妖怪シェアハウス

  • 2020.09.21 Monday
  • 06:24

【出演】 小芝風花、松本まりか、大東駿介 他

【放送】 2020年(テレ朝)

 

不幸な人生を送って来たOLを助けたのは現代社会で生きる妖怪たちだった。妖怪たちの家をシェアする事になった彼女の摩訶不思議なストーリー。

 

借金取りに追われてキャリーケースを手に逃げ惑う目黒澪は、恋人の奥園健太郎の家に匿って貰おうと訪ねたが、そこには見知らぬ女がいた。澪は二股をかけられていたのだ。しかも優先順位は二番目。そもそも借金は健太郎に貢ぐために背負った借金であり、健太郎の仕事のミスさえ澪は被って来た。それもこれもゆくゆくは健太郎との結婚を夢見ていたからだったのだが、健太郎に澪と結婚する気などさらさらなかった。ただ金を引き出すために利用されて遊ばれただけだと知りショックを受けた澪は勤めていた会社もクビになり、住む場所も失って、行き倒れてしまう。そんな澪に手を差し伸べたのは四谷伊和という眼帯をした美しい女性だった。澪が目を覚ますとそこは伊和の暮らすシェアハウスだった。優しく接してくれる住人達に感謝する澪だったが、ここの住人は何か様子がおかしい。夜中に目を覚ました澪は部屋の中に集う化け物の姿を見てしまう。

 

妖怪が登場する話は多々あるが、ここまで大胆に妖怪エンターテイメントドラマを作り上げてしまうとは驚きである。妖怪と言えばこうであるという常識を完全に超越して、ドラマ内でこの妖怪がそもそもどんな時に現れる妖怪なのかという説明はされるものの、そこから道を大幅に外してしまう縛られない発想が魅力のドラマである。例えば番町皿屋敷に登場するお菊は日本の怪談話では有名であるが、身を投げた古井戸から皿を数えて一枚足りないとすすり泣く声が聞こえるという逸話から、現代社会では在庫管理のプロ。しかもハイテンションなアイドル女子。他にもコロナ禍で話題となったあまびえを登場させるなど、どこまでも遊び心に拘ったドラマ作りが斬新なドラマになっている。また妖怪の外見の不気味さとは裏腹にとにかく明るく笑い飛ばせてしまうのも魅力の一つ。夏には怪談やホラーが定番となっているが、これまでの妖怪=怪談の常識を完全に逸脱している。

 

毎回、様々なストーリーが用意されているが、一番の驚きはヒロイン・澪の決断だろう。妖怪と関わりを持ってしまったがために自らが妖怪化してしまった澪。そんな彼女はとある決断を迫られるのだが・・・。色々悩んだ末、澪が選んだ道はこのドラマならではの決断だったように感じる。澪を通じて脚本家の本音が垣間見え、なるほどと納得させられる。

 

満足度は★★★★★

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真夏の少年 〜19452020

  • 2020.09.19 Saturday
  • 11:35

【出演】 佐藤龍我、博多大丸、長谷川京子 他

【放送】 2020年(テレ朝)

 

現代にタイムスリップした鬼軍曹と現代の高校生が過ごすひと夏のストーリー。

 

雷の多い地域・富室市。市内にある富室高校二年B組には見た目はヤンキーだがクラスメートから『見掛け倒しトリオ』と呼ばれる三人がいる。リーゼントの風間竜二、ヤンキー漫画が大好きな瀬名悟、可愛いものが大好きな春日篤は大の仲良しでいつもつるんでいた。ある日、喧嘩上等の夢から覚めた悟はビルの屋上から人が落下する光景を見てしまう。竜二と篤を連れて三人でビルまで行くもののそこには誰もいなかった。草むらに落ちていた白い手袋を持ち帰って学校に戻ると、学校では理事長――山田ゲルハルト節子がやって来て大騒ぎになっていた。二年B組の生徒――財前康隆が自殺を図ったと言うのだ。幸い命には別条はないが面会謝絶の重体。節子は自殺の原因が何か調査しろと二年B組の担任教師――東村秀太郎に命じる。翌日、悟がいつものように登校すると、教師達に学校への出入りを禁じられる。東村は自殺の原因が悟のカツアゲだと決め付けてしまったのだ。勿論、完全な濡れ衣で、悟は三日前ジュース代が無くて財前に150円を借りただけだったのだが、悟の主張は認められなかった。謹慎処分となった悟がいつもの場所で竜二と篤と三人で屯っていると、放送部の小泉明菜が現場リポートの動画を送って来る。話はどんどん拡散され、悟の立場は悪くなる一方。しかし悟は壁にぶつかると逃げてしまう性格で、無実を証明する気はさらさらなかった。

 

映画『STAND BY ME』をイメージしたドラマですぐに諦めてしまう現代の高校生達が、戦時中からタイムスリップした日本兵との出会いから生き方を学び成長していく物語。戦争の悲惨さを伝える内容ではないが、夏休みや終戦記念日等を意識した全年齢向けの内容となっている。深夜帯に放送されているが、昔ならば昼ドラ枠やゴールデン枠に放送されていてもおかしくないようなドラマである。

 

ネットの情報をすぐに鵜呑みにしてしまう現代。情報の真偽を確かめる事無く拡散し、根拠のない嘘に惑わされて人を傷つけていく。そんな社会で生きる多感な高校生は、無駄な労力を使って疲弊するよりは諦める事を覚えて生きている。しかし戦時中は諦める事を許されなかった。全く価値観の違う日本兵の三平三平が彼等の良き教師となって、彼等に人間としてどうあるべきかを教えていく。ただ三平三平が日本兵だからと言って軍国主義を貫くようながちがちの頭の人間であったとしたなら、彼等との友好関係は築けなかっただろう。当時を生きる人間としてはかなり柔軟な思考を持つ特異な人間に設定されている。

 

クライマックスでは元の時代に戻るためのタイムマシンを、防空壕の基地でみんなが協力していく。タイムマシンがその辺の材料を使って高校生に作れてしまうのはかなり違和感があるが、少年達が何か一つの目標に向かって尽力する姿は清々しい。学校では全く違うグループで接することの無かった彼等が、同じ目的のためなら手を組み、友情を育んでいく。アイドルタレント中心のエンターテイメントドラマであるのは否めないが、ほどほどの脱力感もあり、田舎社会の良さも孕み、夏休みには相応しいドラマだった。

 

満足度は★★★★

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竜の道 二つの顔の復讐者

  • 2020.09.18 Friday
  • 10:39

【出演】 玉木宏、高橋一生、松本穂香 他

【放送】 2020年(フジ)

 

一人は顔を変えて裏社会を生きる者、もう一人はエリート官僚。一卵性双生児の兄弟が両親を自殺に追い込んだ男に復讐を果たす復讐物語。原作は白川道著の『竜の道』。

 

1997年、福岡で小さな運送会社『吉江運送』を経営する吉江夫妻は一卵性双生児の息子――竜一と竜二、まだ五歳の娘――美佐の五人で幸せに暮らしていた。ある日、会社に霧島源平という男が現れる。霧島はキリシマ急便の社長で業務提携契約を結ぶためだった。しかしそれは吉江運送を乗っ取るための霧島の悪質な常套手段だった。追い詰められた吉江夫妻はガス心中を図る。竜一と竜二が学校から帰宅すると既に吉江夫妻は息を引き取り、離れた廊下では美佐が巻き添えを食って倒れていた。幸い美佐だけは無事だった。竜一と竜二は警察に足を運んで霧島の悪事を訴えるが、全く請け合ってくれなかった。それから七年後、竜一と竜二、そして美佐は三人で一緒に暮らしていたが、竜一が一人で留守番をしている際に煙草の不始末で火事を起こしてしまう。遺体は黒焦げで顔の判別も出来ない状態だった。ところがそれから二カ月後、竜二の前に見知らぬ男――斉藤一成が現れる。この男こそが竜一だった。火事で自分を死んだことにして整形して別人となったのだ。全ては両親の復讐のため。竜一は裏社会から、竜二は表社会から、霧島への復讐を誓う。

 

復讐劇と言うのは復讐する相手が強ければ強い程話が面白くなる。あっさりやられてしまうようでは話が盛り上がらない。復讐をする側もされる側もやり返せるような強さとしぶとさを持ち、そのスリリングなせめぎ合いがドラマの面白さとなる。今回、復讐される男・霧島は自分の利益のためならどんな卑劣な手段も厭わず、相手に同情する心も持たず、自分以外、例えそれが家族でさえも信じられないという設定。まさしくラスボスに相応しい人物で、復讐する側が何をしても勧善懲悪っぽい構成に見えて来る。更にこのドラマはただ復讐するだけにはとどまらないのが魅力の一つ。復讐のために裏社会へと身を投じた竜一がヤクザと繋がりを持ち、そちらとの関係性でも話が発展する。また復讐を誓った兄弟が本当に守りたい血の繋がらない妹の存在。様々な人間関係によって話は二転三転していく。

 

ラストは復讐を果たした後日談で締めくくられるのだが、この結末は衝撃的と言うよりはほぼ予想通りだった。復讐を遂げたとしてもその先には何も残らない。誰一人幸せにはなれず、ただただ虚しいだけである。この復讐劇の被害者は誰だったのか? 考えてみれば復讐劇に巻き込まれた霧島の家族が一番の被害者では無かったのだろうか?

 

原作ありきのドラマなのでストーリーは決まった道筋を辿ることになるのだが、しばしば感じたのはとにかく決められた話数に収めるために重点を置きたいポイントに絞って繋げているため展開が早くてテンポは良いのだが、その反面人の心の葛藤などドラマ自体に深みを与える部分が少ない。そのせいだろうか、最後は意外とあっさり勝負がついてしまう点に拍子抜けした。

 

満足度は★★★★

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きょうの猫村さん

  • 2020.09.17 Thursday
  • 12:58

【出演】 松重豊、濱田岳、市川実日子 他

【放送】 2020年(テレ東)

 

猫なのに家事万能な猫が人間との触れ合いを通してのほほんと過ごす日々を描いた心温まるドラマ。原作はほしよりこのコミック『きょうの猫村さん』。

 

村田家政婦紹介所を訪れたのは猫村ねこという正真正銘の猫だった。猫村さんは家政婦募集の広告を見てやってきたと言い、勝手に上がり込んだかと思えばエプロンをつけて掃除を始める。何をやらせても家事は抜群の猫村さん。いつも徘徊しているのでどの店が安いかも全て把握していると言う。猫村さんの家事能力の高さに感心した村田の妻は猫村さんを家政婦の仕事を斡旋する事に決める。

 

一話当たり二分三十秒のショートストーリーで、どの回をとっても特別何かドラマティックな出来事があるわけでもなく、静かで穏やかな日常を家政婦をする猫村さんを通して描いたドラマで、何気ない話の中にぽろっと人の隠された本音が飛び出して、少しずつ何かが変わるかもしれないという期待を持たせて終了する。のほほんとした内容が心を癒してくれるドラマである。

 

そもそも猫村さんが家政婦になったのは、自分を育ててくれた優しい飼い主の坊ちゃんと再会するため。捨てられた事に絶望したり捨て鉢になったりする事無く、堕落せずに働くことを考える猫村さんの猫らしからぬポジティブシンキングは称賛にも値するが、そこはやはり猫。人間が考えている程高尚な目的があるわけではなく、ただただ坊ちゃんに会いたいと思っている純粋さが猫村さんの猫らしい良さなのである。しかし原作の漫画では擬人化されて登場する猫村さんを、まさか実際に人間が演じるドラマに仕上げてしまうとは思わなかった。なり切って演じている松重豊につい顔がほころんでしまう。

 

さて今回は家族の絆が希薄な村田家で働く猫村さんの姿を描いている。誰もが家族に関心を持たず、ばらばらの家族。猫村さんは猫なりに考えて家族が向き合うように少しずつ村田家の人々に働きかけていく。最難関であった長女の鬼子が、やっと猫村さんの食事を食べてくれた時には猫村さんの気持ちがようやく通じたのかと見ている方も嬉しくなった。

 

満足度は★★★

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親バカ青春白書

  • 2020.09.15 Tuesday
  • 10:59

【出演】 ムロツヨシ、永野芽郁、中川大志 他

【放送】 2020年(日テレ)

 

大学にする娘が心配で自らも同じ大学に入学してしまった親バカな父親と娘のキャンパスライフ。

 

小比賀太郎は東大卒の売れない小説家。妻に先立たれた後、一人娘のさくらを男手一つで育てている。そのさくらも大学に進学する年齢になった。立青大学合格発表の日、親子そろって合格発表を見に行くと、さくらは自分の受験番号を見つけて大喜び。ところがその横で付き添ってきたはずの太郎もまた自分の受験番号があったと喜んでいた。実はさくらは高校まで女子校の生粋の世間知らず。立青大学が共学なので心配になった太郎はさくらに内緒で受験していたのだ。新学期が始まり親子で大学に登校した太郎とさくらは、娘を溺愛する父親と同伴できた新入生の山本寛子と知り合いになる。さくらにとっては寛子が大学に入学して初めて出来た友達となった。ガイダンスでは太郎は同じクラスとなった面々を観察し始める。親バカな太郎はさくらに悪い虫がつかないように注意を払っていたのだが、隣に座った自称ユーチューバーの根来恭介に何故か気に入られてしまい、YouTubeに出演してしまったり、サークル活動のチラシを集めてみたりとだんだんキャンパスライフを楽しみ始める。一方、さくらは寛子以外にも畠山雅治や衛藤美咲といった友人が出来る。ところが話している内に太郎との親子関係が普通じゃないと気付き始める。

 

小比賀太郎を中心として大学で知り合った仲間達とのコミカルでちょっとお馬鹿なキャンパスライフのストーリー。一人娘が心配で一緒に大学に入学してしまったという前代未聞の親バカぶりを発揮する太郎だが、その一点を除けば肝は座っているし、機転は効くし、人懐っこいし、魅力的な大人の男性である。そんな人柄が功を奏して、本来ならクラスメートとは言えそんな年の離れたおじさんを毛嫌いされるところだが、いつの間にか受け入れられて自然と友達になっている。特別際立ったドラマ性があるわけではないが、ほのぼのしていて癒されるドラマである。ドラマ内にこれでもかと詰め込んだギャグはすべっている事の方が多いし、昭和的なオープニング映像等々、おそらくこれらにドン引きしてしまった人もいるのだろう。しかし何処か大昔のホームドラマを思わせるテイストに懐かしい温かさを感じるドラマである。

 

大学の四年間を全て取り入れるのかと思いきや、まさかの中途半端な三年生進学決定までの話。これは打ち切りなのか、それとも続編を加味しての敢えての措置なのかは判りかねるが、個人的には続編も見てみたい気がする。小説家の太郎が自分のキャンパスライフを書いた小説が完成する所までは追いたかった。

 

満足度は★★★★

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おじさんはカワイイものがお好き。

  • 2020.09.11 Friday
  • 11:14

【出演】 眞島秀和、桐山漣、今井翼 他

【放送】 2020年(日テレ)

 

彼らには秘密があった。

 

容姿端麗で紳士なイケオジが抱えた誰にも言えない秘密。それはカワイイものが好きなこと。そんなギャップを抱えた人々の交流を描いたコメディー。原作はツトムのコミック『おじさんはカワイイものがお好き。』。

 

株式会社COTORI営業部の課長・小路三貴は渋くて紳士的で容姿端麗なイケオジ。同僚からは慕われ、仕事では絶大な信頼を得ている憧れの存在。ある日、仕事の帰りに通りすがりの女性を助けた拍子に目に飛び込んできたのは街角ビジョンに極稀に再生されるパグ太郎のCM。小路の目は思わずうっとりとなる。実はパグ太郎は小路の推しキャラ。子供の頃にパグ太郎のぬいぐるみと出会って以来一目惚れで、部屋の中はパグ太郎のグッズだらけとなっている。しかしその事は未だ誰にも言えない秘密となっていた。パグ太郎のガチャが出ると情報を入手した小路は人気の少ない店でガチャをひこうと試みる。ところがその日に限って子供達がいっぱいでなかなか近付くことが出来なかった。ようやく子供達がいなくなり、ガチャを回すといきなりレアパグ太郎をゲット!その時、不意に視線を感じて振り返るとそこにはお洒落で強面の男性の姿があった。声を掛けられて慌てた拍子にせっかくゲットしたレアパグ太郎を落とした事にも気付かず、その場を逃げ出してしまう。

 

趣味の多様化により、人々の興味は色々な物に向かうようになった。不気味だったり気持ち悪いだったり、他人がそんな感情を抱く物をこよなく愛してしまう人間もいる。それはその人の個性であり、現代では個々の個性を認める傾向にある。しかしそんな世の中でさえ明かせない個性もある。それがこのドラマのテーマである。恥ずかしくてどうしても口に出来ない趣向。カミングアウトしてしまえば気持ちは楽になるのに、その先の自分がどう見られるかを気にしてカミングアウト出来ずにいる。このドラマに登場するおじさん達が正にそれ。イケオジとはどうあるべきかというイメージに捉われて、可愛いものが好きな自分を周囲に隠して生きている。しかし同じような境遇の人間だっているのである。このドラマはそうしたカミングアウト出来ないおじさん達が友情を育む様子を描いたほのぼのドラマである。

 

小路がパグ太郎を愛し過ぎて戸棚にグッズを隠し持っているなんてシチュエーションは微笑ましくてつい顔が綻んでしまうのだが、確かにイケオジとのギャップがある趣向ではある。むしろ一般的なイメージとしてはアウトドアやスポーツなんて趣味の方がしっくりくるのだろう。しかしそんなの本当に気にする事なのだろうか?本人が思う程周囲は気にしていないというのが実情なのかも知れない。ただどうしてもそうした固定観念に縛れる人達もいるのは事実。運悪くそうした人達に会って酷く罵られたり、笑われたりする苦い経験があると余計にカミングアウトが難しくなってしまうのも判る気がする。

 

愛らしいゆるキャラが好き。可愛い猫が好き。キラキラした少女漫画が好き。ドールハウスを作ってしまうくらい好きなキャラクターがいる。そんな気持ちを分かり合う相手が見つかった時、どれだけ心が解放されるか。頑なに心を閉ざしてしまっていたからこそ、同じ趣味を共有する同士に巡り合った時の歓びが弾ける。ギャップをコメディーにしたドラマなのだが、むしろそんな同士に巡り合ったおじさん達の姿が羨ましく感じられるドラマだった。

 

満足度★★★★★

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未満警察 −ミッドナイトランナー−

  • 2020.09.08 Tuesday
  • 20:39

【出演】 中島健人(Sexy Zone)、平野紫耀(King&Prince)、伊勢谷友介 他

【放送】 2020年(日テレ)

 

元社会人を集めた警察学校の学生二人が難事件に挑む警察ドラマ。コロナ禍の影響で4月開始が三か月遅れて放送開始となった。

 

神奈川県警察学校では面接が行われていた。面接官は教官・片野坂譲と助教・及川蘭子。二人共プロファイラーとしてのスキルがあり、面接にやって来た本間快が嘘ばかりを並べ立てた意識高い系だと見抜いていた。蘭子は即座に不合格の烙印を押すが、面接の後以外にも快が嘘をついた事を謝りにやって来たことから入校を認める。晴れて警察学校の学生となった快とルームメートになったのは、やたらと明るくやんちゃな一ノ瀬次郎だった。最初はあまり次郎を快く思わなかった快だったが、山道の訓練で足に怪我をした快に手を貸したのは次郎だけだった。他の学生がみんな自分のことだけで精一杯の中、次郎は快を背負って下山し、命じられた集合時間に間に合わなくなってしまう。当然二人は罰を食らうものだと覚悟していたが、蘭子が罰を与えたのは快を見捨てた他の学生で、二人には全くお咎めがなかった。その頃、近くの交番に憔悴した裸足の少女が助けを求めにやってきていた。しかし彼女は一切何も話そうとしない。手を焼いた神奈川県警大黒署の刑事・柳田晋平は同期の片野坂に手助けを頼む。

 

正義感の強い警察学校の学生――頭脳派の本間快と体力馬鹿の一ノ瀬次郎の二人がタッグを組み、学生でありながら様々な事件に遭遇しては自身の正義感故に事件に首を突っ込んでしまうと言うストーリー。普通に考えればルール無視で事件に首を突っ込むような学生は即座に追い出されそうだが、そこはドラマなので目を瞑り、学生ながら正義を貫く強さを持った二人の活躍を描いている。寮生活なのに学生がほいほい抜け出したり、外出許可を貰えたり、ツッコミどころは満載。警察学校が舞台になっているものの、警察学校の特色をメインにしているというより、事件物を扱う学園ドラマ、つまり刑事物と学園物のドラマを融合させたようなノリである。

 

主演の二人が熱演していると言ってもやはりジャニーズ系のアイドルのドラマである。ハチャメチャでアクションの多い展開はスリリングと言うよりは、主演の二人を如何に魅せるかを念頭に置いて制作されている。むしろ教官役の伊勢谷友介の安定した演技や、犯人役を演じた真木よう子の怪演の方が目に付いた。

 

スコップ男の事件がこのドラマの幕引きとなっている。事件の真実は確かに意外性のある真実ではあったものの、警察学校を舞台にしている以上は警察学校の存在は正義にしておくべきだった。あまり好ましいとは言えない真実はいただけなかった。

 

満足度は★★★★

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MIU404

  • 2020.09.05 Saturday
  • 11:51

【出演】 星野源、綾野剛、麻生久美子 他

【放送】 2020年(TBS)

 

警視庁に新しく発足した第4機動捜査隊に配属された野生的な刑事と理知的な刑事。バディを組んだ二人の活躍を描いた刑事ドラマ。本来は4月開始だったがコロナ禍の影響でドラマ放送開始が三か月遅れた。

 

警視庁刑事部第1機動捜査隊の隊長・桔梗ゆづるの記者会見の中継を志摩一未はネットで眺めていた。美しいゆづるの登場にネットは湧き立っていたが、実はゆづるの出演は警視庁刑事部長・我孫子豆治の依頼であり、兼ねてより要望していた第4機動捜査隊の新設を実現するためだった。結果、要望は通り、早速運転手に甘んじている元警視庁捜査一課刑事・志摩一未に伝える。第4機動捜査隊に配属されたのは志摩の他に班長として陣馬耕平と、警視庁刑事局長の息子でキャリアの九重世人が呼ばれる。しかし志摩とバディを組む人間がいないため、急遽選考段階で落とした奥多摩の交番勤務の伊吹藍に白羽の矢が立つ。志摩は伊吹がどんな人間かを知るために、伊吹の過去の勤務先を回って訪ね歩くが、何れも良い噂は聞かずただ『足が速い』という返答を得るばかりだった。気が進まない志摩だったが、仕事の速いゆづるは既に伊吹に異動命令を出してしまっていた。そんな中、第4機動捜査隊に初仕事の呼び出しが入る。伊吹は既に駐車場にいて、意外にも礼儀正しく志摩は好印象を抱くのだが、煽り運転の車を発見した途端伊吹の態度が豹変する。

 

機動捜査隊では初動捜査のみが課せられている。所謂刑事物で一般的な捜査一課の仕事を潤滑に行えるよう、そのお膳立てをするための部署である。そのためどんな凶悪犯罪であろうと事件解決までは担当出来ない。口惜しいまでの心の残りを抱えつつ、本来その事件を担当すべき捜査一課に事件を託すのである。言ってみれば酷く中途半端なポジションの部署だが、そんな部署で働く刑事達の仕事に目を向けた一風変わった刑事ドラマである。使っている車がメロンパンって・・・。

 

W主演の星野源と綾野剛はかつて同局のドラマ『コウノドリ』で正反対のライバル医師を共演した同士。医者から刑事へと職業が変わってかなり荒々しくはなっているものの、枠からはみ出るのは綾野剛演じる伊吹、クールで理知的なのは星野源演じる志摩という関係性は変わらず、息もぴったりだった。アクションは勿論のこと、とにかく走る場面の多い伊吹役は大変で、この役は実際に陸上競技をやっていた綾野剛にははまり役だった。

 

テンポの良い展開にキャスティングも魅力的なドラマであったが、やはり刑事ドラマは刑事ドラマである。ストーリー的にはあまり飛び抜けた感じはない。しかしラスボスが警察の人間でなかったことが唯一の救いだった。終盤ラスボスとして登場した菅田将暉とのスリリングな展開はこのドラマの何よりの見せ場となっている。追いつ追われつの逃走劇の迫力は凄まじいものがあった。

 

さてコロナの影響を受けてしまったこのドラマだが、ラストはそれを逆手に取ったシナリオになっている。何となくそうだよなと半笑いしてしまう面白さがあり、必見である。

 

満足度は★★★★★

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お花のセンセイ

  • 2020.09.01 Tuesday
  • 23:48

【出演】 沢口靖子、八嶋智人、西岡徳馬 他

【放送】 2020年(テレ朝)

 

華道の家元が一念発起。みんなを幸せにするために衆議院議員となった彼女が国会で大暴走する。このドラマはテレビ朝日スペシャルドラマとして放送された。

 

門下生七万人を抱える華道鳳流の家元・鳳丸子が衆議院議員選挙比例区で見事当選を果たし、自由新進党の新人議員としての第一歩を踏み出した。自由新進党の重鎮・鶴崎仙吾が丸子を政治家に担ぎ出したのは七万人の門下生の支持を得るだけでなく、海外への留学経験がありチャリティー活動に熱心な丸子自身のキャラクターの話題性を重視したためだった。鶴崎としては当選後は大人しく議員生活を送ってくれることを願っていたのだが、生真面目で融通の利かない丸子は自ら陳情を聞きたいと言い出し、政策秘書の幸田光喜を困らせてしまう。早速駅前で人々に声をかけ始めた丸子は小学生の少女・ダオに目を止める。ベトナム人のダオは父親のトランが窃盗容疑で逮捕されてしまったと言う。父親の無実を信じるダオに心を打たれた丸子はトランを絶対助けると約束してしまう。政治家に『絶対』は禁物だと忠告する幸田の言葉などまるで無視して丸子は自らアクションを起こそうとしている。仕方なく幸田は大学の同期である朝毎新聞社社会部の遊軍記者である福武不二夫に丸子の独占取材と引き換えにトランの調査を依頼する。

 

政治は素人同然の華道家元が誰かを幸せにするために活躍するドラマで、新人議員が国会で新法案を提言し、更には大物議員の罪状を暴き出すというストーリーだけを見れば非常に壮大な話である。しかし内容は甘々のゆるゆる。政界を舞台にしてはいるものの、町内会で正義感の強いヒロインが困っている人を助けるために立ち回る程度の雰囲気しかない。エンターテイメント作品とは言え、政界を軽視し過ぎている。

 

ヒロインの丸子は世間知らずのお姫様。『ローマの休日』のアン王女をイメージしているキャラクターのようだが、小学生に『お花のお姉さん』と呼ばせていることに違和感を覚える。小学生からすればどう見ても『お花のおばさん』か『お花のお婆さん』だろう。それに対して丸子の政策秘書となった幸田は、こちらはなかなか印象的な役どころになっている。しっかりとした背景が設定されていてキャラクターが立っている。

 

どうやらこのドラマで新シリーズを目論んでいるような雰囲気もするラストではあったが、果たしてどうなることやら。正直、あまりお勧めの出来ないドラマである。

 

満足度は★★★

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13

  • 2020.08.25 Tuesday
  • 10:13

【出演】 桜庭まなみ、板谷由夏、青柳翔 他

【放送】 2020年(フジ)

 

13年前に行方不明となった少女が帰って来た。彼女がいない間に何もかもが変わっていた。一体、彼女に何が起きていたのか?衝撃のクライムサスペンス。原作はイギリスBBCのドラマ『サーティーン/13誘拐事件ファイル』。

 

道をふらふらと白い服を着た女が歩いていた。何とも奇妙な出で立ちはとても普通の状態とは言い兼ねる。左手には手錠がはめられ、体のあちこちに痣が認められる。服もずっと長い間着古したように汚れていて、靴も履いていない。警察に保護された女は名前は相川由里亜で自分がこれまでずっと監禁されていたと打ち明ける。確かに13年前に相川由里亜という少女の失踪届が出されていた。様々な検査を行い、彼女が相川由里亜本人であると認められた事から、相川家に由里亜が見つかったと連絡が入る。しかし由里亜は事情を聞きに来た刑事に田辺佐緒里と永井俊彦の問いに何も答えられず、パニックを起こしてしまう。行方不明になった当時、失踪者扱いになっていた事から由里亜は本当に監禁されていたのか疑問視する声も上がり始める。一方、相川家では由里亜の母親――相川麻美が由由里亜を受け入れるために13年前の状況を再現しようとしていた。実はすでに由里亜の両親は別居中で、父親――相川宗一は一緒に住んでいない。既に25歳の大人の女性になっている由里亜と再会したのは良いが、相川家の人間は彼女をどう受け入れれば良いのか困惑していた。

 

13年前に誘拐された女性の帰還。25歳の女性だと言うのに着ている服はローティーンが着るような白いワンピースで、しかも長年着続けてきたようにくたびれている。足には靴も履いておらず、痣だらけの体は暴行されていた事を窺わせる。手首には手錠がはめられていて、手錠に触れる部分が痣になっているのを見れば監禁されている間、ずっと手錠で繋がられていたと判る。こんな姿の女性がふらふらと登場する場面の衝撃は凄まじい。もしも行方不明になったまま戻らない少女が、何者かに監禁されていたらこんな風になっているのではないかと思わせる凄惨な光景だった。そして誘拐の被害者である彼女が13年の時を奪われ、帰還した社会は決して彼女を好意的には受け止めていない。彼女の中で止まった13年間は、他の人にとっては日々時の流れる13年間だった。人に対して心を開けず、社会から拒絶され、身代わりに別の少女が誘拐された事から心無い人々から罵詈雑言を浴びせられる。やっと地獄から這い出してきた彼女が辿り着いた場所は天国では無く、別の地獄だった。

 

原作ドラマが話題になったドラマだけあって、序盤からその痛ましさに目が離せなくなる。ただ日本版にリメイクされているからなのだろうか?首を傾げるような違和感があったり、最終的にハッピーエンドにするための強引なアレンジ等が各所に感じられ、話が進むにつれ面白味が失せて行った。おそらくテーマに家族の再生というものがあったのだと思われる。放送時期が夏休みに当たっていることもあり、もやもやを残した内容ではなくハッピーエンドで締めくくりたいという節もあったのだろう。しかしこのドラマは大人の土ドラ枠で放送されているので、ハッピーエンドにするためのアレンジは不要だった。また不可解な点も残されたままである。女性刑事がやたらとヒロインに対して否定的な態度を取るのも疑問だし、ストックホルム症候群についてはドラマ内では一切触れられないままだった。ヒロインの心理描写についてももう少し踏み込んで欲しかった。

 

満足度は★★★★

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