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浅草下町交番 子連れ巡査の捜査日誌2

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 山口智光、安めぐみ、大浦龍宇一 他

【放送】 2014年(テレ東)

 

生活保護受給者が殺害される。浅草を舞台にシングルファザーの巡査が殺人事件の背景にあるホームレスの生活保護費を狙った悪質な業者の黒幕を追い詰める下町人情派ミステリー。

 

浅草下町通交番に勤務する佐武純平がいつものように街をパトロールしていると、一人暮らしの老人・砂田冬吉の様子がおかしいと助けを求められる。砂田のアパートではケースワーカーの長谷川貴子が必死にドアを叩きながら砂田の名前を呼んでいた。しかしドアには鍵がかかっている。純平が急いでドアを壊して中へ侵入すると、砂田が中で倒れていた。幸い命に別状は無かったが、以前から体調を崩していた事を心配する貴子は生活保護の受給を勧めるのだが、砂田は頑として応じようとしなかった。砂田は元鳶職人で、足が不自由になった今でも職場復帰出来ると言って聞かないのだ。翌朝、生活保護受給者の佐藤貴志の遺体が公園で発見される。佐藤は生活保護費をあてに全く働こうともせず、その事に意見した貴子と揉めた経緯がある。アパートの大家に壊れたドアの修理代を請求された純平がドアの修理をしていると、佐藤の事件の担当となった柳田刑事と三沢刑事が現れる。佐藤の自宅は砂田のアパートのすぐそばだったのである。純平と同期の三沢は逐一純平に事件に首を突っ込むなとけん制してくる。

 

ヒロインの安めぐみにシングルマザーで正義感の強い女性の役は無理があったのではないだろうか。ちゃんとシナリオ通りに演じてはいるものの、やはり似合わない。また舌足らずな台詞回しが野暮ったくてイライラする。台詞のない役は無かったのだろうかと思わずにはいられなかった。

 

まあ、それはともかく、生活保護費のピンハネで稼ぐ悪徳業者の話題が出てきた最中の放送だけにタイムリーな時事ネタを取り入れたストーリーになっている。また不正生活保護受給の実態にも触れ、今の時代を象徴するようである。単なる殺人事件だけでなく、そうした話題性にも目を向けた内容は面白かった。

 

それにしても三沢がイチイチ純平につっかかる理由が柳田刑事が刑事志望の三沢を差し置いて、同期の純平に刑事になれと声を掛けたからだとか。もうね、三沢の狭量加減が嫌味なくらい鼻につく。しかーし、三沢が純平に対して嫌味な態度をとるのはそもそも柳田が配慮に欠いた事をしたせいである。それを棚に上げて「同期はいいぞ」と事ある毎に口にして三沢と純平に仲良くやれと促しているのは、あまりにも無責任。ドラマ内では柳田刑事が心の広いベテラン刑事のような扱いになってはいるものの、見方を変えればトラブルメーカーになっているような気がする。

 

満足度は★★★★

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寝台特急カシオペア&スーパーひたち連続殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 原幹恵、いしのようこ、松村雄基 他

【放送】 2014年(テレ朝)

 

お馴染み十津川警部と亀井刑事のコンビが活躍して事件を解決する西村京太郎原作のトラベルミステリー第62弾!寝台特急カシオペアとスーパーひたちで起きた連続殺人事件の謎に迫る。原作は西村京太郎著の『日本海殺人ルート』。

 

北海道で保険金殺人の容疑者・福沢美登里に無罪判決が出る。それから二週間後、唯一の美登里の味方であった義姉の小野木由美は美登里と共に弟の明夫の墓参りをした後、寝台特急カシオペアで東京へ向かった。ところが翌朝、由美が胸にナイフを刺された姿で遺体となって発見されたのだ。事件を担当する事になった警視庁捜査一課・十津川警部一行が捜査を始めると、由美は大手アパレル会社の社長をしており、莫大な遺産があると判明する。バツイチで子供もいない由美の遺産を相続する権利があるのは姪でタレントの土橋かおる。実際、かおるは何度も由美に金の無心を行っていた。遺産相続の権利は無いが、元夫・山本功、そして副社長の矢野と疑わしい人物が次々浮上する。ところが由美の遺言状にはかおるではなく遺産の殆どが美登里に渡ると書かれていた。そんな中、スーパーひたちで矢野が殺害される。

 

このドラマで焦点となるのはマスコミから保険金目当てで夫を殺害した悪女として叩かれていた美登里である。彼女は無罪判決を受けた直後に煙草を要求する等悪びた態度をとり正に悪女として登場する。しかし何故か夫の姉である由美からは絶大の信頼を受けていて、美登里が弟を殺していないと信じ切っている。一方、その後、美登里は幾度となく山岳カメラマンだった夫の遺品のカメラを悲しそうに眺める場面が登場する。そうかと思えば身を隠すために訪れた家で料理の手伝いをしようとする等殊勝な態度を示したり、このドラマの中で彼女の印象はどんどん変化していく。美登里の変貌はこのドラマの一番の見どころとなっている。

 

まあ、ストーリーは相変わらずの時刻表トリックを十津川警部と亀井刑事が解き明かすというもの。特別目を疑うような大掛かりなトリックが使用されているわけではなく、目撃者の証言が決め手となって犯人を特定している。この辺に目新しさは感じないので、余計に美登里の変貌に目が奪われるのかも知れない。もう少し頭を捻るような部分があって欲しかった。

 

満足度は★★★★

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越後・会津殺人ルート

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 高橋英樹、原沙知絵、勝村政信 他

【放送】 2014年(テレ朝)

 

お馴染十津川警部と亀井刑事のコンビが活躍して事件を解決する西村京太郎原作のトラベルミステリー第61弾!連続女性殺人事件の容疑者となったのは十津川警部だった。十津川警部を罠に陥れた事件の真相を暴く。原作は西村京太郎著の『越後・会津殺人ルート』。

 

十津川警部が夫婦揃って新潟旅行へ行こうとしている最中、突然休日返上の命令が下る。理由は殺害された女性・原田由紀の所持品から十津川警部の名刺が発見されたため、被害者と顔見知りの可能性があるので十津川警部の部署に今回の事件を任せたいという上層部の意向だった。現場へ急行した十津川は被害者の女性に全く面識はなかった。名刺と共に発見されたメモには猪苗代と新潟の宿泊先が書かれており、また電車の切符も発見された事から、被害者は二日間の日程で旅行を計画していたことが判明する。十津川は亀井警部達に現場の捜査を任せ、自らは被害者が乗車するはずだった浅草発鬼怒川温泉行の切符を持って特急『スペースきぬ』に乗り込む。旅行に同伴者がいないか調べるためだった。車掌の話では隣の席の乗車券も売れているとの話だったが、一向に同伴者は現れない。ところが突然公衆電話から十津川の携帯に電話がかかり、ボイスチェンジャーを使ったと思われる声で「やっぱり『特急きぬ115号』に乗ったんですね」と聞こえてくる。

 

十津川警部が容疑者となってしまうと必然的に亀井刑事が指揮をとる側に回ると判った一作だったが、こういう捜査の形態って警察内での規則に則っているのだろうか?とふと考えてしまう。そもそもこのシリーズは事件解決のために管轄外の地域まで平気で足を伸ばしてしまう等おかしな点がそこかしこに見られるので、今更そんな些細な事を取り上げるのも無粋なのだが・・・。

 

それはそうとストーリーは過去に起きた交通事故が発端となり、捜査をかく乱する河合記者が登場するなど事件の全容を明かすにはかなり手の込んだ内容となっている。おまけに最後の最後に判明する動機の点で言えば驚愕に値する事実が隠されており、そこに行き着くまでの二転三転する展開も非常に面白い。マンネリ化しているこのシリーズの中でも秀作だと言える。

 

但し亀井刑事が直接事件に関わって来ないとやはり人情的な部分が希薄となるのが欠点。十津川警部主体のストーリーはさくさく進むので気軽に見られるのは良いが、そこに登場する人々の人間ドラマがあまり重要視されない。今回のドラマでもその点が非常に強く出ていた。

 

満足度は★★★★★

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刑事

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 高橋克典、風間俊介、草刈民代 他
【放送】 2014年(テレ東)

深夜、警察官が殺害され拳銃が奪われる事件が起きる。妻を殺害した立てこもり犯を射殺した過去のある男が刑事の信念を貫いて悪に立ち向かう姿を描いた刑事ドラマ。このドラマはテレビ東京開局50周年特別企画ドラマスペシャルとして放送された。

午前三時半を少し回った頃、東品川署天王洲南交番に勤務する巡査部長の村沢が仮眠から目覚めると、同僚の中山がホームレスの喧嘩の連絡を受けて留守にするとメモが残されていた。村沢が様子を見に行こうとしたその時、背後から近付いて来た何者かに刃物で刺され絶命。拳銃を奪われてしまった。その一報は警視庁捜査一課の秋庭実の元に入る。第一発見者は同僚の中山。村沢はかつて秋庭の部下だった男で、安産祈願のお守りを所持していた。一方、拳銃を奪われた事実に焦りを隠せない地域課長は、交番勤務半年の中山に自宅待機を命じ指導係の寺崎に責任を取らせて自らは責任逃れをしようと浅ましい姿を晒していた。酷く取り乱す中山から詳しく事情を尋ねた秋庭は防犯カメラにも不審な点が見当たらなかった事から、堅気の人間の犯行を疑う。村沢の妻の証言から犬の毛を調べていたと情報を得た秋庭は部下の弔い合戦と意気込み刑事に返り咲いた寺崎と共に生前の村沢の足取りを追う。

警官が殺害された事件の犯人を追う内に悪質な詐欺事件が明るみになっていくというストーリーだが、同時に秋庭が過去を如何にして乗り越えるかという点にも重点を置いている。凶悪犯罪を犯した犯人と言えど、犯人の人権は守られている。そのため例え相手が犯人だと明らかだとしても確固たる証拠が無ければ警察は何も出来ない。刑事は常にそんなジレンマと戦う羽目になる。そんな時、刑事達は一体どうするか?実はこのドラマの一番の見所はそうしたジレンマに直面した時の刑事の行動なのかも知れない。

このドラマに登場する警察官たちはキャラクター色が豊かである反面、どこぞの刑事ドラマでありがちな刑事を誇張した感が強い。意外性は無いものの判り易さはある。そのためおそらくこんな問題行動を起こすだろうと思っていると案の定という流れが多かった。特に秋庭と共に捜査に当たる犯罪を憎む気持ちが強いがために問題行動を繰り返す熱血漢の寺崎はその代表的な例。かなり荒っぽいやり方で非合法な捜査に打って出る。それを上手く扱う秋庭は出来過ぎている面が無きにしもあらず。

何となく刑事同士の考え方の違いから起こる諍いが好きな人が制作したドラマのように思える。実際、刑事ドラマ等で良く扱われる縦社会の問題や管轄等に関しての問題にはまるで触れられていない。また事件自体に関して言えば、一つの事件からその裏にある大きな犯罪にまで向かう割には、証拠があまりにも都合よく揃い過ぎているのが気に入らない。事件よりも刑事たちに注目したためなのか、意外に最後はあっさり解決し過ぎ。

それはそうと寺崎の髪型が非常に不可解である。てっぺんが薄くなっているのは判るのだが、下から上へ伸びているのか、上から下へ伸びているのか後方から見ると判らない状態になっている。あれが終始気になって仕方が無かった。

満足度は★★★★

 
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みちのく麺食い記者 宮沢賢一郎3 誤認

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 高嶋政宏、佐藤藍子、秋本奈緒美 他
【放送】 2014年(テレ東)

レセプション詐欺の容疑者が秋田で遺体となって発見される。みちのくを舞台に麺食い記者が殺人事件の謎に挑む。ご当地の麺類を紹介するグルメ番組の側面を持つミステリードラマ。原作は相葉英雄著の『誤認』。『みちのく麺食い記者 宮沢賢一郎』シリーズ第三弾!

大和新聞の記者・宮沢賢一郎は秋田県仙北市の角館支社に短期赴任する事になった。支局長の角川道子とは事件記者時代からの知り合いで、角川からのたっての希望で浜崎優子のサポートの仕事に入る事になる。現在、優子はカリスマ美容家・久部貴美子の講演準備の仕事で手一杯の状態だが、優子は頑固にも一人で出来ると言ってきかない。しかしマイペースの賢一郎に乗せられラーメン屋へ案内する羽目に。偶然にもその店には貴美子の夫・久部昭徳がいて、麺好き同士賢一郎と意気投合する。ところが翌日、昭徳は田沢湖金色大観音の敷地内の池で遺体となって発見される。現場に居合わせた賢一郎は早速ラーメン好きの警官に話し掛け、昨夜昭徳は神田メディカルサポートの社長・神田光男と一緒になまはげ太鼓を見に来たものの神田とはぐれた後刃物で刺殺されたと情報を聞き出す。その頃、その一報を聞いた警視庁捜査二課の管理官・田名部は驚愕する。昭徳は現在捜査二課で追っているレセプション詐欺の容疑者だったのだ。

大和新聞の支局を転々とする宮沢賢一郎が赴任先で遭遇する殺人事件に乗り出すお馴染みのパターン。事件の内容は異なるが、賢一郎が麺類に舌鼓を打ちながらご当地麺類を紹介したり、赴任先の支局で働く女性(今回は浜崎優子)と温泉に入ったり、何故か東京から警視庁捜査二課の田名部が関わってきたりとお約束の展開ばかりである。ここまでパターンが決まっていると、どんな事件と関わろうがあまり代わり映えがしない気がするが、まあ、それはともかくとして、主役の高島政宏自身が持つ雰囲気のせいかサスペンスなのにどうもゆったりとした雰囲気が常に漂い、緊迫感に欠けるドラマである。サスペンスと意気込んでみるとどうも拍子抜けしてしまう。

ストーリーはこれと言って印象に残るような面も無ければこき下ろす程に劣悪な面もない。良くも悪くも無難にまとめられてしまっていて、見終わった後に余韻が殆ど残らない。シリーズ物の一作と考えればありなのかも知れないが、寂しい限りである。

ドラマの中で最も目を惹いてしまったのが秋本奈緒美。役柄としてはカリスマ美容家なのだが、分厚いメイクとライトでも隠しきれない老け顔は致命的。アップは気の毒で見ていられなかった。無理に若作りしているのが却って痛々しい。

満足度は★★★★

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産科医・和泉凛 〜生と死のカルテ〜

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 黒木瞳、塚本高史、菊池麻衣子 他
【放送】 2014年(TBS)

早産、体外受精、野良妊婦、etc・・・。自らも悲しい過去を持つ産科医を通して医療の現場を再現した医療ドラマ。原作は神咲命著の『産科医療・崩壊』。

産科医・和泉凛の手術がきっかけとなって産科医を目指す里中公介は念願の浜中市立医療センターの研修医となり張り切っていた。凛はこの病院で勤務しているのである。研修医初日、廊下で凛を見かけた公介は早速挨拶しようと近付くが、挨拶もそこそこに凛について急患の城戸恵理子の処置に立ち会う事になる。恵理子は妊娠二十八週目を迎える妊婦でしきりと腹痛を訴えていた。凛が出産をもう少し先延ばししようと判断した矢先、恵理子は破水し千グラムにも満たない小さな赤ん坊を生んでしまう。恵理子の夫で代議士の城戸修司は生まれたのが男の子だと聞いて大喜びする。ある日、公介と凛はNICUの前で恵理子を見かける。恵理子のいた辺りには注射器が落ちていた。注射器の中身は必須脂肪酸。しかも恵理子が産んだ赤ん坊は遺伝性の高脂血症。もし赤ん坊に注射されれば赤ん坊の命は無い。不審に思った凛は恵理子と修司の血液型を調べ始める。

凛と幾つかのパターンの患者とのエピソードをドラマ仕立てにした内容で、その裏で凛自身が夫との関係に決着をつけていくストーリーとなっている。自分自身が辛い過去を経験しているからこそ患者の痛みが判り、医師としての限界に苦悩しながらも精一杯患者に寄り添っていく凛の姿を描いていく。

医療ドキュメンタリーに近い内容だが、サスペンス枠での放送なので恵理子の産んだ赤ん坊から凛が人気産婦人科の闇を暴く側面もある。とは言ってもあくまで中心となっているのは凛と患者の触れ合い。全ての患者が前向きな気持ちで退院できるよう駆け回る凛の姿はその名の通り凛々しくもあり、清々しくもあった。

満足度は★★★★

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小泉今日子原作『戦う女』 Chapter5「Tバックブルース」

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【出演】 門脇麦、西田尚美、高岡早紀 他
【放送】 2014年(フジNEXTライブ・プレミアム)

女っていつも自分の中の女と戦っているのだと思う。

小泉今日子のエッセーを元に五話のドラマを作り上げた企画の第五話。原作は小泉今日子著の『戦う女 パンツ編』。

ファミレスで四十代の女達三人がお喋りに興じていた。話題は興味があるもの全て。子供の話だったり、イイ男の話だったり、婦人病検診の話だったり、話は尽きない。そんな中、三人は下着屋に立ち寄る。エッチなパンツを前にしても彼女達の触り方は野菜を吟味する時と同じ。ところが三人の内の一人が突然「私達に必要なのは思い切りよ」と言ってTバックを購入する。他の二人は隠す場所がないパンツを前に躊躇するが・・・。

Tバックが市民権を持ったのは二十年も前の話。その頃、丁度少女から大人への階段を昇り始めた時期の四十代の女性達にとって、Tバックを履くのはその過程の一つとして捉えられていた。しかしあれから二十年が経って、Tバックはもっと別の意味を持ち始めた。既に体型は少しずつ崩れ始めている。隠す部分がないとはみ出す肉が心配になってしまう。そんな心配が先に経って出来るだけ体を隠す洋服を選ぶようになってしまった彼女達にとって、肌を露出させない完全武装の服の下にこっそりTバックを履く事が冒険であり、自由の象徴であり、自分が今でも女である事の主張でもある。

ある程度色々経験してきているから地に足がついていて、多少の事も動じなくなっている四十代は自分の事だけじゃなく周囲の事にも目が向くようになっている。このドラマはそんな四十代の女達の日常のストーリーで、特別まとまりのあるドラマにはなっていない。

ところで若い頃を思わせる品として使用されているのがTバックなのだが、ドラマではその逆も存在する。それが何と紙おむつ。これが何とも奇妙なのであるが、その話を小耳にしていた店の従業員の表情が見物である。トイレに出入りする様子を何とも言えない表情で見つめている。確かに女性が履いている物を変える目的でトイレに出入りすると判っていれば男性としては複雑だろう。それが若い女性ならばそそられるものがあるのかも知れないが、対象が四十代の女性。そんな所に男性の四十代の女性を見る目が表現されているように思えた。

満足度は★★★

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小泉今日子原作『戦う女』 Chapter4「お幸せに」

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【出演】 門脇麦、伊藤歩、竹厚綾 他
【放送】 2014年(フジNEXTライブ・プレミアム)

それを人のせいに出来るほど子供じゃないから女の心は少しトゲトゲする。

小泉今日子のエッセーを元に五話のドラマを作り上げた企画の第四話。原作は小泉今日子著の『戦う女 パンツ編』。

三十代のユカは下着屋でパンツを物色していた。自然と手にするのは男に見せるためのパンツでは無く、四角い機能的なパンツばかり。そこへレースのパンツを返品しに来た友人のユイコが訪れる。ユイコは二人目を妊娠中だと言う。独身のユカとは全く違う人生を歩んでいた。実はユカは過去にユイコの恋人を奪った経験がある。その時にユイコに言われた「一生幸せになれない」という言葉が今でも心に棘のように刺さっていて、上手くいかない事があるとそのせいじゃないかと思うようになっていた。店を去ろうとしたユイコを追いかけたユカはあの言葉を否定して欲しいと頼む。

女も三十代になれば体のラインは若い頃のようには保てず、体調も変化してくる。髭が生えたり、頭が薄くなったり。世間では結婚して子供を産めば勝ち組なんて言うけれど、実際には結婚しようとしまいと幸せを願う気持ちは変わらない。結婚したからと言って誰もが幸せになれるわけじゃない。若い頃に思い描いていたような自分になれなかった事を嘆いて苛々してしまう事もある。

このドラマは女同士の友情を描いている。元々は親友だったユイコとユカ。でも男の事で喧嘩してそれ以来関係はぎくしゃくしてしまっている。もう大人だから心の中ではどう思っていても表面的には上手く付き合おうとしてしまう二人。だけどそれじゃ本当の意味での友達には戻れない。

ラストでユカが選んだパンツのセレクトを見ると、保守的になってしまった三十代の女の気持ちが感じられる。一歩踏み出したい気持ちは持っていても、安全策を敷いていないと一歩踏み出せない。もう若い頃のように冒険は出来ない女性の心理がそこに表れていた。

満足度は★★★

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小泉今日子原作『戦う女』 Chapter3「ありふれた恋の話」

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【出演】 門脇麦、吹越満、大和田健介 他
【放送】 2014年(フジNEXTライブ・プレミアム)

大人になることをひとつずつ許してゆく時期だった気がする。

小泉今日子のエッセーを元に五話のドラマを作り上げた企画の第三話。原作は小泉今日子著の『戦う女 パンツ編』。

泉チヨコは昼間は保育園の保育士として働き、時折小さな事務所の賄いとしても働いている。同世代のタケとは現在同棲中。しかし彼氏のトランクスをホームウェアとして履いてしまうくらい馴染み切ってしまい、仲は良いけどときめきを感じなくなっていた。仕事の後、BARで飲んだ帰り、タクシーから下りたチホは事務所の所長・中西から不意打ちでキスをされて有頂天になる。子供じみたタケとは違う大人の魅力を備えた中西にチヨコは恋をしていた。ある日、思い切って下着屋に入り、大人びた黒いパンツを買ってしまう。

どんなに激しい恋もいずれはその激しさは失せていく。そんな時ふと初めてこの人を好きになった時のときめきや切ない気持ちはどこへ行ってしまったのかと思う事がある。決して嫌いになったわけじゃない。大切な人だと意識はあっても恋愛を始めた頃のように好きでは無くなってしまっている。恋は永遠でない。でも女はいつだって恋をしたい。

このドラマのヒロインはまだ二十代前半の女性。社会人として働いているし、同棲もして男と女の事も一通り知っている。大人の女性ではあるけど、世間から見ればまだまだひよっこで危なっかしさを持っている。そんな彼女が人生経験豊富な男性に憧れてしまうのは仕方がないのかも知れない。同世代の彼とは殆ど同じ目線で同じ物を見てきている。ところが年上の男性は自分がこれまで全く知らなかった世界を持っていて、余裕さえ感じる。同棲中の彼とのなれ合いの関係を続けるより、新しい恋に夢中になる気持ちも判らなくはない。ドラマではそんなヒロインの新しい恋の相手への気持ちの揺れを彼女が購入した黒いパンツにかけて描いている。

保育園の園児の一人が第一話に登場した子役の女の子だった事に思わず「あっ」と声が出てしまった。第一話のヒロインだけあって無邪気な笑顔が魅力的である。タイトルにもあるようにストーリー自体はありふれた恋の始まりと顛末を描いた内容なのでそんな物だろうなと何の感情も持たずに見てしまう。

満足度は★★★

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小泉今日子原作『戦う女』 Chapter2「おなかのマグマ」

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【出演】 門脇麦、原舞歌、小松もか 他
【放送】 2014年(フジNEXTライブ・プレミアム)

今もそのくらいの年の女の子に会うと、胸がざわざわする。

小泉今日子のエッセーを元に五話のドラマを作り上げた企画の第二話。原作は小泉今日子著の『戦う女 パンツ編』。

流行の曲をイヤホンで聞きながら女子中学生、ユウカとマユミはバスに乗った。二人はとても仲が良く、バスを下りてから何気なく通りかかった隠れ家のような下着屋の看板に目を留める。興味の湧いた二人は店へ入っていく事に。ふざけ合う二人の無邪気さを店の店主は自分のその年頃の時と照らし合わせて懐かしく感じていた。中学生の女の子は子供でも無ければ大人でもない微妙な時期。色々悩みも抱えている。両親のセックスを見てしまったユウカと父親の再婚相手が妊娠していると知ったマユミは店内に飾ってある魅惑的な大人のパンツを見てわけもなく「オエー」を連発する。

中学生の女の子は性や恋愛に興味を持ち始める時期。今やネットやテレビ等々でセックスが子供を作る行為だと知識を得るのは容易な事。でも実際に生々しい現実を突きつけられてしまうと嫌悪感しか持てない。彼女達にとって大人の世界は未知の世界であると同時に、子供の純粋さを失った汚らしさを感じてしまうのである。

このドラマに登場するユウカとマユミは共に親が性行為を持った現実を目の当たりにする。子供と大人の心が混在する彼女達はそんな親を汚らわしいと感じつつも、心のどこかでそんな大人に憧れる気持ちも持っている。ドラマではそんな二人が大人へ一歩踏み出す様子をパンツと絡ませて描いている。

ラストで気持ちを吹っ切った二人が走っていく場面の清々しさが非常に印象に残る作品である。

満足度は★★★

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