家紋

  • 2016.02.12 Friday
  • 15:20
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 岸本加世子、大地康雄、吹越満 他
【放送】 2002年(BSジャパン)

結婚を目前に控えた女が家紋入りの提灯を持った男の夢にうなされるようになる。その男は十八年前に女の両親を惨殺した犯人だった。迷宮入りとなった事件を解明するミステリーサスペンス。原作は松本清張著の『死の枝』。このドラマは松本清張没後10周年記念作品として放送された。

丸に揚羽蝶は北陸の旧家生田家の家紋。この家紋は本家だけでなく分家でも同じものを使用している。報恩講の最後の夜、生田の分家の市之助の家では娘の雪代の容体が芳しくなく、妻の美奈子が付ききりで看病していた。報恩講の宴も終わり、お開きになった後、泥酔した市之助は一人で帰路についた。粉雪の舞う寒さの厳しい夜だった。市之助が眠りについた直後、本家からの使いと言う丸に揚羽蝶の家紋入り提灯を持った男が訪ねて来て、本家のお杉の容体が悪化したのですぐに来て欲しいと伝言を伝える。雪代の熱はまだ高く、取り敢えず市之助が先に向かい、何かあれば後から美奈子が本家へ駆け付ける事にする。ところが暫くすると再びさっきの男がやって来て、お杉の容体が急変したので娘も一緒に連れて本家を向かって欲しいと言い出す。仕方なく隣のお房に雪代の世話を頼んで、美奈子一人が男の後についていった。それが雪代が見た美奈子の最後の姿だった。翌日、市之助夫婦は弁慶土手で惨殺された遺体で発見される。二人も腹も首も鋭利な刃物で切られていた。知らせを聞いて駆け付けた本家の当主は使いを出した覚えは無いと言う。唯一の目撃者であるお房も男がマントに頭からすっぽり頭巾を被っていたので家紋の入った提灯以外は何も覚えていなかった。

ストーリー自体は悪くないのだが、時代設定に無理がある。そもそも放送当時既に四十歳を超えている主演の岸本加世子が二十三歳の役を演じている時点でかなり無理があるのだが、まあ、それはともかくとして、十八年前の北陸地方の様子はどう見ても昭和三十年代以前の時代を舞台にしているように思えるのに、十八年後の世界は現代設定。双方の時代で主演を除けば同じ役者が演じているため人は十八年の時代をメイクで何とか表現しているのだが、文化や風景に至ってはやはり不自然さが拭えない。いっそ十八年の年月の流れを二十八年に変更してみれば良かったのでは?とも思ったが、そうなると双方の時代に登場する刑事が現代で定年を迎えてしまうので仕方が無かったのだろう。

田舎の旧家に閉鎖された地域。ミステリーの舞台設定としては最高である。また事件が迷宮入りにならざるを得なかった理由もその地方独特の事情が背景にある等、単純にミステリーの雰囲気を作り上げるためだけでは無くストーリーに絡ませている所が見事である。但し、人物の心情の掘り下げ方に物足りなさを覚える。ラストで犯人の動機が明らかとなっていくが、犯人が殺意を抱くまでの経緯が淡々とした説明で済まされてしまうのが残念でならない。

満足度は★★★★
 
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コメント
こんにちは。事件があった地元に親戚のある者です。
事件自体は大正2年ごろ(と聞いてます)で場所は北陸石川県、祖母が生まれる前の話です。私の子供の頃までは事件のあった家は廃屋として残っており、家の前の道からその家を見ては私の両親が殺人事件のあった家の話をしていました。現場の場所(36.3104648, 136.4288540)
家紋の入った提灯ですが、そのマークは近所の有名なお寺のマーク、那谷寺という寺のマークを子供が見て覚えていたらしく、そこの関係者と奥さんが怪しいという話が噂になり、当時大騒ぎになったという話です。那谷寺はTV番組でそのことを公にされたので、家紋は放送禁止になりました。事件は100年ほど前の話です。
  • ゆき
  • 2020/01/03 3:07 AM
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