あゝ野麦峠

  • 2013.08.30 Friday
  • 00:02
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 森下愛子、西崎みどり、永島敏行 他
【放送】 1980年(TBS)

戦前の製糸工場の若い女工達の過酷な実態を伝えた山本茂実著のノンフィクション文学『あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史』の実写ドラマ化。前年に公開された大竹しのぶ主演の『あゝ野麦峠』のヒットを受けて制作された。但しストーリーは映画版とは異なり、映画版では主役であった女工のライバル関係にあった女工が主演となり、彼女の目を通した製糸工場の出来事を綴った内容になっている。主題歌に起用された小椋佳の『想い出して下さい』の透明感ある甘い歌声が非常に印象的で、歌詞は遠い昔の思い出を懐かしむ内容ではあるものの、幾つかのフレーズが女工達の目の前の現実から逃げ出す事の出来ず必死に生きる心情が当てはまり、今の平和な時代から彼女達の過酷さを忘れないで欲しいと言うメッセージが伝わってくる。

戦前、飛騨の農家の娘達は雪深い野麦峠を越えて岡谷の製糸工場へ働きに出ていた。彼女達の大半は十代の若い少女で、朝は早くから起こされ、一日中蚕の繭から糸を紡いでいかなければならない。中には劣悪な環境に耐え切れず逃げ出す女工もいるが、強面の男達が女工を常に見張っており、逃げ出したと判れば追われてすぐに連れ戻される。ある年、女工として連れて来られた姉妹がいた。姉はすぐに頭角を表し、岡谷でも一、二を争う女工となったが、妹は仕事をするにはまだ幼く、失敗ばかりしていた。

ドラマはこの姉の視点で見た製糸工場の様子を伝えていく。製糸工場は言わば労働を強要される監獄のような場所。粗末な食事しか与えられず朝から晩まで休む事無く働かされる。さぼれば容赦なく見張りの男達から怒声が飛び、時には制裁を加えられる事もある。ここに連れて来られたのは何れも貧しい農家出身の少女達。どんなに辛くても家族が生活するには自分達が働くしかないのである。映画になった優秀な女工が病になり、兄に背負われてやっと念願の野麦峠に差し掛かった時息を引き取る話も一つのエピソードとして取り入れられ、仲間同士で結託して雪の中を逃げ出したり、工場主の息子に女工が犯されたり、金融恐慌で生産をストップさせられたり、平和な現代では考えられないような衝撃的なエピソードがテンコ盛りの内容となっている。

中でも印象的なのは雪の中の場面。薄手の着物しか身に着けていない女工達が雪山の中を逃げる場面がドラマの中で何度か登場するが、ただでさえ寒さの厳しい雪の中、女工役の女優陣は寒さのあまり唇が紫色に変色し縦割れしたまま演技を続ける。あの迫力は圧巻。

満足度は★★★★★

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