恋のツキ

  • 2018.10.12 Friday
  • 10:42

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 徳永えり、神尾楓珠、伊藤沙莉 他

【放送】 2018(テレ東)

 

彼氏とマンネリ化した同棲生活を送る31歳のフリーターの女が、もろタイプの高校生に恋をする。女の本音が生々しく露出する大人のラブストーリー。原作は新田章のコミック『恋のツキ』。

 

平和子はもうすぐ32歳になるフリーター。現在、恋人の青井ふうたと同棲生活をしているが、生活費は折半で、当たり前のように家事一切は和子が担当している。姉のサチからは結婚を急かされているが、実際和子はふうたとの関係に冷めている部分があり、ただこの年齢から新しい相手を見つけるのは難しいと言う理由で続けているようなものだった。ある日、映画館のバイトの際、和子は手に怪我を負った美少年に目を留める。彼の容姿は和子のモロタイプだったのだ。映画が終わっても眠り込んでいる彼に気付いた和子は、彼が落とした学生証を拾う。何と彼・伊古ユメアキはまだ十五歳の高校一年生!突然目を覚ましたユメアキに動揺した和子は学生証を渡しそびれてしまう。

 

ドラマ内では性的な場面がかなりの頻度で登場する。それも愛の営みという意味で美しく幻想的に描かれているのではなく、だからと言って性的興味を煽るようなエロティックでも無く、ただただ生活の一部として描かれているのだ。言ってみれば欲望に忠実で本能的。そうする事で三十路過ぎの等身大の女を生々しく表現している。

 

ストーリーは決して面白いとは言い兼ねる内容である。同棲中の彼氏には結婚の意識は薄く、自分本位でただ和子に甘えているだけのように見える。共働きなのに家事は全て和子が担当。折半のはずの家賃は和子が支払い、バイトをしながら就職活動をしている和子への気遣いも無い。それでも和子はこの男を逃したら後がないとずるずる関係を続けている。三十代は二十代と違ってフットワークはそんなに軽くない。和子もそれを感じているから不満を抱えつつも、この場に留まっているのだ。恋愛にしろ、仕事にしろ、どんな生き方をするにしてもまず一歩を踏み出さなければ何も始まらない。和子にとっての一歩は恋だった。しかもその相手は高校生。良くあるストーリーではあるが、和子の後ろ向きな気持ちや葛藤がドラマ本編の中で腹立たしいくらいに鬱々と語られる。こうした心理描写が好きな人には受け入れられるドラマかもしれないが、共感出来ないと辛いものがある。

 

さてこのドラマの特徴としては、和子と伊古の二人が映画好きという共通点があり、それを活かしてドラマ自体が映画的な映像を作り上げている事にある。テレビドラマとは一味違った味わいがあるので必見!

 

満足度は★★★

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金沢〜東京・殺人ルート 2時間33分の罠

  • 2018.10.09 Tuesday
  • 21:08

【出演】 高橋英樹、財前直見、黒川智花 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

お馴染十津川警部と亀井刑事のコンビが活躍して事件を解決する西村京太郎原作のトラベルミステリー第69弾!仕組まれた犯罪。インターネットを通じて無関係な人間を利用して誘拐・殺人犯罪計画を遂行する犯人を捕まえろ!原作は西村京太郎。

 

亀井刑事は過去に逮捕した強盗犯の墓参りのため金沢を訪れていた。強盗犯の娘である園子は毎年足繁く墓参りにやって来る亀井への感謝の気持ちから、新幹線のグリーン車の切符をプレゼントし、亀井はその切符で帰路につく事に決める。園子から渡された新幹線の切符は11号車のC1。ところがいざその席に座ろうとすると、見知らぬ若い女性が自分の席と変えて欲しいと言って来る。その女性が持っていた切符は12号車、つまり最上級車両グランクラスのC1の席だった。何でも婚約者と途中で落ち合うつもりでいたが、婚約者が11号車のD1の席を購入してしまったのだと言う。差額もいらないと言う女性の申し出に少々躊躇しながらも亀井は切符を交換し、東京へと向かった。途中の駅で亀井の隣の席にアタッシュケースを持った会社員風の男性が座る。すると男は「約束を守れ」といきなり亀井にアタッシュケースを押し付けて去って行った。アタッシュケースの中身は三千万円。しかもその男は刺殺されてしまう。

 

色々ツッコミどころはあるものの、そもそも何故に亀井刑事を事件の目撃者に仕立て上げたのかが疑問である。勿論、そうしないとと津川警部と亀井刑事が事件に絡む事が出来ないのでシリーズ物にするには仕方が無い事ではあるのだが、このシチュエーションにはやはり無理がある。亀井は人情派と言えど刑事は刑事。普通に考えて目撃者にわざわざ警察の人間を選ぶ事自体が不自然極まりない。わざわざ警察に事件を捜査して下さいと頼んでいるようなものである。

 

というか、今回のトリックの重要な点は着物姿の女性、つまり園子の事だが、彼女が買った新幹線のチケットを後ろから盗み見る行為を強要された事にある。正直、あれだけ人の多い券売機の前で頼まれたからと言ってうまい具合に着物の女性の後ろに並ぶ事が可能だろうか?大体、券売機にチケットを買いに来た着物の女性が一人とは限らない。ネットでそんなビジネスを請け負ったというのも苦しい言い訳だ。

 

現代は色々便利になったせいでトリックを作りづらいのは判る。しかしあまりにも無理矢理感が否めないのも事実。確かに心情的には入っていける部分もあるのだが、お粗末なシチュエーション作りに落胆する方が大きかった。

 

満足度は★★★

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誘拐法廷〜セブンデイズ〜

  • 2018.10.08 Monday
  • 23:18

【出演】 松嶋菜々子、丸山隆平、杉本哲太 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

強姦殺人の罪で死刑判決が濃厚の男を無実にしなければ娘の命は無い。娘を誘拐された驚異の勝率を誇る敏腕弁護士がフリーの弁護士と共に事件の真相を暴く。原作は韓国映画『セブンデイズ』。

 

裁判で無罪の判決が下される。その瞬間、弁護士の天吹芽依子はふうっと息を吐き出した。彼女は驚異の勝率99.9%を誇る敏腕弁護士。そのニュースは即座にネットに流された。現在の夫で警視庁幹部の相澤吾郎とは離婚協議中。実は一人娘の真依の親権を巡って対立している。真依の学芸会の日、舞台に真依が見当たらなかった。不安になる芽依子に電話がかかってくる。死刑判決が濃厚と思われる国光事件で無罪を勝ち取れと言うのだ。真依は誘拐されたのだ。芽依子は早速国光事件について詳細を調べ始める。惨殺されたのは高嶺有香という二十歳の女子大生。被害者の自宅に残された足跡や指紋から前科五判の国光瑛二が逮捕された。国光は被害者の学生証を所持していたのだ。しかし国光は一貫して無罪を主張している。この事件は何と相澤が担当していたらしい。国光の国選弁護人を担当しているフリーの弁護士・宇津井秀樹を訪ねて国選弁護人を代わって欲しいと頼みにいくが、宇津井は一緒に弁護しようと申し出る。

 

シングルマザーの敏腕弁護士の娘が誘拐され、そこからストーリーが二転三転していく。事件に関しても真相は全く掴めていないままだったり、そもそも何故誘拐という大罪を犯してまで無実を勝ち取りたいのか等々、このドラマは様々な謎を含んだまま進んでいく。勿論、大前提は誘拐された我が子を救うために無実を勝ち取る事が大前提なのだが、多くの謎を含んだこのドラマは次第に混迷し何処へ進んでいくのかが判らなくなっていく。こういうスリリングなストーリーはただの法廷ドラマより遙かに面白い。

 

ただ見ていると何か違和感を覚えるのだ。ヒロインの言動がどうも韓国ドラマっぽいと思ってみていたら、案の定原作は韓国映画だった。ドラマを成立させるには純粋に日本の価値観だけでは難しい気がするので、それも致し方の無いところなのかも知れない。そして敏腕弁護士という割にはやり口がスマートで無いのもどうかと・・・。

 

さて最後の最後に誘拐犯の目的が明かされる。まあ、これは大体想定内ではあったが、もやもや感が否めない。いや、それどころかこれで大団円と捉えて良いのかとさえ考えてしまった。

 

満足度は★★★★

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指定弁護士

  • 2018.10.05 Friday
  • 13:50

【出演】 北川景子、北村一輝、えなりかずき 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

失言の多い衆議院議員に国有地払い下げ問題が勃発。二度も不起訴となった衆議院議員を起訴するため指定弁護士を引き受けた女性弁護士とパートナーの検察官の活躍を描いたリーガルドラマ。

 

女性蔑視の問題発言の連発に衆議院議員・田金清造はワイドショーを連日賑わせていた。三塚法律事務所に所属する弁護士の一ツ木唯はこのニュースに非常に関心を持っていた。国会前では田金を議員辞職させろとデモが勃発し、とうとうそれに押される形で大阪地検特捜部が動いた。しかし証拠はなく、田金も田金の秘書も不起訴になった。そんな中、唯にこの件に関する指定弁護士にならないかと話が持ちかけられていた。指定弁護士の仕事は負け戦。負けて当然の弁護を引き受ける弁護士は殆どいない。唯が所長の三塚に相談すると、三塚は負けて当然だから経歴に傷がつくわけではない、むしろ世間に名前を売る好機になると説き伏せられて、指定弁護士の話を受ける決意をする。就任後すぐに唯は田金が口利きをしたと見られる資金の流れを発見するが、相手が衆議院議員だけに一筋縄ではいかない。案の定関西財務局に出向いて話を聞くと、上からの命令で有耶無耶にされたと判明する。唯の動きを快く思わない京都地検は検察官の橘慎二を唯のパートナーとして派遣する。

 

正義に目覚める正統派のヒロインの活躍を描いたリーガルドラマで、例え負け戦であっても最後まで諦めない姿勢に好感の持てるヒロインである。また相棒となる橘も検察官として職務を全うしつつも、ヒロインの真っ直ぐな姿勢に惹かれて協力していく流れもなかなかだった。検察は威厳を保つために自らが不利になるような方向には動かない。指定弁護士は既に検察が行った捜査の粗を探すような仕事のため、言わば弁護士は指定弁護士になった時点で負け戦に放り出されたようなものなのである。おまけに同じ弁護士でありながら被告側に立つ弁護士とも対立しなければならず、指定弁護士の立場は針の筵。最後まで真実を明らかにする姿勢を崩さなかった一ツ木唯&橘のコンビは、それによって出された結果がどうであれ爽やかだった。

 

政治家には様々な立場や駆け引きがある。どう見ても悪役としか見えない政治家と言えど政治家は政治家。ゆくゆくの利益を見据えて違法な手段に出る事が全く無いとは言えない。今回の唯の対峙する問題は田金議員の行った国有地払い下げ問題について。確かにやっている事は法的に悪事なのかも知れないが、見方を変えればそうするしかない選択だったともいえる。そんな政治家の苦しい部分にも脚光を当てていて、必ずしも勧善懲悪にならない所が興味深い。

 

あら、唯ちゃん、気付いちゃった?

 

これは唯の先輩弁護士の口癖。実はこの弁護士の立場と言うのがドラマを見ているだけでは良く判らない。唯を口車に乗せて指定弁護士にさせる等調子のよい人であるのは判るのだが、度々登場するこの人は何者?と何度も首を捻った。結果、最後まで釈然としないままだった。

 

満足度は★★★★★

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激アツ!!ヤンキーサッカー部

  • 2018.10.04 Thursday
  • 16:57

【出演】 竜星涼、浅香航大、勝村政信 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

元サッカー日本代表の岡野がバラエティ番組『激レアさんを連れてきた。』出演の際に語った母校の話があまりにも面白過ぎて、「漫画にして欲しい」、「映画にして欲しい」と研究員二人(メインキャスト)が言ったのを真に受けて、まさかのドラマ化!前後編に分けて二週連続で放送。

 

後にサッカー日本代表となる岡野雅行が中学三年生の時、大好きなサッカーで日本代表になる夢を持ち、サッカーに打ち込める環境を求めていた。そのため両親にサッカー留学をしたいと申し出るが両親は良い顔をしない。その話を耳にした叔父は島根にある全寮制の松王高校ならその夢が叶えられると提案する。松王高校を卒業した生徒は礼儀正しい好青年ばかりなのだと言う。そんなところを叔父は高く評価していたのだった。叔父の言葉を信じた岡野は晴れて松王高校に進学する。しかしいざ学校に登校してみると想像とは大きく違っていた。廊下には至る所に目つきの悪いヤンキーが屯をなし、突然教室から椅子やら人間が廊下に飛び出して来る。教室は喧嘩上等のヤンキーばかり。血気盛んで気に入らない事があればすぐに喧嘩をおっぱじめる。担任の剛田が竹刀を持って怒鳴り散らした事でどうにか全員席につくが、すぐに岡野は悟った。この学校はヤンキー達の更生施設だと。叔父が出逢った卒業生は全員更生後の姿だったのだと。愕然とする岡野に剛田はこの学校にサッカー部は無いから別の夢に変えてくれととどめを刺す。この日から岡野の地獄のような日々が始まった。

 

まるで漫画にあるような筋書きの青春物で、これを地でやってのけたのかと思うと岡野の偉大さやサッカーに掛ける思いの強さが伝わって来る内容である。ヤンキーの更生施設のような高校のエピソードは話としては確かに嘘みたいで面白いのだが、それ以上に岡野自身のサッカーへの熱い思いが生んだ一つ一つの軌跡がとても感動的で、最後に残るのは楽しいという気持ちより良い話だったという気持ちだった。漫画や小説では無く、こういう青春時代を送った人が本当にいたんだと驚かされる。

 

また驚いたのはキャスティング。突発的に思いついて制作したにしては演じている俳優陣が豪華で、全力でネタ話をドラマ化してきたなとその本気度が最高に笑えた。

 

満足度は★★★★

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いつかこの雨がやむ日まで

  • 2018.10.02 Tuesday
  • 17:19

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 渡辺麻友、桐山漣、堀井新太 他

【放送】 2018年(フジ)

 

ミュージカル女優が殺害される事件が起きてから十五年、再び同じ劇団で女優が殺害される。殺人犯の家族として暗い人生を歩んできた女が否が応でも事件に巻き込まれていくサスペンス。

 

北園ひかりは劇団『ウミヘビ』の劇団員でいつかミュージカルの舞台に立つのを夢見ている。幼い頃、兄の恋人だったミュージカル女優・矢吹麻美に憧れた事が夢を抱くきっかけとなったのだが、十五年前、彼女はナイフで胸を刺されて殺害された。犯人として有罪判決を受けたのが森村國彦、つまりひかりの兄だった。あの事件でひかりの人生は大きく変わった。現在は精神を病んでしまった母親と二人暮らしで、働けない母親の代わりに劇団員をする傍らキャバクラのバイトで生活費を稼いで何とか暮らしている。ある日、幼馴染みの谷川和也がひかりの前に現れる。麻美の事件で國彦の犯行を決定づけたのは、和也の目撃証言だった。あれから和也はひかりの事がずっと気になっていたのだ。しかしひかりはまるで人が変わったように和也を遠ざける。一方、出所が決まった國彦はひかりに麻美を殺害していないと告白し、行方をくらましてしまう。そんな中、劇団『ウミヘビ』の次回の公演の演目が『ロミオとジュリエット』と決まる。十五年前、麻美が殺害された時もこの演目の公演中で、麻美はジュリエット役だった。あれ以来、劇団ではタブーとなっていたのだが・・・。その矢先、ジュリエット役に意欲を燃やしていた花田舞子が殺害されてしまう。

 

これぞ『ザ・昼ドラ』という臭いを振り撒きながらストーリーは進んでいく。ヒロインのひかりはとにかく八方塞がり。何をやっても不幸に見舞われてしまう。おまけにミュージカル女優になる夢を突き進んではいるものの、不幸の連続の人生にすっかり心を閉ざしてしまい、何処か屈折した心の持ち主と来ている。おまけに恋のライバルはこれまた病的な程にひかりの幼馴染みの和也に執着し、愛されていないのは判っているのに縛ろうとする。精神状態がおかしい人ばかりが登場するこの世界観。いやー、何かぞわぞわする。

 

勿論、シリアス一辺倒のドラマでありながら、真面目なシーンなのに笑えるのがかつて昼ドラを制作してきた東海テレビのドラマの特徴。例えば狂信的にも見える鬼才の演出家(劇団主宰)の天竺の演技指導は、多分実際の演技指導にそーゆーのもあるんだろうが、見る度に笑えてしまう。その鬼才が作り上げた『ロミオとジュリエット』はもはや『ロミオとジュリエット』では無くなってしまっているし・・・。

 

さて今回はミステリーサスペンスだけに十五年前の殺人事件が常に根底にある。ところがこのドラマのヒロインはその事件の被害者の一人でありながら、直接的に十五年前の殺人事件には何も関わって来ないのである。要するに無関係の人間なのに、そんな事件が起きてしまったために悲劇のヒロインになってしまったという設定。冷静になって考えてみれば、ドラマの大部分が事件について動き回っているのに、ヒロインだけは蚊帳の外で暗い人生を送っているという話になっている。ちょっと不思議な感じのする構成だった。更に言えば話数の少なさゆえか、登場人物の心変わりがはっきりし過ぎて何度も戸惑ってしまった。

 

ところでラストに関して言えばアンハッピー何だかハッピーなんだか判らない結末に。確かに十五年前の事件の真相が判明するのでめでたくはあるのかも知れないが……。

 

満足度は★★★

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あまんじゃく

  • 2018.10.01 Monday
  • 20:56

【出演】 唐沢寿明、木村多江、伊藤蘭 他

【放送】 2018年(テレ東)

 

医療の知識を駆使して証拠を残さず悪人を葬る元天才外科医の殺し屋が医療の闇に挑む!出演する俳優の殆どが悪人のエンターテイメントドラマ。

 

椅子に座ったまま拘束されているのは医師・御木本正。御木本が目を覚ますと目の前には部下の折壁嵩男がいた。折壁の手にあるのは注射器。中に入った薬品名を聞いて御木本は焦り出す。もしもこの薬品が注射されれば間違いなく命を落とすのだ。しかし折壁は躊躇する事無く御木本の脇に注射針を刺した。勿論、殺害するために。時は流れ、雨の中を折壁は歩いていた。殺し屋となった折壁は相棒の弁護士・横倉から新たな依頼を受ける。それは中学生の浦野美鈴からの依頼だった。母親の再婚相手である浦野玲哉を半殺しにして欲しいと言う。一年前、美鈴が腹痛を起こして母親と病院へ行った際、玲哉と留守番していた美鈴の弟が風呂場で溺死したのだ。玲哉は監察医として警察に顔が効く。そのため弟は玲哉の言葉通り、一人で風呂場で遊んでいた際に起きた事故と処理されてしまった。しかし美鈴は弟が玲哉に殺害されたと考えている。事情を聞いた折壁は何故中学生の美鈴が殺しを依頼する大金を持っていたのか、何故半殺しなのかと疑問を持つが、結局横倉に諭されて美鈴の依頼を受ける事にする。

 

法では裁けない悪人を殺害するダークヒーローのドラマと言えばこれまでにも様々ある。このドラマもご多分に漏れず証拠も残さず悪人を成敗していくわけなのだが、元外科医という経歴があるために医療知識を駆使して殺害するのはまだ許そう。しかし殺害方法は昔から使い古された方法だし、本当に証拠が残らないのか甚だ疑問である。また判りやすくするためとは言え、ターゲットの体をスケルトン画像で表示する手法があまりにも古臭く、殺害場面で毎回あれが表示されるとげんなりしてしまう。もう少し何とかならなかったのだろうか?

 

また古臭いと感じる要因に主人公の動作が年齢を感じさせる部分にもある。ヒーローに年齢制限は無いものの、どんなに機敏に見せようと何処かに年齢を感じてしまうのだ。スマートでないヒーロー(年寄りがヒーローであるのを売りにしているのは別として)は流石にちょっと痛々しかった。その反面、ヒロインである木村多江の体を鍛える場面はかなりやり込んだ感がある。

 

さてこのドラマはある小さな事件からやがてその裏に大きな組織、或いは事件が控えていると言う構成になっている。黒幕には意外性がある反面、展開が予想出来てしまうのが難点。単発のスペシャルドラマなのである程度完結させる方が終わりがスッキリするのかも知れないが、どうせなら小さな依頼を次々こなしていくだけでも良かった気がする。

 

満足度は★★★

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共犯

  • 2018.09.30 Sunday
  • 22:08

【出演】 高島礼子、石黒賢、益岡徹 他

【放送】 2002年(日テレ)

 

かつての母親の恋人を殺害した女の前に殺人を目撃した脅迫者が記憶喪失になって現れる。罪を逃れ、寝起きを共にする二人にやがて奇妙な信頼関係が生まれるサスペンス。

 

料理評論家の大御所・藤原みのりの料理番組が終了し、新たに三橋杏子の料理番組がスタートする事になった。母親の死後、天涯孤独となった杏子はみのりの弟子となり十年間厳しい修行を積んで来た。しかし実際の所、みのりの最近のレシピは全て杏子が考案したもので、事情を知る人間は杏子こそが表舞台に立つべきだと今回の交代劇が行われたのだった。ところが杏子のインタビュー記事を読んだ元官僚の蓮見慎太郎が突然杏子に連絡を取って来たのだ。蓮見はかつて杏子の母親の恋人だった男で、杏子も幼い頃可愛がって貰った覚えがある。蓮見の伊豆の別荘で食事に誘われた杏子だったが、蓮見の狙いは杏子の体だった。蓮見に襲われそうになった杏子は咄嗟に包丁で蓮見を刺してしまう。一方、別荘近くでは売れないカメラマンが夜の海岸で隠し撮りしていた。被写体にしていたカップルにバレて逃げ出したところ、偶然ファインダー越しに杏子が蓮見を殺害するのを目撃してしまう。まさかそのカメラマンに撮影されているとは知らず、杏子は慌てて伊豆を後にする。

 

苦労の末、ようやく見えて来た光。杏子が栄光を掴みかけた時、奇しくも起きてしまった殺人事件。確かに人の命を奪う行為は罪であるが、事件の引き金をひいたのは殺害された蓮見自身。ドラマ内では幼い頃からの苦労話も披露され、殺人犯とは言えど杏子に同情したくなる。ドラマの制作者は杏子に何か恨みでもあるのかと思われるくらい報われない道を与えていく。

 

サスペンスとは言ってももう犯人は端から判っているし、警察の目を盗んで逃げ回るような逃走劇でも無い。警察は蓮見殺しの犯人を追っているがさほどその手は厳しくなく、どちらかと言えば緩い感じの流れではある。むしろこのドラマで中心となっているのは杏子の生き方と心の揺れ。栄光を掴むのか、愛を選ぶのか、全てを捨てて罪を認めるのか、杏子がどの選択をするのかがドラマの焦点となっている。

 

結論から言えば杏子の選択は非常に清々しかった。或る意味、彼女は非常に真っ直ぐな性格をしていて、筋の通った自立した女性であると言える。これは苦労しながらも正しい生き方をしてきた賜物のような気がする。杏子の今後の人生に光が当たれば良いと願わずにはいられない。

 

満足度は★★★

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過保護のカホコ2018 〜ラブ&ドリーム〜

  • 2018.09.29 Saturday
  • 22:17

【出演】 高畑充希、竹内涼真、映美くらら 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

過保護のカホコが帰って来た。昨年放送された本編から一年後の世界を描いたスペシャルドラマ。

 

加穂子が麦野初と結婚してから一年が経った。現在、加穂子は他界した祖母の言葉を信じて家族を幸せにしようと頑張っている……はずなのだが、やはり超過保護に育てられただけに心許ない。初より一時間早く起きるはずが初に起こして貰い、未だ自分で服を決められず、家事は何もかも中途半端。また加穂子が始めた託児所『カホコハウス』は父方の家族――根本家の祖父母や叔母に手伝って貰っているが、融通の利かない頭の固さは子供達に不評で、子供を預ける母親達のマナーの悪さや料金未払いが原因で廃業寸前。加穂子の頑張りは何もかも空回りしている状況だった。一方、初はカフェでラテアートの才能を認められ正社員の声がかかっているが、肝心の絵の方は全く芽が出ていなかった。毎年恒例の加穂子の従姉の糸の誕生日。これまで通り誕生日会を開こうとする加穂子だったが、何をやっても失敗だらけ。結局、母親の泉がやってきて何もかも仕切ってしまう。これでは過保護な頃と何も変わらない。とうとう加穂子と初は言い争いになってしまう。

 

何をやっても一生懸命。だけどみんなよりペースが遅くて不器用だから、すぐにいっぱいいっぱいになってパニックになってしまう加穂子。そんな加穂子が大好きだった祖母の跡を継いで今にも分裂しそうな家族を守ろうとするストーリー。本編では初と結婚して亡くなった祖母の家に住み、祖父と一緒に暮らしながら新婚生活を送っている様子までが放送されたが、このドラマはあれから一年後のエピソード。幾ら決意は固くても人間早々思ったように変われるものでは無い。やる気はあるのに空回りばかりで、相変わらず何をやっても失敗だらけの加穂子の生活が披露される。まあ、想像通りと言えばその通りなのだが・・・。

 

本編を見ていた人にとってはこのスペシャルドラマは懐かしい面々が揃い、久々に本編を思い起こさせるファンサービスと映るだろうが、そうで無い人にとっては何が何だかさっぱり判らないだろう。おそらくヒロインが過保護に育てられたせいで自分では何も出来ない女の子になってしまっている事さえ判らないのでは無いだろうか。そう言った面ではこのドラマは初めて加穂子をお目にする人への配慮が足りない。初にどんな経緯があって加穂子と夫婦になったのかも不明なので、加穂子のように何にも出来ない女の子と結婚したただの変わり者で、その責任をとって加穂子の出来なさ加減に目をつぶって夫婦を続けているようにも感じてしまう。

 

まあ、それはともかくラストではようやく加穂子の両親が子離れを果たしたハッピーエンド。このドラマの場合、ハッピーエンドになるのが当たり前ではあるものの、一応これで一先ず過保護の問題にケリがついたように思われる。

 

満足度は★★★

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義母と娘のブルース

  • 2018.09.28 Friday
  • 12:51

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 綾瀬はるか、竹野内豊、佐藤健 他

【放送】 2018年(TBS)

 

父親がキャリアウーマンと結婚。ある日突然母娘となった二人の十年に渡る家族の物語。原作は桜沢鈴の四コマ漫画『義母と娘のブルース』、『義母と娘のブルースFinal』。

 

2009年、父親・宮本良一と二人きりの生活を送っていたみゆきが自転車に乗る練習をしていると、突然髪を後ろでまとめた眼鏡にスーツ姿の女が現れる。そして彼女は自転車に乗るにはもっと速度を出した方が安定すると判りづらい例えを交えてみゆきに一方的にアドバイスしてきた。見知らぬ女の登場に驚くみゆきに、近くの自販機で水を買っていた父親が驚くべき事を告げる。この人はみゆきの新しいママだと。するとすかさずこの女は会社さながらに『岩木亜希子』と書かれた名刺と手紙をみゆきに差し出した。まだ幼いみゆきにこんな訳の分からない自己紹介をする女が何処にいるだろう?当然ながらみゆきは亜希子を拒絶し、良一の後ろに隠れてしまう。それを見た亜希子は態度を豹変させ、プレゼンに失敗したから出直してくると颯爽とその場を去って行った。

 

キャリアウーマンの亜希子が家庭でも仕事モード全開で主婦になる、そのギャップを楽しむホームコメディードラマと思っていたのだが、見ている内に戦国武将の如く目標を達成する亜希子がどうにもこうにも癖になる。途中、アジア大会が放送された関係で放送の無かった時には『義母ロス』の言葉が生まれる程。原作は四コマ漫画と侮るなかれ。魅力あふれるドラマだった。

 

だからと言って突飛な設定があるわけではない。元々仕事一途な女性が家庭を持ちたいと願って、死を間近に迎えた男性と偽装結婚をする。確かにビジネスライクで有能過ぎるが故に通常の主婦との感覚の違いはあれど、それでも彼女なりに必死に考えてまだ幼い娘・みゆきを育てていこうとする。その姿勢は子供を持つどの親も一緒のはず。なのに何故これほどまでに惹きつけられるのか不思議で仕方が無い。

 

魅力の一因として麦田の存在がある。実は前半の話では麦田は何かと亜希子達家族と絡んでくる脇役に過ぎなかった。むしろ登場しなくても全く困らない人物である。ところがこれが後半、亜希子がベーカリー麦田で働き始めてから俄然それまでのエピソードが意味を持ちだす。つまりそれまでの一連のエピソードは単なる演じている佐藤健の出番を増やして佐藤健ファンへのサービスかと思ったら大間違い。麦田と亜希子の縁に重大な意味を持たせるための壮大な伏線だったのである。この構成は見事だった。

 

義母は継子を本当の娘のように愛し、継子は義母を深い感謝と尊敬の念を抱く。この二人の関係は決して本当の母娘には劣らない。むしろそれ以上の絆を感じる。亜希子に言わせるとこれは小さな奇跡の積み重ねらしい。確かにその通りかもしれない。

 

満足度は★★★★★

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