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天才バカボン3〜愛と青春のバカ田大学

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 上田晋也、西田敏行、大塚寧々 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

『天才バカボン』シリーズ第三弾!赤塚不二夫の傑作漫画『天才バカボン』の実写化ドラマ。一般人とはズレた個性の持ち主であるバカボンのパパが巻き起こす騒動を描いたホームコメディー。今回はバカボンのパパの大学時代の恩師の恋愛を絡めたストーリーになっている。

 

バカボンのテストの結果は0点。担任の先生からこの成績では中学も高校も大学も無理だと言われ、バカボンは落ち込んでしまう。そんなバカボンのテスト用紙を見たパパはバカボンにこれからは自分が思ったのと全て反対の答えを書けば100点になるとアドバイスする。テストは〇×式の二択問題だったのだ。パパの発想に喜ぶバカボンだったが、特訓だと言われて鍋料理で春菊ばかりを食べさせられる羽目に。食事の後、パパはバカボンに大学時代の思い出話を話して聞かせる。バカ田大学の合格発表の日、自信満々で発表を見に行ったパパは自分の番号が無かった事にショックを受ける。ところが大学側の不手際で掲示が上下さかさまだったと判明し、パパは見事1番の成績で大学合格を果たす。大学に入ったパパは様々な発明や研究を行っていたが、そんなパパに目を付けたのは紙一重教授だった。紙一重教授の研究は動物と会話する事。研究内容に興味を持ったパパは同志を集めて研究に明け暮れる。ところがそんなある日、紙一重教授の元気が無くなってしまう。どうやら黒百合女学院の助教授・純子先生に恋をしてしまったらしい。紙一重教授の恋を成就させるためにパパ達はあの手この手で協力する。

 

試験の回答が〇か×の二択というのもどうかと思うが、それはまあおいといて、今回はバカボンのパパの恩師・紙一重教授が中心となった内容で、バカボンのパパが予想を上回るはちゃめちゃぶりという本来の姿は成りを潜め、むしろ周囲の人を思いやるいい人になっている。何か違うと思いつつ見ていたが、あくまでちょっと良い話をバカボン一家にあてはめた感じであるのは否めない。

 

色々ツッコミどころは満載のドラマであるが、バカ田大学の扱いがやはり現代では原作通りの受け止め方は難しいと感じた。そのため今回のドラマのようにごく普通の大学(研究内容がちょっと異質ではあるが・・・)として表現するしか無いのかと原作を知っていると首を傾げるところである。パパが成績一位の優等生というギャップに笑いをそそられるものはあるにせよ、他の学生はこんなの普通に大学に通っているよなーという程度に留まってしまうのが残念である。

 

満足度は★★★

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鎖 女刑事 音道貴子

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 小池栄子、高橋克実、篠田麻里子 他

【放送】 2016年(テレ東)

 

男勝りな女刑事が男社会の理不尽さに晒されながらも、占い師一家殺人事件の謎に迫る本格ミステリー。原作は乃南アサ著の『鎖』。

 

占い師一家が皆殺しされる事件が発生する。遺体は何れも手を縛られ首を鋭い刃物で掻ききられていた。警察は早速捜査本部を立ち上げ、役割分担して捜査に当たる。現場に一番に到着した機動捜査隊の音道貴子も事件を担当する捜査員の一人として呼ばれ、星野秀夫刑事とバディを組む事に。ところが星野は貴子がバツイチと知った途端、急に馴れ馴れしい態度を取り始める。星野は以前から女癖が悪いと評判の男で、おまけに仕事に対する熱意も感じられない。占い師一家と取引の無い銀行の粗品が家の中にあったのを見た貴子は隠し口座があるのでは?と睨むが、星野はまるで感知せず、貴子の捜査を勝手に打ち切らせてしまう。星野の頭には貴子といい関係になる事しか無かったのだ。バーで星野に誘われた貴子はあっさり誘いを断る。すると星野は態度を豹変させ、貴子にあからさまなパワハラを行い始めるのだった。

 

時代が現代のため、呆れるくらい時代遅れの世界観を持つ刑事ドラマを見せられた気分になる。警察全体に流れる空気もそうだが、何が何でも男が上という概念が平気でまかり通るのが警察だと言わんばかりの世界観に、それに抵抗があったのかそれもやや昔の話で貴子にはそうした時期を乗り越えて機動になった豪傑という設定に切り替えている。しかしながら星野という明らかに糞な存在があり、仕事に熱心さを欠いた人間が刑事をやっている事に違和感を覚える。まして周囲は誰もが星野が女好きだと知っているのである。それで貴子と組ませる方に問題がある。そして星野と組んで星野の不利益になる事をバディとして決して口外しない貴子も、バディを変えて貰えるという選択肢を与えられながらもその選択をせずに違法な捜査に乗り出すのは如何なものかと感じた。男勝りとか豪傑とかいう以前に、星野からルール違反を押し付けられた時点で何らかの行動を起こすべきだったと貴子自身の行動に疑問を抱いた。結果としてそれが貴子自身が危険に晒される要因を作ってしまったのだが。

 

貴子が地道に築いてきた道があるから、彼女に信頼を寄せる人間がいる。しかしあくまで彼女は孤高の狼であり、馴れ合いはしない。男勝りというより、単純に頭固い不器用な人間と言うイメージの方が強かった。

 

さて事件に関してだが、占い師一家の凄惨な殺人事件の印象が本来なら強烈に記憶に残るものであるとは思うが、表現を和らげているせいかあまり記憶に残らない。貴子達警察はこの殺人事件の捜査で動いているはずなのに。その事件の裏にこんな事件もとてんこ盛りにした分だけ当初の事件が何だったのかがぼやけてくる。実際、中心となって来るのは貴子と事件を通じて知り合った女の生き様。事件物というよりヒューマンドラマを見せられた感じだった。

 

満足度は★★★★

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復讐捜査 〜警察犬と刑事の殺人追跡行〜

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 萩原聖人、本仮屋ユイカ、加藤雅也 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

コンビニ強盗殺人事件の犯人を追跡中、銃乱射事件が起きる。被弾しながらも奇跡的に生き延びた刑事は殉職した妹の育てた警察犬と共に事件解決を目指す。

 

警視庁捜査一課の刑事・三田園智史はコンビニで起きた強盗殺人事件の捜査のため現場検証を行っていた。被害者は学生アルバイトの青年。現場には犯人の物と思われるマスクが落ちていたため、智史の妹で警察犬訓練士の美穂にもまた相棒のハブ号と共に出動命令が下った。マスクの臭いを嗅いだバブ号は犯人が逃げたと思われる工場までやって来たが、犯人の隠れた場所まであと一歩の所で、現場で指揮をとっていた智史が待ったをかける。そこには一台のワンボックスカーが停車していて、その中に人の気配を感じたのである。声を掛けても全く応じようとしなかった。不審に思い警官達が近付いた所、車の中に潜んでいた男がいきなり銃を乱射する。智史は勿論、その場の全員が被弾し、美穂は殉職した。あれから一年、美穂を失った辛い現実から逃れるため、智史はその時の記憶の大部分を失ってしまった。退行催眠療法を行い、事件の記憶の中から犯人の顎に痣がある事を思い出す。智史同様、被弾しながらも命が助かったバブが事件のショックから立ち直れずにいると知り、智史はバブを家に連れ帰る。

 

警察犬と言ってもお馴染みのシェパードでは無く、今回登場するのはもふもふの大型犬・バブ。このバブが活躍する動物に目が無い人にはうってつけのドラマである。演技をするバブの愛らしさについつい目が細くなってしまう。キャリアの女警視が勤務中だと言うのにバブと遊んでしまう気持ちが良く判る。

 

さてストーリーに目を向けてみると、コンビニ強盗殺人事件自体かなり凶悪犯罪なのだが、中心となっているのがその捜査中に起きた銃乱射事件の方。この事件で自らも被弾し、妹を失った刑事のリベンジの内容となっている。二つの事件がクロスして発生したまでは良かったのだが、その顛末は非常に警察物ドラマではありがちな流れになっていく。もしももふもふの警察犬と、一緒に戯れる女性キャリア警視がいなければただの重苦しい刑事のリベンジストーリーとなり大して面白味は無い。また捜査の面で言えばかなりのザル。粗さが目立った。

 

テーマとなっているのは傷を抱えた者同士の絆。クライマックスシーンではそうしたテーマを感じる事はあったのだが、それ以外はあまりそうした絆を感じられない。むしろ上司と部下が何となくいい雰囲気になっている方に絆を感じた。

 

満足度は★★★★

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黒井戸殺し

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 野村萬斎、大泉洋、遠藤憲一 他

【放送】 2018年(フジ)

 

村の名士が自室で遺体となって発見される。この事件を友人から知らされた名探偵が事件を解き明かす。アガサクリスティー著の『アクロイド殺人事件』を日本を舞台に実写化。2015年に同局で制作放送された『オリエント急行殺人事件』に引き続き、三谷幸喜脚本、野村萬斎主演で送る第二弾。

 

殿里村唯一の医師である柴平祐は隣人の勝呂武尊に書き上げたばかりの原稿を渡して読んで欲しいと頼む。その原稿は『殿里村における黒井戸録助殺人事件の考察』と題され、先頃起きた殺人事件の内容を柴がまとめたものだった。早速勝呂はその原稿を自宅に持ち帰り、読み始める。昭和二十七年、唐津佐奈子がベッドの上で死亡する事件が起きた。検死に駆り出された柴の見立てでは佐奈子は睡眠薬の飲み過ぎによる死亡。佐奈子は未亡人で夫を殺害した暗い噂があるが、現在は村一番の黒井戸録助と交際中であるのは村人なら誰もが知る事実である。愛する佐奈子の死を知り肩を落とす録助は柴に話があると家に呼びつける。録助の話とは佐奈子から夫を毒殺したと打ち明けられていた件についてだった。しかも録助は佐奈子から遺書を受け取っていた。遺書を一人で読みたいという録助の希望を聞いて一旦家に帰った柴だったが、録助が死亡したと連絡を受けて慌てて黒井戸邸へ駆け付ける。

 

何故に黒井戸何だろうと思ったら、原題のアクロイドの先頭のアを除いて漢字にしただけという脱力物のユーモアに笑った。

 

原作で探偵として活躍するのはエルキュール・ポワロというかなりアクの強い引退した名探偵だが、このドラマで演じているのは野村萬斎。見た目は異なるものの、喋り方は相変わらず良く似せている。この和製ポワロ、即ち勝呂だが、彼の行動には不可解な部分が多く、一体何を考えて行動しているのかが今一つ判りづらい。しかしこの不可解な行動が最終的に一本の線で結ばれていく展開は興味を惹かれずにはいられない。

 

やはりミステリーの舞台は昭和までだろうと、この作品を見るとつくづく思わされる。そもそも原作が古い時代に書かれた作品であるため、これを強引に現代舞台で再現させようとすれば非常に無理が生じる。しかしこの時代ならば再現は可能。それを見極めるのもドラマ制作の重要なポイントである。

 

さて勝呂があまりに強烈なキャラクターであるため、他の登場人物の追随を許さないのだが、今回は特に斉藤由貴が演じた噂好きの医者の姉というのも強烈である。しかも噂好きに妄想癖まで加えられ、尾ひれどころじゃ済まなくなっているのだが、それが妙に当たってしまうのが不思議。本人も「隠し事は私に言っては駄目よ」と宣言する一幕があり、どうやら本人も秘密が出来ない性格だと認識しているのも面白い。また殺害された録助の姪も単なるお嬢様かと思いきや、意外と腹黒い部分があり、不思議な魅力を醸し出していた。

 

古き良き時代のミステリー。また制作されないものだろうか?

 

満足度は★★★★★

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探偵物語

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 斉藤工、二階堂ふみ、長谷川京子 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

超セレブなお嬢様女子大生とそのボディガードを務める事になった冴えない中年探偵のコンビが、探偵の元妻が巻き込まれた殺人事件に否応なしに巻き込まれていく。約束の五日間、お嬢様を守り抜く事が出来るのか?ハラハラドキドキのラブミステリー。原作は赤川次郎著の『探偵物語』。同作の実写化は1983年に公開された薬師丸ひろ子&松田優作主演の映画が有名だが、ドラマ化はこれが二度目。今回のドラマの場合映画版の方を強くイメージ(特に身長差・ビジュアル)して制作されている。

 

総合調査エミネント・ワークスに所属する探偵・辻山秀一は仕事中に大きな屋敷の門によじ登っている女子大生・新井直美と出会う。まさか辻山が探偵だと思わなかった直美は、辻山を不審者扱いした挙句、せっかく集めたデータメモリを壊してしまった。おかげで辻山は依頼主を怒らせてしまい散々な目に遭う。そんな中、辻山に長谷沼君江が謝罪に訪れる。君江は新井家の家政婦で、直美は新井家の超セレブなお嬢様だったのだ。五日後には会社経営を学ぶためニューヨーク留学する予定だが、直美は毎日遊び歩き、おまけにかつての恋人・三好からストーキングされているらしい。君江は100万円の札束を出して直美のボディガードを頼みたいと言って来た。クビのかかった辻山は渋々依頼を受けるのだった。ところがその矢先、かつての同僚から辻山の元妻・本宮幸子が殺人事件の容疑者になったと知らされる。殺害されたのは矢代和也。防犯カメラの映像には和也の遺体が発見されたホテルから出て行く幸子の姿が映し出されていた。しかも幸子は辻山と別れた後、政財界を牛耳るフィクサー・国崎の愛人となるが、同時に和也とも情事を重ねていたのだ。元妻とは関係ないと宣言し、直美のボディガード(子守)の仕事に務める辻山だったが、直美は束縛を嫌って何とか辻山の監視から逃れようと反発するばかり。その矢先、直美が三好に拉致されてしまう。

 

現在のコメディーと言えば常にドタバタが必須で山も谷もないものが多い。赤川次郎作品はその前身を作った感じはあるのだが、そこにはしっかりとした道筋があり、ミステリーとして成立している。今回の実写化でもそうした1980年代のドラマのノリに近いものがあり、懐かしい感じがした。現代の主流から言うと少々爆発力に欠いて大人しく映るかも知れない。

 

本来、原作に登場する探偵は冴えない中年のおっちゃんであり、映画版の松田優作がそうであったように今回の探偵役の斎藤工はとても原作通りの探偵とは言えない。年齢的には二十歳の女の子から見ればオジサンの年齢でも、スーツを着ればびしっと決まり、二十歳の女の子がうっとりとしてしまう格好の良過ぎるオジサンである。どう頑張っても原作通りとはいかない。しかしそれを逆手にとったのが映画版の探偵物語であり、今回のドラマでもその良さをそっくりそのまま活かしている。映画を観ていた年代には堪らないだろう。またストーリーは違うが映画の名場面を再現したり、歌手は違うが主題歌はそのままだったりと色々趣向を凝らしている。

 

勿論、時代遅れと感じる部分は多分にある。超セレブなお嬢様は本当にベタなお嬢様だったし、科学捜査に頼りっ放しの現代の警察感はゼロ。ただそういうものが通用する時代を懐かしむという楽しみ方もあるものだとしみじみ感じた。

 

さて全編を見て強く感じたのは爽やかであること。ストーリー自体は暴力団が出て来たり、ストーカーが出て来たりと闇の部分も多く登場するのだが結構あっけらかんと表現され、努めて爽やかに仕上げている。映画で話題となった空港の場面も、青春映画のようで、あれ?こんな話だったっけと首を傾げてしまう。爽やかさが制作側の意図だったのだろう。流石にこの爽やかさは過去作品には無いオリジナルである。

 

懐かしさに★★★★★

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浅見光彦シリーズ第53弾 浅見光彦殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 中村俊介、上原多香子、真瀬樹里 他

【放送】 2018年(フジ)

 

内田康夫のフリーライター浅見光彦が活躍するシリーズ第五十三弾!ふらふらと根無し草のような生活を送る浅見光彦が事件を解決するスタイルが好評で、各局で独自のシリーズが展開される人気トラベルミステリー。フジテレビでは二代目浅見光彦として中村俊介が十六年間に渡って主演と務めてきたが、今作を持って最後となる。原作は内田康夫著『浅見光彦殺人事件』。前作が放送されてから三年の月日が流れているが、その間にレギュラーメンバーの一人である野際陽子、そして原作者の内田康夫が死去するという状況での制作となった。

 

母親が世界一周クルーズ旅行に行っている中、フリーライターの浅見光彦は母親の言いつけを守って探偵業から距離を置いていた。しかし知人である内田康夫は母親が留守なのを良い事に光彦に小説のネタは無いかと相談に訪れる。それを見越していたのか母親から釘を刺す手紙が届き、内田康夫も諦めざるを得なかった。そんな中、寺沢大輔が広島出張中にホテルで殺害される事件が起きる。寺沢の妻は昨年末に亡くなっているが、作家で浅見家とも交流のある女性だった。一方、両親を立て続けに失った寺沢詩織は失意のどん底に立たされていた。大輔の部下の野木は未だ詩織にご執心で、寺沢が二人の仲を認めていたと嘘までついて詩織とよりを戻そうと近付いてくる。ところがその野木も柳川へ行くと言い残したまま消息が判らなくなってしまう。今の詩織が頼れるのは母親の知り合いだと訪ねて来てくれた浅見光彦だけだった。詩織は光彦にも柳川へついてきて欲しいと浅見家に電話をするが、取り次いでは貰えず一人で柳川を訪れる。ところがその時すでに野木は何者かに殺害されていた。

 

おっ、今回の浅見光彦は積極的!

 

それまで数々のヒロイン達と悲恋を迎えた浅見光彦だが、最後の作品だけについに恋人が出来るのかとワクワクしながら見守っていたが、解決編に来て思わず脱力。やっぱそーですよねー。ややネタばれになるが、やはり浅見光彦は最後まで浅見光彦だった。

 

それはともかく久々の浅見光彦シリーズの最新作になるこのドラマ。口煩い母親役の野際陽子が昨年亡くなり、もう新作は制作されないのではと危惧していたが、区切りをつけるためのドラマ制作に踏み切った決断には感謝したい。今回、浅見光彦の活躍らしい活躍場面はあまり無かったものの、過去作からの切り張りで野際陽子の母親姿が拝めたのは嬉しい収穫だった。その一方でもうこの浅見光彦シリーズの面々が見られなくなるのは寂しくもある。また新たに浅見光彦シリーズは制作されるのだろうか?新たにシリーズ化されても現代舞台だからと陳腐なアレンジを加えられるのは堪らないが・・・。

 

満足度は★★★★★

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静おばあちゃんにおまかせ

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 岡田結実、草笛光子、要潤 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

女子大生と刑事のコンビが元裁判官のお婆ちゃんから助言を受けて事件を解決するミステリードラマ。原作は中山七里著の『静おばあちゃんにおまかせ』。

 

世田谷区成城の洋館で暮らす高円寺円と祖母の静の一日は世間を賑わすニュースを見て熱い議論を戦わせる事から始まる。実は静は元裁判官と言う経歴の持ち主。日本で二十番目の女性裁判官だと言う。円も静を見習って法学部に通う女子大生だが、まだまだ修行中の身。常日頃から実地訓練の機会に恵まれないかと手ぐすねを引いていた。そんなある日、横浜埠頭で殺人事件が発生する。被害者は神奈川県警の警察官の久世達也。銃弾で胸射抜かれており、その銃弾のライフマークが同じく神奈川県警の椿山道雄の所持する拳銃のものと一致した。結果、椿山は逮捕されるが、椿山の人柄を良く知る葛城公彦刑事はどうしても信じられなかった。丁度その頃、葛城は円からキャンパスに呼び出される。実はかつて葛城はキャンパス内で起きた連続窃盗犯の犯人を誤認逮捕しようとしていた所を円に救って貰った経緯があるのだ。円と落ち合った葛城は事件の話を円に聞かせる。

 

探偵物というには女子大生の高円寺円がまだまだ未熟な素人で、警察物と呼べるほど玄人気質の内容でも無い。殺人事件の謎を解明する目的はあるものの、一般人が親しみ易い範囲にとどまったミステリーであり、トリックも何処か懐かしさを感じる。ヒロインの円の明るく元気な様が爽やかで、葛城の刑事らしからぬ腰の低さもまた魅力である。二話完結にしてしまうのが勿体ないくらいのほんわかした雰囲気の良いミステリーだった。

 

勿論、難点が全くないわけでは無い。主演の岡田結実は元気は良いが演技の方はイマイチ。ただそれが逆に素人っぽい女子大生探偵をリアルに見せている面もある。また警察が事件を解決するがちがち硬派のミステリーを好む人には物足りないだろうし、かといって視聴者を釘付けにするような尖った個性があるわけでもない。個性と言えば祖母の静なのだが、ラストでその辺も明かしてしまっているためもう続編は作らない予定なのだろう。

 

昨今、めっきり減って目にする機会の無くなったアイドル主演の二時間サスペンスを何となく彷彿させる。ヒロインの元気と明るさで乗り切った感のある内容だが、だからと言ってとんでも展開に走らずにきちんとミステリーをしている所に好感を持った。こういう系統のミステリーは最近少なくなっているだけに、もっと制作されて欲しいものである。

 

満足度は★★★

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越路吹雪物語

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【出演】 瀧本美織、大地真央、木南晴夏 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

歌の大好きな少女がやがて大物シャンソン歌手へと成長する。越路吹雪の波乱万丈の人生を描いたヒューマンドラマ。ナレーションは真矢みきが担当する。

 

時は昭和7年、満州事変等々日本が大陸に勢力を伸ばそうとしている時期。小学二年生の河野美保子は歌が大好きな少女だった。あまりに好き過ぎて授業中に関わらず歌い出してしまう程。起こった先生が廊下に立たしても美保子は全く懲りない。廊下で立たされたまま歌い出してしまう始末。とうとう先生の怒りを買って校庭を走らされても、歌いながら走ると言う本当に歌の好きな少女だった。愛称はコーちゃん。これは後に越路吹雪として有名になっても変わらず呼ばれていた相性だった。学校から帰った美保子は病弱な姉の真佐子や妹、弟たちと一緒にラジオを聴き、流れて来る歌と一緒に美保子も歌うのが習慣になっていた。河野家では学校から何度も先生が訪ねて来ては手に負えない美保子の事を告げに来るのも問題となっていたが、それ以上に心配なのが真佐子の病気だった。また入院するとなると、幼い子供達の面倒を看る人間がいなくなってしまうのだ。ある日、美保子が学校帰りに足に怪我をして帰宅すると、真佐子の病状が悪化していた。怪我の事を言い出せないまま美保子は我慢していた。ところが益代の留守に真佐子が吐血。美保子は寝間着が真っ赤になるくらい出血しながらも真佐子を負ぶって病院まで運んでいく。

 

越路吹雪の八歳から亡くなるまで(五十六歳)の実に四十八年に渡る人生を描いた内容であるため、少女時、青年期、絶頂期と三部構成となっている。それぞれの時代で越路吹雪を演じる役者が異なり、岩渕心咲、瀧本美織、大地真央が主演を担当している。その他、越路吹雪と共に生きる岩谷時子、内藤法美に関しても異なる役者が演じていて、一人の役者が演じ切るタイプの作品では無い。ただ違和感があるのも事実である。越路吹雪に関して言えば、青年期を演じた瀧本美織が演技は申し分ないのだが、むしろ自由奔放で人に好かれる越路吹雪のイメージに近いとさえ感じたものの、歌に関して青年期だけ少々見劣りがしてしまう。やはり舞台で喉を鍛えている役者と横並びにされるのは可哀想である。ましてバトンタッチした相手が元宝塚の大地真央。とても還暦過ぎたと思えない舞台映えする歌声と容姿は他を圧倒していて、芸の面で差が出過ぎてしまった。

 

尚、少女期から青年期への移行はさほど違和感を覚えなかったが、青年期から絶頂期への移行は色々な意味で違和感だらけの幕開けとなった。勿論、回が進めばその違和感にも慣れてあまり気にならなくなったのだが、青年期の瀧本美織&木南晴夏のコンビが好演していただけに越路吹雪が35歳の時点でバトンタッチしてしまうのはあまりにも尚早だったように思った。老けメイクをしてこのコンビで最後まで演じてしまうのもアリかと思えるほど。更に言えば絶頂期の内藤法美を演じた吉田栄作が老け顔もいい所なので、あの顔で30歳(絶頂期スタート時点)と聞いて愕然としてしまった。同じく岩谷時子も絶頂期が始まった途端額に深い三本線。どう若く見ても50歳は過ぎているとしか思えない容姿だけに、せめて絶頂期ではなく晩年だけのキャスティングにして欲しかった。

 

越路吹雪が亡くなったのは1980年。生前の彼女の活躍を知っているのはおそらく六十代以上の年代では無いだろうか。それより下の年代になると越路吹雪の名前を聞かされてもあまりピンと来ないし、ともすれば教科書に登場する偉人達と同列のような感覚がある。このドラマの中だけで知る越路吹雪は自由でやりたい事をとことんまでやり抜く芸の人。人生をあんなにもエネルギッシュに楽しむ彼女の姿に驚かされるばかりだった。また一流の芸人は一流の人間を見抜くのか、越路吹雪を取り巻く人々のそうそうたるメンバーにも驚かされる。特に越路吹雪と岩谷時子の姉妹のような関係性が素晴らしく、妬ましくもあった。

 

満足度は★★★★★

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大女優殺人事件 〜鏡は横にひび割れて〜

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【出演】 沢村一樹、黒木瞳、財前直見 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

大女優の開催したパーティーで招待客の一人が毒殺される。一風変わった警部が連続殺人事件の謎を解明する本格ミステリー。原作はアガサ・クリスティの名作『鏡は横にひび割れて』(ミス・マープルシリーズ)。このドラマはアガサ・クリスティ2夜連続ドラマスペシャルの第二夜として放送された。

 

三月四日、大映撮影所では映画『鹿鳴館の華』の撮影がクランクアップを迎えた。主演女優は綵まど香。彼女の映画出演は実に十三年ぶりで、復帰第一作である事もさることながら、彼女がその撮影のために近くに大きな屋敷『神の館』を購入した事も大きな話題となっていた。三月六日、まど香は神の館でパーティーを開催する。パーティーには映画関係者の他、地元の名士、館の前の持ち主、そしてまど香をライバル視する朝風沙霧の姿もあった。事件は沙霧が会場を後にした直後に起きた。館の前の持ち主である神ノ小路凛が突然死亡したのだ。現場に駆け付けた警察の捜査で、凛の飲んでいたカクテルに劇薬カルノールが混入していた事が判明する。カルノールはまど香が日常的に服用する鎮静剤に含まれる成分で、一日二錠までなら体に害は無いと医師から指示を受けている。またなかなか水に溶けないカルノールの特性上、現場検証にやってきた警視庁捜査一課特別捜査係の相国寺警部は即座にこれは意図的に命を狙った殺人と断定する。しかもその日、凛の飲んだカクテルは元々はまど香が手にしていたもので、まど香が命を狙われていると判る。

 

一見、何の関わり合いを持たないような招待客が過去に様々な因縁を持ち、まど香に繋がっていく。相国寺はこうした複雑に絡み合う人間模様を次々暴いていく。その結果、華々しい復活劇を見せたまど香の人間性を知り、彼女の辛い日々を目の当たりにする事になる。招待客の一人である凛の殺人事件から始まり、秘書、執事と人が殺害されていく連続殺人事件。誰もが犯人となる機会があるだけに疑わしい人物は多数いる。ある意味、どの人間も怪しいのだ。唯一判っているのが最初に狙われたのがまど香である事実。ここから相国寺は独自の視点で事件の真相を探り当てる。

 

連続殺人事件と言えば犯人は鬼畜とも非道とも思えるが、そこには殺人に手を染めなければならなかった事情が存在する。現在は享楽殺人等犯行動機のない殺人も普通に見られるが、古典派ミステリーのように如何ともし難い殺人動機が存在していなければミステリーとしての趣を欠いてしまう。アガサ・クリスティーの描く世界はそうした一つの殺人事件を解き明かす過程で、登場する多くの人々の性格や人生を垣間見る事が出来るのが特徴である。だからと言って、昨今のラノベ小説や漫画のように登場人物一人一人の人生を語り始めて尺伸ばしするのは本末転倒であるが・・・。人間ドラマの上に成り立つ殺人トリック。まさにミステリーの教科書のような作品である。

 

ただラストに関してはもう一捻りが欲しかった。実際、もう一捻りするだけの伏線はあっただけに、順当な終わらせ方をしてしまった事が残念である。また出来る事なら、相国寺を探偵役に据えて警察に絡ませるのではなく、ゴシップ好きな御婦人の探偵役で制作して欲しかった。

 

満足度は★★★★★

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パディントン発4時50分 〜寝台特急殺人事件〜

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【出演】 天海祐希、石黒賢、前田敦子 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

寝台特急の中で殺人事件が起きた。しかし死体が発見されなかったために警察は目撃者である老婆の偽証と訴えを退けてしまった。老婆の雪辱を晴らすため元敏腕刑事の女が事件の謎を解明する本格ミステリー。アガサ・クリスティの名作『パディントン発4時50分』(ミス・マープルシリーズ)を日本を舞台にして実写ドラマ化。このドラマはアガサ・クリスティ2夜連続ドラマスペシャルの第一夜として放送された。

 

特急オリオンに乗っていた天乃雀は窓越しにとんでもない光景を目撃する。それは丁度すれ違った寝台特急朝霧の中で女が首を絞められて殺される場面だった。しかし通報を受けて寝台特急朝霧を調べた警察はそれらしき遺体を発見出来ず、雀を嘘つき呼ばわりして殺人事件は無かった事にしてしまった。話を聞いた雀の嫁・天乃瞳子は激怒。雀のために瞳子自ら事件解明に立ち上がる事に。実は瞳子は警視総監賞を何度もとった優秀な刑事であったが、夫の看病のため退職し、今は民間企業に身を置く危機管理のプロと呼ばれる非常に優秀な人物なのである。当時の状況を整理して遺体が寝台特急から外へ投げ出されたと推理した瞳子は、線路沿いに広大な敷地を持つ富沢家に目をつける。スーパー家政婦の中村彩に協力を依頼して、富沢家に潜入して貰うが、この富沢家の人々は何れも一癖も二癖もありそうな輩ばかり。そんな中、子供達が遊んでいた蔵へ入った彩はそこで女の遺体を発見してしまう。

 

原作が発表されたのが1957年であるのを考えると、相当奇抜なミステリーである。今はそこから派生したミステリーが巷に溢れてしまったが、電車からいなくなった女性の遺体が線路沿いの豪邸の敷地内に隠されているなどその発想が素晴らしい。しかも遺体が発見されたからそれでおしまいというお手軽さではなく、その遺体がまたもや新たな謎を生むという二重三重に仕掛けられたトリック、そして複雑な人間関係と、現代のエンタメ性に富んだお手軽ミステリーとは比較にならない複雑怪奇な本格ミステリーはやはり見応えがある。

 

難点を上げれば原作ではゴシップ好きな婦人が探偵役を務めているものを、何故に出来る女を探偵役にしてしまったのかがネックになる。主人公に起用したのが天海祐希なので、彼女のイメージや放送したテレビ局のカラーからどうしてもそういうアレンジにされやすいのは判る。また現代舞台の作品だけにある程度のアレンジを加えないとドラマが成立しないのも判る。だが、やはりミス・マープルの作品はそれに準じたキャラクターを探偵役にして欲しいし、それが難しいのなら別に現代舞台にしなくても良さそうな感じもする。そもそも寝台特急を取り上げる時点で現代でもかなり違和感があるのだから。ストーリーだけでなく、原作の世界観も再現して欲しいと思ってしまう。正直、義母役の草笛光子が探偵役になっても良さそうな感じだった。

 

しかし目先だけに捉われた昨今のミステリーや警察物が多いだけにこうした古典的なミステリーに接する機会があるのは有り難いものである。先駆者が如何に素晴らしいかまざまざと思い知らされる。これからもこうしたドラマに出会えるのを期待する。

 

満足度は★★★★★

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