1925年の明智小五郎「屋根裏の散歩者」

  • 2019.06.25 Tuesday
  • 09:35

【出演】 満島ひかり、篠原信一、村杉蝉之介 他

【放送】 2016年(BS NHK)

 

屋根裏を散歩するのに魅入られた男が同じアパートの住人を殺害した。完全犯罪を狙った殺人事件を明智小五郎が見事に解き明かすミステリードラマ。江戸川乱歩の短編小説を気鋭のクリエーターが映像化するシリーズ第三作。原作は江戸川乱歩著の『屋根裏の散歩者』。

 

明智小五郎の知人である郷田三郎は常に刺激を求めていた。三郎は色々な事に手を出して暫くは夢中になるものの、変化のない物事にはすぐに飽きて別の刺激を求めてしまう癖があった。ある日、三郎は押し入れの天井に屋根裏へ出る入り口を見つける。三郎の住んでいるアパートは新築でまだ屋根裏は蜘蛛の巣などがはられていない。あちこちから漏れる光はそこに同じアパートの住人の部屋がある事を示している。そこから覗く光景に三郎の心は躍った。人には幾つもの姿があり、三郎に覗かれている事も知らない住人達は人には見せない姿を三郎の前に曝け出すのである。その中には三郎が生理的に好かない遠藤の部屋もあった。非常に几帳面な彼はその性格を表すかのように部屋の中もきちんと整理整頓され、私物は全て乱れなく並べて置かれていた。無防備な遠藤の寝顔を見ている内に、三郎の中にあった犯罪者的嗜好が働き出した。人を殺めてみたいという思いがふつふつと彼の中で膨らんでいったのだ。

 

主演の篠原信一の格好が恐ろしくレトロで逆に目を惹く作品である。元々ぬもーっとした面長の顔をしている彼が当時のごく一般的な肌着であろうラクダの下着に腹巻をした姿はあたかも肌色の肌襦袢に身を包んでいるようにも見え、エロティックとはまるで無関係ではあるが見てはならぬものを見せられたような気持ちになってしまう。一方、遠藤もまた特徴的な顔をしており、さながら顔芸だけでこのドラマは成功してしまうのかとさえ思わせてくれる。それに対して何故に満島ひかりがおかっぱ頭で明智小五郎を演じているのか、それが一番の謎である。

 

さてストーリーに目を向けると、本来推理小説とはこういうものであるとお手本を示してくれるようなストーリーで、何もヒューマンドラマをこてこてに詰め込んで、猟奇的な殺人を犯さなくてもミステリーはちゃんと成立するのである。そこが現代のミステリーとの大きな違いであり、同時に簡潔で判り易い。謎を呼ぶ謎といった作りになっていなくても面白いものは面白い。それに気付かせてくれるドラマであった。

 

満足度は★★★★★

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1925年の明智小五郎「心理試験」

  • 2019.04.15 Monday
  • 07:56

【出演】 満島ひかり、菅田将暉、嶋田久作 他

【放送】 2016年(NHK)

 

狡猾な大学生が金目当てで老婆を殺害した。心理試験を使ったトリックを明智小五郎が見事に解き明かすミステリードラマ。江戸川乱歩の短編小説を気鋭のクリエーターが映像化するシリーズ第二作。原作は江戸川乱歩著の『心理試験』。

 

大学生の蕗屋清一郎は学友の斉藤からとある情報を耳にする。斉藤の下宿先の大家はもう六十近い老婆で、借家の家賃だけでなく金貸しなどで莫大な金を貯め込んでいるというのだ。苦学生だった蕗屋はその金に魅力を感じ、おいぼれに大金が必要ないという勝手な理由から老婆の金を横取りしようと思い立つ。しかしただ殺して金を奪ったのでは蕗屋の犯行だとバレてしまう。問題はいかに刑罰を逃れて金をせしめるかにある。つまり彼は完全犯罪を目論んだのだ。時間をかけて綿密に立てた計画は見事に成功した。事実、警察は彼では無く斉藤の犯行と疑っていた。ただ予想外だったのは判事の笠森が素人心理学者だった事である。笠森は関係者に心理試験を実施して事件を解明すると言い出した。

 

ドラマはまるでノベルゲームをプレイしているように画面に地の文章を表示しながら進んでいくと言う手法を取っている。残念ながらノベルゲームと違って選択肢が無いのでただ一方的に進んでいくだけなのだが、映像の方はかなりノベルゲームを意識したカットを使用している。全体に薄暗い画面に顔のアップを効果的に使用。特に老婆の登場の際のアップには度肝を抜かれる。まさか老婆役に嶋田久作を起用するとは。ただでさえ顔にインパクト(良い意味では無く)のある俳優に女装をさせてドアップで登場。これには正直、やられた。また狡猾な大学生役の菅田将暉もなかなかである。こちらも顔のアップだけでどれだけ捻じ曲がった根性の秀才かが手に取るように判る。こういう演出も変わっていて楽しい。

 

さてこのドラマの原作となった『心理試験』は非常に短い内容で、明智小五郎が登場するのはラストの方にちょこっと登場するだけである。ドラマでも明智役の満島ひかりが登場するのは後半の一部だけなのだが、今回の明智はやけに女っぽさが出てしまい、どうもイメージがしっくりこない。変装した場面は特に何だこりゃ?である。台詞自体が男でも女でも取れるような言い回しが使われているのもあるが、元々女性である満島ひかりが演じてしまっただけに明智のイメージを見事にぶち壊している。この点が残念でならない。

 

満足度は★★★★

 

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1925年の明智小五郎「D坂の殺人事件」 

  • 2019.04.08 Monday
  • 20:03

【出演】 満島ひかり、松永天馬、津田寛治 他

【放送】 2016年(NHK)

 

東京のD坂にある古本屋の女房が絞殺された。難解な密室殺人事件を明智小五郎が解決するミステリードラマ。江戸川乱歩の短編小説を気鋭のクリエーターが映像化するシリーズの第一作。原作は江戸川乱歩著の『D坂の殺人事件』。この作品は江戸川乱歩の推理小説ではお馴染の明智小五郎が初めて登場する作品である。

 

東京のD坂の大通りの中程には喫茶店『白梅軒』があって、主人公・私は良くその店を利用していた。その日もいつものように店で珈琲を飲みながらくつろいでいたのだが、女給達の噂話が耳にはいってきた。それは向かいの古本屋の女房が色気のある良い女なのだが、何故か体には無数の何かで叩かれたような傷があるという話だった。しかもそれはその女房だけに限らず、同じ通りにある蕎麦屋の女房にも同じような傷があると言うのだ。私は何の気なしに話に出て来た古本屋を眺めていた。すると丁度そこへ通りがかった知人である明智小五郎が私を見つけて白梅軒にやって来た。明智は髪の毛がもじゃもじゃで美男子とは言えないが何処か愛嬌のある顔をした男で、暫く話している内に古本屋の様子がおかしいと言い出す。それは私も同じ事を考えていた。ほんの三十分程の間に本泥棒が四人も立て続けに現れたのだ。不思議に思った私と明智は古本屋へと向かった。

 

特別高価なセットを用意するわけでもなく、まるで本からそのまま飛び出したちょっと遊びのあるレトロな世界観がなかなか味がある。アイスクリーム屋がアイスクリーム屋の玩具だったり、D坂が模型で作られていたり、そこにリアルな人間が本の中を覗き込むように登場する一種独特な世界である。1925年と言えば大正十四年。その当時のセットを忠実に再現する事も可能だろうが、それを現代の映像技術で行うと何処か作り物感が否めない。それならばいっそこのドラマのようにそもそもが作り物という世界であれば、別段気にもならないものである。

 

そもそもこのドラマの原作は短編小説であり、明智が探偵として密室殺人事件の謎をこつこつ調べて解き明かすタイプの作品では無い。主人公の誤った推理を聞いて、明智はずばりと真相を言い当てる。言わば推理クイズでも解いているようなストーリーである。そこにリアルで高価なセットが必要かと言われれば疑問となる。むしろ遊び心満載の世界観が似合っているような気さえする。

 

満島ひかりの明智小五郎は原作に忠実に再現された明智であるが、何となく横溝正史作品に登場する金田一耕助を思い出す。この後の作品で明智小五郎は都会的な紳士のイメージがついてしまったので稀少な姿を見られたお得感があった。

 

満足度は★★★★

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黒蠍

  • 2017.07.01 Saturday
  • 23:28

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 美川憲一、金子昇、東風万智子 他

【放送】 2016年(BSフジ)

 

この世にはびこる悪と戦う闇の仕置き人・黒蠍の活躍を描いた勧善懲悪のストーリー。

 

落ち目の演歌歌手・岬倫太郎は夜になると新宿二丁目のゲイバー『メデューサ』で働いている。マネージャーの朝田もバーテンダーとしてこの店で働いているのだが、しかし実はこれは表向きの姿。このゲイバーで働くオネエ軍団は何れも闇の仕置き人『黒蠍』という裏の顔を持っているのである。ある夜、躊躇いがちにカウンターに座った女がいた。彼女は辻村エリ子と名乗って黒蠍に依頼をしたいと切羽詰まった表情で告げるのだが、踏ん切りがつかずそのまま帰ってしまう。倫太郎の予想通りエリ子は翌日も店に現れたが、全くの別人だった。

 

必殺シリーズを模したのは明白だが、あまりに濃いい面子の仕置き人のため魑魅魍魎や妖怪の類に見えて、悪人より遙かに怖い気がする。とは言うもののこれだけの豪華おネェ軍団をキャスティングしたのは天晴である。もうこうなったら行く所まで行っちゃって欲しいと願わずにはいられない。

 

必殺シリーズでは悪人を懲らしめる場面では見ていて格好良いものと、疑問符しか浮かばないものとある。このドラマでも同じ事が言え、本格的にアクションを繰り広げる朝田役の金子昇はともかくとして、ヌンチャクさながらにはるな愛が振り回しているのはもしやあれはメジャーじゃないだろうか?確かに表の顔は経理担当のOL(?)という役柄なので事務用品が武器となってもおかしくはないのだが、あれには目が点だった。そして極めつけが滅法強い岬倫太郎。何故か両手を相手に突きつけるだけで相手が吹き飛ぶ。もしかしてこれは気功の達人のつもりなのかと思って見ていると、何故か手の形がグーとチョキ。チョキって何?

 

さて依頼を受ければそれぞれの特性を活かして潜入捜査など行っていく。そこまでは良い。しかしそこからがかなりのご都合主義。どこから調達したのか火災探知機の点検用の器材やら点検員の服等々、そんなものが次の瞬間用意出来てしまうから不思議である。

 

ツッコミどころ満載で濃いいオネエ軍団。エンタメに徹したドラマである。

 

満足度は★★★★

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私に運命の恋なんてありえないって思ってた

  • 2017.04.08 Saturday
  • 14:07

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 多部未華子、高橋一生、大政絢 他

【放送】 2016年(フジ)

 

恋愛に不器用な社長に恋のレクチャーをしていたら、心ならずも社長に恋をしてしまった。ちょっぴり切ない恋愛ゲームプランナーのラブストーリー。このドラマはクリスマスドラマスペシャルとして放送された。

 

白野莉子はアプリ会社『TIMES』が開発する恋愛ゲームのプランナーとして雇われる。開発チームはリーダーの百瀬はるかを始め女性ばかりで、莉子の恋愛ゲーム企画に非常に乗り気だった。また唯一の男性社員として参加する緑谷拓は王子様キャラそのもので莉子はやりがいを感じていた。ところが突然会議中に乗り込んで来た男性が莉子の企画にケチをつけるばかりか、道端で拓に助けられた際にうっとりと拓を見つめていた莉子を馬鹿にするような発言をする。頭に来た莉子は独自の恋愛ゲーム理論で相手を完膚なきまでに打ちのめす。あまりの不躾な態度に気持ちが抑え切れない莉子にはるかはそっと耳打ちする。あの失礼な男性は社長の黒川壮一郎だと。拓の話では黒川は非常に優秀な人物であるが唯一の欠点は女心が判らない事だという。翌日、莉子は黒川の行動を見ている内にふと黒川がはるかに恋をしているのではないかと気付く。

 

今やアプリの世界では人気の恋愛ゲーム(所謂、乙女ゲー)。そこには女性の憧れる男性、憧れるシチュエーションが用意され、現実では成し得ないめくるめく恋愛が成就する世界が待っている。そんなものにはまるのは十代の夢見る少女達だけだと思うなかれ、現実を知った女性はそういう世界に夢を求めはまるのである。そう、女性は幾つになっても乙女なのである。

 

さてそんなアプリ開発を背景に進んでいくこのドラマであるが、中心となっているのは乙女ゲーの概念に則って社長を王子様キャラに育成する計画。個人的趣味で言えばアプリ開発の方に興味があるので、キャラ設定や一部の台詞などの公開だけでなく、プログラミングやキャラデザなどの開発現場に密着して欲しい気がしたが仕方が無い。要するに女心が判らず恋愛下手な社長を女性が憧れる恋愛ゲームの中の王子様キャラと同じような行動をとらせれば、片想いの相手の気を惹くことが出来るという話。何が面白いかって、この社長が本気で王子様キャラになり切ろうと頑張ってしまう所。幾らレクチャーされたかと言っても恥ずかしい台詞のオンパレードはそうそう実践出来るものではない。これを会社内でやってしまうから笑える。何と順応性の高い社長なのだろう。

 

でも最初は最悪な出会いから始まり、次第に打ち解けて恋に発展するというのは乙女ゲーの王道も王道。莉子と社長もこのパターン。いつしか二人は常に一緒にいるようになり、友達ではいられなくなる。試練を一緒に乗り越えるとどうしたって親近感が湧く。莉子が社長に恋愛レクチャーをしている場面を見ていると、これで恋に発展しない手はないだろうと思っていたら案の定。自分の気持ちに気付いた莉子は社長とはるかの恋を成就させるために身を引く決意をするのだが・・・。いや、これだって乙女ゲーに良くあるパターンでしょ!

 

クリスマスの夜、王子様となった社長が誰に指輪を渡すのか?最後まで乙女ゲーをリアルで行くすとーりーであり、大人でも乙女な恋がしたい!と言っているようで楽しかった。

 

満足度は★★★★

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リテイク 〜時をかける想い〜

  • 2017.01.30 Monday
  • 11:29

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【出演】 筒井道隆、成海璃子、浅野温子 他

【放送】 2016年(フジ)

 

タイムトラベルが可能な未来から2016年にリテイク(タイムトラベル)してきた人間が出没するようになる。そんな人々が現代で起こす事件を戸籍監理課の二人の奮闘を描いたお仕事ドラマ。

 

競馬場で二人の男女がある人間を探していた。彼等は法務省民事局の戸籍監理課の職員、新谷真治と那須野薫。ようやく彼らが発見したのは真っ白な服に眼鏡をかけた男だった。その男は何やら厚い本を見ながら馬券を一点買いしていた。二人の職員はすかさず彼に声をかけて彼が幽霊、所謂タイムトラベラーであることを指摘する。タイムトラベラーの特徴として理由は判らないが着ている服が全て漂泊されてしまうのだという。現に男の被っている野球帽は真っ白だが中日ドラゴンズのマークがついている。男が言うには一攫千金目当てに未来からリテイク、つまりタイムトラベルしてきたらしい。2016年から2017年にかけて競馬は大穴が続出。それを目当てに2016年にやってきたわけだが、元の時代に戻る方法はない。「金さえあれば・・・」と甘い考えを持つ男二人の職員は残酷な現実を突き付ける。タイムトラベラーには戸籍がない。そのため社会保障はされず、結婚も出来なければ海外へ行くことも出来ない。実はこの二人はそんなタイムトラベラーを確保し、施設へ収監して保護するのが仕事なのである。

 

今から五年後にタイムマシンが完成し、それを使って多くの人達がタイムトラベルでこの時代にやってくるようになる。人は過去に大なり小なり悔恨を残しながら生きている。取り返せない過去を変えたいと願う人々が辿り着いたこの時代で彼らは何をしようとしているのだろう?戸籍監理課の仕事はそんなタイムトラベラーを単に施設に収監する事だけだが、その任務に当たる新谷真治はタイムトラベラーがこの時代にリテイクしてきた目的を知り、彼らの思いに向き合ってしまう心優しい人物。それ故にタイムトラベラーに任務以上の思い入れをしてしまい、そこに様々なドラマが生まれてしまうのである。

 

しかしそもそも何故未来人がリテイクしてきていると知っているのだろう?

 

このドラマをそんな疑問を持ちながら見ていると非常にミステリアスである。戸籍管理課が発足されたのは未来人がリテイクしている事実を把握しているからである。しかもリテイクが行われる際の事情も非常に良く知り得ている。現代においてタイムマシンは開発されていない。この時代にタイムマシンの話をしても信じる人は殆どいないだろう。それなのに事情を詳しく知っているのは誰かが未来人と接触しているはずである。ではその事を知らせた未来人とは誰なのか?

 

最近のタイムリープブームで過去の何かを変えようと起こるドラマネタは結構出尽くしていて、現代にリテイクしてきた未来人と起きるドラマはあまり目新しさを感じるようなストーリーではない。しかも現代人からの目線でのドラマであるためリテイクに対してどちらかといえば否定的に捉えている。タイムリープした人のこれから何かを起こしてやる!という期待感がない分、タイムリープ物が好きな人にも興味が半減する内容である。但し前述したように誰が現代に未来人の存在を知らせた未来人なのかというドラマには現れない疑問を持つという間接的な興味が湧くドラマである。ただ如何せん主役が地味過ぎであるのは否めない。

 

満足度は★★★★

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パスポートの秘密

  • 2017.01.03 Tuesday
  • 00:03

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【出演】 萬田久子、田中隆三、篠塚勝 他

【放送】 1988年(テレ東)

 

建築事務所に勤めるOLがサイパンで自分をレイプした男性と再会する。しかし彼は別の名前を名乗っていた。原作は夏樹静子著の『パスポートの秘密』。

 

黒田建築事務所に勤務する殿村節子は電車で痴漢に遭う度具合が悪くなり会社を休んでしまう。彼女には七年前に婚約者の高園にレイプされた過去があり、それが原因で男性恐怖症になっていたのだ。ある日、同僚達とサイパン旅行に出かけた節子は偶然通りがかった男性を見て酷く驚く。その男性は紛れもなく高園だった。しかし同僚も当人も口を揃えて畠忠雄だと主張する。パスポートにも畠忠雄と記載されていた。そんなはずはない。高園と婚約していた時、節子は香園から畠忠雄を友人として紹介されている。畠は気さくな肉体労働者で、香園とはまるで別人だった。

 

ヒロインの節子が自分をレイプした男と再会してしまったばかりに、これまで隠されてきた別の事件が明るみになっていくというストーリー。一時間という放送時間の制約のためか意外とさくさく話が進んでしまうのが玉に瑕。節子がレイプ事件によって酷いトラウマを抱えてしまい結婚も出来なくなってしまったという背景がありながら、レイプした相手を少しも怖がる素振りを見せずに堂々と渡り合ったり、更には好きな人が出来るとあっさりベッドへ直行とか、節子の心情を考えると有り得ない展開の連続である。トラウマは何処へ行ったのだろう?

 

また何故レイプに発展したのかその理由も良く判っていない。既に二人は婚約していて、とんとん拍子に話が進んでいたはず。もしも節子が友人として紹介された畠に心を動かされて婚約解消を申し出ていたのならば、高園が逆上してそんな展開になったとも考えられるのだが、このドラマではそんな話が微塵も触れられていないため酷く不自然なドラマになっている。

 

もっと女性の心情に迫るようなストーリーになっていたらと惜しまずにはいられない。

 

満足度は★★★

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実況される男

  • 2016.12.26 Monday
  • 09:40

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【出演】 要潤、遊井亮子、野村宏伸 他

【放送】 2016年(フジ)

 

ある一人の男にターゲットを絞り、実況中継と解説で彼を追い続ける中継番組を装ったドラマ。JRA協力の元制作された実験的ドラマ。

 

ネット番組『府中で一番落ち込んでいる人TV』では府中競馬場でその日一番落ち込んでいるターゲットを見つけるためにカメラを回していた。実況放送が行われる中、その日のターゲットに選ばれたのは馬券を手にしたスーツ姿の男だった。彼は手にした馬券を見て何やら号泣している模様。実況と解説は彼が大金を馬券に投入して外したと予想する。ところがカメラが近付いて馬券を確認したところ、その馬券は千円しか賭けられておらず、しかも当たり馬券だったと判明。それなのに男は馬券を手に奇妙な動きを続けている。そうかと思うと徐に競馬場の外に出て、質の悪そうな連中に自分から手を出してコテンパンにやられる等、謎で奇怪な行動を繰り返した。

 

まるで競馬の実況中継のように一人の男・ウマオをカメラで追い回し、ウマオの謎を予想しながら実況するという新しい試みのドラマである。実況中継なので実況される側にはあまり台詞らしい台詞はなく、専ら何が起きたかを状況だけで判断していくことになる。しかしウマオの謎めいた行動や巻き込まれる事件は明らかにヤラセとしか思えない。それでもこの実況と解説はあたかも前代未聞の大事件のように取り上げ、第三コーナーを回った競馬の馬たちのように臨場感を持って盛り上げていく。

 

そもそもウマオが初っ端から競馬場で号泣し、ショックのあまり生まれたての小鹿のように立ち上がる時点で胡散臭いものしか感じないのだが、このウマオ、行く先々で何かとひと悶着を起こし、或いは何かしらアクシデントに絡まれ、突然一億円が冷蔵庫から出てきたり怪しさマックスである。勿論実況されているだけなので、何も無ければ番組は白けてしまう。視聴者の興味がアクセス数で示されるため、実況する側はウマオのハプニングに期待することになる。二十分番組ながら良く回数を持たせたなというのが正直な感想。おまけにウマオの興味が薄れると、常に不幸なアクシデントに見舞われる中村さんが登場し、ウマオから話題をさらっていく。この中村さんを演じる野村宏伸の飄々とした自然な演技がまた良いのである。そして何故か的を見事に外した解説者がウマオを放っておいて中村さんを大絶賛するのも笑いどころである。

 

深夜放送の低予算番組。内容も馬鹿馬鹿しいくらいの実況放送だが挑戦する意欲は大いに買う。

 

満足度は★★★★

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勇者ヨシヒコと導かれし七人

  • 2016.12.24 Saturday
  • 13:25

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【出演】 山田孝之、木南晴夏、ムロツヨシ 他

【放送】 2016年(テレ東)

 

低予算ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ第三弾!誰もが知る『ドラクエ』を完全におちょくったこのドラマがついに第三シリーズ突入!世界の平和を守るため、勇者ヨシヒコはボスの弱点を握る七人を探す旅へ出る。

 

勇者ヨシヒコのパーティーはついに魔王バルガスに到達した。背中には有り余るほどの薬草を背負い、いざ戦いへ突入・・・かと思いきや、仲間のメレブがシステム的にこちらから攻撃しなければボスキャラは攻撃しないと指摘し、後先考えず戦いを挑もうとするヨシヒコを引き止めて『逃げる』選択肢をとろうと提案する。賛同した一行は早速敵前逃亡を図るが、どう考えてもボスキャラから逃げられるはずもなく、逃亡は失敗し炎に包まれて負傷する。しかし持参した薬草の使い方はさっぱり判らない。考えてみれば『ドラクエ』で序盤で手に入れる薬草はお約束となっているが、どうやって使っているのかはプレイヤーには全く知らされていないのである。仕方なくヤケクソで戦いを挑んだがあっさりパーティーは全滅。幾ら何でもレベル18でボスに挑むのは早過ぎたらしい。

 

相変わらずのネタ満載の内容に一旦ツボに入ると笑いが止まらなくなる。何しろ危険なネタが多過ぎる。特に笑ったのが第五話と最終話。呆れる程にあからさまなパクリネタのヤバさに脱帽である。これパクられた側には許可を取っているのだろうか?また最終話はアニメのパクリにも勿論笑ったが、それ以上に生モンの電車男には目がテンに。まあ、そもそもがドラクエのパクリから始まっているドラマなのだが・・・。

 

シリーズ三作目に入ってもこのテンションの高さには恐れ入る。

 

さて今回は三作目ということもあり、ドラクエの三作目『そして伝説へ・・・』を彷彿させるストーリーになっている。上手くまとめたと思うのは勿論のこと、第一シリーズの際の出演者の若さに年月の経つ速さを感じてしまう。

 

それにしても低予算と言いつつ、今回は意外な大物ゲストが友情出演では無く出演させている所を見ると、結構予算が出ているのでは?と勘繰りたくなる。

 

満足度は★★★★★

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Doctor-X〜外科医・大門未知子〜

  • 2016.12.22 Thursday
  • 23:46

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【出演】 米倉涼子、泉ピン子、滝藤憲一 他

【放送】 2016年(テレ朝)

 

群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門家のライセンスと叩き上げのスキルだけが武器のフリーランスの女医・大門未知子の活躍を描いた医療ドラマ『Doctor-X〜外科医・大門未知子〜』のシリーズ第四弾!

 

ビルの屋上からニューヨークの街並みを眺めていた大門未知子はある決断をして颯爽と歩き出す。行き先は中華料理店。早速店員に餃子の大盛りを頼んで、他の客が食べる餃子を羨ましそうに見つめていた。実は餃子にするかハンバーガーにするかで迷っていたのだ。ようやく餃子が食べられると思った矢先どこからともなく現れた日本人の老婆が未知子の餃子を横取りしようとしたから大変!餃子を巡って未知子と老婆が争奪戦を始める。そんな中、店に来ていた妊婦が突然倒れてしまう。未知子の診断は急性胆道炎。一刻も早く手術をしないと母子ともに命が危ない。ところが発砲事件があり道路が閉鎖され救急車が到着出来ないと知らせを受ける。その時、先程の老婆がうちの病院へ運べと指示を出し、未知子はその病院の手術室で見事な腕を披露する。その頃、東帝大学病院の理事会では副院長の蛭間重勝の罠にはめられ、院長の久保茂が退陣に追い込まれていた。

 

安定した面白さがある一方でワンパターン化しているのは否めない。まあ、見ている側はそのワンパターンを期待している層も多いのだが、正直取り立てて今回のシリーズが他のシリーズに比べて秀でているとは言い難く、これまでのシリーズの流れを汲んで可もなく不可もなく無難に制作したという感じである。そのため高視聴率と言いつつも、意欲的にこのドラマを見たいかといえばそうではない。前のシリーズから見ているから惰性で見てしまう方が多いだろう。

 

今回は蛭間に失脚させられた前院長の妹・久保東子を泉ピン子が演じ、蛭間VS久保が互いに東帝大学病院の主導権を握るためにあれこれ画策するという内容だが、泉ピン子のアクが強過ぎるのが難点。まあそんな諍いは他所に最後は未知子が執刀して解決してしまうのだが・・・。それはともかく他のレギュラーメンバーも健在と思いきや、「御意!」でお馴染の蛭間の腰巾着・本人は何もしないのに美味しい所だけ持って行ってしまう海老名が二話のみの出演となっている。おそらく同じ曜日に別のドラマに出演しているため(そちらは準主役)、その関係で最低限の出演に留まったのではないだろうか。海老名はそれ程重要な役割をしているわけではないのだが、蛭間と海老名はセット感覚なので寂しい限りである。

 

そう言えば未知子の入浴場面が極力減ったような気がする。

 

満足度は★★★★★

Superfly
ワーナーミュージック・ジャパン
(2016-11-23)

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