揺らぐ灯

  • 2015.03.01 Sunday
  • 17:12
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 高橋由美子、船越英一郎、尾美としのり 他
【放送】 2003年(TBS)

エステティックサロンの社長が熱海で水死体となって発見される。社長とトラブルのあった雑誌記者が連続殺人事件に巻き込まれていく女のサスペンス。原作は夏樹静子著の短編小説『揺らぐ灯』。この作品は三人の作家が熱海を舞台に書いたミステリー作品を収録した『熱海連続殺人事件』に収録されている。

女性雑誌『NORA』編集部の記者・今野星実は恋人の中平商事社長の中平徹と共に五年ぶりに故郷の熱海へと帰ってきた。2人が乗ったヨットが熱海のヨットハーバーに到着した頃、喫茶店『ベル』ではエステティックサロン優美の社長・滝井和佳子が弟から金の無心をされていたが、和佳子はきっぱり断って喫茶店を後にする。その際『神奈川4472』と書いたメモを店に落としていく。実はエステティックサロン優美は『NORA』に特集記事を掲載した所読者から編集部にクレームが殺到。その後、和佳子は雲隠れしていた。ホテルに到着した星実は偶然和佳子を見掛け特集記事の件で文句をつけるが、和佳子は言いがかりだとまるで相手にしなかった。ところが翌朝、七半岸壁で和佳子の水死体が発見される。

タイトルとなった『揺れる灯』とは熱海の夜景が揺らいで見える様を指している。揺らいでいると見慣れた景色も美化されて見えるものだが、現実はそんなに綺麗なものではない。それは人間の生き様にも言える事。どんなに華やかに見えても心の中には醜い過去を抱えている場合がある。揺らぐ灯とは人間の生き様を表現しているようにも見えた。

五年前に父親が起こした事件により母親と恋人を失ったショックで五年間故郷から足が遠のいてしまった星実。そんな彼女が再び故郷に戻る気になったのは徹という心の支えが出来たからだった。徹からプロポーズを受けて幸せいっぱいの彼女を一つの殺人事件が再び彼女を地獄へと突き落としていく。

夏樹静子作品と言えば女性の心理描写の細やかさが秀逸な作品が多い。このドラマはさほど女性心理に脚光を浴びせた内容にはなっていないものの、星実のやり切れなさが表情から痛切に伝わってくる。最終的に究極の選択を迫られてしまった星実。そしてそのどちらを選んでも星実にとって不幸が待ち受けている。何故にヒロインをここまで追い詰めるのかと問いたくなる。何をしても不幸になるのは判っている。実際、ラストは虚しさだけが残る内容で終結している。しかしその不幸の中に僅かな希望がある事に気付いて欲しいと祈るばかりである。

満足度は★★★★

五十嵐 均,森村 誠一,夏樹 静子
文藝春秋
(1999-01)

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