死亡フラグが立ちました!

  • 2020.09.23 Wednesday
  • 11:53

【出演】 小関裕太、寺脇康文、塚地武雄 他

【放送】 2019年(関テレ)

 

ターゲットにジョーカーのカードを送り、二十四時間以内に必ず死なせる『死神』の事件をフリーライターと天才投資家の二人が解き明かすお馬鹿な脱力系ミステリー。『このミス』大賞ドラマシリーズ第三弾!原作は七尾与史著の『死亡フラグ』シリーズ。この小説は第八回『このミステリーがすごい!』大賞で隠し玉に選ばれた。

 

文蔵社の雑誌で都市伝説のフリーライターを務める陣内トオルは、ある日編集長からこの雑誌が廃刊の危機にあると知らされる。編集長はトオルが書いた記事の中で最もヒットした伝説の殺し屋『死神』の正体を暴けば廃刊を考え直すと言う。『死神』は依頼を受けてから二十四時間以内に必ず殺人を成功させ、その相手にはジョーカーを送りつけるプロの殺し屋。しかし何の手掛かりも残さない。早速お手上げ状態となったトオルは高校の先輩で投資家の本宮昭夫に相談しに行く。本宮は見た目こそチビでデブの不細工な男だが、頭脳明晰でやたらと女にはモテる。ろくに勉強もせずに東大に合格し、大学を卒業してからは投資家として成功している。トオルから話を聞いた本宮は『死神』とは狙った人間が死ぬよう罠をかけて誘導するタイプの殺し屋であると推理する。そんな中、木村組の幹部・松重竜次が組長が殺害されたのではないかと相談を持ち掛けて来る。トオルと本宮が組長が死んだ時の映像を見せて貰うと、大好きな動物の赤ちゃんの映像を見ている際に冷蔵庫を開けようとして派手に転倒する姿が認められた。組長はその際に頭を打って死亡。現場を調べている内に本宮は冷蔵庫の下にバナナの皮が落ちているのに気付く。また組長が見ていた映像にはサブリミナル効果を利用したビールを飲みたくなる細工が施されていた。

 

伝説の殺し屋の殺し方がバナナの皮で足を滑らせてとか、非常に手の込んだ仕掛けをしてくる反面お馬鹿感満載に見せる殺害方法で、それに対峙するのが容姿は全くイケテナイのだが、何故か頭脳明晰で女にモテモテで武道にまで秀でている有能なトレーダーというどこまでおちょくってんのか!という世界感を最後まで貫き通している。その路線でありながらミステリー要素はしっかりしていて、立派なミステリー作品に仕上げているのが笑って、いや、見事だと認めざるを得ないのがこのドラマである。主人公がやたらと悲鳴ならぬ奇声を発して騒がしいのが玉に瑕。

 

勿論、色々ツッコミどころも多い。幾重にも仕掛けられたトラップの内、ここから足がつくだろうと思われながら放置されている部分も結構あった。が、それはそれ。テンポの良い展開や脱力系のストーリーについつい見落としても構わないか〜という気分にさせられてしまう。まさに魔法である。つまりは面白い作品ということだろう。

 

満足度は★★★★★

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フルーツ宅配便

  • 2020.04.03 Friday
  • 16:50

【出演】 浜田岳、仲里依紗、徳永えり 他

【放送】 2019年(テレ東)

 

故郷に帰って来た無職の男が突然デリヘルの店長に就任。様々なワケアリ女達の人生を垣間見るデリヘルお仕事ドラマ。原作は鈴木良雄のコミック『フルーツ宅配便』。

 

咲田真一は勤務先の会社が倒産して故郷に戻って来た。店で食事をしていると知人の男・ミスジから突然自分の事業を手伝わないかと誘われる。ミスジはデリヘル『フルーツ宅配便』のオーナーで、店長になれる人間を探している最中だったのだ。風俗店で働くなんて咲田的には絶対にNG。断ろうにも押しに弱い咲田はミスジに連れられるまま『フルーツ宅配便』の店へ。そこにいたのは事務のみず子と送迎係のマサカネ。そしてデリヘル嬢のみかんとイチゴだった。ここで働くデリヘル嬢には全員フルーツの源氏名がつけられるのだと言う。そうこうしている間にみかんに痴女コースの仕事が入り、必要なアイテムを用意させられ、更には送迎ドライバーとしてみかんを仕事場に送り届ける羽目に。一方、ミスジは店で働きたいという女の面接をしていた。彼女の顔の半分には惨たらしい火傷痕があり、離婚したDV夫に寝ている間にアイロンを押し付けられたのだという。

 

デリヘル業界を描いた業界物ドラマで、あまりそちらの業界に知識のない雇われ店長・咲田を中心に、デリヘルの実態やデリヘル嬢の事情なども交えて描いたストーリー。人情に訴える話もあれば、デリヘルあるあるネタもあり色々なエピソードを詰めた玩具箱のようなドラマである。

 

店の名前が『フルーツ宅配便』で、デリヘル嬢は全員フルーツの源氏名(?)がつけられている。デリヘル店とは言え、まさにフルーツをお届けする店なのである。その中で最も印象深いのはドラゴンフルーツ。伝説のデリヘル嬢と言われるドラゴンフルーツは正体不明。正体が判るのはドラゴンフルーツの回(第六話)なのだが、まあ、言われてみれば納得の正体ではあった。

 

一方、咲田の高校時代の同級生のえみの話も同時に進行する。悪徳店のデリヘル嬢になっていたえみと咲田の関係も見所の一つ。ただ一つ疑問なのは、最終回でえみが何をされたのかが判らない。事後のぐったりしたえみの様子は判るのだが、一体何があったのだろう?

 

満足度は★★★★

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ブスの瞳に恋してる2019 The Voice

  • 2020.03.03 Tuesday
  • 13:19

【出演】 NAOTO(EXILE)、富田望生、駿河太郎 他

【放送】 2019年(FOD)

 

イケメンの人気声優が恋をしたのはデブでブスだけど前向きな女の子だった。二人の恋愛と結婚生活を追ったラブコメディー。原作は鈴木おさむ著の『ブスの瞳に恋してる』。2006年には稲垣吾郎&村上知子(森三中)の主演でドラマ化されているが、今回は設定を大幅に変更してリメイクされている。

 

絶大な人気を誇る鈴野理は現状に悩んでいた。写真集は初日に十万部を売り上げる程の売り上げだが、理はそもそも声優。それなのに事務所の社長はモデルとしてこれからも売ろうとしている。占い師に相談したところ、天使が舞い降りると予言される。ある日、密かに付き合っている恋人で有名アーティストのアリスと外出した際、ホームセンターで働いている太めの店員・大山美幸が転んだのを目撃する。咄嗟に理が手を差し伸べると、アリスはムカついてわざとピアスを落としてなくしたといちゃもんをつける。後日、理の事務所で開催された声優オーディションで、美幸は最終選考に残った。しかし事務所の社長は美幸のビジュアルの悪さを理由に採用するつもりなんて無かったのだ。それを知った理は美幸に会いに行く。声優を目指して真剣に練習をしている美幸に理は話し掛け、そして美幸が声優としての理を高く評価し、モデルの時に見せる笑顔が本物ではない事にも気付いたと知る。自分を理解してくれていた美幸に感銘を受けた理は思わずその場でプロポーズしてしまう。

 

地味で平凡な女の子が憧れていた格好の良い人気者の男の子と恋に落ちる物語は昔から少女漫画の王道だった。それを現代を舞台に再現してしまったドラマであり、この原作が作者のエッセイ、つまり現実の話である事がこのドラマの魅力である。そもそも鈴木おさむ、大島美幸夫妻は夫婦共に際立ったキャラクターであり、そんな二人が恋を育んでいく姿はどこか笑ってしまうものの、王道のラブストーリーだけについつい見入ってしまう。とはいえ、このドラマが最初にドラマ化されてからすでに十年以上が経ち、社会は大きく変わっている。今や俳優よりも声優の方が人気を集めている時代だけに、主人公の職業を声優にしたのはごもっとものアレンジではあるのだが、終始お笑いに走った2006年版よりややインパクトは欠いた内容になっている。また話数がやや少なめであるため、プロポーズまでの経緯がかなり短く、駆け足のストーリーとなってしまった感が強い。

 

美幸役の富田望生の演技が良い意味でも悪い意味でも初々しい。やる事なす事、周囲からは滑稽に見られてしまう役柄なのだが、本人が真面目過ぎるのかそういった場面で若干照れが見られる。声優を目指しているという設定なのに、声に特徴がなく魅力が無いのも問題。まあ、それは理役のNAOTOにも言えるのだが・・・。但し美幸というキャラクターのポジティブで優しさ溢れる人柄は魅力的で、その役を一生懸命演じている富田望生の姿は胸に残った。

 

満足度は★★★★

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悪魔の弁護人 御子柴礼司 −贖罪の奏鳴曲−

  • 2020.01.26 Sunday
  • 15:18

【出演】 要潤、ベッキー、津田寛治 他

【放送】 2019年(フジ)

 

どんな罪状であっても裁判に勝ち続ける弁護士の姿を描いた法廷ミステリー。原作は中山七里著の『御子柴礼司』シリーズ(『贖罪の奏鳴曲』、『追憶の夜想曲』、『恩讐の鎮魂曲』、『悪徳の輪舞曲』)。

 

大学の法学部を卒業しながらも勤め先に恵まれなかった日下部洋子は現在失業中。たまたま御子柴法律事務所で事務員を募集していると知って訪れたのだが、この事務所の主・御子柴礼司は履歴書も見ずに洋子の採用を決めた。ただ時間に正確だという理由で。早速洋子は御子柴について法廷へ出向く。そこで行われているのはイジメを苦に自殺した少年の裁判だった。裁判全体が少年の母親に同情的な空気の中、御子柴は少年の自殺の原因がイジメではなく、貧しい家庭環境故の進路の悩みだったと主張する。御子柴の発言で裁判は一変。被害者の少年の母親は息子を殺された悲劇のヒロインから一転して息子を死に追いやった薄情な母親となった。裁判の後、この母親は御子柴を「悪魔!」と罵るが、御子柴は全く顔色を変えない。高額な報酬を貰えばどんな手段をとっても勝訴に導く事が『悪魔の弁護人』と呼ばれる御子柴のモットーだった。そんな中、次に御子柴が興味を持ったのは夫殺害の容疑で逮捕された津田亜季子の事件。一審では懲役16年の有罪判決が下されている。現在、亜季子の担当弁護士は宝来。御子柴は宝来にこの裁判を担当させろと詰め寄る。

 

どんなに卑劣な行為に出ても裁判で勝たなければならない。そんな悪徳弁護士の話かと高を括っていたが、内容は非常にシリアスで、かつ真摯に少年法の問題点を追及している。主人公の御子柴の生い立ちがまず異色である。過去に幼女を殺害しバラバラにした経歴を持ちながら少年法に守られて罰せられなかった青年弁護士。世間から見ればこんな極悪人がまだ年齢が幼かったという点で何の罰も受けずに社会に出て、弁護士をしながら普通の生活を送っているなどとは決して許される現実ではないだろう。しかし当の御子柴から見ればどうだろう?成長して命の尊さを知った時に初めて自分の罪深さを知り、法の下、何の罰も与えられずに社会に出された。それを当たり前の権利だと開き直る輩もいるが、御子柴の場合は犯してしまった罪の重さを抱えて生き続け、人のために精一杯の事をする事が唯一の罪滅ぼしだと思いながら自分を戒めている。法では御子柴を罰することは出来ないからだ。

 

このドラマは被害者、加害者だけでなく、その家族や当事者にまで目を向け、どうすることも出来ないやるせなさに苦しみ、葛藤する姿を描いている。ヒロインの日下部洋子はそんな御子柴を近くで見守り続ける存在であり、何が真実かを見極めながら、御子柴の唯一の理解者となっていく。少年法に限らず、責任能力の有無で罰する事が出来ない場合もある。それも含めて、人はそれぞれの立場で物を考えるため、法の裁きに対しても十人十色の感情を抱く。今回のヒロインのように自分の目で真実を見極めていく大切さが伝わるストーリーだった。

 

満足度は★★★★

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Doctor-X〜外科医・大門未知子〜

  • 2020.01.15 Wednesday
  • 10:15

【出演】 米倉涼子、市村正親、武田真治 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門家のライセンスと叩き上げのスキルだけが武器のフリーランスの女医・大門未知子の活躍を描いた医療ドラマ『Doctor-X〜外科医・大門未知子〜』のシリーズ第六弾!

 

フリーランスの外科医・大門未知子は命医紹介所の所長・神原晶と山奥にある温泉へ向かう途中、逸れてしまい、一人山道を彷徨っていた。その時、偶然出会ったのがポルトガル語を話す男・ニコラス丹下。彼が気前よく未知子を山奥に建つ自宅に招き、御馳走してくれた事もあり、二人はすっかり仲良くなる。そんな中、付近で落石があり、男・鮫島有が大きな岩に腕を挟まれて動けなくなっていた。咄嗟にその男の容態を診てこのままではクラッシュ症候群になると判断した未知子は「私、失敗しないので」と近くにあった斧で挟まれた腕を切り落とす。その後、東帝大学病院の加地を乗せた救急車が到着し、鮫島は事なきを得た。その頃、東帝大学病院は経営に行き詰まり、蛭間病院長はブラジルから事業再生のプロを呼び寄せたと発表していた。実はその事業再生のプロこそがニコラス丹下だったのだ。後日、ニコラス丹下は東帝大学病院で副院長に就任する。隣には大門に腕を切り落とされた鮫島の姿もあり、腕の調子はすっかり良くなっていた。鮫島から病院再建のために閉鎖される分院が発表されると会場内は騒然となる。そして新人事が発表される中、何より驚かせたのは大門未知子の登場だった。先日の一件でニコラス丹下は未知子をいたく気に入り、独断で招き入れたのだ。

 

相も変わらずいつもの面々がずらりと顔を揃えた東帝大学病院が舞台の今作。今回は傾いた病院経営をニコラス丹下が再建するために現れた事が発端となってストーリーが進んでいく。未だに大学病院の悪習を引き摺る蛭間VS革新派のニコラス丹下の攻防戦が繰り広げられる。勿論、ドクターXこと大門未知子はどこ吹く風なのだが、ニコラス丹下の持ち込んだ最新技術であるAIと未知子の対決なども見所になっている。

 

俳優陣が錚々たる顔ぶれで豪華の一言。流石に高視聴率を続けているドラマシリーズだけに、食堂のおばちゃん役に松坂慶子を起用している等々、贅沢なキャスティングに驚かされる。筋肉体操で一躍人気を得た武田真治も今シリーズからの登場だが、俳優として出演しているために鍛え上げた筋肉をさほど見せる機会に恵まれないのが残念。勿論、初回スペシャルの際は怪我人としてその肉体美をチラ見させる場面はある。

 

シリーズ物だけに安定した面白さはある。お決まりの台詞「私、失敗しないので」が聞ければ満足してしまう部分もあるので、ついつい見てしまうという人も多いだろう。確かに面白いのだが、この先進歩した医療にどれだけ未知子の腕が通用していくのかが楽しみである。

 

満足度は★★★★★

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4分間のマリーゴールド

  • 2020.01.11 Saturday
  • 20:59

【出演】 福士蒼汰、菜々緒、横浜流星 他

【放送】 2019年(TBS)

 

人間の最期の時を見てしまう青年が見たのは想いを寄せる姉が余命一年である運命だった。生と死に向き合う切ないラブストーリー。原作はキリエのコミック『4分間のマリーゴールド』。

 

横浜市消防局桜坂消防出張所に勤務する救急救命士の花巻みことは手を重ねた人の最期の時を見てしまうという特殊能力を持っていた。交通事故の現場に駆け付けたみことは倒れている怪我人と手を重ねた途端、怪我人が亡くなる映像を見てしまう。案の定、その人は助からなかった。現在、みことは兄の廉、弟の藍、姉の沙羅と一緒に暮らしている。みことは亡くなった父親の連れ子で他の兄弟と血の繋がりは無いが、兄弟仲は非常に良い。父親の再婚相手、つまり廉達の母親はフォトグラファーとして海外を飛び回っているので余計に兄弟の絆は強かった。みことはいつの頃からか沙羅に密かに恋をしているが、その気持ちは決して口にする事はなかった。ある日、一人暮らしをしている父親の意識がないと連絡を受け、みこと達救急救命士がその場に駆け付ける。マニュアル通りの緊急処置を施す中、みことの見た映像は通報者の家族が亡くなった男性の周りで泣いている映像だった。このままでは男性が亡くなると察したみことは命を救いたいと思うあまりマニュアルには無かった行動に出る。すると幸いにもその男性は奇跡的に生還した。

 

人の最期が見えてしまう能力。

 

みことの持っている能力は非常に残酷である。誰かの死を前もって見る事が出来るのに、それを阻止する事が出来ない。救急救命士のみことはそんな苦悩を常に抱えて、時には救急救命士としての本分を外れてしまう事も。人の命を救いたいと思う気持ちは誰よりも強いのに運命は容易に変える事が出来ない。その裏には29歳の誕生日で亡くなる沙羅の死を阻止したい気持ちがある。運命は変える事が出来ないのだろうか?それがこのドラマのテーマである。

 

このドラマのタイトルは何を意味しているのか。そんなにインパクトのあるタイトルでも無いのに、ドラマを見始めるとまずそこが気になって来る。ドラマの雰囲気はみことの特殊能力はあれど、ホームドラマに近い。まあ、良く言えば万事優しい世界の話で、悪く言えば温めの湯に浸かったようで魅力に欠ける。みことが沙羅が死ぬ運命を変えようと必死なのは判るのだが、その反面、人の生死に関わる事の多い職業について望まない運命から逃れる方法を模索する実験を繰り返しているようにも見える。その辺が見ていて引っ掛かった。

 

満足度は★★★

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ハル 〜総合商社の女〜

  • 2020.01.10 Friday
  • 15:40

【出演】 中谷美紀、藤木直人、白洲迅 他

【放送】 2019年(テレ東)

 

総合商社にヘッドハンティングされたシングルマザーが古い体質の会社を解決する痛快お仕事ドラマ。ドラマBizの第七弾!

 

バツイチのシングルマザーの海原晴は息子を連れて日本へ帰国した。これまでニューヨークで働いていたが、この度総合商社『五木商事』にヘッドハンティングされたのだ。しかもポストは総合商社の経営企画部部長補佐。日本に到着早々、楽しみにしていたラーメン屋でのラーメン、餃子、ビールを堪能するため、息子の涼を連れてラーメン屋『麺一』へ立ち寄る。ところが涼はラーメンの味に難色を示す。初出勤の日、晴は経営企画部へ案内され、挨拶をするものの誰もが無関心を装い晴を相手にしたりはしない。経営企画部部長――和田寿史が会議を行うので自己紹介はそこでと促され、渋々晴も会議に出席する。ところがそこでの会議は数字だけを見て要らない物を切り捨てるだけの会議だった。現在、五木商事で扱っているフランチャイズ店『麺一』の売り上げが競合店に押されて下降の一途を辿っている。社内で絶大な権力を持っている高山副部長の意向だけに、撤退に反対する者はいなかった。そんな中、晴だけはこれはチャンスだと反論する。また晴の意見に唯一若手社員の青柳悠馬が賛同する。この状況を見た和田は晴と青柳に『麺一』の再建を一任する。

 

総合商社を舞台にしているので、毎回持ち込まれる案件は多種多様である。ラーメン屋の話かと思えば、女流棋士の話になったり、本当に見当のつかない案件が持ち込まれる。次は一体何が来るのか?それが総合商社の面白さでもある。本来ならば、例え大手の総合商社に勤務しても会社全体で何をしているか把握しているかと言えばそうではない。そのため今回のドラマでは経営企画部という舞台を敢えて用意した。多岐に渡る業務に携わるにはもってこいの舞台である。但し全ての案件があまりに見事に解決されるのはスッキリする反面、そんなに簡単に行くのだろうかと疑問も残る。

 

仕事に対する情熱を失いたく無くてシングルマザーの道を選んだ晴の生き様は見ている側も励まされるくらい元気で明るく、何より爽やかである。勿論、そうなるには多くの努力とバイタリティー、そして能力がある事が重要不可欠である。働く女性を推奨する世の中ではあるが、家庭と仕事の両立は並大抵の事ではなく、晴のように働ける人はほんの一握りだろう。ただ何もしなければ自分を取り巻く環境は変わらない。道は自分で切り開いて行かなければならない。晴の姿は暗黙の内にそう語っていた。

 

とにかく晴を演じた中谷美紀が魅力的なドラマである。彼女を中心とした男だらけの部署の中、媚びず奢らず、自分の信念で突き進む晴の息吹が聞こえてくるようだった。

 

満足度は★★★★

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おっさんずラブ −in the sky−

  • 2020.01.09 Thursday
  • 11:12

【出演】 田中圭、吉田鋼太郎、千葉雄大 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

2018年に放送された『おっさんずラブ』が帰って来た。今回の舞台は航空会社。転職してCAとなった男にベテラン機長が急接近!おっさん全開のラブコメディ!

 

半年前に勤めていた会社をリストラされた春田創一は三十五歳にして天空会社『天空ピーチエアライン』に転職し、二カ月間の研修を終えて晴れてCAとなった。しかし困った人を放っておけない性格の創一は出勤初日から人の手助けに時間を取られて、やっと到着した時にはブリーフィングは終了し、先輩CA達や副操縦士の成瀬竜に厳しく注意されただけでなく、機長の黒澤武蔵からは今日のフライトから外すと宣告されてしまう。仕方なく社内で資料整理を始めた創一だったが、不用意にロッカーを開けて中の資料を床にぶち撒けてしまう。おまけにその中に創一の姿をスケッチした絵が何枚も見つかったばかりか、創一のパラパラ漫画まで作られていた事に驚愕する。ここまで描ける人間は何処かから創一をじっと見つめていた事になる。思わず背筋を震わせる創一だった。

 

前作とは全く異なったシチュエーションで描くおっさん(三十歳以上)達の恋愛模様を描いたストーリーであるのは間違いないが、前作にはなかったアプローチで四角関係に陥った四人の恋愛を描いている。全てが一方通行の片想いであるのがミソ。その中の誰と誰がカップリングになるのかが最後まで皆目不明で、ある意味純情で一途な恋の応酬が見ているとどうしても笑わずにはいられなくなる。また前作以上にコメディー要素が強くなっていて、特に黒澤がぶっ飛んでいる。

 

おっさん同士の恋愛をリアルで考えるとあまり想像したくないものだが、このドラマにおいては別。黒澤以外は綺麗どころを集めているのであまり気持ち悪さはない。最年長でどう見ても渋いオッサンの黒澤だけはそこをコミカルな演技でカバー。また男気のある頼もしいキャプテンでもあるので、その落差が最高だった。

 

さてこのシリーズでは毎度モテモテの春田。序盤から同僚の成瀬とキスはするわ、ストーカー紛いのパラパラ漫画を描かれるわ、本人の意図しない所で様々なアクシデント?に見舞われてしまう。それが何ともムフフなのである。本人は鈍感で全く何が起きているか気付いてはいない。天然ぶりが堪らなく可愛らしくて、前作以上にラブリーな春田が非常に良い!

 

春田と黒澤以外キャスティングが変わってしまった事を当初は懸念していたものの、これはこれでアリである。

 

満足度は★★★★★

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グランメゾン東京

  • 2019.12.31 Tuesday
  • 12:27

【出演】 木村拓哉、鈴木京香、沢村一樹 他

【放送】 2019年(TBS)

 

アラフィフにしてミシュランの星が取れるシェフになろうと一念発起した女がパリで出会ったのは落ちぶれた天才シェフ。二人がタッグを組み日本に新しいレストランをオープンしてミシュランの三ツ星を目指す。

 

2015年フランス・パリ。日仏首脳会談が行われる当日、レストラン『エスコフィユ』の厨房は首脳会談に出す昼食の準備で戦場のような慌ただしさだった。厨房を仕切っているのはチーフシェフの尾花夏樹。たくさんのシェフがそれぞれの役割をこなす中、尾花はうにの中身を殻から出して並べている外国人シェフを怒鳴りつける。うにの前菜は殻ごと出すはずだったのだ。妥協を許さない尾花はその場でそのシェフをクビにし、自ら前菜を作って時間に間に合わせる。ところがこの前菜を食べたフランスの外務大臣が突然倒れる。原因はナッツ類のアレルギー。アレルギーの情報は予め厨房に届いていて、戸棚にしまわれていたはずなのだが・・・。

三年後、フランスの三ツ星レストラン『ランブロワジー』では早見倫子が面接を受けていた。もうすぐ五十歳という年齢で応募したのは、ミシュランで星の取れるシェフになりたいという目的からだった。彼女の真剣な思いが面接官のシェフに伝わり実技テストが実施される。ところがそこに男が現れ、採用されたければ自分の言う通りに作れと勝手に調理を始める。彼はすっかり落ちぶれてはいるがかつてミシュランの二つ星を獲得したカリスマシェフ・尾花夏樹だった。尾花が去った後、倫子は得意料理のフォアグラのポワレを作って出すが不採用となる。しかも尾花が三十秒ほどで作ったオイルだけが合格点だった。尾花と再会した倫子は尾花の作った料理を食して改めて才能の違いを思い知らされてしまう。

 

ミシュランと言えば世界的な規模でレストランを評価する団体ではあるが、その実態は一般には良く判っていない。しかしレストランに携わる者にとってミシュランの星は自らが評価される指標となる。このドラマではレストラン『グランメゾン東京』がミシュランの星を目指す過程で、ミシュランがどのように審査するのか等々ミシュランに目を向けたストーリーになっている。ミシュランを題材にしたドラマは日本では非常に珍しい。

 

ミシュランの三ツ星という高い目標を掲げているため、初期設定の能力値が非常に高い。天才シェフ・尾花の前ではシェフとしてまだまだの倫子だが、倫子にしてもアラフィフになるまでシェフとしての人生を歩んできたベテランなのである。そして集まって来る面々はかつて尾花と共に働いていた面々。勿論、新たに加わった面子もいるが、ソムリエ、パティシエに至っては登場した段階から一流の腕を備えている。つまりレストランの成長物語とは言え、最初からプロの集団なのである。そのため地道にコツコツ成長するという印象はない。尾花の昔のトラブルに関連して障壁はあるものの、常に前進あるのみで突き進むイメージである。

 

快進撃のストーリーともいえる内容であるが、その反面、何かを乗り越えるための葛藤など人の内面を描く部分があっさりしている嫌いがある。また主役はほぼ尾花であり、倫子の印象が非常に薄いのも気になった。最終的には倫子の成長が最もクローズアップされるのだが、それまでの倫子は常に尾花の影になってしまいあまり表に出て来ない。それに対しては尾花を傍で見ながらやり方を学んで来たと台詞でフォローされている。

 

また好敵手となるのがレストラン『gaku』。こちらにはこのドラマ枠で放送されたドラマで存在感を示した尾上菊之助と手塚とおるがしっかりと脇を固めている。そして何と言っても絶大な存在感を示したのがリンダ役の富永愛だった。プライドが高く逆らい難いオーラをふんだんに振り撒いていたのが印象に残った。

 

満足度は★★★★

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探偵が早すぎるスペシャル

  • 2019.12.30 Monday
  • 15:43

【出演】 滝藤賢一、広瀬アリス、田辺誠 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

莫大な遺産の相続人となった女に再び魔の手が忍び寄る。犯罪防御率100%史上最速の探偵が事件を未然に防いで彼女を守り抜く痛快コメディーミステリー。原作は井上真偽著の『探偵が早すぎる』。二週に渡って放送された。

 

女子大生の十川一華は見知らぬ父の莫大な遺産を相続したものの、母親代わりとなって育ててくれた橋田政子が決して贅沢はさせず倹しい生活を送っていた。父親の親族である大陀羅一族は遺産相続の資格を失っているため、もう一華の命を狙う者は誰もいないはずだったのだが、思いがけず大陀羅一族と肩を並べる巨大グループの会長・東前門丈一郎が一華の財産を横取りしようと企んでいたのだ。一華の父親には一華の母親の他にも愛人・星野景子がいて、彼女との間にはまだ幼い娘・麗華がいる。一華とは腹違いの妹にあたる麗華ならば一華同様遺産相続の権利がある。東前門は星野親子を誘拐し、麗華に遺産を相続させてそれを奪うつもりだったのだ。しかし例え麗華が遺産相続の権利を主張しても半分は一華が持っていく事になる。一華のようなぼんくら女子大生一人殺すのは簡単だが、問題は探偵・千曲川の存在。彼がいてはそうそう一華に手も出せない。そこでトリック返しが得意な千曲川には世界的に有名なマジシャン・枡田圭介を仕向ける。

 

昨年放送された本編『探偵が早すぎる』ではほぼ完結してしまっているため、今回は実は父親は他にも愛人がいて娘まで産ませていたという設定で始まっている。しかし蓋を開ければ遺産を巡っての大騒動。またもやあの面々が大暴れするストーリーである。但し、今回千曲川の好敵手として選ばれたのは世界的に有名なマジシャンの枡田。千曲川の得意技でもあるトリック返しに対抗するためとは言え、何と安直な・・・。まあ、それはともかく、千曲川VS枡田が如何にして相手の目を誤魔化し、トリックを仕掛けるかが今回の見所となっている。

 

とはいうものの、このドラマは本編もそうだが完全なるコメディーであり、かなりおふざけモードに走っている。五円玉を目の前で振られて暗示にかかるとか、履いていたスリッパの匂いを嗅いで薔薇の香りとかどんなシナリオなんだか。とにかく使い古されたコントやギャグの大盤振る舞い。正直見ているとストーリーは頭の上を滑っていく。何が何だか混乱する内に事件は解決し、一件落着するのだから始末に負えない。しかもいちいち主要人物が自分を捨ててのオーバーリアクションや、アドリブを入れたりの傍若無人の演技。下手をするとコメディーと判っていてもそっぽを向きたくなる。

 

さて今回のドラマでは一華に恋の訪れ(片想い)があったので、もしかすると続編も考えているのかも知れない。

 

満足度は★★★

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