阿部一族

  • 2014.05.23 Friday
  • 10:44
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 山崎努、佐藤浩市、真田広之 他
【放送】 1995年(フジ)

藩主の死後、藩主の命を守ったばかりに苦境に立たされ、全滅した阿部一族の悲劇。原作は森鴎外著の『阿部一族』。

島原の乱で多くの命を落とした肥後藩では藩主の細川忠利が病に伏し、今また命の灯火が消えようとしていた。忠利は最も忠実な家臣である阿部弥一右衛門を呼び、生き抜く事を命じる。忠利の死後、側近の者達が次々自害する中、弥一右衛門を始めとする阿部一族だけは亡き藩主の命を忠実に守り生き長らえていたが、大切に飼われていた鷹が主の亡骸を燃やす火の中に飛び込む事件が起こる等の経緯もあり、周囲の阿部一族に対する風当たりは日増しに強くなっていった。思い余った弥一右衛門は一族を屋敷に集め、切腹すると宣言する。

時代は江戸時代初期。日本は忠義に厚い人物こそが尊ばれ、命よりも尊厳を守る事を重視する風潮にあった。しかし忠義を誓った人間がいなくなった時、時として政を行う者達の思惑によってある者の運命を大きく変えてしまう事がある。細川忠利は死んで忠義を尽くすのではなく、命を大切にして生き長らえていく事が大切な家臣である阿部弥一右衛門への最大の恩情であったのだろう。勿論、現代ならばそれが当然の感覚ではあるが、この時代にはその考えはあまりにも受け入れ難い考えであった。そのため弥一右衛門は死ねば忠利に背く反逆者、死ななければ死を恐れて藩主の後を追わない卑怯者とどっちに転んでも非難を浴びる立場に追いやられてしまう。

結局弥一右衛門は忠利の命を破って切腹。これは自分だけでなく一族のための決断だったが、弥一右衛門のこの決意は決して正しかったとは言い切れない。何故ならそのせいで一族は全滅に追い込まれたのだから。

勿論、阿部一族滅亡の裏には政の思惑が強く絡んでいる。言ってみれば阿部一族は新体制となった肥後藩が結束を深めるための見せしめであって、これほど馬鹿げた采配は無いとも言える。確かに虚しさしか残らないストーリーではあるが、最終的にこの阿部一族の滅亡がどのような結末をもたらしたのかを教訓としてあげている点が昔の名作らしいと感じた。

満足度は★★★★

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