喪失の儀礼

  • 2012.10.25 Thursday
  • 00:03
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 古谷一行、洞口依子、吉行和子 他
【放送】 1994年(日テレ)

評判の良い医師がホテルで殺害された。事件を担当した刑事が掴んだ事件の真相とは?原作は松本清張著の『喪失の儀礼』。

線路の上を水仙の花束を持った大塚刑事が歩いていく。彼は枯れた花が供えられているのを見て、その場所に手にしていた花束を手向けた。二か月前に起きた事件は事件の解決を待たずにこの場所で終わったと彼はしみじみと事件を振り返った。

仙台中署の刑事である大塚はとある事件を担当する事になった。宮城県の秋保温泉郷にあるホテル瑞宝に宿泊中の客・住田が翌日の昼過ぎに遺体となって発見されたのである。現場に駆けつけた大塚は住田の遺体がかなり白い事を奇妙に思う。調べてみると手首に深い傷があり、体内の血が大量に流れた形跡があった。しかもルームサービスで頼んだビールのコップからは睡眠薬が検出され他殺と断定される。

大量に血が流れ出した遺体がベッドの上で横たわっており、しかも手首には深い傷があるのにベッドには血が流れた形跡が殆どない。奇妙な変死体で発見された医師の殺害事件から始まるドラマであるが、ドラマ内の注目されているのはその医師の生前の人生でもなければ、事件を追う刑事の執念でもない。捜査の中に浮き彫りになる複雑な嫁姑の関係。真実は決して表に見えているものだけが真実ではない。心の奥深くに隠された真実までもを見極めなければ、真相に辿り着いたとは言えない。人間の深い心理を追求した秀逸な作品である。

松本清張作品らしくラストに爽快感はない。靄に包まれた真相を抱えたまま、真相は結局明らかにされないままに一人の刑事の心の中で終結してしまう。もはやそれ以上事件を追う事も出来ない。諦めるしかない刑事の空しさが伝わって来るようでもあった。

満足度は★★★★
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