に連絡があった。中を確認すると頭がい骨が入っており、早速久美子は鑑定を開始する。鑑定の結果、人骨は女性の物で、頸部圧迫による窒息死で死後約半年から一年が経過していると判明する。また『I.M』というペンダントが絡まっており、警察はペンダントが通販による特注品と判明。ペンダントを購入した主に会いに行くと、丁度堀江殺害容疑のかかった武藤泉を追って刑事達が押しかけてくる。

二週間前に起きた殺人事件の容疑者が死後半年以上経った白骨として発見される。普通に考えてそれは有り得ない。しかし事件関係者の話では明らかにその女性は二週間前まで生きていたのである。その時間差はどうして生じたのか。また殺人事件の犯人は本当に彼女なのか。そうした様々な謎に岬久美子が挑んでいく。大学の准教授である久美子は警察の人間ではないので割合自由に動けるのが利点。警察には見えない学者としての観点から事件の真相を究明していく。

本来なら人気ソムリエの殺人事件がメインとなりそうな案件なのだが、主人公が人類学者のため骨の鑑定、つまり白骨化した女性の方の事件が中心となったストーリーになっている。そのため初っ端に披露された殺人事件は完全におざなりの状態に。もっともこの二件は深い部分で根が繋がっているため結局は殺人事件の謎を久美子が解いた事になってしまうのである。

キーワードは『ぶどうの涙』。死者の声を伝えるために久美子が掴んだ真相とは?

今回は事件の関係者家族に焦点が当たっているため、久美子自身の事情は最後におまけ程度に触れるだけ。前回と比較すると人骨に対する説明も簡素化されているように感じる。まるで連続ドラマの中の一話のようである。但し殺人事件だからといって殺伐とした内容にはならず、家族愛の温かさを前面に打ち出す方針は一緒で好感が持てる。

満足度は★★★★

森山直太朗,御徒町凧,石川鷹彦
NAYUTAWAVE RECORDS
(2010-09-29)

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聞かなかった場所

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 名取裕子、川上麻衣子、酒井美紀 他
【放送】 2011年(テレ東)

何故夫は大塚で亡くなったのか?突然死した夫の死の謎を追及するキャリアウーマンのサスペンス。原作は松本清張著の『聞かなかった場所』。松本清張特別企画として三週連続松本清張作品を放送されたが、このドラマはその第三弾として放送された。

厚生福祉省女性・子育て支援局次長の浅井恒子は休む間もなく保育園訪問、講演会と慌ただしい日々を過ごすキャリアウーマン。高崎で仕事を終えた恒子に突然夫の英夫が死んだと連絡が入る。英夫は元々心臓が悪く、本職は小説家だが生前はカルチャーセンターで俳句を教えていた。恒子は仕事に追われてそんな事さえ知らずにいた自分を思い知らされる。葬儀の後、義妹から英夫が大塚で亡くなったと聞いて驚く。幾ら考えても英夫が大塚へ行く理由が判らない。義妹に案内され、恒子は英夫を介抱し看取ってくれた高橋薬局を訪ねた。

恒子の知っている夫は売れない小説家で、家を買い、書斎を与え、生活費を出し、全てに渡って恒子が面倒を看なければ何も出来ない人だった。いつか再び脚光を浴びると信じて小説を書き続けていると思っていた。ところが夫が死亡したのをきっかけに人づてに聞いた夫は、カルチャーセンターの生徒達に慕われる気前の良い男で、もはや小説への興味は失せ、俳句で生きていこうとさえ考えていたらしい。おまけに亡くなった場所はホテル街の近く。様々な知られざる事実を突きつけられて恒子は長年連れ添った夫について何も知らなかった事に愕然とするのだが、所詮夫婦はそんなものなのかも知れない。一緒に暮らしていても恒子のように忙しければ顔を突き合わせるのはほんの僅か。夫婦だからと言って何もかもを共有しているわけではない。

恒子が特に気懸りに思ったのは女の影。ホテル街にいたと言う事は当然誰かツレがいたはず。それは一体誰なのか?そして夫を介抱してくれた寂れた薬局の主が、突然駅前に大きな薬局を開店したのも気になる。一体どこから金が出ているのか?夫の不倫を疑う恒子は大塚に真相を調べる度に足を運び、そこで様々な疑問とぶつかっていく。興味深いのは探りを入れるために恒子が取る方法。恒子は躍進するお偉いさんの設定なので、その方法もちょっと手が込んでいる。果たして恒子の推理は的を得ていたのだろうか?

ドラマを観ていると仕事においては何もかも完璧なデキル女の恒子だが、その一方で夫の存在が恒子にとっての唯一のウィークポイントであったような気がする。夫に愛情を感じていたのかどうかは少々疑問に感じる所があるが、小さな子供が拾ってきた小石を宝物だと箱に入れて大切にしているようにさえ思える。何もかも妻に頼らざるを得ない生活を送っていた夫の気持ちを一度でも汲み取ろうとしていたなら、死んでから執着するような事はなかったのかも知れない。

満足度は★★★★★
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張込み

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【出演】 若村麻由美、小泉孝太郎、渡辺いっけい 他
【放送】 2011年(テレ東)

殺人犯の元恋人を一週間の期限付きで張り込む刑事の執念を描いた心理サスペンス。原作は松本清張著の『張込み』。松本清張特別企画として三周連続松本清張作品が放送されたが、このドラマはその第一弾として放送された。尚、二週目は『鉢植を買う女』、三週目は『聞かなかった場所』が放送されている。

世田谷の豪邸で惨殺された男の捜査で、監視カメラの映像から山田という前科者が逮捕される。山田の供述では共犯の石井という男がいるらしい。警視庁捜査一課の柚木刑事は石井が昔の女に会いたがっていた事実を突き止め、石井が元恋人・中尾さわ子に会いに行く可能性を示唆する。山田を取り調べていた先輩刑事・下岡には却下されるが、上司から一週間の期限付きで張込みの許可を貰う。さわ子は既に別の男性と結婚生活を送っている。柚木は早速さわ子の張込みを開始する。

松本清張作品の中にはある出来事に対してそれに関わる人の心理を深く抉る作品も多々見られる。今回は犯罪者が昔の恋人に会いに行くかどうかが焦点となっている。事件そのものの解決を意図とする作品は多いが、その中の一部である部分に拘って、多方面から深く掘り下げて行く事でより作品に深みを与えている。刑事物ならば張込みの場面などほんの数分で済まされてしまう内容になるだろう。ところがこのドラマでは刑事の視点、犯人の視点、元恋人と今の幸せを天秤にかけて葛藤する主婦の視点とそれぞれが独自の心理を働かせて行く。結末に至るまでの経緯をどっぷりと時間をかけて描くドラマは見応えがある。

昔の恋人は年下で我侭で生活力が無く誰かが支えてやらなければいけないと思わせる男性。結婚相手は誠実で家族を大切にする生活力のある男性。まるでタイプの違う二人。女にとっても今の生活は幸せで申し分はない。かつての恋人の悲しい結末を考えれば、昔の恋人とは二度と関わりを持ちたいと思わないはず。しかしそう単純に割り切れないのが女の性。追いつめられる女の足掻きが思わぬ行動へと発展して行く。その根底にはどんな心理が隠されているのか想像するだけでわくわくする。

満足度は★★★★★


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鉢植を買う女

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【出演】 余貴美子、泉ピン子、筒井真理子 他
【放送】 2011年(テレ東)

金を貯める事だけが生きがいの勤続三十年の女が一人の男によって人生を狂わされていく顛末を描いたサスペンス。原作は松本清張著の『鉢植を買う女』。この作品はこれまでにも度々ドラマ化されている人気作品で、松本清張特別企画の一つとして放送された。

上浜樽江は金属産業メーカーに勤務する勤続三十年のお局様。未だに独身で社内ではねちねちとした性格のため煩がられ、陰で『豚の貯金箱』と噂されていた。その一方で社員に金を貸して私腹を肥やしていた。樽江が唯一気を許しているのは食堂で働く茂子。実は茂子が樽江に知恵を授けた張本人でもある。貯めた金で手に入れた豪華なマンションの一室で誰にも邪魔されずに過ごすひと時が樽江の至福の時間だった。ある日、ギャンブル狂で金を返せなくなった杉浦が樽江に金を返せと責め立てられ、突然樽江を襲う。男とは無縁の樽江の体は思わず反応し、樽江は激しく動揺する。

孤独な女の心の隙間に滑り込むように杉浦は樽江と関係を持つ。ギャンブル狂で年中金に困っている杉浦にとって、樽江は願っても無い金づる。傍から見れば杉浦の思惑など手に取るように判るのだが、金を貯める事で淋しさを埋めてきた樽江にはそんな男の企みにさえ気付けなかった。いや、もしかすると心の潤い欲しさに気付きたくなかったのかも知れない。案の定、樽江は杉浦に溺れ、杉浦に嫌われまいと都合の良い女へと成り下がっていく。人の温かみを知らずにいた時間が長かっただけに余計に執着してしまうのである。

以前にも同じ原作のドラマを観ているが、そのドラマとは若干解釈が異なっている。ストーリー自体はほぼ一緒でもヒロインの樽江がどんな心境が解釈の違いで異なってくるのは面白い。勿論、わざと惹きつけるように理不尽な突飛な発想に繋げてしまうのでは興醒めだが、理に適っている中での異なる解釈は非常に興味深い。このドラマの場合、ヒロインは裏切られた瞬間から愛は冷め、愛情は憎悪へと変貌する。これも一つの解釈と考えると、面白いものである。

念願の土地を購入し、見事なガーベラの花壇を作り上げた樽江。しかしラストシーンでそのガーベラ達が散らされていく場面は非常に悲しい物がある。さながら杉浦によって狂わされた樽江の人生そのものであるかのように。

一つ難を言えば、ヒロインの年齢が高すぎるような・・・。

満足度は★★★★★


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棘の街 刑事上条元

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【出演】 仲村トオル、有森也実、浅利陽介 他
【放送】 2011年(テレ朝)

忌み嫌う故郷へ戻ってきた刑事が誘拐殺人事件の真相へと迫る骨太の刑事ドラマ。原作は堂場瞬一著の『棘の街』。

県警のエース上条は誘拐事件の指揮を取っていた。誘拐された少年の母親はかつての同級生・上杉朋絵。しかし上条の勇み足で犯人からの連絡が途絶えてしまう。1年後、少年の白骨遺体が発見される。上条は故郷である北嶺署に異動を願い出て再び事件を調査し始める。その最中、聞き込みに訪れたバー『オープン・オールナイト』の外で男達に暴行されていた少年を助ける。ここは上条の亡き父の思い出のある店。少年をマスターに預けて、上条は再び捜査を開始する。

事件が起きたのは生まれ育った故郷。被害者の子供の母親が同級生なら、関わる人間にも同級生等の顔見知りが必然的に多くなる。同級生達はヤクザ、主婦、刑事、医者、それぞれが異なる時間を過ごしそれぞれの道を歩んでいる。しかし必ずしも全てにおいて順風満帆な人生を送ってきたわけではなく、上条自らも刑事としては県警のエースとまで呼ばれるまでに出世していたが、プライベートでは父親との確執、妻の死、子供との別離、カメラマンとしての道を断念するなど様々な挫折や失望を味わって生きている。

過去を背負った刑事としての上条の生き様を描きつつ、登場するそれぞれの人々の事情などについても掘り下げて描いていく内容になっている。しかしそのどれもが決して軽々しいものではないため、ドラマは非常にシリアスで重い。これが原作者の作風でもあるのだが、本筋とは関係のない部分までもが重苦しいので見ているとかなり滅入ってくる。おまけに扱っているのはアングラな世界が中心。救いは上条と記憶喪失の少年との触れ合いだが、それ以外は完全にハードボイルドに偏っている。そちらの方面に興味がないと最後まで見るのは正直、苦痛である。

事件自体はさほど難解な事件ではない。しかし最後に残されるのは悔恨の情。父から子へと受け継がれる思いは、自らがその立場にならなければ判らない。しかしその思いに辿り着いた時、時既に遅しなのだが・・・。

満足度は★★★
堂場 瞬一
幻冬舎
(2004-03)

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オリンパスドラマスペシャル 光る壁画

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【出演】 佐藤隆太、中村俊介、萩原聖人 他
【放送】 2011年(テレ朝)

世界初の胃カメラの開発に携わった日本人研究者たちの情熱を描いたヒューマンドラマ。オリンパス(ドラマ内ではオリオンカメラ)の研究員が共同開発者の若き医師の情熱に触れ、職人達や上司を説き伏せて不屈の魂で不可能に挑む姿を中心に描いていく。原作は吉村昭著の『光る壁画』。

昭和24年春、オリオンカメラ株式会社の社員である曾根菊男は諏訪工場から渋谷の研究所への異動を命じられる。元海軍でゼロ戦銃器の研究に就いていた菊男は二度と研究職に就くまいと思っていただけに初出勤は気が重かった。出勤早々東大医大の梶医師に挨拶するように命じられた菊男は劣悪な食糧事情により胃を悪くする患者が多発する現実を目の当たりにする。梶医師の希望は胃癌の早期発見のために必要な胃カメラの共同開発。しかし会社では位相差顕微鏡の研究に忙しく、梶の夢物語に耳を傾ける者はいなかった。

胃カメラは日本で発明された世界に誇れる技術であり、その発明によって医学は格段の進歩を遂げている。胃カメラ発明の裏には情熱を傾けた開発者達の存在がある。彼らは生活の全ての時間を研究に費やしてしまうような開発バカの集団。そういう類の人達は成功しているからこそ好意的に見られるのであって、実際に近くにいたら冷たくあしらわれるのがオチである。要するに研究に情熱を注ぎ過ぎて、他の事にはまるで無頓着なのである。しかし胃カメラはそうした開発バカ達がいたからこそ為し得た偉大な発明品である。

また忘れてはならないのが、開発者達を支えた人々の存在や彼らの要求に応え続けた腕の良い職人達の存在。こうした偉大な発明は小さなパーツの一つ一つを手掛けた職人の高度な技術を必要とする。それら全てがチームを作って為し得た偉業だと言えるだろう。

主演の菊男を演じたのは熱い男の役柄が多い佐藤隆太で、やはりイメージに合っているのでまさにはまり役だった。他の役柄もそれぞれイメージに近い役者を使っていたのであまり違和感はなく楽しめた。特に市川亀治郎演じる天才レンズ職人の一種独特の雰囲気は際立っており、脇役ながら抜群の存在感を示していた。

確かにこうした発明までの道のりを示すドラマは胸に訴えるものがあり、年齢を問わず楽しめる内容なのだが、放送がオリンパスの不祥事による様々な問題が取りざたされている最中というのが残念だった。

満足度は★★★★★
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SP 警視庁警護課

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【出演】 渡瀬恒彦、高畑淳子、佐野史郎 他
【放送】 2011年(テレ朝)

定年間際の元SPが女性代議士のSPとして復活!老SPが任務を遂行しながら、過去の未解決事件解明に迫るヒューマンドラマ。

品川でモデルの殺害事件が起こった。被害者は部屋の中で顔に新しい白いハンカチをかけた状態で発見された。かつて竹内はストーカー被害に遭った女性が男と揉めている場面を目撃したものの、石鍋元総理大臣の警護中のため助けなかった。翌日、女性は下半身を剥き出しにされ、顔に白いハンカチをかけた遺体となって発見された。傍に娘も倒れていた。そのせいで竹内は注意力散漫となり、石鍋元総理大臣の襲撃を阻止できなかった。彼をSPから外したのは石鍋元総理大臣の娘・キリ子。あれから十五年、次の誕生日で定年となる竹内をキリ子がSPとして指名してきた。

老体に鞭打って・・・という言葉は失礼だが、まさにそんな感じが否めない渡瀬恒彦のSP姿。これまで刑事ドラマやサスペンスに出演しているものの、流石にSPともなればアクションは付きもの。同僚が「おいくつですか?」と尋ねたくなるのも判る気がする。

それに対して素晴らしい存在感を示しているのが、今回警備される側の石鍋キリ子。力強く饒舌な言葉運びと良い、我儘放題の威厳ある姿と良い、SPを『壁』と言い切る傍若無人な態度。元首相の娘で現職の代議士であるキリ子役を高畑淳子が熱演している。

そもそもSPとは影のように要人を警護する役目。SPのドラマと言えど、SPが目立ってはならない。しかし要人がこれだけ存在感があるとその影ぶりが引き立つというものである。その意味では非常にバランスの取れたドラマに仕上がっている。

しかしどんな人間でも隠された真の顔が存在する。ドラマでは人間の明と暗を照らし出し、それを上手くストーリーに取り入れている。殺人犯は一体誰なのか?そしてその結果がもたらしたものとは?

最後にSPの任務を解かれた竹内が元の刑事に戻って犯人を追う場面が登場するが、幾らなんでも元気が良過ぎではないだろうか?SPの時より激しいアクションにビックリである。

満足度は★★★★★
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浅見光彦シリーズ第39弾 遺骨

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【出演】 中村俊介、中山仁、原史奈 他
【放送】 2011年(フジ)

内田康夫原作のフリールポライター浅見光彦が活躍するシリーズ第三十九弾。ふらふらと根なし草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、各局でシリーズ化がなされているトラベルミステリー。中村俊介はフジテレビの浅見光彦シリーズで二代目浅見光彦を務めており、彼が主演となってからはこのドラマが第二十五作目となる。原作は内田康夫著の『遺骨』。

淡路島で無念の死を遂げた早良親王の取材をしている際、浅見光彦は常隆寺の古刹で男に出会う。住職の話では彼は寺に父親の遺骨を預かってほしいと法外なお布施と骨壺を置いていったという。取材を終えて東京へ戻った光彦はその男が板橋区の自宅マンション前で刺殺されたと知る。男はエメラルド製薬の社員・龍満智仁。不審に思った光彦が龍満の家を訪ねると、智仁の父は一年前に亡くなっていて龍満家の菩提寺である山口県長門市の極楽寺に納骨されているという。そんな中、常隆寺の住職から従姉妹の石森里織という女性が遺骨を引き取っていった後、智仁の部下の田口信男が智仁の妻の言いつけで遺骨を引き取りに現れたと連絡が入る。智仁にはそんな名前の従姉妹はおらず、智仁の妻もそんな事を頼んだ覚えはないという。しかも渡良瀬川支流の渓谷で毒殺された田口信夫男の遺体が発見され、住職の元を現れた人物とは別人と判る。智仁が預けた骨壺が萩焼と知った光彦は金子みすゞの取材企画を『旅と歴史』の編集部に持ち込み、取材旅行の名目で山口県長門市へと向かう。

開始当初から謎の多い内容で、乗りかかった船とは言え探偵気質の光彦には乗り出さずにはいられない展開となっている。仕事の名目で取材費をせしめる所は光彦の意外とちゃっかりした性分が良く表れている。もっとも今回は大分値切られてしまったようだが・・・。

さて今回は封印された歴史の闇に目を向けている。戦争はどんな人間も狂わせてしまう。ドラマではそこまで深く切り込んでいくわけではないが、戦争の悲惨な状況をやんわりと物語っている。終始シリアスな内容だけにいつもに増してラストは重苦しさが漂う。

満足度は★★★★
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