農家の嫁は弁護士! 神谷純子のふるさと事件簿3

  • 2017.07.06 Thursday
  • 11:57

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 浅野ゆう子、芦川よしみ、三木良介 他

【放送】 2007年(BSジャパン)

 

さくらんぼ農家に嫁いだ女弁護士が正義の味方となって事件を解決する『神谷純子ふるさと事件簿』シリーズ第三弾!殺人容疑が掛けられた夫の無実を晴らすために奔走する。

 

山形県寒河江市にあるさくらんぼ農家に嫁いだ神谷純子は世のため人のため今も弁護士として活躍している。口煩い小姑の明美には閉口するものの、地域の人々からは頼りにされている。ある日、さがえ青年団の関根友章の浮気が発覚し妻・俊子が泣きながら離婚を訴えて来る。友章には離婚の意思はないが俊子の離婚の意思は固い。そこで純子の提案で関根夫婦には暫く距離を置く事にし、落ち込んだ友章を励ますために青年団で飲みに出かける。ところが純子の夫・康介はその夜帰宅しなかった。翌朝、山形グランドホテルの一室で目覚めた康介は隣に横たわる女性を見て仰天する。しかも彼女は絞殺されていたのだ。康介に殺人容疑がかけられ、神谷家は家宅捜索のために警察が押しかける。八巻刑事の話では被害者の田口美和は米沢市にあるBAR『そんぴん』のホステスと聞かされるが、純子にはまるで心当たりが無かった。康介を救えるのは純子だけに思えたが、純子は「浮気した夫を助ける気はない」と弁護を頑なに拒否する。

 

今回は酔っ払ってホテルで目を覚ますと、隣には見知らぬ女がいて死んでいたという如何にもこの手のサスペンスドラマではありがちなシチュエーション。まあ、こういう場合、明らかに酔っ払っていた当人は犯人にはならず、大抵その女を装った第三者の仕業となるのがオチ。問題は誰がこの女を装って康介をこの部屋に連れて来たかだな・・・と思いながら見ていたらそのままズバリの展開になり、サスペンス要素の部分はさほど楽しめなかった。

 

そのため目がいくのはひたすら登場人物や、その掛け合い。第二作目からレギュラー入りした八巻刑事が明美に一目惚れし、どうやらこのネタを今後も引っ張る模様。そのおかげもあって多少純子に対する風当たりは弱まったような気がしないでもない。その他、BARのママ役の芦川よしみの口紅の色のどぎつさも、思わず目を見開いてしまうくらいのインパクトがあった。今回はストーリーよりその他の要素の部分で楽しむ内容となってしまったようだ。

 

満足度は★★★

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監察医・室生亜季子 最後の解剖

  • 2016.11.28 Monday
  • 20:54

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【出演】 浜木綿子、水野真紀、西村和彦 他

【放送】 2007年(日テレ)

 

デザイン事務所でチーフデザイナーが変死体で発見される。デザイン事務所の関係者を狙った連続殺人事件。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第三十五弾!最終回スペシャルとなったこのドラマはこれまでにこのシリーズに登場した俳優陣が登場し、フィナーレに花を添えている。

 

川越で三代続いた開業医で地域の監察医を務める室生亜季子は日頃の勉強の成果が認められ心療内科医として大学に迎えられることになった。昨今、患者の多くが心にストレスを抱えており、それが体の不調に繋がっているのが心療内科を学んだ動機だった。ある日、亜季子と看護師は主婦モデルの山崎美雪に誘われてファッションショーを見に行く。ところが美雪は楽屋で倒れてしまう。鉄欠乏性貧血だった。翌日、室生医院で美雪が母親で『MARIKOアトリエ事務所』のオーナーの武藤マリコの事を相談していると、事務所でチーフデザイナーの東野かよが変死体となって発見されたと連絡が入る。第一発見者はマネージャーの吉田。主治医の話ではかよは窒息死。かよには気管支喘息の持病があるのだが、状況から他殺か病死か区別が難しいという。司法解剖の結果、かよの臓器の状態は典型的な窒息死の様相を見せていたが、他殺とも病死とも判別出来なかった。

 

今回はついに亜季子にも魔の手が伸びる!これまでは比較的亜季子はセーフティーゾーンで探偵をしてきたが、命を狙われる場面が登場するのは非常に珍しい。しかも亜季子を庇った浜田警部が犯人の手によって生死を彷徨う事態に!こんなスリリングな場面があるとは流石最終回スペシャルである。

 

さて第一の殺人事件となった東野かよの事件で亜季子が殺害方法について推理をする場面がある。この時点では犯人が誰かは一切特定出来ないはずなのだが、残念なことにこの推理を再現した際に着ている衣服で犯人が判ってしまう。勿論、犯人の顔も出ていなければ胸元だけしか画面には登場しない。ただ注意深く見ていると衣服に見覚えが・・・。

 

それはさておきストーリーはこのシリーズにしては練られているし、犯人の動機についても切なさを漂わせるもので、同情する部分が大きい。昇進した浜田警部と亜季子はどうやら相変わらずのようで、このまま微笑ましい関係が続いていくのだろう。

 

満足度は★★★★★

竹内まりや,山下達郎
ワーナーミュージック・ジャパン
(2007-03-07)

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犯人に告ぐ

  • 2016.02.10 Wednesday
  • 21:08
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【出演】 豊川悦司、石橋凌、小澤征悦 他
【放送】 2007年(WOWOW)

かつて誘拐事件で失態を犯して失脚した刑事が報道番組を使って連続幼児誘拐事件の犯人に挑む。原作は雫井脩介著の『犯人に告ぐ』。映画公開に先行して放送された。

神奈川県警本部捜査一課の管理官である巻島史彦は幼児誘拐事件のため新宿駅前で張り込んでいた。誘拐犯が身代金を誘拐された幼児の母親に持たせて新宿の街を歩かせろと要求してきたのだ。管轄外のため警視庁の刑事が現場の指揮を取る屈辱的な状況だったが、その後犯人から身代金の受け渡し場所を変更すると連絡があり、警視庁の刑事を撤退させる。出世欲の強い巻島は何とか手柄を物にしようと躍起になる。場所は年越しの花火で賑わう人ごみの中。張り込みを続ける巻島に突然電話が入る。巻島の身重の妻の命が危ないと言うのだ。その電話のせいで巻島は判断が遅れ、自分達の存在を犯人に知られてしまう失態を犯す。病院へ駆け付けた巻島の見たのは意不明の妻と月足らずの小さな赤ん坊。また誘拐された幼児は遺体で発見され、ポケットの中から警察の無能さが最悪の結末を招いたと記したメッセージが見つかる。しかし記者会見では巻島は一切警察の非を認めなかった。六年後、足柄署に異動になっていた巻島は難航中の川崎連続幼児誘拐殺人事件の責任者となり、報道番組の出演を命じられる。

『バッドマン』を名乗る連続幼児誘拐殺人事件の犯人対警察のストーリーで、放送メディアを利用して巻島がバッドマンと対話する形で捜査を進めていく(劇場型捜査)という前代未聞の捜査を行うのがこのドラマの売りである。しかし警察が一丸となってバッドマンを追い詰めるのではなく、要所要所に散りばめられた警察内部の縦社会の構図も交えている所が興味深い。また警察ドラマには珍しくキャラクター色が豊かとなっている。特に小澤征悦扮する親の植草刑事には笑えた。とにかくこの人物は自分が目立つ事が優先。テレビ出演する巻島に嫉妬し、足を引っ張るばかりかこっそり唇にリップクリームを塗って虎視眈々と後釜を狙っている場面には大爆笑!とにかく何をするにもお坊ちゃん思想なのである。

メインはあくまで川崎連続幼児誘拐殺人事件なのであるが、六年前の事件を縮小してメインの事件をもう少し詳しく扱っても良かったような気がした。結構端折られた挙句、結果だけが告げられる場面がちらほら。

満足度は★★★★
 
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半落ち

  • 2015.03.17 Tuesday
  • 21:16
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【出演】 椎名桔平、渡瀬恒彦、高嶋政伸 他
【放送】 2007年(テレ朝)

壊れていく妻が願ったのは自分を殺す事だった。

警察学校の教員が妻を殺害してから自首をするまでの空白の二日間に秘められた真相を暴くミステリーサスペンス。原作は横山秀夫著の『半落ち』。

梶総一郎は自宅で徐にロープを手にすると梁にかけた。自殺をするつもりだったが、ふと郵便屋のバイクの音を耳にして郵便受けに手紙を取りに行く。何気ない日常の光景を目にした梶は自殺を思いとどまる。二日後、捜査一課の刑事・志木和正は連続少女暴行事件の指揮を取っていたが、部下達から犯人が農薬を飲んで自殺を図ったと聞いて腐っていた。その時、志木に強行犯係から呼び出しがかかる。しかし用件は今関わっている事件とは別件で、警察学校の教員・梶総一郎が病に苦しむ妻を薬殺したと自首をしてきた件についてだった。現役の警察官、しかも教える立場の人間が殺人を犯すという不祥事に警察上層部は頭を抱え、慎重に事を進めるために取り調べに定評のある志木に梶の取り調べを命じたのである。しかし妻を殺害してから二日間の空白について梶は何一つ喋っていない。志木の任務はその空白の二日間の真実を暴く事だった。

半落ちとは犯人が犯罪の一部を自供した状態を指す。つまりこのドラマでは梶が自首するまでの空白の二日間に何をしていたのかが判明しない限り、梶の殺人は全てを自供した事にはならない中途半端な状態なのである。

このドラマの面白さは現役警官の不祥事を巡って警察関係者がその立場や誇りを守るための駆け引きにある。警察と検察、そしてマスコミと異なる立場の人間の思惑が入り乱れ、その結果、全ての罪を認めて自首している犯人はただ二日間の空白について黙秘しているという理由だけでたらい回しにされるという何とも理不尽な状況に陥ってしまう。

原作では誰が主役と言う事は無く、章ごとに梶の身柄が違った場所に拘束されるため主人公もその時梶と関わった人間となる。しかし流石にドラマでその辺りを忠実に再現する事は出来なかったと見える。そのため最初に取り調べを行った志木が空白の二日間の真実を暴くために奔走するストーリーに改編されている。確かに章ごとに次々変わる状況が飛び出してくる構成に舌を巻いたものだが、反面後半に入ると同じパターンの繰り返しに飽きがきてしまう嫌いがあった。その点ドラマでは志木に主役を絞った事で判り易い道筋となってはいるのだが、志木以外の人間に関する掘り下げが希薄となっている。このドラマはこのドラマで完成された内容にはなっているものの、絶賛される程の面白味はなかった。

さて『半落ち』と言えば直木賞候補に挙げられながら、ある問題が生じて論議を醸し出した作品でもある。結果として直木賞は受賞出来なかった。ドラマではその辺をどう料理して来るのかと注目していたが、あまり気にしてはいないようだった。

満足度は★★★★

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冠婚葬祭探偵

  • 2015.03.04 Wednesday
  • 22:57
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【出演】 中村玉緒、神田正輝、さとう珠緒 他
【放送】 2007年(TBS)

莫大な遺産の相続人となるはずだった女性が首吊り遺体となって発見される。葬儀の依頼を受けた冠婚葬祭会社の社長一家が事件の解明に乗り出すサスペンス。

冠婚葬祭会社『セレモニー福本』の社長・福本華恵は現在娘・寿恵夫婦と同居生活を送っている。寿恵の夫・飛田博人は元々ウェディングプランナーで、結婚を機に葬祭業務の勉強中。そんな努力も虚しく華恵はまだ博人を完全に信用してはいなかった。実は華恵はバツイチで元夫は現在も社員として働いている。離婚の原因は夫の浮気だった。ある日、博人を訪ねて見るからに水商売風の派手な女性が訪ねてくる。生憎博人は外出中で不在だったが、代わりに名刺を受取った華恵はカンカン!渡されたピンクの名刺には『クラブピンキームーン』という店の名前と源氏名の『Ayu』が記載されていた。どうやら店が変わったので挨拶に来たらしい。その頃、沢渡宝石の会長宅では死期の迫った沢渡要蔵の遺産を巡って三人の娘が口論していた。話は物別れに終わり解散となるが、その後、三女の桜子が庭で首をつって死んでいるのが発見される。桜子の葬儀依頼を受けた華恵は娘夫妻に至急沢渡家へ向かうよう指示を出し、自らも沢渡家へ向かう。

所謂エンターテイメント性に富んだタイプの2時間サスペンスであり、遺体の状況から自殺ではなく他殺体だと見抜いたのが冠婚葬祭業を長年務めている社長の華恵であるのはまあ良いとしても、別れた元夫がやけに博識で事件に関わる情報をぽろぽろ喋ってしまったり、何故か事件の関係者が知り合いだったり、警察がやたらと無能で華恵の指示で動き回ったりとツッコミ所が満載。一応、ミステリーの体裁は整えてはいるものの、あまりのご都合主義に思わず脱力する。特に中村玉緒主演のサスペンスは殆ど同じようなパターンなのでかなり食傷気味である。

テーマは家族。確かに家族経営の会社という事で娘婿を含めて家族を大切にする内容にはなっている。しかし葬儀と結婚準備を同時進行で交互に進める展開は如何なものかと。片やしめやかに葬儀を行い、片や幸せムード一杯に結婚の準備を始めというのは、確かに冠婚葬祭全てを扱っているという会社なのでそういう状況があって当然ではあるものの、見ている側からすれば気持ちのやり場に困ってしまう。

満足度は★★★

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刑事殺し

  • 2015.02.03 Tuesday
  • 19:18
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【出演】 仲村トオル、古谷一行、麻生祐未 他
【放送】 2007年(テレ朝)

自宅で現職警官が射殺された。しかも拳銃と実弾が持ち去られていた。同僚の刑事達が事件の解明に乗り出す刑事ドラマ。原作は吉岡道夫著の『警部殺し』。

警視庁捜査一課11係は追っていた麻薬取締法違反の男をレストランで無事逮捕した。犯人の発砲で怪我人は出たものの、警視庁は11係の功績をたたえて警視総監賞を授与する。三カ月後、三日ぶりに帰宅した野津刑事は妻・希和子から別居を言い渡されてしまう。一方、同じ刑事でも捜査主任を務める猿橋は夫婦円満で、猿橋の妻・涼子は警察の購買部で働いていただけに刑事の仕事を良く理解している。そんな猿橋を野津は羨ましく感じていた。そんなある日、猿橋が自宅で亡くなる。同僚の刑事の話に寄れば、夜の七時までは張込みをしていたが、急に自宅に戻ると言って張込み現場を離れたと言う。猿橋は射殺で、猿橋の拳銃は実弾と共に消えていた。

現職警官の殺害。しかも拳銃が盗まれたとなれば警察にとってはとんでもない不祥事である。言ってみればこのドラマは同僚刑事が殺された弔い合戦の内容となっているのだが、だからと言って刑事達が躍起になって猛然と事件解決に挑んでいくストーリーにはなっていない。むしろ主人公の野津の家族の問題を取り上げて、殺人事件なのにどことなく温かさが宿るような内容にまとめられている。かつて火曜サスペンスでも同じ原作のドラマ化がなされているが、やたらと暴力的な刑事像が随分と洗練されている。

ところで事件の真相に気付くきっかけとなったのがネガの存在。まだこのネガが昭和の時代の証拠品というのならば納得するのだが、流石に放送された時代にネガはないだろう。確かにそれがあるとなしでは大きく話が違ってしまうので仕方なくネガを採用したのだとは思うが、かなり不自然であるのは否めない。

さて野津の影でもう一人いぶし銀の魅力を放っているのが大垣係長役の古谷一行。あまり前に出る役ではないものの存在感がある。特にラストの方で語られる大垣係長の心情が非常に心に残る。

満足度は★★★★

玉城千春,金城綾乃,重実徹
ビクターエンタテインメント
(2004-01-21)

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点と線

  • 2014.07.11 Friday
  • 22:00
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【出演】 ビートたけし、内山理名、高橋克典 他
【放送】 2007年(テレ朝)

汚職事件の渦中の人物が料亭の仲居と共に遺体で発見される。定年間近の刑事の執念が事件の謎を解明する社会派サスペンス。原作は松本清張著の『点と線』。ナレーションは石坂浩二が務めている。テレビ朝日開局50周年記念スペシャルドラマとして二夜連続放送された。スペシャルドラマだけあって端役に大御所が顔を並べる豪華なドラマになっている。

東京駅を訪れた鳥飼元刑事の娘・つや子は駅員に13番ホームを尋ねて、そのホームが新幹線のホームになってしまった事を知る。待ち合わせ場所に現れた三原元刑事はつや子と共に過去の事件に思いを馳せる。

昭和三十二年四月、春にしては肌寒い朝、淋しい香椎海岸で男女の遺体が発見される。死因は青酸カリによる毒死。死後十時間が経過していた。綺麗に並んで死んでいる様子から警察は心中と断定する。ところが現場に立ち会った博多署の老刑事・鳥飼だけは遺留品を調べている内に何故か心中と決めつけるのは時期尚早だと言い出す。特急『あさかぜ』の食堂車の領収書には一人で利用したと記載されているからだった。女は料亭『小雪』の仲居のとき(本名・桑山秀子)、男は産経省の役人・佐山憲一。その頃、警視庁捜査二課は用地買収に関する汚職事件を調べていて、汚職の鍵を握る重要な人物として佐山を追っている矢先の出来事だった。捜査二課の三原刑事は博多署を訪れ、鳥飼刑事に同行して捜査を進める。

ドラマは現代(事件から五十年後)の三原とつや子が、お茶を飲みながら過去を振り返るという形で語られていく。

空白の四分間。

常に電車が行きかう東京駅で、13番線のホームから15番線のホームが途中に何の障害物もなく見通せるのは一日の内たった四分間しかない。鳥飼刑事が掴んだその事実がときと佐山の死を心中事件から殺人事件へと変貌させていく。産経省からの圧力もあり、捜査打ち切りを命令される中、真実を暴こうとする刑事の意地と執念が真実に切り込んでいく。

第一部は香椎海岸で男女の遺体が発見された事件が心中事件ではなく殺人事件と睨んだ鳥飼が事件の真相に気付いて、東京に乗り込み三原に刑事魂を見せつけるまで。第二部は鳥飼に影響された刑事達が目星を付けた人間のアリバイを必死に崩していく様子を描いている。

昭和三十年代の背景を忠実に再現されている。東京オリンピックの招致に成功して日本経済が好転していく中、未だ戦争の傷跡が人々の心の中に残されている。さりげない言葉の中に当時の人々の切なさ、怒り、悲しみ、諦め等の様々な思いが滲み出て、ただ事件を追うだけでなく、そこに登場する人々により人間性を与えて奥行きの深さを醸し出している。

ラストは松本清張らしい灰色の結末。事件は結局、虚しさと憤りのまま終結を迎える。携わった刑事達のやり切れなさは計り知れない。

満足度は★★★★★

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ひみつな奥さん2 京都・祇園の巻

  • 2014.04.15 Tuesday
  • 01:01
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【出演】 藤原紀香、床嶋佳子、吹石一恵 他
【放送】 2007年(フジ)

元銀座のNo.1ホステスが警察官の奥様に。でも同僚の奥様方にはその事は絶対に秘密!そんな奥様が夫のために事件解決に大活躍する痛快ミステリー。原作は星崎真紀のコミック『ひみつな奥さん』。

前回の活躍により相田六郎は警察庁に栄転。京都東署への転勤が言い渡される。京都東官舎へ引っ越す事になった六郎と蝶子夫妻は早速官舎の奥様方に囲まれる。ところが同じ日に本条副署長も引っ越してきたため、自分達の引っ越しは後回しにされ本条宅の引っ越しを手伝わされる羽目に。蝶子が着物に詳しいと知って本条副署長夫人は蝶子を大いに気に入る。しかし逆にそれが他の奥様方から妬まれる要因になってしまう。そんな中、京都在住の先輩ホステス・美晴が経営するクラブ『GION』の五周年パーティーが開かれ、蝶子も祝いに駆け付ける。店内には見事な生け花が飾られており、これらは美晴が贔屓にしているフラワーコーディネーター・藤野奈緒美がいけたものだと言う。実は奈緒美は華道・藤野流の後継者。奈緒美の母親で藤野流家元が美晴に挨拶に訪れるが、美晴と顔を合わせた途端、二人の顔色が変わる。

事件と呼べるかは疑問だが、停電中に美晴が襲われネックレスを奪われた事から始まり、美晴の身に起きる様々な出来事や疑惑を美晴を慕っている蝶子が解決していくという流れ。またふかわりょうが蝶子のストーカー役で登場。そのせいで彼の母親である本条副署長夫人は大のお水嫌いに。ますます元ホステスの蝶子の経歴は明かせぬ事態に。

今回は夏場の設定のため登場人物達の服装も軽装が多い。特にクライマックスで見せた蝶子の銀色に光り輝くノースリーブのドレス姿は圧巻。豊満な胸がドレスからはみだし、歩く度にまるで別のぶよぶよの生き物がそこに宿っているかのように揺れ動く様は思わず画面に釘付けに。それだけでも見る価値あり。

満足度は★★★★

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東京駅お忘れ物預かり所

  • 2014.03.04 Tuesday
  • 22:04
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【出演】 高嶋政伸、櫻井淳子、井上晴美 他
【放送】 2007年(テレ朝)

東京駅にある『お忘れ物預かり所』に勤務する職員が特急内で起きた殺人事件の謎を究明するトラベルミステリー。『東京駅お忘れ物預り所』シリーズ第一弾。

東京駅『みどりの窓口』勤務だった村尾由希子は『お忘れ物預かり所』への異動辞令が出て憤慨していた。採用は本社採用。しかし入社二年目までは経験を積むために様々な部署を回らなければならないと説得されて渋々異動先に顔を出す。するとそこで待ち受けていたのは椅子から落ちそうになりながら熟睡する嶋田福男と親身になり過ぎるあまり持ち場を平気で離れる望月幸平だった。一気に由希子はやる気を失う。そんな中、代議士の宮内が由希子を訪ねてくる。宮内の娘・千秋が自殺を仄めかす手紙を残して姿を消したと言う。その頃、大分発東京行き特急『富士』の車内で八木真奈美の刺殺遺体が発見される。真奈美は高校時代の友人の結婚式に婚約者の広坂洋介と参加した後『富士』に乗り込んだのだが、現場には車掌の目撃証言にあった赤いハンドバッグは見当たらなかった。その後、千秋と広坂が付き合っていたと判明する。

主人公の幸平は遺失物のためなら熱くなって職務を越えて必死になってしまう変わり者。ここを訪れた人間にとっては幸平は非常に頼りになる誠意のある人物と映るが、同僚からすれば幸平の行為は完全に職務を逸脱する問題行動になる。実際、事件の真相に夢中になった幸平は疑問が生じればすぐに東京を飛び出して行ってしまう。またこの幸平の行動は警察からしても目障り極まりない。しかしその裏には幸平の過去が影響しているという設定になっている。

一方、幸平と共に事件の捜査に当たるのは異動したばかりの由希子。かつての友人にかけられた殺人容疑を晴らすために幸平と共に職務を越えて捜査する。由希子は幸平を変わり者と見ているが、実際にはどっちも似たりよったりかも知れない。

二転三転するストーリーはなかなか面白い。なるほどこの出来ならばシリーズ化してもおかしくないと言える内容だった。但し重要な証拠品を被害者が隠した方法には少し疑問が生じた。これには夜行列車についての詳しい知識が関わってくる。果たして被害者がどうしてそれを知っていたのかが不思議だった。

満足度は★★★★

玉城千春,金城綾乃,重実徹
ビクターエンタテインメント
(2004-01-21)

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楽園のライオン

  • 2014.02.03 Monday
  • 11:51
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【出演】 市原悦子、本田博太郎、綿引勝彦 他
【放送】 2007年(TBS)

熟年ジャーナリストが集団自殺の真相を暴くためホステスとして働き始めるミステリーサスペンス。簡単に死を選ぶ現代人の心理を追求した問題作。

片耳の不自由な井上たつえはフリーの社会派ジャーナリスト。かつての同僚達は片っ端から昇進してお偉いさんになっているものの、『ライオン』と異名を持ち仕事に厳しいたつえは今では煙たがれてどこの出版社でも相手にはして貰えない。隣人の中村とは中村の息子・太郎の誕生祝いを一緒にする程懇意にしている。気弱な中村はずっとニート生活で妻に愛想を尽かせて逃げられている。一縷の望みだった太郎の誕生日にも妻は現れず気落ちしていた。翌日、中村の母親が訪ねてきて中村が自殺したと言いに来る。しかも富士山の麓での集団自殺だった。たつえは中村がそこまで思い詰めていたとは知らずショックを受ける。一緒に自殺を図ったのは千葉のキャバレー『楽園』のホステス2人。自殺の真相を調べるためたつえは熟年ホステス・りりぃとして働き始める。

ネットにあがった自殺者を募る書き込みの数々。それを見た自殺志望の人々が集まって集団自殺を行う。自殺しようと思っても一人ではなかなか決心がつかず、仲間がいれば怖くないとでも言っているようでもある。しかもそこには死のプロデューサーなる存在も!

熟年と言えどもたつえは正統派のジャーナリスト。一度調査を始めればどんな些細な事でも真実を追求しようとする。しかも今回は知人が絡んでいるとあってその思いは強い。培ってきた経験は時として警察の目をもしのぐことがある。ホステスとして働いている姿は可愛らしくてどこか微笑ましいが、一旦ジャーナリストとして活動するとなれば一変してきりりとした出で立ち。見事に切り分けて演じる市原悦子の演技が光っている。

またホステス役の面々も若かりし頃にはサスペンスドラマ常連だった女優ばかり。時代が時代ならば物凄い顔ぶれである。ダリアは露骨なまでに火花を散らし、協力的なホステス達も強かで心の中では何を思っているのかも判らない。こんな女の園が全てシニアで構成されているというのも圧巻である。

このドラマは何でもありの娯楽性の高いドラマではない所に好感が持てる。登場人物の殆どがかなり良い年齢で、その年相応の問題も扱っている。登場する熟年男性は若い女性と所帯を持っているのに、熟年女性は何故か寂しさを噛み締めていたりする。たつえもそんな熟年女性の一人ではあるものの、彼女には類稀なる強い好奇心がある。生涯一ジャーナリストとして生きる彼女の姿は逞しく感じる。ラストでたつえが書いた現代人への辛口メッセージが心に響く。

満足度は★★★★

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