サイレント・ヴォイス

  • 2019.03.18 Monday
  • 17:14

【出演】 栗山千明、白洲迅、宇梶剛士 他

【放送】 2018年(BSテレ東)

 

行動心理学を駆使して被疑者を100%落とす女刑事が事件を解決に導いていく刑事ドラマ。原作は佐藤青南著の『行動心理捜査官・楯岡絵麻』シリーズ。

 

小学生の少女・美優が下校帰りに何者かに誘拐された。美優の自宅には犯人と思われる男からの脅迫電話が三件かかり、使用された公衆電話をかけていた男・崎田博史が逮捕された。しかし崎田の所持していた免許証の住所のアパートには美優の姿は無かった。事件発生から二日後、事件解決を焦る捜査一課の刑事・筒井はイマドキこんな手法が許されるのかと思われる暴挙で崎田を自供させようとしていた。記録係を務める新人刑事・西野は震え上がるばかり。同じ頃、美優が誘拐された近辺でバラバラ遺体の一部が発見されるという事件が起きていた。そのせいで警察内部はピリピリしていて、筒井もそちらの事件に駆り出されていった。ところがその筒井が出て行った後に突然見目麗しい華やかな女性が入って来る。彼女は楯岡絵麻。警視庁捜査一課の刑事だが、いきなり馴れ馴れしく崎田の体に触ったり、合コンの話をしたりと西野を呆れさせる。

 

舞台はほぼ取調室。他の刑事ドラマのように直接刑事が現場まで出向いて事件を解決するのではなく、ヒロインの楯岡絵麻が取調室で犯人と思われる相手と対話する中で事件の真実を見い出していくと言う異色のドラマである。絵麻が担当するのは大抵強面の刑事・筒井がお手上げとなった類の事件。正攻法で取り調べしても全く要領を得ない容疑者に絵麻は容疑者では無く、容疑者の大脳辺縁系に語り掛ける事で容疑者の言葉の真偽を判断していく。相棒は新人刑事の西野。絵麻の行動心理学に基づいた大脳辺縁系の変化で取り調べるやり方を真似て、一度だけ西野が取り調べを行うものの、結果はお察しである。

 

ただこのドラマの場合、基本は行動心理学なのだが、絵麻はそれを行うために様々なアプローチをする。勿論、狙いはあるのだが、一般人には絵麻の狙いは判らない。そのため記録係を務める西野はその都度絵麻にツッコミを入れていく。まるで見当違いのツッコミをする西野と絵麻の対話がこのドラマの何よりの魅力となっている。

 

ちょっと俗っぽい絵麻のキャラクターも魅力なのであるのだが、取調室のみで進んでいく(時に飲みに行く事もあるが)ドラマなのであまり奥行きが無い印象を受けるのが難点である。

 

満足度は★★★★

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さくらの親子丼2

  • 2019.01.31 Thursday
  • 12:34

【出演】 真矢ミキ、柄本時生、名取裕子 他

【放送】 2018年(フジ)

 

昨年放送された『さくらの親子丼』の続編。古本屋の女主人が今度は子供シェルターの子供達に親子丼を振舞い、子供達を救うために奮闘する心温まるストーリー。

 

九十九さくらは長年付き合いのある弁護士の三谷桃子を訪ねる。現在、桃子は子供シェルター『ハチドリの家』の運営に携わっていて、何らかの理由で親から逃げて来た子供達を一時的に預かり、ハチドリの家で避難・保護していた。二人が話をしていると丁度桃子の事務所の新米弁護士・川端哲也がハチドリの家の調理スタッフが逃げ出したと報告に来る。桃子はさくらが十五年に渡って行き場を失った人々に無料で親子丼を振舞って来た腕を見込んで、今日の晩御飯と明日の朝御飯の調理をさくらに頼む事にする。二食だけならと気軽に引き受けたさくらだったが、現実は厳しいものだった。ハチドリの家にいる子供達は大人を信用せず、個人情報や刃物はスタッフルームに鍵をかけて保管する物々しい現場を目の当たりにする。明日母親へ会いに行く茜へのイジメ行為、義父に性的虐待を受けて保護されたマリア(偽名)、記憶喪失の妊婦貞子(仮名)等々、ハチドリの家にいる子供達の心を開くのは容易ではなかった。それでも親子丼を振舞い子供達に親子の大切さを訴えようとするさくらだったが、翌日茜が母親に暴力を振るわれて逃げ帰ったのを機に子供達の事情を何も理解していなかった事に愕然とする。調理スタッフを継続して欲しいとお願いする川端に、さくらはきっぱりと断る。

 

前作は古本屋の奥で色々な事情を抱えて行き場を失った人たちにさくらが無償で親子丼を振舞い、彼等の事情にさくら自ら関わっていく話だったが、今回は古本屋から子供シェルターへと舞台を変えて、様々な事情から子供シェルターに避難してきた子供達の問題にさくらが関わっていくストーリーになっている。ボランティア精神からではなく慈愛に満ちた大きな心で人々に寄り添おうとするさくらの基本的な姿勢は同じだが、今回の場合、子供シェルターという以前とは異なる場所での話なのでさくらのお節介が子供シェルターにとってはやや行き過ぎた行動と捉えられてさくら事態が思ったように行動が出来ない。また子供シェルターは一時避難所という場所だけにそこにいつまでもいられるわけではない。やがて子供達は居場所を外に見つけなければならない。そんな事情もあってドラマを見ている側からしても無理矢理型にはめられたぎこちなさを感じてしまう。

 

扱っている子供達の問題は様々ではあるものの、イマドキのあるあるの事情ばかりである。良く言えばトレンドを積極的に取り入れている内容だが、逆に言えばどこでも取り上げるような問題ばかりで目新しさはない。しかもそれぞれの問題は一話無いし二話で解決させていく構成のため、解決があっさりし過ぎて味気なかった。

 

満足度は★★★★

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平成ばしる

  • 2019.01.03 Thursday
  • 16:34

【出演】 稲葉友、阿部純子、松重豊 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

大晦日の六本木ヒルズで実在するメディア三社をコラボさせたパニックコメディー。このドラマでは民放局であるテレビ朝日、インターネットテレビ局であるAbema TV、FMラジオ局であるJ-waveが実名で登場している。また登場人物の数名が実名で登場。このドラマは年の瀬ドラマ第2夜として放送された。

 

大晦日の六本木ヒルズには様々なメディア局が存在している。その一つであるテレビ朝日では『東京らふストーリー』が今まさに放送中。アシスタントディレクターの猫宮唯は自分の企画した番組とあって緊張しながら進行を見つめていたが、突然蕎麦の数が足りないと連絡を受けて慌てて蕎麦を買いに向かった。しかもその途中で松重豊を迎えに行けとプロデューサーから指示を受けてしまう。またFMラジオ局のJ−Waveではアシスタントディレクターの江國彩香が蕎麦評論家の山根デンに食べて貰うための蕎麦を転んで床にぶち撒けてしまっていた。こちらも慌てて買いに行ったものの、大晦日だけにどの店も蕎麦は売り切れ。ようやく見つけた蕎麦を猫宮が買って行こうとしているのを見て必死に譲ってほしいと食い下がる。当然ながらどちらも引き下がる気は無い。その時、松重豊が駐車場に到着したと連絡を受けた猫宮だが、生憎その駐車場の場所を知らなかった。そこで駐車場の場所を知っている彩香が松重豊を迎えに行き、猫宮がJ−Waveへ蕎麦を届ける事に。

 

好きで始めた仕事でも色々大変な事や理不尽な事はあるもの。このドラマは大晦日の混乱の中、番組を作る側の立場に立って、頑張る人を見つめるストーリーである。色々な事が同時に起こって失敗はするし、上司には怒られるしで心はぽっきり折れてしまうけど、それでも誰かに認めて貰っていると判ると少しだけ前向きになれてまた頑張ろうと思う気持ちが芽生えて来る。猫宮と彩香の二人の若手が頑張る姿は見ていて清々しい。

 

どちらかと言うとメディア三社をコラボさせた方に重きを置いているため、本当にこんな事が起きていたら放送事故だろうと思うのだが、それよりもひょんな偶然から全てが上手くまとまってしまう事に笑えてしまう。バタバタしている現場だというのはリアルなのかも知れないが、何がどうなっているのか事態を把握するのが判りづらいのが難点である。

 

満足度は★★★★

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ドロ刑 −警視庁捜査三課−

  • 2019.01.01 Tuesday
  • 18:36

【出演】 中島健人、遠藤憲一、中村倫也 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

大泥棒と新米刑事のコンビが事件を解決する。原作は福田秀のコミック『ドロ刑』。

 

伝説の大泥棒・煙鴉の手口は何一つ痕跡を残さず不思議な煙草の香りだけを残して目当ての物を盗んでいく。未だ警察はその正体すら掴めていなかった。ある日、煙鴉は昨夜泥棒に入った家の様子を見に行った帰り、電車の中でドジを踏んだスリが乗客に取り押さえられる現場を目撃する。被害者の一人となった班目勉は自分の財布がすられた事にも気付かず、騒動にも見て見ぬふりを決め込んでいたが、スリが隠し持っていた財布を見て驚愕する。そして自分が警察官である事を白状するのだった。警察でこっぴどく絞られたのはスリでは無く班目の方だった。この男、警察官と言う自覚はまるで無く、志望動機に「公務員は安定しているから」と正直に書く馬鹿丸出し。ところが何の気紛れか警視庁の鯨岡千里が彼に興味を示す。一週間後、警視庁付近のBARで煙鴉が一人飲んでいると、溜息をついた班目が入って来る。そして何と初めて会ったばかりの煙鴉にペラペラと捜査情報を話し出し、警視庁捜査三課への大抜擢にも拘わらず、花形の第一課じゃないと不満たらたら。挙句定時帰りが出来ないから警察を辞めるとまで言い出し、話を聞かされていた煙鴉は唖然。ところがBARを出ようとした煙鴉に班目は「煙鴉さん」と声を掛ける。

 

原作はあるものの、ほぼ無視で制作されている。ジャニーズタレントを主役に起用した如何にもなアイドルドラマで、軽いノリで突っ走るドラマである。主役となる班目勉が配属された部署の面々は良く言えば個性的ではあるが、その個性がオーバー過ぎてリアル感は全く無し。お手軽に刑事ドラマの雰囲気を味わいたい人のための刑事ドラマである。多少シリアスな面はあってもほぼ八割はおふざけの内容でになっている。

 

主役の班目は新米刑事で、所謂イマドキの青年という設定。まるで使用されていないスポンジのような人間なので、煙鴉が班目に目を付けて刑事としてどうすべきかを教授して刑事として育てていくという流れになっている。泥棒が刑事を教育していくという設定は確かに面白いのだが、どうにも軽さが鼻についてドラマに入っていけない。

 

ところで煙鴉を演じる遠藤憲一だが、やけに痩せているのが気になった。頬がすっかりこけてしまい、病人のようだった。

 

満足度は★★★

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あなたには渡さない

  • 2018.12.31 Monday
  • 16:35

【出演】 木村佳乃、水野美紀、荻原聖人 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

料亭に嫁いだ女が突然夫の愛人から離婚を強要される。しかもこれは死んだ姑の遺言だと。怒りに燃える正妻と愛人のドロドロの愛憎劇。原作は連城三紀彦著の『隠れ菊』。

 

上島通子は激しい復讐心を胸に料亭『花ずみ』の前に立っていた。先頃亡くなった姑のキクは小さな料理屋だった『花ずみ』を一代で高級料亭にした辣腕の女将で、結婚の挨拶に訪れた通子に家庭を守るようにと言った。以来、二十年間姑の言いつけを守り専業主婦を続け、『花ずみ』を訪れる事も無かった。ところが二日前、夫・旬平から頼まれて花ずみの取引先である金沢にある矢萩酒造の社長・矢萩多衣と会うなり「ご主人をいただきにまいりました」と言われる。実は多衣は六年前から続く旬平の愛人で、キクも容認していたと言う。二人は初めて会った時から惹かれ合い、昨夜もホテルで一緒に過ごしていた。困惑する通子に多衣が提示したのは旬平の名前が記載された離婚届。しかも現在女将代理を務める堀口八重の名前も証人の欄に記載されていた。怒りに震える通子だったが、実はこれはキクの遺言でもあった。キクは通子を嫁として不安視していて、『花ずみ』のためにも自分が死んだら多衣と旬平を結婚して欲しいと遺言を残していたのだ。通子はキクが自分を花ずみから遠ざけていたのは、除け者にするための口上だったと知る。

 

何かに向かっていく一本気な強さを持った女性・通子がヒロインのドラマで、彼女を巻き込む四角関係がメインとなっている。通子、通子の夫の旬平、旬平の愛人の多衣、通子の支援者の笠井の四人が、時に味方となり、時に敵となり、それぞれの感情を複雑に入り乱れさせていく。あくまで通子が主役なのでドラマも通子の目線で描かれる。何分にも通子が猪突猛進タイプの女性であるため、よそ見をしないせいか、他の登場人物が何を思っているのかが全く判らない。唐突にこんな事が起こっていたと事後報告ばかりで他の登場人物の思惑が全く見えてこない難点がある。

 

また通子の心情は逐一ナレーションで解説される。そのため「ああ、そういう事なんだ」と理解するものの、実際ドラマを見ている限りでは解説されるような心情はまるで伝わってこないし、そもそもそんな感情に駆り立てられる場面なのかと疑問に思う事の方が多い。丁寧な描写と言うよりは、突発的な行動をあたかもナレーションで補っているような感じさえする。

 

総合的に見て話が古かったのでは無いかと思えてならない。現代を背景にするには其処彼処に表現の古さが見られて、現代舞台での再現は難しかったような気がする。

 

満足度は★★★

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こんな未来は聞いてない!!

  • 2018.12.30 Sunday
  • 09:45

【出演】 田辺桃子、神尾楓珠、岐洲匠 他

【放送】 2018年(フジ)

 

ある日突然、十二年後の自分が現れる。三十歳小太りで独身の処女。おまけに片想いの幼馴染みは別の人と大恋愛の末、結婚するという。悲惨な未来を変えるために恋のバトルが勃発!原作は八寿子のコミック『こんな未来は聞いてない!!』。

 

海浜高校三年生の花園佳代は幼馴染みの相川真之介に密かに恋をしていた。真之介が引っ越してきたばかりの頃は毎日のように海で遊んだ仲だったが、中学に入った頃から真之介はサーフィンやビーチサッカーに夢中になり、女の子にモテるようになった。佳代は真之介が自分に興味が無いのを悟りつつもずっと片想いをし続けていた。そんなある日、突然小太りのおばさんが目の前に現れる。それは十二年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきた三十歳の自分(独身かつ処女)。未来の佳代が言うには真之介が高校時代から付き合っていた彼女と結婚する事になるらしい。だから高校生の内に阻止するように仕向けるつもりだったのだ。とは言うものの、真之介の前では自分の気持ちに蓋をしてつい心にもない強がりを言ってしまう佳代。そんな佳代に未来の佳代は真之介の結婚相手を教える。その相手とはビーチサッカー部のマネージャーの櫛田陽。マネージャーだけに常に真之介と一緒にいるが、地味な印象のせいで完全にノーマークだった。

 

舐めてんのか!とつい叫びたくなるくらいの飛び飛びの編集に唖然。要するにノーカット完全版がFODで配信されているので、しっかりと見たければそっちで見ろと言う宣伝目的での放送のため、辻褄が合わなかったり、突然大幅に時間が過ぎていたりと最初は何が何だかさっぱり。幾ら宣伝目的だからと言っても放送する以上は最低限ドラマとして成立させるべきである。

 

まあ、それはそれとして、内容はモロ少女漫画。小中学生の女の子が好みそうなストーリーなのでターゲットはかなり絞られてしまう。お約束の展開についていけるかどうかがネックとなる。展開を急ぎ過ぎているせいなのかも知れないが登場人物の心情がころころ変わってしまい、大雑把に感じた。

 

満足度は★★

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ブスだって I LOVE YOU

  • 2018.12.29 Saturday
  • 09:31

【出演】 誠子(尼神インター)、新川優愛、正名僕蔵 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

自他ともに認めるブスの美容師が美容整形を決意する。ところが目を覚ますと美の価値観が全く逆に!異色のシンデレラストーリー。年の瀬ドラマ第1夜として放送された。

 

美容室『Shritt』で働く川端湯菜乃は出勤する度に店長からブスだと弄られる自他ともに認めるブスだった。一方、同僚の町田美里は完璧な美女で外見の差は歴然。当然ながら美里を指名する客が殆どで、湯菜乃を指名するのはいつも決まって中村ジュリオくらいなもの。現在、湯菜乃はたまに店に応援に駆け付けて来るイケメン美容師の誠也に密かに恋をしているが、こんなブスが相手にして貰えるはずがないと告白出来ずにいた。ある日、誠也が美里と食事をしているのを見掛けた湯菜乃は280万円を叩いて美容整形手術を受ける決意をする。美しく生まれ変わって幸せを手に入れるはずだったのだが、手術中に突然手術機器が暴走し、湯菜乃は昏睡状態に陥る。気が付いた時、湯菜乃は自分の部屋のベッドの上で顔に包帯を巻かれた姿で横たわっていた。ところが包帯の下は元通りの顔。落胆する湯菜乃だったが、出勤してみると店長の反応がいつもと違う事に驚愕する。何故か美の価値観が全く変わってしまっていたのだ。

 

整形手術を受けたはずが、美の価値観の全く異なる世界に行ってしまい、ブスだったはずの湯菜乃が絶世の美女になってしまうというストーリーで、通常ブスから美女に変身する話は多いが、このドラマの場合美の基準が逆転した世界に入り込んでしまう所が面白さの根源となっている。確かにドラマの中では価値観は逆転する。しかし見ている側の価値観は逆転しないので、ドラマ内で登場するドラマでは俄かには信じられない状況が展開されている。このドラマは必見である!

 

ストーリーはそこそこ面白いし、一時間の枠組みの中でうまくまとめた感じはある。ただどうしてもネックとなるのがヒロインを演じる誠子の演技。本職はお笑い芸人なので女優のようにはいかないのは判るが、流石に素人に毛の生えた程度の演技では見ていて萎える。ブスを売りにしている芸人だからブスの役。おそらく単純にそれだけの発想でキャスティングされたのだろう。

 

まあ、極論ではあるが人間というのはとかく美しい物に惹かれるものである。ただその美しさの基準は千差万別。大昔の美人が現代ではブスと扱われるのも珍しい話ではない。このドラマはそうした美意識の返還を行った事で笑いをもたらしているのだが、この考え方に男性的な物の見方を感じた。

 

満足度は★★★

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下町ロケット

  • 2018.12.28 Friday
  • 15:52

【出演】 阿部寛、神田正輝、尾上菊之助 他

【放送】 2018年(TBS)

 

下町の小さな製作所が優れた技術力を駆使して、今度はロケットから農耕機器に挑んでいく。大企業、中小企業がそれぞれの誇りをかけて未知なる技術に切磋琢磨するヒューマンドラマ。『下町ロケット』シリーズ第二段!原作は池井戸潤著の『下町ロケット ゴースト』、『下町ロケット ヤタガラス』。

 

帝国重工の純国産ロケット開発計画『スターダスト計画』では現在までに十基のロケットの打ち上げに成功している。空を飛ぶロケットを見ながら佃製作所の立花洋介は次は自分がバルブシステムを設計すると期待に胸を膨らませていた。帝国重工の社長・藤間秀樹は責任者である宇宙航空部部長の財前の手を握り、『残る一基』と口にする。実は帝国重工は次の打ち上げでロケット開発事業から撤退する可能性が濃厚なのだ。現在、帝国重工では的場俊一を始めとする反藤間派が相次ぐ赤字の経営責任を藤間に問い、藤間を退任へ追い込もうとしていた。財前から話を聞かされた佃製作所の社長・佃航平は愕然となる。またヤマタニ製作所から発注を受けていた農作機のエンジンも、技術は二流だが安さに定評のある『ダイダロス』に奪われてしまう。佃製作所は事業計画の見直しをしなければならなくなる。しかしロケットのバルブシステムの開発を夢見ている社員の気持ちを考えると、どうしても本当の事を言えなかった。ところが社員の軽部が煽るように社員の前で帝国重工がロケット開発事業から撤退すると話してしまう。

 

世界最高峰の技術力が証明された佃製作所の新たなる挑戦を描いたストーリーで、今度の課題は無人の農耕トラクター。帝国重工がロケット計画打ち切りを考えているという話から、帝国重工内の社内抗争や帝国重工に恨みを持つ中小企業の連合体の躍進等々、刻一刻と敵対する相手が変わる状況の中で、佃製作所がどう道を切り開いていくかが見どころとなっている。今回の佃製作所はどちらかと言うと自らが躍進するよりはむしろ飛んで来た火の粉を払うための戦いを強いられる方が中心となる。どこがどういう思惑で動くからそれに合わせてどうこうするのではなく、自らの立場を見極めて自社の技術力を高め、そして良い製品を作る事に徹した佃製作所の変わりない姿勢に好感が持てる。

 

今回のドラマの中で最も良い役どころを務めているのが天才技術者の島津。彼女はかつて帝国重工から天才であるが故に疎まれ、そして同じ境遇の伊丹と立ち上げた会社からも方向性の違いから追い出されてしまう。本来ならそこで心がぽっきり折れてしまう所なのだが、実は彼女が今回のドラマではキーパーソンとなっている。この役をイモトアヤコが好演している。役が役だけに素朴で美人過ぎない所がイメージに合っていた。

 

ストーリーは悪くない。佃製作所の躍進する姿はわくわくするし、様々なジャンルからキャスティングをしていて誰がどの役を務めるのかを見るのも面白かった。難を言えば、今回は佃製作所云々よりも各陣営の争いが中心となってしまっているため何か異質な感じを受けた。またラストは中途半端。勿論、これは年明けに特別編でこの続きを描いていくのを見越した上での締め括りのため仕方が無いのかも知れないが、どうにも煮え切らないままのラストが少々残念だった。

 

満足度は★★★★★

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黄昏流星群

  • 2018.12.26 Wednesday
  • 15:59

【出演】 中山美穂、佐々木蔵之介、黒木瞳 他

【放送】 2018年(フジ)

 

平凡な幸せを築いてきた夫婦に転機が訪れる。人生の岐路に佇む男女の切ないラブストーリー。原作は引兼憲史のコミック『黄昏流星群』。この作品は2000年に文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を受賞し、これまでにも何度か実写化されてきた。

 

銀行員として順調な人生を送って来た若葉銀行新宿支店長・瀧沢完治は、最優秀支店の支店長と表彰までされ、これで定年まで安泰だと信じて疑わなかった。しかしそんな完治に本店の頭取は川崎にある荻野倉庫への出向を命じてきた。その裏には守口専務のパワハラで訴えられたのだ。言わば出向は守口派閥の完治への制裁だった。他人の失敗でこれまで積み上げて来た人生が台無しにされたショックから飲んだくれ、ふとスイスへ行こうと思い立つ。悪天候の中、一寸先も見えない吹雪の中、目黒栞と運命の出会いを果たす。一方、妻の真璃子も仕事仕事で夫に相手にされない寂しさを紛らわせるように娘・美咲を大切に育てていたが、その美咲から結婚話が飛び出してショックを受けていた。そんな中、完治が出張だと嘘をついてスイスへ行っていた事が判り、女と浮気旅行だったんじゃないかと勘繰ってしまう。

 

長年連れ添った熟年夫婦が迎える人生の岐路。それをドラマティックに恋愛を交えて描いた作品で、それまで世間一般でいう所の理想像だった家族も実は蓋を開けてみれば既に家庭が壊れる寸前になっていて、それぞれがそれまでとは違う生き方を選んでいくまでを描いている。主人公の年齢がアラフィフと高い事に加え、人生の荒波を乗り越えて来た大人の恋愛という事でしっとりとした世界観の中で進んでいく。雰囲気的には非常に心地良く、様々な問題にどう対処していくかもいちいち深刻にはならないドライさ加減に現代人っぽさが感じられる。

 

何れもが不倫愛であり、あれ程までに娘にべったりだった母親の真璃子があまりにも娘の結婚や恋愛に対して寛容的過ぎるのが気になった。むしろ家庭に無関心であった父親の完治の方が娘の将来を考えて真剣に思い悩んでいるように見える。幾らドライな現代人と言えど、娘の不倫愛をあっさり認めてしまうドライさには違和感を覚えた。

 

またこのドラマは随所に都合の良い偶然が見られる。そもそも完治が栞と出会った経緯自体あまりに都合の良過ぎる偶然である。銀行から左遷された会社の食堂で働いていたのが栞だったなんて、ロマンティックに受け止めれば二人が運命で結ばれた相手だったという奇跡になるが、冷めた目で見ればそんな偶然があるか!と呆れ果ててしまうくらいの偶然である。真璃子の不倫愛にしたってそうである。こちらは下手な偶然は無いが、親子同然の年の差カップルに違和感を覚えない方が無理だろう。そして最後に迎えた崩壊した家族がそれぞれ幸せになるという大団円も何の茶番かと思わずにはいられない。しっとりとした大人のラブストーリーではあるのだが、何処かちぐはぐさが垣間見えてしまう。

 

満足度は★★★★

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犬神家の一族

  • 2018.12.25 Tuesday
  • 13:07

【出演】 加藤シゲアキ、黒木瞳、賀来賢人 他

【放送】 2018年(フジ)

 

これまで何度も実写化されてきた横溝正史の名作『犬神家の一族』を加藤シゲアキ主演で装いも新たにドラマ化。莫大な遺産を巡って次々起こる殺人事件。金田一耕助が連続殺人事件の謎に挑んでいく。

 

昭和二十二年、一代で製紙会社を築き上げた犬神佐兵衛の命は風前の灯火となっていた。那須の本宅では佐兵衛を犬神家の一族がずらりと取り囲んでいたが、彼等の興味は専ら佐兵衛の命より佐兵衛亡き後残される莫大な遺産にあった。遺産を我が物にしようと欲に塗れた親族の前で、佐兵衛が遺言を顧問弁護士の古館に託していた事が判明する。遺言書の公開は関係者全員が顔を揃えてからという事になっていたが、生憎ビルマ戦線に出兵した犬神佐清が未だ復員していなかった。数か月後、金田一耕助は古館の部下である弁護士・若林から手紙を貰い那須までやって来た。ところが野々宮珠世が乗っていたボートが沈みかけていたのを目撃した金田一が救助に向かっている間、若林は金田一が泊る宿で毒殺されていた。古館は改めて金田一に遺言状の公開に付き合って欲しいと頼み込む。犬神家の親族がずらりと顔を揃えた広間では、佐兵衛の長女・松子の隣に白いマスクを被った男が並んで座り異様な光景が広がっていた。実はこのマスクの男こそが佐清だと言うのだ。疑いを晴らすべく松子は男に白いマスクを取らせる。マスクの下から現れたのは真っ黒に焼け爛れた二目と見られぬ顔だった。

 

これまでの歴代の実写化作品を見てしまったせいなのか、あまりにも軽く、あまりにもちゃちな作りで、粗さばかりが目に付くドラマとしか言いようがない。キャスティングを見回すと良くフジテレビのドラマで見掛ける顔ぶればかり。年末を飾るスペシャルドラマだけにもっと豪華な顔ぶれを期待するのは贅沢なのだろうか。

 

さてまず気になるのは加藤シゲアキの金田一耕助。何故にああも似合わないカツラを選んでしまったのか・・・。それはまあともかくとして、彼の持ち前の個性だから仕方がないのかも知れないが、演技云々以前にどうしてもドラマに溶け込まない。主役でありながらドラマと別空間で一人で演技をしている雰囲気が常に漂っている。現に彼の金田一はあまり周囲の人々と掛け合いをする場面は少ない。またこれも演技云々の問題では無いのだが、佐清&静馬役の賀来賢人がスタイルが良過ぎてしまい、昭和二十二年当時の服を着せても頭が小さくてバランスが悪い。特にそれが顕著だったのが自害しようと銃口をこめかみに当てた場面だった。何とも細くて頼りなく、軍服を着ているのに軍人っぽさがまるで感じられない。また黒木瞳の松子も気品はあるものの、犬神家の長女としてどっしりと構えた強さがなく、どちらかと言えば洋風のイメージを受ける。

 

ところでストーリーはと言えばこれはまあ秀逸な原作ありきなのでその道筋を辿れば良いわけだが、それをいかに演出するかで随分印象が変わって来る。また脚本や構成などもそのドラマの出来に大きく関わって来るものである。横溝正史作品はミステリーであると同時にホラー作品のような側面もある。そのため映画では特にそのホラーの部分を強調して見る側にインパクトを与えるように意識されているが、その点においては今回は全くホラー的な要素はない。何が起こるか判らないサスペンス的要素、臨場感、恐怖感等々が欠如していて、むしろとにかく決められた時間内に全ての物事を詰め込んでしまえというのが優先事項になっている。何とも味気ない話になってしまったというのが正直な所である。おまけにそれだけ進行を急いだ割には解決編に時間を割き過ぎ(放送時間の半分近くが解決編)。ドラマの構成バランスが極めて悪い。特に人間関係に至っては不要とされたのか、内容的に問題ありと考えたのかは判らないが、どろどろとした人間関係を省いたせいでドラマ自体に重みがなくただイベントをこなしていくだけのドラマに成り下がっている。野々宮大弐と犬神佐兵衛の関係は何処にー!!

 

名作もここまで軽んじられてしまったかと思うと悲しいものがある。

 

満足度は★★★

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