仮面同窓会

  • 2019.07.22 Monday
  • 19:08

【出演】 溝端淳平、瀧本美織、佐野岳 他

【放送】 2019年(フジ)

 

高校の同窓会で顔を合わせた男達が仮面をかぶって体罰教師に復讐する。ところが翌日、その教師は死亡し、彼等は思わぬ恐怖に巻き込まれていく戦慄のクライムサスペンス。原作は雫井脩介著の『仮面同窓会』。

 

新谷洋輔は住宅設備機器メーカーの営業マン。しかし営業成績は振るわず、故郷の狐狸山の支店に左遷されそこでも上司からねちねちといびられていた。ある日、高校時代の初恋の相手・竹中美郷がストーカーに追いかけられている所を偶然助けた洋輔は、同窓会の話を持ち出される。高校時代にあまり良い思い出のなかった洋輔はまだ返事をしていなかったが、美郷目当てで同窓会の出席を決める。同窓会では暫くぶりに会った幼馴染みの片岡八真人、皆川希一、大見和康と旧知を温めていたが、トイレで樫村貞茂と遭遇して愕然となる。樫村は体罰を厭わない体育教師で、何故か女子には人気があるが、洋輔達は手ひどい体罰を受けて今も恨みを抱いていた。それでも目当ての美郷からこの間のお礼にスマホケースを貰った洋輔は浮かれていたが、同窓会直後、希一達に秘密基地と称される建物に案内された洋輔は彼等から樫村への復讐計画を聞かされる。計画通り仮面をかぶって正体を隠して樫村を拉致し、樫村に屈辱的な仕打ちをさせたまでは良かったが、行き過ぎた行為に臆した洋輔がつい仲間を名前で呼んでしまう。しかも樫村に顔を見られて計画は台無しに。ところが翌日、拘束状態で放置したはずの樫村が死亡したとニュースで流れる。

 

何と言うか主人公以外クズばかりが登場する内容で、人間の良さに目を伏せて汚さや狡さなど闇の部分を増長したような表現がなされている。そのため何とも後味の悪いドラマである。主人公だけがごく普通の人物であるのだが、最終回では周囲がクズ過ぎて主人公があたかも神のようにさえ思えてしまう。

 

自分の身に迫る危険の正体が判らない恐怖に怯えつつ解決を目指す主人公。そこにはとある元同級生の少女の死が関わっていて云々という内容なのだが、結果的に言えばそれは制作側が用意した正解への道筋であるのだが、何故そう固執して考えるのか見ている側としては疑問に感じる点が多かった。

 

それにしてもかつての同級生達が次々襲われ、傷付けられ、殺され・・・。無関係の人間にとっては悲しいというより、迷惑極まりない話である。

 

満足度は★★★★

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ラジエ―ションハウス特別編 〜旅立ち〜

  • 2019.07.09 Tuesday
  • 10:01

【出演】 窪田正孝、本田翼、広瀬アリス 他

【放送】 2019年(フジ)

 

『ラジエ―ションハウス 〜放射線科の診断レポート〜』の本編が終了した翌週に放送されたスペシャルドラマ。これまでのストーリーを振り返りつつ、日本を経っていく主人公と残された放射線科の技師達の奮闘を描いていく。

 

アメリカの医療チームに入るため、アメリカへ向かう飛行機に乗った五十嵐唯織はお守りの一枚の写真を眺めていた。すると不意に「いい写真だね」と声を掛けられる。それはかつて唯織が命を救った写真家の菊島だった。何でも菊島はサンフランシスコ経由でアラスカに向かい、流星群を撮影する予定だと言う。ところが離陸直後、飛行機は積乱雲に遭遇し激しい揺れに見舞われる。乗客から悲鳴があがり、唯織も手にしていた写真を落としてしまう。暫くすると積乱雲を抜けたが、実はその頃、操縦士室では機長が体の異変を感じていたのだが、これが最後のフライトとなるため機長はその事を誰にも告げずに隠していた。そんな最中、乗客の外国人男性の容態がおかしくなる。CAはすぐに医療関係者を募ると、唯織と内科医の黒川が名乗り出た。

 

本編の人気が高かったため急遽制作されたスペシャルドラマで、本編ではアメリカに経つ決意をした唯織が甘春総合病院の同僚達と別れを告げる所までが描かれていたが、このドラマはその直後の出来事を題材にしたストーリーとなっている。離陸した飛行機の中で急病人が出ると言う緊急事態に唯織がどう対処していくのか、そして同時に唯織の抜けた放射線科の面々が唯織に頼らず患者の病に真剣に向き合っていく姿を描いていて、どちらも未来への第一歩を踏みしめた形で終了している。続編の制作発表はされていないが、もしあるとすれば楽しみである。

 

今回のドラマで唯織が遭遇するのは飛行機の中と言う特殊な状況で急病人が立て続けに二人出るというレアケース。しかしこの状況、一人の患者では時間が持たないからもう一人出しちゃったという感じで、都合が良過ぎる感じが否めない。但し甘春総合病院でのストーリーは良かった。これまで同じ新人ながらも、どうしても唯織の陰に隠れて存在が薄かった裕乃が一人前になろうと必死に頑張る姿に焦点が置かれ、放射線技師として成長した彼女の頑張る姿に元気を貰える。相変わらず放射線科の良いチームワークも魅力的で、これで見納めなのが惜しまれる。

 

満足度は★★★★★

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人類学者・岬久美子の殺人鑑定8

  • 2019.07.07 Sunday
  • 21:36

【出演】 大塚寧々、キムラ緑子、金井勇太 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

殺害された老人が抱えていたバッグの中には人骨が入っていた。この人骨は誰の物なのか?骨が語る真実を暴く骨鑑定ミステリー。『人類学者・岬久美子』シリーズ第八弾!

 

城徳大学の准教授・岬久美子が帰宅を急いでいると見知らぬ人物から急に呼び出しがかかる。電話で指定された青嶋学園の初等部建設予定地に行ってみると、老人がバックを大事そうに抱えて何者かに殺害されていた。もう少し早く駆け付けていれば、老人は死ななくても良かったのでは無いかと久美子は後悔の念に苛まれてならない。久美子からの通報で駆け付けた警察が現場を調べていると、老人の抱えていたバッグの中から人骨が出て来た。久美子の幼馴染みで、警視庁捜査一課の二階堂刑事は嫌々久美子に人骨の鑑定を頼む。しかし頭蓋骨は下半分しかなく、人物の特定には至らない。おまけに事故か他殺かの特定も出来なかった。しかし人骨はかなり昔に骨折した形跡が体の至る箇所に見られ、複雑骨折した肩の骨にはネオボーン(人工骨)が移植されている事が判った。一方、警察は被害者の老人・宮部保昭が青嶋学園の理事長・青嶋都和子に「彼を殺したのはあなたですか?」と迫っていた事実を掴んでいた。都和子の一人息子・光留が行方が判らない事から、人骨が光留の物では無いかと睨むが、都和子は光留がアメリカに留学中だと主張し、人骨と光留の関係性を否定する。

 

親子の愛情をテーマにしたドラマで、親は完璧な人間ではないのでどんなに愛情を持って子供に接していても自分の子育ては間違っていたのだろうかと考える事もある。それを強く出したのがこのドラマであり、今回の事件の根本にある問題点である。それだけ聞いていれば確かに感動的な内容のドラマだろうと思われるのだが、最終目的は親子関係の修復ではなく殺人事件の解決であるため話はちょっと違って来る。ドラマの大半が青嶋親子や光留と宮部の関係の調査に費やされる内容であったにも拘わらず、真犯人に繋がる情報は何一つ出て来ない。解決編になっていきなりと言うのは完全な肩透かし。実際、このドラマはそうだった。犯人に繋がる何の伏線もなく、解決編でそれまで出て来なかった新事実を出して犯人特定というのは幾ら何でも酷くはないだろうか。

 

骨の鑑定という特定された分野の作品だけに既にネタ切れであるのをひしひしと感じる。シリーズ物と言ってもかなりの間隔を空けて続ければ当然ながら出演者の年齢も上がり魅力は半減する。惰性で続ける意味があるのかどうか疑問になる。今回主演の大塚寧々を見ていてそれを強く感じた。

 

満足度は★★★

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緊急取調室

  • 2019.07.06 Saturday
  • 17:22

【出演】 天海祐希、田中哲司、小日向文世 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

『緊急取調室』第三シリーズ。取調室内での被疑者と取調官の心理戦による駆け引きを中心に描いた刑事ドラマ。大杉漣の死去により、塚地武雄が新メンバーとして加わった。

 

裁判員制度が実施されて以来、取り調べの様子はビデオ撮影する事が義務付けられている。この事により頭が痛いのが取り調べを行う取調官の面々。警視庁捜査一課緊急事案対応取調班(通称:キントリ)では紅一点である真壁有希子も同僚の菱本進と共に幹部が見学する中、取り調べの見本を見せるべく被疑者である少女の取り調べを行っていた。しかしマニュアル通りの取り調べを逆手に取り被疑者から馬鹿にされ、とうとう真壁は大声で怒鳴りつけてしまう。実は真壁はビデオ撮影で委縮してロクに被疑者から話を聞けない現状を打破するためにわざと問題行動を起こしていた。この一件が問題視された真壁は警視庁初の女性刑事部参事官・菊池玲子から取調官として相応しく無いと吐き捨てられたばかりか「詰めが甘い」と叱責されるのだった。その頃、護送中の受刑者・野本雄太が逃走するという事件が起きていた。その後野本は主婦・藤沢さおりを人質にして立てこもり、交渉役に菊池玲子を指名した。現場ではSITが待機する中、菊池参事官は周囲が止めるのも聞かずに一人で民家へ乗り込んでいく。ところがその直後、銃の発砲音が立て続けに二発響き渡る。慌てて待機していたSITが乗り込んでいくと、菊池参事官が野本を射殺していた。

 

とうとう第三シリーズまで放送された人気作ではあるが、同局のシリーズ物は正直言って本当に人気があるかどうか疑わしいものも多く、取り敢えずテレビを良く見る年代に受けが良いからという理由で続いているドラマシリーズも無きにしも非ずである。そんな中、このドラマシリーズは主演に天海祐希を迎え、犯罪者(あるいは関係者)との心理戦が売りであり、相手の弱点を見つけて如何にして真実を言わせるかが魅力のドラマである。とは言え第三シリーズともなれば主人公の過去話も無くなり、自供を導き出すための策略にもある程度パターン化してきたのも確か。そこで今回はそのスパイスとして、キントリが解散させられるという要素を付け加えている。もしもしくじればその時点で解散。それでも彼等はプライドを賭けて取り調べに臨むというストーリーになっている。

 

それはそれで狙い通りなのであろうが、やはり名優・大杉漣が抜けた穴は大きいというのが正直な印象だった。特別大きな活躍をしなくても存在感だけでドラマを盛り上げる名優の死は寂しいばかり。新しいメンバーを迎えた事で、その設定から新たな方向性が示せたにも拘わらず、やはり寂しさを感じる。

 

満足度は★★★★

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パーフェクトワールド

  • 2019.07.05 Friday
  • 14:40

【出演】 松坂桃李、山本美月、瀬戸康史 他

【放送】 2019年(フジ)

 

高校時代に好きだった彼と再会した。だけど彼は障害者になっていた。車椅子生活の建築士と彼に恋をする女が様々な困難を乗り越えて愛を成就させる美しくも切ないラブストーリー。原作は有賀リエのコミック『パーフェクトワールド』。

 

川奈つぐみはインテリアデザイン会社『クランベリーズ』で事務員として働いている。ある日、社長の東美千代に頼まれて設計事務所との打ち合わせの席に届け物をすると、そこには高校時代の同級生・鮎川樹がいた。樹はつぐみの初恋相手だが、高校時代の樹はバスケ部のキャプテンを務めていてつぐみからすれば手の届かない存在。おまけに同級生の雪村美姫とも付き合っていて、結局つぐみは思いを打ち明ける事が出来ないまま卒業を迎えた。再会を喜ぶつぐみは浮かれて「もうバスケはやってないの?」と聞いてしまう。つぐみの発言にその場にいた面々は一斉に黙り込んでしまう。つぐみは知らなかったのだ。樹は大学時代に事故に遭って下半身不随となっていた事を。自力で車椅子に乗る樹を見てつぐみは樹を傷つけるような発言をした事を激しく後悔する。

 

昨今恋愛ドラマが殆ど制作されなくなる中、恋愛の王道を行く稀少な純愛ラブストーリーである。特にこのドラマが放送された時期は唯一の恋愛ドラマであったと言っても過言ではない。またこのドラマは車椅子生活を強いられる障害についてもきちんと描かれていて、それによる生活面の困難や発症する病、排せつの問題等々、勿論実際はもっと多くの問題が生じるのであろうが、主人公の樹が粗相をしてしまってプライドが傷付く姿は胸が詰まるような思いがした。

 

好きになった人が障害者だった。

 

と、不倫している人の言い訳ともとれる言い分だが、実際このドラマのヒロイン・つぐみにとってはまさにそれが真実なのであろう。障害を持つ人間と暮らしていくには相当な困難が見込まれる。だから周囲の人達はつぐみと樹の恋愛を引き裂こうとする。でもつぐみにとって樹は初恋の相手であり、人間性に惹かれる相手でもある。ただ好きという感情だけで恋愛が成就するのかがこのドラマのメインテーマとなっていて、メインとなる二人が自分の気持ちに正直に生きるための覚悟が出来るかというのがネックとなってくる。それは当然この設定を見た段階で何となく想像のつく話ではあるが、やはり一つ一つの困難を乗り越えていく純愛は美しく見えるものである。つい心の中で「頑張れ!」と応援したくなってしまう。

 

恋愛ものはもう食傷気味であまり受け入れられない時代なのかも知れないが、甘い恋愛ではなく現代の社会と真摯に向き合ったラブストーリーには心惹かれてしまう。

 

満足度は★★★★★

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小説王

  • 2019.07.03 Wednesday
  • 18:59

【出演】 白濱亜嵐、小柳友、桜庭ななみ 他

【放送】 2019年(フジ)

 

小学校の頃の友人同士が大人になって再会。売れない小説家と三流編集者になった二人が斜陽と呼ばれる出版業界に戦いを挑み、日本一の小説を作る熱い友情と成長の物語。原作は早見和真著の『小説王』。

 

小説家の吉田豊隆は『空白のメソッド』で華々しいデビューを飾ったが、十年経った今、作風が時代に合わないという理由で作品を持ち込んでも出版社に冷たくあしらわれる日々が続いていた。小説では暮らしていけず、バイト暮らしをしているものの、小説家の経歴を妬まれ店長から嫌味を言われる始末。またせっかく稼いだ金も父親からせびられて、貧しい生活を送っていた。一方、豊隆の小学校時代の同級生だった小柳俊太郎は小さい頃の夢であった小説家にはなれず、文芸雑誌『ゴッド』編集部の新米編集者となっていた。手始めに豊隆の小説を『ゴッド』に掲載させたいと思い、豊隆を探し回る。やっと見つけた豊隆はかつて彼等が一緒に作っていた学級新聞と同じ名前の居酒屋『ぶんぶく』で飲んだくれていた。翌日、俊太郎の家で目を覚ました豊隆は俊太郎から小説を書いて欲しいと言われて困惑する。何故なら豊隆が昨夜飲んだくれていたのは小説家を断念すると決めたからだったのだ。

 

時代が悪かった。このドラマの主人公である吉田豊隆が小説家としてぱっとしないのはそこにある。小説家としての実力があっても、現代は出版不況で本がなかなか売れない状況にある。小説として売れるのは純文学ではなくラノベ。しかも異世界ファンタジーが主流であり、大半の購買者はそれしか買わない。そんな中にモロ純文学で挑もうとしているのだから、端から分の悪い話なのである。実力はあるのに・・・。

 

そんな時代に生きる豊隆と、小説家としての夢は破れたものの代わりに小説を世に出す編集者としての道を選んだ俊太郎。この小学校の同級生二人が小説界の頂点を目指す物語と聞いて、一体頂点って何だろうと考えてしまった。この世にロクな内容でもないのにベストセラーになった作品は幾らでもある。別の何かで話題になって、その副作用として本が売れた。売れる本を作る事が目的なら内容以前に何かで自分自身が有名にならなければならない。正直言って本末転倒であるのだが、今はそれがまかり通っている時代。それだけに真面目に小説家を目指してこつこつ書く努力を重ねている者にとっては正当な評価を得られているとは言い難い過酷な世界と言えるだろう。

 

それでも実力があれば頂点に立てる。そう信じて出版業界に挑んでいく二人の戦いを描いたストーリーはある意味バトル系のドラマと言えるくらい熱かった。

 

満足度は★★★★

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もみ消して冬2019 〜夏でも寒くて死にそうです〜

  • 2019.07.02 Tuesday
  • 08:50

【出演】 山田涼介、波瑠、小瀧望 他

【放送】 2019年(日テレ)

 

昨年放送されたドラマ『もみ消して冬 〜わが家の問題なかったことに〜』がスペシャルドラマとして帰って来た。誰もが羨む華麗なる一族がまたもやスキャンダルに見舞われる。家族の危機を救うべく例の如く次男が火消し役を押し付けられる羽目になる華麗なる一族の物語。

 

警視庁のエリート警察官だった北沢家の次男・北沢秀作が家族を守るために逮捕されてから一年が過ぎていた。現在、失職した秀作は実刑判決が下されたが執行猶予がつき、就職活動を続けている。当人は昔から憧れていたパティシエになりたいとケーキ屋の面接を受けているが、秀作を採用する店はなかった。ある日、アメリカから北沢家の長男・博文が帰国する。博文は医療にAIを取り入れた画期的な術式でその名を世界中に知らしめていた。また北沢家の長女・千晶もAIでマッチングされた恋人と順調な交際を続けていてAIを信頼している模様。唯一秀作だけはAIに否定的だった。ところが彼等の父・北沢泰蔵の次回作のノンフィクション作品『教育失敗』のゴーストライターを引き受けた秀作は何度書いても泰蔵から駄目出しを食らい、とうとうAIサユリの力で自分の書いた原稿を書き直させると言う荒業に出る。すると出来上がった原稿は素晴らしい内容だったが、脚色されて秀作は超極悪人のモンスターとして描かれていたのだ。愕然とする秀作に追い討ちをかけるように泰蔵は原稿を大いに気に入り、そのまま発売すると言い出す。

 

北沢家のスキャンダルをもみ消すために犯罪者となった秀作が相変わらず北沢家の中で理不尽な扱いを受け、それでも愛する家族のために犯罪に加担すると言うストーリーで、教育者でもあり人格者でもある父親が『教育失敗』を掲げた秀作の生涯を父親目線で書く本をよりによって秀作本人にゴーストライターを頼むとかもう鬼かと。そんな理不尽さを笑ってしまう不謹慎極まりないドラマスタイルは健在。虐げられる秀作が現実逃避してAIのサユリにのめり込んでいく姿につい笑いが込み上げてしまう。執事がその姿をこっそり盗み見てドン引きするのも頷ける。

 

とはいえ、兄と姉が以前よりは秀作に対して優しくなっているのはほっとする。何度も駄目だしされる秀作のためにサユリを貸してやる兄、秀作の危機に一応協力を申し出る姉、昨年の連ドラ開始当初よりは家庭内の人間関係は優しくなっているように感じる。

 

まあ、一回だけのスペシャルドラマなので、温情ある父親の采配により大団円の締め括りも良いだろう。

 

満足度は★★★★

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わたし、定時で帰ります

  • 2019.06.27 Thursday
  • 13:31

【出演】 吉高由里子、中丸雄一、向井理 他

【放送】 2019年(TBS)

 

定時帰りをモットーとするOLを中心に現代社会の働き方について描いたお仕事ドラマ。原作は朱野帰子著の『わたし、定時で帰ります』。

 

WEB制作会社『ネットヒーローズ』の制作4部では眼鏡商人サイトのプロジェクトが今まさに終了しようとしていた。ディレクターの東山結衣がクライアントのOKを貰って無事終了。十八時になったのを見て結衣は帰りますコール。実際、会社全体で残業ゼロを目指すと言う目標を掲げているので、結衣の行動は咎められるものではない。しかし吸収された会社から来た三谷佳奈子には全く信じられない状況だった。定時で会社を出た結衣が向かったのは上海飯店。仕事帰りにこの店のハッピーアワーでビールを飲むのが結衣の日課となっている。有休休暇を取って人間ドッグを受けた結衣は鬼怒川グランドホテルに宿泊し優雅な休暇を過ごしていたが、仕事の協力をしてくれる愁から気になる情報提供があった。それは元婚約者の種田晃太郎が本社に帰り、結衣と同じ部署に返り咲くというものだった。情報通り、晃太郎は制作4部の副部長に、そしてやたらと元気の良い福永清次も部長としてやってくる。この日、新規案件のプレゼンの話が舞い込み、佳奈子が名乗りを上げる。早速打ち合わせが始まるが、結衣は助けてと言われない限りノータッチ。ところが運悪くエレベーター前で晃太郎と福永に出くわし、福永から定時帰りを非難される。

 

一度社会に出て会社員として働いた事のある人なら、このドラマを見て胸が痛くなるような体験をするかも知れない。昨今、働き方改革が推進され、どの企業も努力はしているもののまだまだ完全に政府の推奨するような職場にはなっていない。働き方改革によって残業を減らし、できるだけ定時帰りを社員に強いるようなシステムにしようとしてもすぐに会社自体がそういう体質になれるわけではないのが現状で、このドラマのように毎日定時帰りをするヒロインを仕事をしない不真面目な社員と冷ややかな目で見たり、或いは社員の仕事の時間を減らしたせいで出来なくなった仕事を下請けに回し、下請けの負担を大きくする企業もある。身を削って働く事が美徳とされた時代を生きている人々が上に立っている以上、職場の体質はなかなか変わらないものである。実際、このドラマで取り上げられた会社の実態はリアルで、共感する内容が多かった。それだけに「あるある」と思いながらも、身につまされてしまう。

 

今の時代、働くならどういうスタイルで働くのか。それは個人の自由ではあるのだが、今は昔と違って仕事中毒は好ましいとは言えない。仕事よりも私生活を大事にするよう呼び掛けている。ただ人間と言うのは不思議なもので何かで存在意義を見い出せないと不安で生きられない生き物である。趣味を持たない人にとっては仕事しか自分の存在意義を示せるものがないため、他人が何を言おうと聞く耳は持たず仕事中毒になっていく。

 

非常に内容が秀逸であるが故に、あまりのリアルさに見るのが辛くなってしまうドラマだった。

 

満足度は★★★★★

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都立水商! 〜令和〜

  • 2019.06.26 Wednesday
  • 10:18

【出演】 竜星涼、神尾楓珠、松井玲奈 他

【放送】 2019年(TBS)

 

都立高校なのに水商売専門教育の学校を舞台に、新米教師と水商売を目指す生徒達の学園ドラマ。原作は室積光著の『都立水商!』。猪熊しのぶ作画で漫画化もされている。

 

就活中の石綿直樹は悉く不採用通知を貰い、就職浪人まっしぐらな日々を送っていた。そんなある日、恋人・大海原春香が両親に会って欲しいと言って来た。気軽に話を受けた直樹だったが、予想に反して春香の父親は厳格な代議士で親族も弁護士、医者等々何れも『先生』と呼ばれるそうそうたる職業に就いていた。この状況でまさか就職浪人とは口が裂けても言えない。直樹は大慌てで教職の募集を探す。すると唯一教師を募集していたのは東京都立水商業高等学校だけだった。直樹も見事採用となり、三年C組の担任となる。生徒達は個性的ではあるものの、ごく普通の生徒で、新米教師の直樹に対して反発する様子もない。ほっと安堵する直樹だった。ところが空き時間に同僚の乾千花に頼まれて実習室1へ行くと、そこで行われていたのはキャバクラの接客授業。千花は直樹を新規の客とみなして接客するよう生徒に言いつける。この時初めて直樹はここが水商売専門教育の学校だと気付く。

 

学習内容が通常の授業もあるものの、水商売専門の授業や実習があるという水商売専門校の学園ドラマなので、水商売という教育現場とは相いれない分野を敢えて取り入れたコメディーかと半ば馬鹿にしていたのだが、どうしてどうして中身は新人の教師が生徒達とともに成長していくというストーリーでかつての学園物を思い起こさせる内容だった。接客の授業や性感帯の授業等々、教える内容はどうであれ、一般の学校とは違って目的意識のはっきりした生徒達が将来を見据えて受講する姿は普通科の高校と異なって遥かに生徒の意識は高いと見えた。勿論、学園物だけにそこには様々な問題もある。それを恋人の父親に嫌われないためだけに教師となった新米教師が生徒と一緒になって問題に取り組んでいく様は一般の高校と何等変わりない。むしろ新米教師の直樹が例え不純な動機で教師になったとは言え、頼りないながらも誠実に、そして真摯に生徒達と寄り添っていく姿に好感が持てた。当初の予想に反して意外にも真っ当な学園ドラマだった。

 

さてやはり水商売を背景にしているので、女子生徒は容姿に自信のある、特に胸は巨乳ばかりというラインナップ。男子生徒は主にイケメンだが、まあ中には容姿があまり関わらない職種もあるので全員が揃ってイケメンというわけではないが・・・。これだけ粒ぞろいならドラマ内で学校見学に来た直樹の婚約者・春香が可愛い子ばかりで不安になると言い出すのも判らなくもない。

 

満足度は★★★★★

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ストロベリーナイト・サーガ

  • 2019.06.24 Monday
  • 17:47

【出演】 二階堂ふみ、亀梨和也、江口洋介 他

【放送】 2019年(フジ)

 

2010年から2013年に渡って制作されたドラマ『ストロベリーナイト』のリメイク版。現代社会に合わせた内容で装いも新たに展開する刑事ドラマ。原作は誉田哲也著の姫川玲子シリーズ。

 

2018年11月13日付けで菊田和男は警視庁捜査一課第十係への異動が命じられた。ここは姫川玲子という女性が主任を務める部署で通称『姫川犯』と呼ばれている。姫川玲子と言えば難事件を解決した実績があるにもかかわらず、女というだけで軽んじられている。実際、菊田の異動を知った周囲は菊田が出世コースから外れたと冷笑していた。菊田の出勤初日、『水元公園内殺人・死体遺棄事件特別本部』が立てられ、菊田もまたその本部に顔を出す事になる。しかしその場に姫川玲子の姿は無かった。間も無く捜査会議が始まり、事件のあらましが警視庁の今泉警部から説明される。被害者は金原太一、三十四歳。事務機器リース会社勤務の営業マンで死因は失血性ショック死と判明。被害者には全身九十四か所の傷があったがその多くは死因とは無関係で、致命傷となったのは喉元の頸動脈の切断する傷痕だった。第一発見者の主婦の話ではこの遺体はビニールシートに包まれて一晩放置されていたと言う。被害者の画像を見ていた菊田は腹部にある大きな傷に疑問を持つ。この傷は死後につけられたものだった。そこまで会議が進んだ時、颯爽と現れたのが玲子だった。玲子は遺体が一晩放置されていた理由が、この事件には殺害役と遺体を沈める役が存在し、後者が死亡したためそのまま放置されていたと仮説を述べる。

 

かつて竹内結子が姫川玲子を演じて好評を博した作品のリメイク版で、『白い巨塔』のように何度もキャスティングを変更しリメイクされてきたドラマもあるだけに満を持しての制作だったのではないだろうか。しかし若干二十二歳の二階堂ふみが二十七歳の姫川玲子を演じるにはやや若過ぎるといった印象が終始拭えなかった。頑張っているのは判るのだが、今回の姫川玲子は例えればヒヨコ。頼りないというのもあるし、芯が細い印象もある。凄んでみても迫力が足りず、言葉に説得力がない。犯罪被害者であり、かつ犯人を憎む犯罪者としての体質を持つ姫川玲子が勘だけで突き進んでいるように見えて、何となくしっくりこないかった。

 

しっくりこないと言えば、江口洋介の勝俣も亀梨和也の菊田もとにかくインパクトが弱い。このドラマだけを見ていればそうでもないのかも知れないが、リメイク版であるだけにどうしても比較対象ありきなのでメインキャストの弱さが致命的である。ストーリーそのものはさほど変わりないとしてもキャスト陣が以前より劣っていればどうしてもドラマの評価に関わって来る。リメイク版でなければもっと好意的に見れたのかも知れない。

 

さてストーリーは殆ど変わりないと言っても、以前の『ストロベリーナイト』が猟奇的な殺人や犯人の特異的な嗜好を最大限に引き出して興味を惹いたのに対して、今回のドラマではそこまで特別扱いにはせず、むしろ姫川のストーリーを進める方向で展開している。犯罪そのものより姫川のヒューマンドラマがメインとなり、刑事ドラマとして見る場合には興味がやや薄れる。また現代で放送するには重すぎる気がした。

 

満足度は★★★★

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