執事 西園寺の名推理2

  • 2019.06.15 Saturday
  • 15:48

【出演】 上川隆也、佐藤二朗、吉行和子 他

【放送】 2019年(テレ東)

 

優雅な資産家の奥様に仕えるスーパー執事が見事な推理力を発揮して事件を解決!『執事 西園寺の名推理』シリーズ第二弾!今回の奥様役は前作の八千草薫から吉行和子にバトンタッチした。

 

西園寺一は伊集院百合子に仕える執事。百合子がイリュージョンショー『羽衣伝説』を見に行きたいと言い出す。このショーには天才イリュージョニストの朝風薫子が天女役で出演する。薫子をデビュー時代から応援しているだけに百合子はショーを楽しみにしていた。この日、薫子の娘もデビューするとあって話題性は抜群。最大のイリュージョンである天女の瞬間移動の際にイリュージョンは成功したものの、現れた薫子は背中を刃物で刺されていた。西園寺は百合子を安全な場所に避難させるが、百合子は知人の死の真相をどうしても知りたいと西園寺に捜査を依頼する。会場には薫子の先輩である佐藤久美子がいた。二十五年前、同じ演目で久美子の代役をしたのが薫子で、それが原因で薫子は一躍スターになり、久美子は華やかな世界から姿を消した。その原因となったのが羽衣の消失事件だった。本番直前、大切な小道具である羽衣が楽屋から消えたのだ。突然の事に久美子はパニックになり、薫子は何故か落ち着いていてアドリブで舞台に立ったのだと言う。

 

見事にお約束の展開を裏切ることなく、殺人事件を執事が刑事を差し置いて見事に解決してしまうというストーリーは前作同様である。所謂何でも出来ちゃう執事のキャラミスであり、見ている側としてはミステリーよりも執事の高い能力と知識の方に魅せられる。地味ながらも安定した内容だけに続編は頷けるのだが、第一作目で伊集院百合子役を演じた八千草薫は病のため吉行和子に変更となった。しかしこの変更は、実を言うとあまり違和感がない。

 

前作では最後に秘密めいた西園寺の過去が全話通じての謎となっていたが、今回は謎の美女・山崎和歌子が登場し、西園寺を常に追い回す。西園寺の過去の出来事に何かしら関わっているらしいと匂わせつつ、最後まで引っ張る引っ張る。しかも和歌子はどうやら西園寺に恨みを抱いている模様。という事で何となく気になるものの、正体を知りたければ最後まで見る羽目になってしまうのだから厄介である。

 

全てにおいて無難ともとれるドラマで、インパクトはさほど強くはないものの、やはり抜群の安定力は見事である。続編もあるのだろうか?

 

満足度は★★★★

 

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腐女子、うっかりゲイに告る。

  • 2019.06.11 Tuesday
  • 10:31

【出演】 金子大地、藤野涼子、谷原章介 他

【放送】 2019年(NHK)

 

ゲイの高校生が同級生の女の子の秘密(腐女子)を知ってしまった。互いに秘密を持ちながらそれを周囲にカミングアウト出来ない二人の青春ストーリー。

 

高校三年生の安藤純はゲイで、マコトさんこと佐々木誠という恋人もいる。ある日、本屋に立ち寄ると同じクラスの三浦紗枝とレジで鉢合わせする。その時、紗枝が買おうとしていた本はBL本。純はさほど気にせずそのまま立ち去ったのだが、追いかけて来た紗枝から呼び止められる。実は紗枝は中学の頃、腐女子だとバレて友達を全員失った過去があるのだ。そのせいで腐女子である事を周囲に知られる事を極度に恐れ、純に内緒にして欲しいと頼みに来たのだ。純もまたゲイである事を周囲に内緒にしているので、紗枝の申し出をOKする。純にとって紗枝は学園祭の看板を頼まれる程に絵の上手い女の子というイメージしか無かったのだが、腐女子だと知って何となく興味が湧く。翌日、紗枝が一人一個限定アイテム欲しさに自分の秘密を知っている純をBLイベントに誘う。会場では紗枝のBL仲間・姉さんとWデートする流れに。ようやく解放されて二人きりになった時、純の幼馴染みで同級生の高岡亮平に見つかってしまう。その場は何とか誤魔化し、紗枝が腐女子でない事もバレずに済んだのだが、亮平は二人がデートしていたと勘違いしてしまう。

 

タイトルだけを見るとラノベ的でラブコメなのかと思いきや、ゲイ、腐女子と簡単にはカミングアウト出来ない悩みを抱えた高校生のシリアスなヒューマンドラマ。ありのままの自分を受け入れて欲しい。だけど傷付くのを恐れて本当の自分を出せない。だから普通を装って生きるゲイの主人公の切なく傷つきやすい心情を中心に描いていく。

 

昨今、LGBTの問題が何かとクローズアップされるようになってきた。今更という気がしないでも無いが、これはこれまで男は男、女は女、恋愛は男女間が常識だと決め付けてきた背景があっての事であり、確かにそれが大多数ではあるのだが、LGBTの人達の存在が稀少価値と呼ばれる程少数でも無いのも事実である。ただそうした背景があるからこそ異端であるとみられ、オープンに出来なかった。それ故、未だにオープンにする事は躊躇われてしまう。人間、特に学校のような集団生活を送る場では自分と違う存在を受け入れるより前に拒絶する傾向がある。そんな時、どんな感情を抱いているのかをこのドラマでは主人公を通して繊細に描いていた。またドラマ内ではこうした社会を、”人間は簡単にしたがる”と形容している。ああ、なるほどと納得する表現である。

 

満足度は★★★★

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東京独身男子

  • 2019.06.10 Monday
  • 10:54

【出演】 高橋一生、斎藤工、滝藤賢一 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

独身を謳歌していた高スペックのアラフォー男三人が結婚を目指して起こす騒動を描いたラブコメディ。

 

メガバンク企業リサーチ部門の石橋太郎は自他共に認める高スペック男。友人には同じように高スペックの弁護士・岩倉和彦、先頃離婚したばかりの歯科クリニック院長・三好玲也がいる。三好の妹・三好かずなは独身の三人を称してAK男子(敢えて結婚しない男子)と呼んでいる。ある日、太郎は偶然別れた恋人・竹嶋舞衣とすれ違う。三年前、舞衣が仕事でフランスへ行った事で別れてしまったが、あの時フランスへ行かせてしまった事を太郎は未だに後悔していた。ヨリを戻そうと考えた太郎は舞衣に会いに行くが、実は舞衣には既に新しい恋人がいて結婚も考えていると判る。同じ頃、和彦と玲也にも想定外の出来事が起こる。和彦は兄から病に倒れた父親の面倒を看て欲しと頼まれ、玲也は女を前にしても体が反応しないという事態に!

 

今が旬の俳優三名をメインキャストとして、何れも独身貴族を謳歌するハイスペック男でありながら、それぞれに色々な問題を抱えて恋愛を拗らせてしまうというストーリーで、とにかくこの三人が面倒臭い。面倒臭いからこそ仲が良く、互いの問題を親身になって考えると言う深い友情で結ばれてもいる。こういう共通点の多い仲間というのは一緒にいると酷く居心地が良いのだろうと思わせてくれるドラマである。

 

しかし見方を変えると拗らせているのはこの三人と言うより、むしろ相手の女性の方だったりする。このドラマ、常に面倒臭いと詰られるのは男の方だが、どっちかというと女性の方も一筋縄ではいかない面倒臭い性格をしている。今の恋人と元彼の間を行ったり来たりする女性もいれば、その時の気分次第で男を渡り歩く女性もいる。そうかと思えば一途に相手を思っていながら、自分が相手の一番で無いと気付いて恋愛を辞退してしまう女性もいる。とにかく登場するどの人間も面倒臭いのだ。そんな面倒臭い人間ばかりのすれ違いがこのドラマの特徴で、だからといってくどさはなくテンポが良いのも夢中にさせてしまうポイントである。何が起こるか先の見えない展開が楽しい。

 

全八話がもったいなかった。後味が非常に良いので、もう少し見ていたかった気がする。

 

満足度は★★★★★

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向いのバズる家族

  • 2019.06.09 Sunday
  • 23:08

【出演】 内田理央、白洲迅、高岡早紀 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

神対応がSNSでバズってしまったカフェ店の店長とその一家がSNSによって翻弄されていく姿を描いた物語。

 

カフェcoronaの店長を務める篝あかりは両親と弟の四人暮らし。家族は互いに無関心で誰が何をしているか全く興味が無い。しかしあかりは何処の家もこんなものだと思いながら暮らしていた。ある日、coronaではランチタイムで混雑する中、店員の盛田桃が滑舌の悪い客を放置して怒らせてしまう。慌ててあかりは店長として客に平謝り。そんな事があっても明るい笑顔を振り撒くあかりに店員達は羨望の眼差しを向けていた。しかし実際のあかりは様々なストレスを抱えていて、なまはげの扮装をしてクレームを撒き散らした動画をアップする事でストレスを発散していたのだった。翌日、あかりの接客が動画としてアップされたせいで、あかりはバズり店には動画を見た若い男性たちが押しかける。そんな中、あかりが片想いをしているスポーツ・トレーナーの皆戸涼太から食事に誘われ、うきうき気分で出かけたのだが、涼太からSNSに動画をアップして毒を吐くような人間を軽蔑すると言われてしまい、なまはげを封印する決意をする。ところが押しかけて来る客があかりに動画を撮りたいからあーしろこーしろと注文をつけるようになり、次第にあかりの中に不満が蓄積されていく。

 

何の責任も無く投稿し好き勝手言い合えるSNS。便利ツールではあるものの注目を浴びたいと過激な投稿をして炎上なんてことは日常茶飯事となっている。こんなSNSによって支配されているともいえる日本の現代人の姿をとある一家を通して訴えかけたのがこのドラマである。またそこから家族の本当の姿や在り方を考えさせるという側面も含んだ内容になっている。しかし如何せん家族全員がバスる(良い意味での炎上)という設定はあまりに都合が良過ぎないかというのが正直な感覚で、しかもそこからの進展、特に母親(ヒナちゃん)のSNSへののめり込み方が痛々しくて尋常では無い。SNSでバズる=こんな幸せはないという感覚のみで制作されたドラマだけにノリだけで内容の希薄さが顕著だった。そもそもナマハゲとかおたまで歌とかチョイスがお笑いを誘っているようでセンスがない。

 

最終回は序盤からこのドラマをこの一話で完結にするという雰囲気が滲み出ていて、急いで家族のこれまでの一連の出来事を終結させているのが手に取るように判る。こういう露骨さは目に余って引いてしまう。感動的な締め括りのはずが、既にその時点でドン引きする。キャスティングはそんなに悪くないし、実際演じている俳優陣も頑張っているのは判るのだが、如何せんシナリオが悪過ぎた。

 

満足度は★★★

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家政夫のミタゾノ

  • 2019.06.08 Saturday
  • 12:06

【出演】 松岡昌宏、伊野尾慧、川栄李奈 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

家事スキルは特A級の女装家政夫がまたまた帰って来た。派遣された先々で家族の秘密を覗き見しては崩壊へと導く覗き見ヒューマンドラマ。『家政夫のミタゾノ』シリーズ第三弾!

 

アラブの石油王の元で働いていた美田園薫に突然むすび家政婦紹介所から呼び出しがかかる。何でも薫の力がどうしても必要となる依頼があるのだと言う。丁度石油王からクビを言い渡されていた薫は油田を爆破して帰国する。脱税疑惑で営業停止を食らっていたむすび家政婦紹介所だったが、ようやく営業を再開。薫がむすび家政婦紹介所に顔を出したのはそんな時期だった。所長の結頼子は若いながらスキルの高い家政婦・恩田萌と頼子の甥・村田光、二人の教育係を薫に任命する。早速、薫は二人を連れて依頼のあった丹波家へ向かう。主人の丹波幸之助は個人資産8000億円ともいわれる丹波フーズの会長。幸之助の出した家政婦の条件は『若くて美人でモデルのように背の高い女性』。それに全く該当しない光と萌はあっさりチェンジを言い渡されてしまう。しかし高身長の薫だけは強引に家の中に入って幸之助と直接交渉を始める。幸之助の向けたライフルの銃口に何かが詰められているのを発見した薫を見て、幸之助は薫達を雇うと決める。幸之助がここまでする裏には命を狙われているという事情があった。

 

今回の美田園のお相手はどんな女優かと思いきや、まさかの川栄李奈に付属品の伊野尾慧。付属品というのは例えが悪いが、いや、実際見ていると本当にいてもいなくても良いどーでもいいキャラクターなのである。正直言ってただ毎回素人臭い演技で失敗をやらかしては騒いでいるだけ。おまけに主演の美田園と同じジャニーズ。何故このような三人組体制にしたのか非常に難解で、かつ本来美田園とバディーを組むはずの川栄李奈の推理好きだけど完全に見当はずれという個性が完全に潰されて影が薄いのなんの。何でこのような体制になったのか首を傾げている最中、発表されたのは川栄李奈の妊娠・結婚。それが本当の理由かどうかは知らないがそれなら川栄はいらなかったじゃないかと言いたくなる。

 

まあ、それはさておき今回も美田園が出張先の一家の秘密を暴いて一度ぶち壊し、本当の姿を曝け出したうえで円満解決を求めると言った流れは健在。但し同じパターンで安定の人気かと言えばそうではない。むしろ目新しさの無さと今回の三人体制の意味のなさから興味は半減。女装家政夫の美田園の不気味さもさほど強調されず、付属品がギャーギャー騒いでいる騒々しさの方が印象に残るという悲しい内容で終わった感じだった。

 

続編はあるのだろうか?

 

満足度は★★★

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遊戯みたいにいかない

  • 2019.06.06 Thursday
  • 10:07

【出演】 東京03、山本舞香、山下健二郎(三代目J SOUL BROTHERS) 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

売れない漫画家の事務所を舞台にファミコン世代VSスマホゲーム世代のジェネレーションギャップやトラブルを話題にしたコメディードラマ。昨年放送されたドラマ『漫画みたいにいかない』の第二弾!尚、『漫画みたいにいかない』は舞台化もされている。

 

かつては少し売れたものの、今やすっかり売れなくなってしまった漫画家・戸塚オサムは私生活においても妻に逃げられた人生負け組。オサムの幼馴染みで定食屋を営む鳥飼が戸塚の事務所を訪れると、戸塚とアシスタントの荒巻が難しい顔をして目の前に座っている若い女性を見つめていた。彼女は荒巻の従姉妹で百川さくら。さくらは有名ブロガーで、大手出版社から出版のお声が掛かっていたのだが、肝心のブログが炎上し、出版の話が取り消されてしまったらしい。相談を受けた荒巻は自分では何も解決策が思い浮かばず、戸塚に相談したのだが、丁度酔っ払っていた戸塚は酔った勢いで弁護士費用150万円を払ってやるから訴訟しろと言ってしまったのだ。さくらはすっかりその気に。何とか戸塚はさくらに訴訟を諦めさせようとするのだが、口が達者で頭も切れるさくらに説得するどころか言い返す事も出来ない。困り果てた戸塚と荒巻は今来たばかりの鳥飼に相談する。

 

漫画家の事務所という舞台設定で東京03のコントをやっているようなもので、コメディードラマの扱いではあるが内容は東京03にゲストを加えた状態でのコントである。それぞれのキャラクターは個性的で普通の枠からちょっとはみ出したキャラクターばかり。そんなキャラクターであるので、反応自体が通常の感覚の斜め上となる。それが笑いの根本であり、ドラマ的な要素は少なめである。

 

基本的に横並びにずらりとメインのメンツが並んで話す。時折、対話形式をとるために別のソファーに座ることもある。尚、横並びに並ぶ面子の背景に現在の状況を説明する文字やイラストが飾られているのがミソ。舞台設定をイチイチ変えたりしないので何をやっているのか判らなくなっても、背景を見れば納得。短時間でやり取りが終結するのでかなりテンポが良く進む。その結果、何一つ解決していないこともしばしばなのだが・・・。それもまた東京03らしいともいえる。

 

満足度は★★★

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スパイラル −町工場の奇跡−

  • 2019.06.05 Wednesday
  • 14:31

【出演】 玉木宏、貫地谷しおり、眞島秀和 他

【放送】 2019年(テレ東)

 

元銀行員のノウハウを活かして企業再生に身を注ぐ男が倒産寸前の町工場を建て直すまでの軌跡を描いたヒューマンドラマ。原作は真山仁著の『ハゲタカ4.5/スパイラル』。

 

経営難の大手電機メーカー・曙電機を救った立役者はCROの芝野健夫だった。彼は将来を見据えた人材育成にも成功し、曙電機の社長も芝野の功績を褒め称えていた。その矢先、芝野の元に訃報が届く。下町の小さな会社・マジテック社の社長・藤村登喜男が亡くなったと言うのだ。藤村は『博士』と呼ばれた天才的発明家。藤村を恩人と慕っていた芝野は葬儀に向かう。ところがそこで思いがけない人物と再会する。その人物とはマジテック社のメインバンクである下町信用金庫で支店長代理を務める村尾浩一。実は村尾は芝野の銀行員時代の同僚であるが、芝野から不正を告発され銀行を追い出された過去があり、そのせいで家庭崩壊したのも全て芝野のせいだと恨みを抱いていた。芝野は藤村の長女・藤村浅子からマジテック社を手放すつもりである事を打ち明ける。人件費の安い海外に仕事を取られ、細々と経営しているものの、借金がかさんでいると言うのだ。藤村がこれまでとった特許まで売却すると聞かされて芝野はマジテック社の再建を決意する。そんな中、外資系企業ホライズンキャピタルジャパンのナオミ・トミナガが日本の小さな会社をまとめて買収する考えを明らかにする。村尾は芝野に復讐するため、マジテック社の買収話をナオミ・トミナガに持ち掛ける。

 

原作が『ハゲタカ』シリーズと言えば、昨年他局でドラマ化された綾野剛主演の『ハゲタカ』が記憶に新しいが、そちらでは企業買収を仕掛けるホライズン・キャピタルと日本企業の攻防戦がメインとして描かれ、両陣営の繰り出す次の一手をわくわく胸を躍らせて見ていたが、今回は主に日本の町工場側の防衛戦が描かれた内容となっている。主演もハゲタカ側で無く、芝野となり、芝野に個人的な恨みを抱く村尾が復讐の手立てとして考えた作戦としてホライズン・キャピタルを利用しようとするという立ち位置でストーリーは進んでいく。そのためどちらかと言えば、日本の町工場頑張れ!という観点から制作されたドラマである。

 

それにしても玉木宏演じる芝野の若々しくパワフルなこと。経歴からすれば結構な年齢のはずだが、まさに働き盛りといった雰囲気の芝野が印象的だった。一方敵対する村尾の卑劣な小物っぷりも見事。面白いキャスティングだった。

 

日本の町工場の技術が見直される一方で、廃れていく町工場も多い。どんな風に危機が押し寄せるのか、そして残された特許の行方は?そんな側面が学べるドラマだった。

 

満足度は★★★★★

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白い巨塔

  • 2019.05.27 Monday
  • 01:57

【出演】 岡田准一、松山ケンイチ、寺尾聰 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

大阪の国立医大大学病院での教授の椅子を狙う野心家の男を通して、大学病院の権力抗争、医師の有り方を見つめた重厚な巨編ドラマ。原作は山崎豊子著の『白い巨塔』。この原作による実写化はこれまでにも主演の財前五郎役を田宮二郎、佐藤慶、村上弘明、唐沢寿明と何れも旬の俳優が演じてきたが、今回は岡田准一が演じる。尚、このドラマはテレビ朝日開局60周年記念ドラマとして制作され、五夜連続放送された。

 

★第一夜

浪速大学の滝村名誉教授の喜寿を祝うパーティーで緊急連絡が入る。スぺ患である近畿新聞会長・山田音市の容態が急変し、一刻も早く膵臓癌の手術を行わなければならないと言うのだ。本来ならば浪速大学医学部第一外科部長の東貞蔵が執刀すべき場面だが、先日発売された週刊誌で財前の記事を読んだ山田は准教授の財前五郎を執刀医に指名する。五郎は東に遠慮しながらも、病院へ向かい腹腔鏡手術を見事に成功させる。

 

★第二夜

浪速大学医学部長・鵜飼裕次が誤診した患者・小西ゆかりの手術は鵜飼のメンツを保つために東が執刀医となる。しかし長時間に及ぶ手術は半年後に退官を控える老齢の東には過酷を極め、とうとう動脈を傷つけるという大失態を犯してしまう。第一助手を務めていた五郎はその場で東のミスを指摘し、呆然とする東をどかして自らが執刀医となる。手術は成功したものの、五郎にプライドを傷つけられた東は後任の教授に母校・東都大学出身の菊川を擁立する。

 

★第三夜

教授選を勝ち抜いた五郎はついに悲願であった教授となる。ドイツの国際医療外科学会からも新しい術式のデモンストレーションを依頼され、五郎は更に上を目指して慢心していた。そんな中、糖尿病を患う佐々木庸平が診察にやってくる。検査結果を見た第一内科の医師・里見脩二は糖尿以外の病、膵臓癌を疑う。そこで五郎に相談し、執刀を依頼するのだが、丁度五郎はドイツへの出発準備で多忙を極めていた。

 

★第四夜

術後に容態が悪化し死亡した佐々木の死因が五郎の医療ミスであった可能性を疑った里見は、佐々木の家族に解剖を促す。解剖の結果、死因は血管内リンパ腫による肝不全。手術前、五郎は膵臓以外は問題ないと断言していただけに佐々木の家族は納得がいかない。また五郎が術後に一度も患者に会いに来ようとしなかった態度にも不信感を抱いていて、ついに裁判で五郎を医療ミスで訴えると決意する。そんな事になっていようとは露知らず、五郎が帰国する。

 

★第五夜

医療裁判は五郎の勝利に終わり、家族は控訴を決意する。弁護士の関口は新しい証人として元浪速大学看護師の亀山君江に法廷での証言を依頼するが、現在君江は身重で君江の夫に追い返されてしまう。しかし五郎の弁護団が金で口封じをしようとしたため状況は一変。君江は控訴審で証言することに。一方、カルテを偽造し嘘の証言を続けていた医師の柳原は依然として嘘を突き通していたが、五郎が全ての責任を柳原に押し付ける発言をしたことに怒りを覚え証言を撤回する。

 

原作を現代舞台にリメイクしているため、医療技術の進歩により病名等々かなりのアレンジが必要となってくる。大きな変更点としては五郎が患った病。原作では胃癌になっているが、今回は膵臓癌。癌を専門に扱っている医師の五郎が自分の身に起きている異変に気付かないとすれば、沈黙の臓器とも呼ばれ早期発見が難しい膵臓の方が理に適っているという観点から変更されたとみられる。また初っ端から滝村名誉教授が演説でAI治療について語るなど、現代の医療を反映した内容を取り込んでいる。

 

ところで今回のドラマで一番感じたのは歴代の同原作によるドラマとの差別化に力を入れている事だろうか。比較対象としてどうしても2003年に放送された唐沢寿明主演のドラマがあげられてしまうが、五郎にスポットを当てる事に重点を置いたためか女達の戦いにはあまり触れられていない。くれない会についても扱いが小さく、東教授夫人の出番が極めて少ない。五郎の妻・杏子は子供っぽくて影が薄く、愛人・ケイ子もベッドシーンはあるものの狡猾や妖艶のイメージからは程遠い。2003年版ではむしろ女達の戦いをクローズアップさせていた面もあったのだが、今回は逆にあまり触れない事で特徴を出している。また五郎が病に倒れてからの尺を長く取っているのも印象的だった。ベッドの上で刻々と命をすり減らしていく五郎が苦しむ様子を克明に描いている。当人への告知が行われないと治療が行えないという事情からか病名は里見の口から早い時期に告知されている。

 

白い巨塔と言えば全くタイプの異なる医師として五郎と里見を上げ、その対比が魅力でもある。その点から言えば五郎役の岡田准一の熱演により五郎の圧勝。里見役の松山ケンイチも悪くは無いのだが、どうも笑い方が微妙で温和な性格を示す笑顔がにやけているようにしか見えなかった。

 

ストーリーが非常に面白いだけについつい見てしまうのだが、五夜連続は正直言って見るだけで疲れる。

 

満足度は★★★★★

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ミラー・ツインズ Season1

  • 2019.05.26 Sunday
  • 12:37

【出演】 藤ヶ谷太輔、倉科カナ、渡辺大 他

【放送】 2019年(フジ)

 

20年前に生き別れた双子が再会する。弟は刑事として。兄は犯罪者として。『オトナの土ドラ』枠にて放送される東海テレビ×WOWWOW共同制作のドラマは『犯罪症候群 Season1』以来二作目となる。このドラマはオリジナルドラマであるが、先行してコミカライズされている。

 

警視庁捜査一課の刑事・葛城圭吾は複雑な思いでテレビを見つめていた。現在、テレビでは『緊急特番 公開大捜査網シリーズ』という生番組が放送されている。この日、取り上げられたのは二十年前に誘拐された当時十歳の少年・葛城勇吾だった。勇吾は圭吾の双子の兄。二十年前、公園で圭吾と勇吾は一緒に遊んでいたが、圭吾が先に帰った後勇吾は覆面の男達に誘拐されてしまったのだ。犯人は身代金五千万円を要求し、圭吾を運び役に指名。しかし多数の警察官が張り込んでいたにも拘わらず、犯人は身代金の入ったバッグを持ち去りそのまま消息を絶った。勇吾は戻らなかった。既に誘拐事件の時効は成立している今になってテレビで情報提供を呼び掛けた背景には勇吾と圭吾の母親が余命宣告を受けている事情がある。一億円の懸賞金が掛けられたと知った途端、圭吾の同僚・赤城克彦が圭吾に怒りをぶつけた。赤城には圭吾が警察の無能さを訴える反逆者のようにしか思えなかったのだ。その日の帰り、圭吾は勇吾が誘拐された公園で男の悲鳴を聞いて駆け付ける。男は胸を刺されて重傷だったがかろうじて一命をとりとめた。意識の戻った男は事情を聞きにやってきた圭吾を見て驚愕する。男は自分を刺した男が圭吾だと言うのだ。圭吾は犯人の残した手掛かりと自分のDNA鑑定を行い、男を刺した犯人が勇吾である事を確信する。

 

WOWWOW絡みのドラマなので、当然ながら放送されたのはSeason1だけで、後はWOWWOWの有料放送を視聴するしかない。要するにWOWWOW加入へ誘うための宣伝目的で制作されたドラマである。勿論、宣伝とは言え、この宣伝となるドラマが惨憺たる出来であれば誰も金を払ってまで見ようとはしない。そのためキャスティングはこの時間枠としては豪華だし、きちんと作り込んでいてストーリーも面白い。但し良くも悪くもお約束の内容であり、要所要所にベテラン勢を起用しているため仕掛けがもろに見えてしまうのが難点である。オリジナルドラマとは言っても刑事と殺人犯が双子の兄弟という設定以外に真新しい要素はなく、過去の民放局とWOWWOW共同制作のドラマが好きそうなシチュエーションをふんだんに取り込んだドラマと言う印象だった。

 

しかし一卵性の双子が良く似ているのは事実だが、全く同じ顔というのはいつも疑問に思う。確かにミステリーやサスペンス等々ではこの双子の類似性を利用すると都合が良い事が多いが、今回の場合、二人はまるで異なる人生を送っていて、育ってきた環境によって起こる変化は殆ど見られない。髪型と服装で変化をつけても不自然さを感じる。テレビドラマではいつまで双子は同じ顔という非常識を常識と捉える風潮を続けるのだろう。

 

さてそれはともかくとして、ドラマ中目に付いて仕方が無いのがミスリード要員の赤城刑事の思い込みの激しさ。これと決めたら一直線で、何の疑いも無くあらぬ方向へ向かっていく。頭の固いとかいうレベルではない。むしろ見ているだけで笑えるレベルである。またもう一点笑えるのが、主演の藤ヶ谷太輔の七三分けの似合わなさ加減。意外に額が広いので前髪を下ろしていないと女性的でどうにも格好がつかない。

 

満足度は★★★★

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死命 〜刑事のタイムリミット〜

  • 2019.05.21 Tuesday
  • 18:03

【出演】 吉田鋼太郎、賀来賢人、中尾明慶 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

女を狙った連続殺人事件が起きる。犯人は余命宣告を受けたディトレーダーの青年。同じく余命宣告を受けた刑事が自分の命のタイムリミットを賭けて執念の捜査を開始するヒューマンサスペンス。原作は薬丸岳著の『死命』。

 

デイトレーダーの榊信一は学生時代のボランティア仲間に羨望の眼差しを向けられているが、実はスキルス性の胃癌に侵されて余命宣告を受けていた。その帰り道、信一は道端で酔っ払った若い女・岡本真紀を見掛ける。翌日、扼殺された岡本真紀が発見される。遺体には抵抗の形跡(吉田線)が見られたため、現場に駆け付けた警視庁捜査一課の刑事・岩澤は即座に強姦目的での殺害と睨むが、岩澤と対立する刑事の蒼井は全く別の見方をしていた。早速捜査本部が設置され、蒼井は捜査会議中にスマホを鳴らした日暮里署の新米刑事・矢部知樹に目を付ける。バディを組んだ途端、蒼井は被害者のスマホに登録されていた500件を超える交友関係を調べると矢部に宣言する。矢部は猟犬とも呼ばれる蒼井のやり方にうんざりしていた。ようやく六本木のクラブで被害者と最後に接触した人物を発見するが、蒼井はその途中で具合を悪くする。その直後、病院で蒼井は三年前の胃癌が再発し既にステージ4だと余命宣告される。打ちのめされた蒼井が廊下で悲壮感を漂わせて座っていると、ペットボトルの水を渡してくれた人間がいた。まさかこの親切な人間が殺人犯の信一とは蒼井は思いも寄らなかった。

 

余命宣告を受けた人間が残りの時間をどう生きるか。それに焦点をあてて、追う側と追われる側がそれぞれタイムリミットのかかった人生の過ごし方を描いたヒューマンドラマである。一人は余命宣告を受けて、自らの欲望を解き放ち殺人犯となった。一人は余命宣告を受けて、目の前の事件を解決しようと奔走する。どちらもこの世に未練を残すまいと足掻く人間の生き様であるのだが、それが敵対する立場、殺人犯と刑事という設定になっているところがこのドラマの面白さである。

 

また同時にそれぞれに課題も残されているのがミソ。人間はただ一人で生きているのではない。一人で生きているようでも何かしらで誰かと繋がっている。例えば家族。蒼井には娘がいてその娘との仲は悪化している。自分の望む生き方を選ばなかった娘とは未だに和解していない。また信一も男にだらしない母親との関係に苦しんでいる。そんな二人が人生のタイムリミットを迎えるまでに自らの課題と同時に家族との課題も解決していく。それこそが死命なのである。ドラマではさほど濃厚とまでは言えない内容にとどまってはいたが、見応えは十分なドラマだった。

 

満足度は★★★★★

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