火と汐

  • 2014.02.07 Friday
  • 19:44
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 神田正輝、南果歩、内藤剛志 他
【放送】 1996年(フジ)

京都で密会中の女が突然行方不明となり、遺体となって発見される。殺害容疑をかけられた密会相手の男が彼女の死に疑問を投げかけるサスペンス。原作は松本清張著の『火と汐』。

八月十四日、油壺では『三宅島レース』のアナウンスが流れていた。三宅島レースとは油壺から三宅島を巡る三日間のヨットレース。レースに参加する芝村モーターの社長・健介は社員の上田と共に乗船する。その頃、健介の妻・美弥子は舞台作家の曽根晋吉と京都のホテルで待ち合わせて密会していた。二日後、美也子は別れを切り出す。先の見えない関係を終わらせたがっていたが、それに反して晋吉は結婚を望んでいた。その夜、二人で大文字焼見物の最中、突然美弥子の姿が見えなくなる。

美弥子が行方不明になるまでの過程は非常に簡潔に描かれており、密会相手である晋吉との関係はあまり濃厚には描かれていない。またドラマの半分以上は生前の美弥子がどういう女性だったのかについて語られているのだが、彼女を知る人々の中では本当の彼女の人物像が飛び出してこない。非常に謎めいた女性としての描かれ方をしている。

何故、彼女は密会相手の前から忽然と姿を消したのか?

何故、彼女は殺害されたのか?

そんな謎を秘めながらもずっと静かにドラマは進んでいく。会社社長夫人として何不自由のない贅沢な生活を送っていた美弥子。しかし晋吉に言わせれば、美弥子は夫との生活では満たされない何かを求めていたと言う。

勿論、殺人事件なので後半の警察の動きには事件の真相を追い求める刑事としての執念や、地道な捜査の場面は登場する。ところが肝心の殺害された被害者の夫も愛人も自ら殺人事件に対して熱くなる場面は一切見られない。つまりは裏を返せば、どちらも美弥子の本心に辿り着いていなかった、或いは美弥子の死に駆り立てられる程の親密な距離にいなかった事になる。あまりにも静か過ぎる展開は被害者の空虚な心を表しているようでもある。

やがて明かされる事件の真相。その中で語られる美弥子の本心は考えてみれば非常にささやかな願いであった。ただそれだけのために殺されたのかと思うとやり切れない。

満足度は★★★★★

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