大恋愛〜僕を忘れる君と

  • 2018.12.16 Sunday
  • 15:17

【出演】 戸田恵梨香、ムロツヨシ、松岡昌宏 他

【放送】 2018年(フジ)

 

アルツハイマーを発症した女医と売れない小説家の十年に渡る最後の恋を描いたラブストーリー。

 

2013年、KITAレディースクリニックの医師・北澤尚はこれまで恋愛経験はあっても恋愛にのめり込んだ事が無かった。そろそろ年齢的に結婚しようと思い立ち、アメリカでアルツハイマー病を研究する井原侑市と見合いをする。二人は価値観が似ていて、体の相性もバッチリ。結婚相手としてこれ以上の組み合わせは無いと思われた。双方の親も二人の結婚を祝福し、とんとん拍子に結婚話は進んでいく。侑市が海外に在住のため、結婚の準備は全て尚が行っていた。新居に引っ越した尚が帰宅すると、尚の部屋は水浸しになっていた。たまたま段ボールの回収に訪れた引っ越し業者の男が助けてくれたものの、愛書の『砂の上のアンジェリカ』もびしょ濡れになってしまう。実は彼は『砂の上のアンジェリカ』の作者・間宮真司だった。そうとは知らずに尚は真司と飲み屋へ行き、意気投合する。

 

これまでにも恋人の一方が病気で残された時間を精一杯生きるというラブストーリーは沢山あったが、今回は若年性アルツハイマーを患ったヒロインという設定を用いただけのラブストーリーと高を括っていたらとんでもなかった。脚本もそうだが何と言ってもキャスティングの良さが素晴らしい。主役にイケメンの俳優を差し置いてまさかの二枚目半のムロツヨシ。しかも役柄上はイケメンな役どころと来ているから驚きである。美女と野獣的なギャップを狙っているのかと思いきや、これがまたヒロインの戸田恵梨香との相性が非常に良く、美男美女のカップリングよりずっと親近感を覚える。序盤から二人のイチャイチャぶりが自然で、ドラマなのにまるで友人のイチャイチャを傍で見せられているような錯覚に陥るのだ。

 

また振られるのが何れもイケメンばかりというのもナイスだった。地位も名誉も容姿も全く関係ない。運命の出会いを果たした二人は恋愛の駆け引きをする事無く純粋で一直線で好きな人しか見ていない。何の駆け引きも無い一途な愛情が敗退するイケメン達によって余計に強調され、二人の愛の強さを示してくれる。

 

最終回は特に涙なしでは見られない展開でこれはヤバい。病が進行した尚を悲しみを押し殺して傍にいる真司の姿は勿論、それ以外にも一瞬しか登場しない悪役の小池徹平の姿も怖いくらいインパクトがある。若年性アルツハイマーの現実を直視させられて、ただの純愛ドラマで無いと見せ付けられてしまう。

 

こんな風に愛し合えたら、こんな風に愛されたら・・・。憧れずにはいられないラブストーリーだった。

 

満足度は★★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

獣になれない私たち

  • 2018.12.15 Saturday
  • 02:34

【出演】 新垣結衣、松田龍平、田中圭 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

本能のままに本音で生きてみたい。ストレスだらけの世の中で現代の三十代の男女がどう自分と向き合っていくかを描くヒューマンドラマ。

 

ECサイト制作会社『ツクモ・クリエイト・ジャパン』は九十九剣児が社長を務めているが、あまりのワンマンぶりに嫌気が差して社員が次々辞めてしまった。その皺寄せがこの会社の社員で、本来は営業アシスタントとして採用された深海晶に一気に押し寄せている。晶は何かと気の付く性格故、同僚の尻拭いから社長秘書の代わりまで全てやらされているのだ。しかしどんなに頑張っても報われず、結局社長からも取引先からも叱られるのは晶。そんな日々を過ごす内に晶は精神的にすっかり疲弊していった。晶が癒しを求めて行きつけのクラフトビールバー『5tap』へ立ち寄ると、そこには常連客の根本恒星がいた。恒星に完璧な笑顔が気持ち悪いと言われた事が晶の胸に突き刺さる。晶の悩みは仕事だけでは無く、恋人・花井京谷との関係にもあった。京谷は未だ元カノ・長門朱里と同棲中。正確には京谷と朱里はとっくに切れているのだが、朱里が京谷に寄生して生きているのだ。そんな朱里を京谷も突き放せない。仕事で追い詰められた晶は思い切って笑顔を止め、恒星に新しい恋がしたいと本音を吐露する。

 

このドラマを見てまず思うのはキャスティングが豪華だと言う事。三十代の俳優陣の中でも注目株がこのドラマに集められている。ところがこれだけ豪華な顔ぶれだとしても、魅力を感じないドラマである。ドラマの意図している所はリアルな三十代の姿であるのだが、何かと問題を起こしては拗らせるばかりなのでスッキリ感がない。八方ふさがりの状況ばかりを作って見ている側のイライラを煽るドラマである。

 

そもそもこれがリアルな三十代の姿なのか?と問われると疑問である。トラブルを発生させるためにあまりにも苦しい状況を作り過ぎてしまった感じがある。ヒロインは有能なOL。社長からどんな要求をされても瞬く間に答えてしまう能力故に、いいように使われてしまって、それでいて周囲の事を考え過ぎる性格のため無理な要求も断れない。恋人とは結婚間近のはずが、未だに元カノと同居中。ドラマの趣旨としてはそんなストレスだらけの世界から飛び出して自分らしさを取り戻すという趣旨なのは判る。しかし当のヒロインがそれを望んでいるわけでも無い。何となくだらだらと問題を長引かせて最終話まで引っ張った感じで、続けて見たいという気持ちが起きない。

 

またラブストーリーの面もあるにはあるのだが、これが大人の恋愛と位置付けてしまっているため、恋愛に冷め過ぎて全くときめきがない。終わってしまった恋への未練ばかりがクローズアップされていて、寂しい限りである。

 

満足度は★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

僕らは奇跡でできている

  • 2018.12.14 Friday
  • 10:19

【出演】 高橋一生、榮倉奈々、要潤 他

【放送】 2018年(フジ)

 

何かが気になると没頭してしまう性格の変わり者の大学講師が、変わり者故に引き起こしてしまう様々な出来事を綴ったハートウォーミングストーリー。

 

都市文化大学で講師を務める相河一輝は動物に対する興味が人一倍強いのだが、それ故大学へ行く途中で何かに気を取られると時間を忘れて夢中になってしまう欠点がある。大学も遅刻ばかりで、出席も取らないため学生たちは相河の講義を出ても出なくても良い講義と位置づけている。大学の事務長・熊野はおかんむりだが、本人はまるで気にしていなかった。しかし相河は生命科学部学部長の鮫島のお気に入り。教授の椅子を狙う准教授の樫野木には面白くない。ある日、歯痛を訴えた相河は鮫島に紹介された水本歯科クリニックを訪れる。水本育実院長が担当となり診察すると、虫歯の状態は非常に悪く、もはや治療困難な域に達していた。通常ならば虫歯を抜いてインプラントを入れるところだが、話を聞いた相河は治せないなら治せる別の歯医者へ行くと言って帰ってしまう。

 

世の中は一般的でない存在を疎ましいと感じてしまう事が多い。人の数だけ個性はあるのに、こうであるべきであるという知らず知らずの内に作ってしまった檻からはみ出してしまった者を出来ない、変わっている、おかしいと位置付けて遠ざけてはいないだろうか?

 

このドラマはそんなはみ出した人間の一人である一輝を主役にしたドラマで、彼を取り巻く優しい世界を描いたストーリーになっている。考えようによっては酷く深刻になっても良さそうな内容なのだが、優しい世界とあるように決して拒絶されてぼろぼろに傷付く彼を見るドラマにはならない。拒絶する人がいても彼を理解する人達が彼をしっかりと見守り、彼が目指す方向へ送り出していく。そんな優しさにほっと心が癒されていくのである。

 

ドラマ内で動物を扱っているのでそれだけでも癒し系のドラマになるのは間違いないのだが、殺伐とした世の中で急ぎ足で生きる人々に見えている世界が全てでは無いのだと教えてくれる。視野を広げる事で心にゆとりを持たせる事が出来るのだ。おかしな強迫観念を自分自身に植え付けて生き辛くなっていないだろうか?そんな人には是非お勧めのドラマである。

 

満足度は★★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

駐在刑事

  • 2018.12.09 Sunday
  • 11:42

【出演】 寺島進、黒木瞳、佐藤寛太 他

【放送】 2018年(テレ東)

 

奥多摩の駐在所に勤務する警察官が奥多摩で起こる事件を解決する刑事ドラマ。原作は笹本稜平著の『駐在刑事』、『駐在刑事 尾根を渡る風』。

 

五年前、事件の重要参考人が取り調べ中に服毒自殺する警察にとって不名誉な事態が起きた。当時、取り調べを行っていたのが警視庁捜査一課の刑事・江波敦史。江波は全責任を負わされ、東京の西の外れ、奥多摩にある水根駐在所へと異動になった。しかし江波は奥多摩の大自然の中、その地に住む人々の優しさや温かさに触れ、すっかり奥多摩の駐在さんとして馴染んでいた。そんなある日、水根旅館の跡取り息子・池原孝夫が内田遼子と共に山岳ガイドとして山を巡回している最中、工事現場の作業員・中西と喧嘩になり江波が駆け付ける事態になった。その翌日、江波は川の近くで中西の遺体を発見する。殺人事件だけに早速警視庁捜査一課の管理官・加倉井国広が現場へ出向き、捜査本部を発足させる。実はこの日、奥多摩署に新しい署長が就任する日でもあった。署長に会った江波は愕然となる。新しい署長は警視庁捜査二課の理事官というキャリアの緒方綾乃。名目は署長補佐の軽部翔平の教育のためとなっているが、本当の目的は江波を潰す事。五年前の事件で服毒自殺したのは綾乃の妹だったのだ。

 

刑事ドラマやサスペンスが全盛だった頃のドラマをそのまま再現したようなドラマで、現代舞台となってはいるものの時代にそぐわない世界観である。毎回事件を元敏腕刑事だった駐在さんが解決していくのかと思いきや、これがまた最終的に大きな権力に挑んでいくというお約束の内容。勿論、それを毎回事件を解決する裏で小見出しにして終盤で一気に解決していくという構成になっているのだが、それなら何も奥多摩の自然満載の舞台でやる必要はない。もっとここだから成り立つ事件を扱ってドラマに特徴を持たせた方が良かった。初回はそういう節が見られたが、二回目以降は何処かで見たような展開ばかりで退屈だった。

 

また登場するキャラクターも微妙である。主役の江波は駐在さんとしてキャラを確立していたが、キャリアの緒方署長はキレ者という割にはミスが連発でキレ者らしい部分があまり見られない。また自信過剰の若手キャリアの軽部は完全に一時記憶能力だけのためにメンバーに入った感じだった。軽部と内田遼子、池原孝夫の三角関係なども交えれば面白くなりそうなのに、そういう雰囲気を匂わせておいておざなりにされるのはお預けをくらった気分になる。

 

満足度は★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

ブラックスキャンダル

  • 2018.12.07 Friday
  • 16:37

【出演】 山口紗弥加、松本まりか、安藤政信 他

【放送】 2018年(日テレ)

 

スキャンダルを捏造され芸能界から抹殺された元女優が整形をして自分を陥れた人間に復讐する。芸能界を舞台に行われる復讐劇。山口紗弥加はこのドラマが初主演。

 

藤崎紗羅は芸能事務所フローライトの看板女優。しかし五年前、突然不倫スキャンダルに見舞われ、マネージャーの花園由祐子の勧めで記者会見を開いたのだが、その会場に不倫相手と噂された俳優・棚城健二郎が乗り込み不倫を認めて謝罪したため、紗羅は否応なしに世間からのバッシングを受ける事となった。しかも娘のスキャンダルに追い詰められた紗羅の母親は報道陣の前で頭から灯油をかぶり、生中継中に焼身自殺。女優生命を絶たれ、母親の自殺を目の当たりにした紗羅は以来魂の抜け殻のようになってしまう。そんなある日、紗羅の元に阿久津唯菜が訪ねて来る。実はあのスキャンダルを企てた人間が三人いるというのだ。その三人とは事務所社長の勅使河原友和、マネージャーの花園、そしてプロデューサーの五色沼仁。棚城は三人に頼まれて記者会見場で芝居をうったに過ぎなかった。復讐を決意した紗羅は整形して矢神亜梨沙と名乗り、芸能事務所フローライト芸能2部のマネージャーとして働き始める。

 

過去に同じ時間(プラチナイト木曜ドラマF)枠で放送された木村多江主演のドラマ『ブラックリベンジ』の舞台と設定を変えただけで、展開や構成はほぼ一緒である。使用されている音楽も同系統だけにどうしても重なって見えてしまう。ある事件から地獄に突き落とされた女が復讐のために自分を変え、罠にはめた人間に一人一人地獄に落とすと言うストーリーで、味方と思っていた人間が実は敵でさらに地獄を見せられるというやってやられての救いようのない展開。でも根底にあるのは必ず男女の愛で、その愛情に救いを見い出しているのかも知れない。

 

初主演となる山口紗弥加が時に狂気を漂わせた激しさを見せつつ亜梨沙を好演している。その激しさに呼応するかの如く他の出演陣も亜梨沙と対峙する際に狂気に満ちた演技を見せる。その反面、自然な演技を披露する出演陣の影が薄くなるという悪影響も。特に片岡鶴太郎と安藤政信の二人に関してはドラマで重要なポジションを示すにも拘わらず、あまりに淡白で不自然さや物足りなさを感じた。加えて片岡鶴太郎がヨガで鍛えた体が自慢で見せたいのは判るが、正直言ってあんな老いて痩せ細った体を見たくない。ドラマには全く無関係だし、あの場面はカットして欲しかった。

 

復讐を果たしてもその先にあるのは平穏、幸福、勝利といった輝かしい世界ではない。もしかしたら復讐する以前よりももっと果てしない地獄が待っているのかも知れない。このドラマを見るとそんな風に考えずにはいられなくなる。次に何が待ち受けているのかスリリングではあるが、あまりにも殺伐としていてだんだんこのパターンにうんざりしてくる。復讐する人間もダークサイドに落ちているため、悪い奴を懲らしめる勧善懲悪の話でもなく後味も悪い。但し自分の果たせない思いをこのドラマに重ね合わせて、自分が手を下せない口惜しさを晴らすには良さそうなドラマである。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

僕とシッポと神楽坂

  • 2018.12.02 Sunday
  • 12:19

【出演】 相葉雅紀、広末涼子、趣里 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

神楽坂で小さな動物病院を営む獣医と動物たちの癒し系ヒューマンドラマ。原作はたらさわみちのコミック『僕とシッポと神楽坂』。

 

生まれも育ちの神楽坂の高円寺達也は動物病院で獣医として働いていたが、母親を心配して実家に戻り神楽坂の徳丸善次郎が営む動物病院で働く事にする。出勤初日、何故か病院は鍵がかかっていて表に『仮動物診療所』という紙が貼られていた。不審に思いつつ中へ入ると、いるのは地域猫のオギと、預けられたまま飼い主が引き取りに来ないもふもふの白い犬・大吉だけ。人の気配は無かった。驚いて徳丸に電話をすると、何と徳丸は引退して、病院は達也に任せると言い出す。一人では無理と肩を落とす達也だったが、そんな事を言ってはいられない。次々具合の悪いペットを連れて飼い主が押しかけ、しかも徳丸が診察料のツケまで許していたと知って達也は頭を抱える。そんな中、避妊手術の痕を噛み切って大量に出血した猫が運び込まれる。達也はすぐに縫合手術を行い事無きを得る。猫がそんな行動に走った原因は着せられた服にあった。達也がその話を飼い主にすると、この服は避妊手術を行ったナルタウン動物病院で着せられたものだが、その際に達也のような説明は何も無かったと飼い主は訴える。

 

動物に癒されるドラマかと思いきや、動物で繋がる人々の日常系ヒューマンドラマで、高円寺達也を中心とする人々の優しさが溢れてくる。確かに見ているだけで心が温まるし癒される。それでいてそれぞれの設定がやや複雑で回を追う毎に少しずつ紐解かれていく。最終的には平和的な結末が用意されていて心地良いドラマである。但し最終回に関して言えば何であんなに悲しい内容を詰め込んでしまったのかが解せない。本当にいきなりの急展開で、それまでの心地良さが一瞬で吹き飛んでしまうような切なく悲しい方向へと進んでいく。まるで急に終わらせなければならない大人の事情があったような終わらせ方で、達也とトキワの穏やかで静かな関係を楽しみにしていたのに、あのラストは残酷過ぎる。もっとほのぼのとした余韻を楽しめるような内容であったならと惜しまれる。

 

ところでこのドラマの中で強烈な印象を残したのが達也に片想いをする芸者・すず芽を演じる趣里である。何かと達也に付き纏い、まるでストーカーのような猪突猛進気味の役柄で、こうした日常系のドラマには割とあるある系の悪目立ちする迷惑キャラなのだが、趣里がそのままズバリを演じてドラマ内での存在感は抜群だった。果たしてこれを好演と呼んで良い物か、あくまで悪目立ちと吐き捨てるべきかギリギリのラインである。何しろドラマ内で一人だけ温度感が違うのだ。存在感があるのはドラマの世界観から外れたブレのせいでもある。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

記憶

  • 2018.11.29 Thursday
  • 16:20

【出演】 中井貴一、優香、松下由樹 他

【放送】 2018年(J:COM)

 

若年性アルツハイマーを患った敏腕弁護士が息子の命を奪ったひき逃げ事件とその背後にある冤罪事件の真実を追求する。病と闘いながら最後まで自分の尊厳を守った彼と彼の家族の感動作。韓国ドラマ『記憶〜愛する人へ〜』の日本リメイク版。ドラマ内では原作となった韓国ドラマに出演した俳優イ・ソンミンとジュノがゲスト出演している。

 

敏腕弁護士・本庄英久は桜庭記念病院の医療ミスの案件の担当を任される。桜庭記念病院の外科医・桜庭智弘が医療ミスをしたと同じ病院の真山医師から訴えがあったのだ。桜庭智弘はこれまでにも同じような問題を起こしているが、父親が病院長、兄が副院長という立場のため全てもみ消されてきた。アソシエイトの二宮正樹は正義感に燃え、桜庭智弘を糾弾するが、本庄は訴えを起こした真山の口を封じようと画策する。親友で脳外科医の沢島から真山がアルツハイマー病である事実を掴んだ本庄はそれをネタに真山を脅迫して、口封じに成功する。翌日、真山は遺体となって病院内で発見された。テレビ収録前に沢島からかかってきた電話を受けた本庄は真山の死亡と、自分が真山と同じ病を患っていると知る。愕然とする本庄の頭にここ最近に起きたちぐはぐな現象が頭に思い浮かぶ。母親から何度も同じ話をすると言われたり、探し物が思わぬ場所から発見されたり、息子の誕生日を忘れてしまったり、改めて考えてみれば何れもアルツハイマー病の兆候だった。

 

ストーリーは若年性アルツハイマーを患った主人公・本庄の苦しみや葛藤、そして彼を支える家族の話を軸に、前妻との間に生まれた息子の事件の真相を暴いていくサスペンス的な要素を伴った内容になっている。勿論、日本向けにリメイクするに当たって韓国ドラマのような本編と無関係なエピソードは全て省かれている。そのためすっきりした展開ではあるものの、その反面クライマックスとなる裁判や悪人を追い詰める場面が最終話だけに凝縮されてしまってあっさりと解決され過ぎる印象がある。

 

このドラマのテーマは家族愛。しかしそれは本庄の家族だけでなく、ドラマに登場する様々な家族の形にも目を向けている。とはいうものの子供の悪事に対する親の反応は偏っていて、どうしてこういう親ばかりが登場するのだろうと不思議でもある。まあ、ドラマにしやすいタイプの親の特徴ではあるのだが、家族に目を向けるなら他の反応があっても良さそうだと思うのも正直な所である。

 

アルツハイマーは記憶を徐々に失っていく病ではあるが、本庄はそれ以上に大切な物を得ている。自分が自分である内に録音しておいた家族への言葉は初回と最終回に登場する。しかし最終回で聴くと同じ内容なのに、その中に様々な感情が溢れてきて胸がいっぱいになる。最後に心に温かい物を残してくれる感動的なドラマである。

 

満足度は★★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

結婚相手は抽選で

  • 2018.11.25 Sunday
  • 17:21

【出演】 野村周平、高梨臨、大谷亮平 他

【放送】 2018年(フジ)

 

少子化対策として政府が発表した法案は「抽選見合い結婚法」。この法案により見合いした相手を二回までは断って良いが、三回断ればテロ対策活動後方支援隊に送られる。前代未聞の法案に困惑する対象者達の抽選見合いのドラマ。原作は垣谷美雨著の『結婚相手は抽選で』。

 

元オリンピック出場者で、現在国会議員の小野寺有紀子に特命担当大臣の任が下る。その実態は少子化対策のために与党が打ち出した法案「抽選見合い結婚法」の責任者だった。明らかに世論から反発を受けるのを覚悟で与党が敢えてこの法案を推し進めようとするのは、裏に別の案件を矢面に立たせないためのカモフラージュでもあった。有紀子は仕方なく国民に向けて抽選見合い結婚法の広報を行う。抽選見合い結婚法の対象者は二十五歳から三十九歳までの離婚経験のない独身の男女。抽選により見合いした相手は二回までは断って良いが三回目に断ると罰則としてテロ対策活動後方支援隊で強制的に働かなくてはならない。この法案が発表された後、対象者となる若者たちの結婚への意欲は高まり、自力で結婚相手を探そうと士気が高まったのだが、その一方で絶望的な思いに晒されている者もいた。その一人が宮坂龍彦。彼はそこそこ容姿は良くコンピューター企業でSEをしている。ところがヲタクで強烈な潔癖症という面を持ち、ヲタク仲間以外の人間とのコミュニケーションは取れずにいた。社内でも人に触れられるだけで嫌悪を感じ、机は毎日アルコール消毒しなければ使えず、朝から何度もトイレで手を洗わなければ気が済まない。そんな龍彦も実は恋愛がしたいと常日頃から思っていて、抽選見合い結婚法に異論を唱えるヲタク仲間の鯨井浩樹と北風祐輔に気持ちを吐露するのだった。しかし龍彦だけに限らずそこに集められた面々はそれぞれに結婚できない事情を持っていた。

 

高齢化の進む日本では少子化がゆゆしき問題である。何故なら高齢者が増える一方で、社会を支える次世代の人間が生まれなければ日本経済の破たんを招く恐れがあるからである。そこで出された法案が抽選見合い結婚法。結婚=出産では無いのだが、結婚を若い世代に義務付ければ自然と子供の数が増えるであろうと言う安直な発想の法案が成立したら?という仮定で始まるストーリーである。開始当初はその奇抜な発想だけで押していくコメディーかと高を括っていたのだが、どうしてどうして終盤に向かうに従いぐっと重みを増して来る。またその法案に関わってくる避けて通れない問題としてあげられるのがLGBT。旬の題材を取り入れているだけでなく、その他の問題にも目を向けた真面目な内容のドラマである。

 

大人の土ドラ枠で放送されるドラマの多くが、回数の制限もあり最初が面白くても最後は不完全燃焼で終わってしまう事が多かった。ところがこのドラマはむしろその逆。ラストの方が断然面白い。馬鹿げた法案の当事者となった時、不満を黙してただ従うのか、巧妙に逃げ道を見つけてすり抜けるか、ひたすら無視して違法者としての扱いを受けるか、それとも声を上げて行動を起こすか。人々の考え方や受け止め方はそれぞれ違う。どんな選択をするかは自由であるが、誰も声を上げなければこの法案はいつまでも無くならない。この法案の当事者である龍彦の選択は声を上げる事だった。一人の力は微力かも知れないが、同じ思いの人は沢山いる。そしてそれはやがて大きな力を生む。龍彦のじめじめ感が鬱陶しいドラマであるが、最後の龍彦の演説は爽快だった。

 

多くの問題を秘めたドラマだけに色々考えさせられる。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

赤い霊柩車37 猫を抱いた死体

  • 2018.11.20 Tuesday
  • 12:41

【出演】 片平なぎさ、江波杏子、佐藤仁美 他

【放送】 2018年(フジ)

 

葬儀屋女社長が探偵となって事件を解決する赤い霊柩車シリーズ第37弾!猫を抱いて転落死した喫茶店のマスターの死に隠された謎を暴く。原作は山村美紗著の『猫を抱いた死体』。尚、放送を待たずして出演者の一人である江波杏子が死去している。

 

毎度お馴染みのオープニングトークは霊会を思わせる一面の蝋燭の中に立つ明子が語り部となって登場する。今回は死後離婚について。昨今、配偶者の死後、配偶者の親族との縁を切るため姻族関係終了届を出す人が増えているという。嫁姑の仲が悪くて同じ墓に入りたくない場合がそれに該当する。今回も良恵&秋山がユーモラスにそのサンプルケースを披露している。

 

石原葬儀社の社長・石原明子は婚約者の黒沢春彦と京都の町をデート中、京都一元気な芸子と呼び声高い豊駒に遭遇する。その場所は丁度甘味喫茶『風見屋』の前で猫好きのマスター・森岡道夫も交えて暫し談笑していた。ところが森岡の飼っていた猫のモモが忽然と姿を消してしまう。それから数日後、森岡は猫を抱いたまま転落死している所を発見される。前日の夜は雨が降っていたので足場が悪く、他に争った形跡も外傷も無かった事から警察はモモを見つけて高台の柵を乗り越えたものの運悪く足を滑らせたと見ていた。森岡が京都祇園新興財団のメンバーだった事から、同じメンバーの呉服屋の増谷が森岡の葬儀を石原葬儀社に依頼する。明子と秋山が葬儀の打ち合わせに訪れると、増谷は最高級の葬儀にしてくれの一点張りだった。葬儀の準備が進む中、祇園の置き屋『志村』の女将である志村綾乃が秋山と何やら知り合いらしく話し込んでいた。

 

今回は新たに京都に建つ病院に春彦が異動願いを出し、異動が受理されれば婚約者の明子と毎日会えるという話から始まる。ここで注意したいのはあくまで同じ京都にいても結婚どころか一緒に暮らすという話が何処にも出ていない点である。どうやらこのシリーズでは二人を決して結婚させない方針らしい。結婚させるとすれば最終作だろうか?それにしてもメインメンバーは元気である。

 

さてストーリーに目を向けると、やっぱり無理があるなというのが正直な印象である。何がと言えばメインメンバーの年齢が高過ぎるので全体にそれに適うように登場人物の年齢を上げてしまった故に若々しさが無く、それようにシナリオも改変。絵面も辛い。メインキャラクターの設定がしっかりしているのでお約束のコミカルな面は楽しめるが、ミステリーサスペンスとしてはイマイチ評価出来なかった。

 

満足度は★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

GAKUYA 〜開場は開演の30分前です〜

  • 2018.11.07 Wednesday
  • 20:27

【出演】 片桐仁 他

【放送】 2018年(フジ)

 

下北沢にある小劇場「シアター黒猫」の楽屋を舞台にした全五回のオムニバスコメディ。

 

東京・下北沢にある小劇場「シアター黒猫」の開場時間がやってくる。劇場の小屋主・猫柳が開場を宣言するが、楽屋では本当に開場して良いものか首を傾げていた。というのは今日の舞台で主役を演じる地下劇場のアイドルの姿が見えないのだ。既に楽屋入りしていた女優三人はこのアイドルと脚本家との関係を知っていて、どうせ二人は一緒にいると踏んでいたが、脚本家はそれを否定。彼もアイドルの行方を知らなかったのだ。慌てて脚本を三人の女優で回せるように手直しする作業に入る。ところがその時、彼のスマホにメッセージが入った。何と他の出演者との人間関係に悩んで舞台に出演出来ないと言って来たのだ。まさか真実を出演者には言えず、脚本家はその場を誤魔化して、何と観客に役者はいないかと声を掛けにいく。

 

所謂ショートコントをドラマ仕立てにしたような内容で、笑いのノリが合えば笑えるし、合わないと全く面白味を感じないまま終わってしまう。また舞台が楽屋だけという事もあり、如何にも舞台劇のコメディーを地でやってる感じである。ネタ自体は小物が多く、不発に終わる事もしばしば。全体的に地味な笑いを誘う作りになっている。

 

どの話も開演30分前に起きた楽屋での出来事にスポットを当てた内容になっていて、毎回出演者もストーリーも異なる。唯一小家主だけが全話に登場するが、たまに他の出演者と絡むだけで出番はかなり少ない。むしろいなくてもOKなあまり意味を持たない人物である。登場すると一度で目に焼き付いてしまうくらい強烈な印象を残す役もあるのだが、今回の小家主はそれとは全く異なり存在自体が危ぶまれるキャラである。顔だけは個性に溢れているのだが・・・。

 

このドラマをドラマとしてどうかと考えた場合、確かにドラマの体をなしてはいるが、視聴者に何かを与えるドラマにはなっていない。例えるなら内輪ネタで盛り上がっている小劇団のような感じがぷんぷんする。深夜枠の放送でもあるし、実験的試みなのかも知れない。

 

満足度は★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM