農家の嫁は弁護士! 神谷純子のふるさと事件簿4

  • 2017.07.25 Tuesday
  • 08:18

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 浅野ゆう子、朝加真由美、中原ひとみ 他

【放送】 2009年(BSジャパン)

 

さくらんぼ農家に嫁いだ女弁護士が正義の味方となって事件を解決する『神谷純子ふるさと事件簿』シリーズ第四弾!大病院の院長令嬢が転落死する。殺人容疑が掛けられたのは寒河江の農家を家出した青年だった。女弁護士が息子の無実を信じる母親のために立ち上がる。

 

山形県寒河江市のさくらんぼ農家に嫁いだ神谷純子の元へ佐山チヅが血相を変えて飛んでくる。息子・隆弘から電話があり、交通事故を起こしたので十万円を払い込んで欲しいと言うのだ。典型的な振り込め詐欺の手口だったが、電話が隆弘からでないと判明してチヅは落ち込んでしまう。実は隆弘はお笑い芸人になると言って家を飛び出したきり音信不通になっていた。ところがその翌日、八巻刑事からとんでもない話を聞かされる。何と隆弘に山形市内の杉原総合病院の院長の娘・佐山ゆかりの殺人容疑がかけられていると言うのだ。かつてゆかりと隆弘は交際関係にあったが、ゆかりに証券マンの新恋人が出現し破局。しかし最近になって隆弘がゆかりにしつこく纏わりつきストーカー化していたらしい。ゆかりが死亡した日も杉原総合病院に隆弘がいた事を複数のスタッフが証言しており、ゆかりの携帯履歴に隆弘の名前があったため、隆弘がゆかりを病院へ呼び出して殺害したと言うのが警察の見解だった。純子は隆弘の弁護を務めると八巻に宣言する。

 

前作から二年の月日を経て制作されたシリーズ最終作では、前作とは異なり社会問題であるオレオレ詐欺を取り上げた初心に帰った構成となっている。一人暮らしの老人の寂しさに付け込んだオレオレ詐欺。そしてそこから家出して音信不通になった息子の存在を知らせるという運びはスムーズで違和感が無い。ただ息子のいる場所が東京で、事件の起きた場所も同じ山形県内ではありながら農村地帯では無い山形市内という事で長閑な農村を背景にという感覚は薄れた印象がある。勿論、純子の義姉・明美と八巻刑事のドタバタは健在で、ここだけは相変わらずの田舎じみたコミカルさを演出している。

 

今回の事件ではとある段階で事実が180度ひっくり返される。この発想は非常に興味深いのだが、残念ながらそこに至るまでの過程で何となくそれらしき雰囲気を醸し出してしまっていて真相が判明した時の驚きが半減してしまう。その点が非常に残念である。判り辛い内容だと敬遠されてしまう風潮故の親切設計ゆえなのだろうか?

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

黒の奔流

  • 2016.07.17 Sunday
  • 23:01

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 船越英一郎、星野真里、賀来千賀子 他

【放送】 2009年(テレ東)

 

強盗殺人容疑の女性の弁護を引き受けた弁護士が絶対的不利な状況から無罪を勝ち取る。しかしそれがこの弁護士の破滅への入り口だった。原作は松本清張著の『種族同盟』(『火と汐』所収)。このドラマは松本清張生誕100年特別企画として放送された。

 

弁護士の丹羽修造は横山リエの国選弁護士を引き受けた。被害者の風間隆一は旅館再建請負人の異名を持つ経営コンサルタントで、旅館で働いていたリエは風間から奥多摩渓流の案内を頼まれる。この時、風間の持つ五百万円を強奪する作戦を思い立ち、色仕掛けで冬場は使われていない茶屋へ誘い肉体関係を持った。その後、見晴台で景色を眺めていた風間を背後から突き落としたというのが事件のあらましである。しかしリエは丹羽に無罪を主張する。圧倒的に被告人不利の状況の中、丹羽はリエの無実を信じて必死に弁護する。そしてようやくリエから茶屋の指紋が三日前にリエが旅館客を相手に売春した時のものであると言う供述を引き出す。助手の岡田由基子と共に奔走し、事件当日現場付近で叫び声を聞いていたアマチュアカメラマン・曽根を見つけ出す。それにより裁判は一転。検察側は上告を諦めリエの無罪が確定する。

 

世間から注目された事件を逆転勝訴した事で一躍時の人となった丹羽弁護士。その栄光に驕るような人間であれば、苦しい顛末を見ててもさほど気にはならなかっただろう。しかしここに登場する丹羽弁護士はあまりにも良い人過ぎるのである。このドラマは2002年にも渡瀬恒彦主演でドラマ化されているが、そのドラマと比べると刹那的な危機迫るような印象はなく、どちらかと言えば人の情に訴えるようなストーリーになっている。おそらく丹羽弁護士の性格もそのストーリーを汲んでの設定なのだろう。しかし考えてみれば真っ直ぐで欲の無い人間だからこそ悪女に目を付けられてしまったのかも知れない。サスペンスというよりは人間ドラマと言った方がしっくりくる内容だった。

 

所謂良い人がたった一人の女に振り回され、何もかも失っていく。あまりに不条理なストーリーに流石に気が咎めたのか、最後の最後には多少の救いが訪れる。このラストは確かにほっとするような気になる反面、無難過ぎてインパクトに欠ける。しかもこの流れ、他のドラマでも良く見かけるような・・・。上手くまとめたが故、普通のドラマに成り下がってしまった気がする。あまり松本清張作品らしさが感じられないのが残念だった。

 

満足度は★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

東京駅お忘れ物預り所3 寝台特急「北陸」〜裏切りの13番線ホーム!!

  • 2016.06.27 Monday
  • 00:13
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ


【出演】 高嶋政伸、藤真利子、筒井真理子 他
【放送】 2009年(テレ朝)

東京駅にある『お忘れ物預り所』に勤務する職員が慰安旅行先の富山で旧家のお家騒動に巻き込まれるトラベルミステリー。『東京駅お忘れ物預り所』シリーズ第三弾!

東京駅お忘れ物預り所に勤務する面々は富山へ慰安旅行へ行く計画を立てていた。業務も終わり明日からの社員旅行に浮足立つ面々だったが、丁度そこへ財布を落とした男性・伏見康之が現れる。財布には現金八万円と切符が入っていたらしい。ところが妻の聡子は落ち着き払った態度で康之を責める事は無かった。職員の村尾由希子を始め誰もが聡子の対応を褒め称えていた。そんな矢先非常勤看護師の聡子に麻布中央病院から応援看護の要請が入る。出発までは三時間。聡子は慌てて病院へと向かった。その後、東京駅お忘れ物預り所職員達は上野駅で康之と再会する。残念ながら聡子は間に合わなかった。同じ寝台特急「北陸」に乗ると判った一行は康之と合流して富山を目指す。ところがその翌日、康之は何者かに刺されて倒れているのを発見され、富山の病院へ搬送される。由希子は遅れて到着した聡子を連れて病院へ向かったが、上司の嶋田は鞄を置き引きされて警察に出頭する事に。

北陸新幹線が開通した今となっては上野から富山へ行くのに寝台特急の中で一泊するという感覚さえ失われつつあるが、驚いた事にこのドラマが放送されたのは今から七年前。如何に新幹線の開通のもたらした進歩が大きかったかを物語っている。

さて今回のドラマの根本にあるのが富山の旧家のお家騒動。格式ある家柄である伏見家へ嫁いだ聡子は何かにつけ姑から罵倒され、良くそれを口答えもせずに言いなりになっていると感心するくらいの忍耐強い嫁である。一介の看護師だった聡子が旧家に嫁げばそれだけ苦労が絶えないと言う表れでもあるのだが、その上、夫の康之にはどうやら愛人がいるという話まで浮上し、東京駅お忘れ物預り所を訪れた時には理想の夫婦だったのに、蓋を開けてみれば見るに堪えない不穏な空気が漂っていたと言う設定。これで何か起こらない方が不思議な状況で、やはり起きてしまった殺人未遂事件。その事件をただ知り合いと言うだけでいつものように東京駅お忘れ物預り所の職員である幸平と由希子が首を突っ込む事になるのだが、一応時刻表トリック等もあってミステリーらしい体裁は整えているものの、事件が劇的に解決するより人間関係のいざこざの方がメインとなってしまっているため途中でこのドラマがミステリーである事を忘れてしまう嫌いがある。

またどうしても幸平の不幸な生い立ちを語る場面は必須らしく、自棄になった少女を説き伏せるために幸平が話し聞かせる場面がある。しかし前後の繋がりを考えると非常に不自然極まりない。更に驚くのはその話に少女が共感してしまう事。その話を汲んで無理矢理その後の話とつなげるのは本当に苦しい。この場面、いらなかったんじゃないだろうか?

満足度は★★★★

BoA,WISE,Yutaka Furukawa
エイベックス・エンタテインメント
(2008-02-27)

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

刑事殺し〜完結編〜

  • 2015.02.07 Saturday
  • 14:11
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 仲村トオル、サンドウィッチマン、大杉漣 他
【放送】 2009年(TBS)

張込み中の刑事が何者かに殺害された。相棒の刑事が持ち場を離れた直後の出来事だった。自らの失態で同僚を失った刑事が執念で犯人を突き止める刑事ドラマ。『刑事殺し』シリーズ第三弾!当時のお笑いブームを反映してサンドウィッチマンが強盗犯役で登場している。

前回は『刑事殺し』は野津を称したタイトルという意味合いになっていたが、再び本来の刑事が殺害される事件の話に戻した節がある。

目黒区の宝石強盗事件を追っていた警視庁捜査一課主任の野津は同僚の鳴海と共に犯人の片割れである友永靖男の張込みを続けていた。その最中、野津に妻・希和子から連絡があり、補導された娘を迎えに持ち場を離れてしまう。ところが野津がいない間に鳴海は刺殺遺体となって発見される。職務中に持ち場を離れるという失態を犯した野津は警察内部から冷たい視線で見られる羽目に。しかし鳴海の無念を晴らしたいという思いから断固として捜査から外れないと主張し、所轄の刑事・原と組んで捜査に当たる事になる。ところが原は刑事としてはあまりにお粗末で、仕事に対する熱意はまるで感じられなかった。

刑事と言えども人間である。そのため警察官だからと言って清く正しい生き方をしている人間ばかりではなく、失態や不祥事を起こすものがいる。このシリーズでは毎回警察が何かしらやっちまった事をドラマに織り込んでいて、今回も家族を守るために刑事の道を踏み外した刑事を取り上げている。

家族を守るためにどうすべきか?

身内が犯罪を犯してしまった場合、その罪を認めて出頭を促す事が道理である事は確かだが、罪に問われるのを恐れて犯罪を隠そうとする気持ちが働くのも事実である。罪を犯しても見つからなければ罪には問われない。子供達がゲーム感覚で行う万引きもそうした心の表れが非常に強く出ている。しかし中には隠してしまった恥ずべき行為を悔やんで心を病んでしまう者もいる。今回のドラマでは事件を通してその両極端の人間を対比させて描いている。

ところで持ち場を離れるという失態を犯した野津は今回もまた家族の問題が勃発する。野津は刑事魂熱い刑事ではあるが、一昔前のような刑事の仕事に全てを捧げ犯人逮捕のためにどんな強硬手段にでも出るような刑事では無い。スマート過ぎてヒーローに描き過ぎている。最後には何もかもうまくいってしまうのは出来過ぎではないだろうか?

満足度は★★★★

BoA,WISE,Yutaka Furukawa
エイベックス・エンタテインメント
(2008-02-27)

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

笑顔〜15年目の嘘〜

  • 2015.01.23 Friday
  • 14:58
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 石黒賢、鶴田真由、市川由衣 他
【放送】 2009年(TBS)

難病を乗り越えた娘の結婚を前に、ホスピタル・クラウンとして病院の子供達に笑顔を届けるピエロが衝撃の真実を告白する。道化は心の闇を隠すための仮面。一人の男の苦悩と贖罪の二十五年間を追った愛と感動の物語。

稲葉秀夫は拡張型心筋という難病を抱えた娘・理子に移植手術を受けさせるために募金活動を行っていた。小谷野弁護士のボランティアもあり、目標金額まで残り三千万円まで漕ぎ着けた頃、小谷野は建山建設社長宅で起きた強盗殺人事件で逮捕された建山義久の弁護を担当する。義久は自宅の金庫から金を持ち出した事は認めるが父親の殺人については一貫して否認を通していた。しかし裁判では死刑判決が下ってしまう。そんな中、匿名で寄せられた三千万円の寄付のお蔭で理子は海外で移植手術を受ける事になる。十年後、最高裁は上告を棄却し義久の死刑が確定。2009年夏、稲葉は市電の運転手として働く傍ら、娘の理子が働く函館こども病院でホスピタル・クラウンを長年務めていた。毎朝市電に乗ってくる女性客がピエロのマスコットを持っているのを見た稲葉は彼女が建山友美だと気付く。友美は理子と同い年で、十五年前の強盗殺人事件の第一発見者でもある。当時五歳だった友美は父親の遺体を目撃したショックで心に深い傷を追い、口が利けるまで一年も入院生活を送っていた。そんな彼女に笑顔を取り戻したのがホスピタル・クラウンの稲葉だったのである。

強盗殺人事件と稲葉にどんな関係性があるのかは、本人の告白を待たずとも大体序盤で予測出来てしまうので、このドラマは事件の真実を暴いて解決するという類の内容ではなく、罪を犯した人間がどのように生きたかを記す内容であり、それをいかに感動的に、愛情溢れたストーリーに盛り立てていくかに重点が置かれたドラマである。

但し冷静になってこのドラマを考察するとあまりにも主人公に対する扱いが好意的過ぎる事に腹立たしさを感じてならない。そもそも事件は親のエゴが発端となって起きている。その結果第三者が無実の罪で逮捕され、死刑囚として死を待つだけの日々を送り、また被害者家族は崩壊し、会社は倒産に追い込まれている。おまけに被害者の娘である友美はそれが原因で孤児になり、心に傷を負い、更には病に蝕まれる事になったのである。娘を救うためとは言え、そのせいでどれだけ多くの人々を不幸に巻き込んだか主人公が把握しているようには思えなかった。罪を告白するまでの十五年間、その間に生きた軌跡が素晴らしい物であれば誰もが見捨てず、罪は許されるといった風潮のストーリーにもやもや感が満載。

最後まで見ると結局悪人は殺された建山社長という設定になっている。これもどうも納得がいかない。執念で事件の真相を暴いた刑事も、真相が判ってみたら「これで良かったんですかねぇ」と困惑気味。それもかなり問題発言だと思う。善人の犯罪を暴くのは心苦しくて、無実の罪でも小悪党が死刑囚になっていれば良かったという空気が伝わってくる。

感動的な話になっている反面、何もかも人の気持ちが良い方に流れ過ぎて反発を覚えるドラマでもあった。

満足度は★★★

さだまさし,萩原あゆみ,渡辺敦
フォア・レコード
(2004-07-21)

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

温泉(秘)大作戦8

  • 2014.08.07 Thursday
  • 22:35
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 森口瑤子、清水美沙、三木良介 他
【放送】 2009年(テレ朝)

旅館経営のスペシャリスト集団が旅館経営の立て直しを図る傍ら事件を解決する温泉旅館立て直しサスペンス。金銭面だけでなく、様々な方面のスペシャリスト達が再建を目指して駆け回るのだが、何故か事件に巻き込まれてしまうという何とも皮肉な二時間サスペンス。『温泉(秘)大作戦シリーズ』第八弾!

海岸で徳信銀行の行員・日下部直樹が海岸で変死体となって発見される。額には何かで引っ掻いたような傷跡が残っていた。状況から警察は殺害されてから運ばれてきたと睨む。その頃、徳島空港に到着した星野さつき達一行は徳島県鳴門市にある南欧風のルネッサンスホテル。早速客として潜入し、各方面からのチェックを開始する。ところが判定はかなり厳しい結果に。その中でカスタマーマネージャーの佐山だけは仕事に対する姿勢や意欲が優れていると評価を受ける。城ノ内オフィスではホテルの格付を上げるためにロワイヤルインターナショナルの称号を得るのが一番と結論を出し、オーナーにその話を持ちかける。ところがオーナーはメインバンクの融資担当だった日下部が死亡した事に不安を抱いていた。案の定、新しい融資担当者は審査基準の変更を理由に融資を見直すと言ってくる。

今回は温泉担当の岩田がまだ刑事だった頃、喧嘩別れしたままになっている同僚の妻が働いているホテルに仕事にやって来ると言う設定で、それに関わったがために命を落とした人々のためにホテル買収の黒幕を追い詰めていくストーリーになっている。

舞台となっている鳴門市の辺りは特産物が豊富なため、やはり立て直しの中心となるのは食のスペシャリスト・島慎之介になる。今回の料理長は自分のやり方を貫くタイプの人間で、ロワイヤルインターナショナルの称号を受けるために必要な事細かなチェックを毛嫌いする。そのため慎之介に反旗を翻し続けるのだが、慎之介はいつもの如く食への熱い魂を見せつけて説得していく事になる。

それはそれでいつものパターンなのだが、残念ながら殺人事件の方はあまり興味を惹くような内容ではない。重要な情報も岩田が調べている内に掴んだと事後報告するだけ。取り敢えず殺人事件を絡ませてみた程度の内容で留まっている。

満足度は★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

上野駅13番線ホーム

  • 2014.01.09 Thursday
  • 06:08
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 愛川欽也、小沢真珠、金子賢 他
【放送】 2009年(テレ朝)

お馴染み十津川警部と亀井刑事が活躍する西村京太郎原作のトラベルミステリー第51弾!豪華寝台特急『北斗星』と『カシオペア』を舞台に起きる連続殺人事件の謎に挑む。原作は西村京太郎著の『上野駅13番線ホーム』。

亀井刑事が上野駅13番線ホームを感慨深げに眺めていると、時々このホームで見掛ける青年・本田剛が通り過ぎて行くのを目撃する。北海道出身の本田は何か困り事を抱えていて、ジンギスカン料理チェーンのオーナーの小池に手を貸して貰おうと話し掛けたが、物乞いの類と思われて冷たくあしらわれる。その事に腹を立てた本田は小池と揉み合い、突き飛ばした拍子に運悪く小池は頭を打って動かなくなってしまう。小池の持ち物から北海道行きの切符を見つけた本田は自分の持っている切符とすり替えて『カシオペア』の展望台スイートに乗り込む。ところが電車に乗り込んだ途端、小池と同行する女性・江川麻里がいると判り慌てる。その頃、トイレで小池の遺体が発見され、亀井刑事も現場に呼び出されていた。おかしな事に豪勢な身なりとは裏腹に小池が所持していた切符は『北斗星』のB寝台だった。

せっかく『北斗星』と『カシオペア』を舞台として使用しているのに、特にそれを強調するでもなく普通の電車に乗っているのと同じような感覚で扱われてしまっているのが悲しいドラマである。確かに警察視点で見れば仕事であるので特別な感情を抱く暇もないのは判るが、本田視点であれば何かしら感想があっても良さそうなもの。ただ北海道と東京を結ぶ交通機関として使ってしまうのは些か残念である。

不運続きの男がひょんな事から掴んだ幸運が実はそれは罠だったという筋書きで、亀井刑事に痛い所を突かれた本田の台詞が判り易いのなんのって。警察がそうあって欲しいと願うような解答の連発に思わず苦笑。作者の狙いが別にあるとは言え、幾ら何でも安直過ぎる。

北方に想いを馳せる作者の郷愁の念は相変わらず。事件関係者の内、東北・北海道出身の人間には必要以上に温情をかけているように見える。東京の人間は冷たくて悪い奴という発想もどうかと思うが・・・。

クライマックスのシーンでは駅の構内で人質を取った男が逃走するのだが、後を追う西本刑事だけ足が極端に遅く、息切れまでしている。レギュラー陣の年齢層の高さを露呈する結果となってしまった。

満足度は★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

離婚妻探偵2

  • 2013.05.31 Friday
  • 17:50
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 杉田かおる、雛形あきこ、前田吟 他
【放送】 2009年(フジ)

離婚経験のある三人の離婚妻探偵がある夫婦の双方から依頼を受けた事から連続殺人事件に巻き込まれる。前作から二年半が経ち、離婚事情も様変わりしてきている。そんな世情を絡ませて前作と同じキャストで送る離婚専門の女探偵物語。前作程探偵という職業らしさをアピールしていないため、エンタメ色の強いサスペンスになっている。

夫からモラハラ被害を訴える坂本美奈子を救うために、藤崎花を始めとする離婚専門の探偵事務所『離婚妻☆探偵社』の面々は夜逃げ同然で美奈子をかくまう。後日探偵社に美奈子の夫が押しかけるが、花は毅然とした態度で美奈子を庇い夫を撃退する。バツイチ三人が立ち上げた探偵社は着実に業績を伸ばしていた。ある日、花は同窓会の幹事を任され恩師の森谷と会う約束をする。森谷は高校時代非行に走った花を更生させた恩人でもある。長年の青少年への働きかけが認められ杉並区民功労賞を受賞する事になったのだ。ところが花が探偵と知った途端、森谷から妻から離婚を切り出されていると相談されてしまう。一方、探偵社の能天気なオーナー・高柳百合は現在イケメン講師目当てに社交ダンス教室に通い詰めていたが、夫のモラハラを理由に離婚を考えているダンス仲間を探偵社に連れてくる。ところがその女性は森谷の妻・良美だった。

奇しくも夫婦の夫と妻から別々に依頼を受けてしまった離婚妻探偵社。但し夫の森谷の方には夫婦継続の意思がある。本来は離婚を成立させる事こそがこの探偵社の仕事ではあるのだが、恩師の森谷の人柄を良く知る花にはどうしても離婚を成立させたくない気持ちが働く。一方、探偵スタッフの栗原みずきは花に真っ向から対決の姿勢を見せる。モラハラと聞いては黙っていられない。一刻も早く別れさせる事こそが良美を救う手立てだと信じて勝手に動き出す。

シュララ、シュララ、シュラシュラバ(修羅場)

何しろみずきも花もシングルマザーなので、仕事中に事務所内で子供達を遊ばせておくのだが、いつの間にか覚えてしまったこの歌。離婚ばかりを扱っている事務所だけに修羅場を目の当たりにする事もある。すっかり慣れてしまった子供達はこんな歌を歌って遊んでいるのだが、子供がこんな歌を歌っている時点で世も末である。

前作と異なり、今回は必ずしも離婚が幸せに繋がる手段として受け止めていない点に好感を持った。確かに離婚するしかない夫婦もいる。それによってどんな障害が起きるのかには前作で扱っていたが、今回の場合、どちらか一方に夫婦を存続したい意思があれば、お互い歩み寄る事でもう一度やり直せるのではないかという可能性にかける内容になっている。離婚専門探偵社を名乗る以上は離婚を成立させてナンボの探偵社なのだが、モラハラをしている本人がモラハラに気付いていない場合もある。第三者に気付かされて心を改めたなら、何も無理に離婚を成立させなくても良い。そんな良識的な探偵社に成長した離婚妻探偵社にエールを送りたい。

満足度は★★★★
にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

疑惑

  • 2012.12.10 Monday
  • 11:01
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 田村正和、沢口靖子、真矢みき 他
【放送】 2009年(テレ朝)

転落事故で夫は死亡し、妻だけが生き残った。これは事故なのか、それとも保険金殺人なのか。妻の証言だけが頼りの疑惑の事件に人情派の弁護士が挑む。原作は松本清張著の『疑惑』。

7月28日夜9時。金沢埠頭は強い雨に見舞われており、一台の車が海へ転落する。命からがら車から脱出した『金城楼』の女将・白川球磨子は泳いで陸へ上がり、警察に同乗していた夫を助けて欲しいと連絡する。ところが亡夫・白川福太郎に八億円の保険金がかかっていた事から保険金殺人の容疑がかかる。しかも球磨子は前科四犯。世間では彼女の旧姓をもじって『鬼くま事件』と騒がれ、状況は圧倒的に球磨子に不利だった。話を聞いた弁護士の佐原は弁護できないと一旦は断ったものの、一年二か月後、逮捕された球磨子から届いた自分は無罪だと書かれた手紙を読んで球磨子の弁護を引き受ける。

ドラマには事件に関わる様々な女が登場する。死亡した姉の代わりに義理の兄・佐原を慎ましく支えるピアニスト、マスコミの前で堂々と悪態をつき自らが悪者であるように振舞う球磨子、球磨子の事件を面白おかしく書きたてて名誉を手にした新聞記者、球磨子に恨みを持つ福太郎の元愛人である『金城楼』の仲居。それぞれが全く異なる個性を持った女として登場する。そうした一人一人の女達の生き様を見比べてみるのも一興である。

さてその中でも強烈な個性を放つのが球磨子。松本清張著の『疑惑』を原作としたドラマは数多く制作されているが、球磨子に如何にインパクトを持たせるかがドラマの出来を左右すると言っても良い。その観点から言えば、このドラマは佐原に重点を持たせ過ぎて比較的大人しいタイプの球磨子になっている。またドラマは球磨子の生い立ちだけでなく、佐原の悲しい過去にまで及んでいる。そのためドラマ全体が物悲しい雰囲気に満ちている。

クライマックスでは佐原が真相を法廷で暴露する。その切々たる内容は法廷中の人々の心へと訴えかけていく。球磨子は本当に保険金目当てで夫を殺したのだろうか?佐原によって語られる真実は割合オーソドックスなまとめ方になっているように感じた。

満足度は★★★★
にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

ザ・クイズショウ

  • 2011.10.25 Tuesday
  • 11:34
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 櫻井翔、横山裕、真矢みき 他
【放送】 2009年(日テレ)

クイズ番組のMCが解答者達の秘密を暴いていく異色のエンターテイメントドラマ。前年に深夜放送枠で放送されていた『ザ・クイズショウ』のリメイク版。キャストを一新した上に前作の二年後に変更されている。尚、前作で主演を務めた戸次重幸はそのままの役名でドラマに登場し、同じく前作で主演を務めた片桐仁は最終回にゲスト出演している。

銀河テレビでは人気番組『ザ・クイズショウ』の生放送を前に緊迫したムードが流れていた。生放送はやり直しがきかない。中でも番組プロデューサーの冴島の番組に賭ける意欲は半端ではなかった。『ザ・クイズショウ』とは夢を持つ人を解答者に迎え、見事全問正解であればその賞金を賭けて『ドリームチャンス』に挑戦出来る。『ドリームチャンス』に正解した者は銀河テレビが責任を持ってその夢を叶えることになっているだけに、挑戦者は後を絶たない。初回のゲストはバンドマンの安藤。夢は世界ツアーを開催することだという。MC-KAMIYAMAのMCにより番組は順調にスタートしたように見えたが、次第に冴島の想定外の方向へと番組が誘導されていく。しかも仕組んだのはディレクターの本間。冴島はしきりに自分の番組と訴えるが、本間に操られたMC-KAMIYAMAの暴走は止まらない。

毎回解答者として出場するのは心に何らかの疾しさを持った人々。一見、無作為に選ばれているように思えるが、実はある意図をもって集められたと後々判明していく。番組前半は無難に進行していき、『ドリームチャンス』になった途端、MC-KAMIYAMAこと神山の質問は台本無視で解答者のイタイ部分へと鋭く切り込んでいくというのがお約束の展開。その結果、ある者は犯罪を暴かれ、ある者は裏の顔を暴かれ、ある者は封印された過去が暴かれていく。

笑ってしまうのは解答者のキャラクター設定。毎回登場する解答者はバラエティーに富んでいるが、何かしらを風刺した姿になっている。特に笑えたのは第二話。カリスマケータイ小説家のミカ(どっかで聞いたような・・・)が登場。画面に表示されるケータイ小説は明らかにケータイ小説自体をおちょくった表現になっており、少しでも知っている人間は大爆笑か苦笑のどちらかだろう。おまけにたかだか1画面に10文字前後の小説(?)にゴースト疑惑が発覚!生放送でクイズの質問形式をとって秘密を暴露するというスリリングな展開は思わず見入ってしまう。

また番組の裏で神山が白い部屋に幽閉されている謎も次第に解明されていく。記憶喪失で自分のことを何一つ覚えていない神山は本間の言いなりとなり、MC-KAMIYAMAとして働かされている。神山の過去もまた大きな謎となっている。

因みにドラマ内で用いられるクイズ形式は『クイズ$ミリオネア』(英国『Who Wants to Be a Millionaire?』の日本版)の良いトコどりである。MCが本家本元(日本版)のみのもんただったら解答者に与えるプレッシャーは驚異的だが、誘導尋問にもとれる『ドリームチャンス』をみのもんたが担当したら想像しただけでも迫力があり過ぎて怖い。やはりドラマのMCはある程度そうでない雰囲気を持った人間に限る。

満足度は★★★★★
にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< January 2019 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM