斜陽の果て

  • 2016.06.01 Wednesday
  • 11:50
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

【出演】 小川真由美、美保純、石橋蓮司 他
【放送】 1990年(フジ)

鬼才の映画監督が再起をかけた映画の撮影中、主演女優が駅のホームから転落して列車の下敷きとなって死亡する。これは事故だったのか?それとも殺人だったのか?それぞれの思惑が錯綜するヒューマンドラマ。

男を巡る二人の女が火花を散らす映画『愛と死と』の撮影中、雪深い駅のホームから若手女優の左京みどりが足を滑らせて転落し、入って来た列車に轢かれて死亡する。警察は共演のベテラン女優・渥美さや子を殺人容疑で逮捕する。この映画は実力派映画監督・東堂欣也が再起をかけて企画制作した渾身の作品。制作前から女の情念がぶつかり合う激しさを表現するには渥美さや子と左京みどりの二人しかいないと東堂自らが熱弁をふるう力の入れようだった。実は東堂は映画にリアリティを持たせるためにわざと二人の愛人をキャスティングしたのである。公私ともにみどりと競い合っていたさや子に殺人容疑がかかる。

このドラマをサスペンスとして捉えると実に呆気ない事この上無いのだが、登場する人々の心情が非常に良く描かれており、ヒューマンドラマとして見るならば質の良いドラマである。自分の身を切り崩してでもリアリティを追求した映画監督からは全てをこの映画に賭ける男の執念の裏に今しか這い上がれない焦りが見られる。また刑事達は映画を作り物とあからさまに軽視する傾向にあり、映画制作に携わる人間を現実を直視しない人間と端から偏見を持って接している。その他の面々に関しても、それぞれのキャラクターが非常に立っており、決してオーバーになる事無く個性を持たせている。電話のやり取り一つにしてもそうした傾向が見られ、丁寧なドラマ作りがされているのが窺える。

それはそうとベテラン女優役の小川真由美の演技は圧巻である。勿論本人は女優であるのだが、ドラマの中では渥美さや子という本人とは全く別の女優を演じ切っているのが素晴らしい。劇中劇の際に見せる表情はどこまでも女優の表情で、ドラマの中でもオンオフがはっきりと判る。またクライマックスシーンでのみどり役の美保純との絡みでは、迫力満点。思いっきり見せてくれる。正直、この場面だけでも見る価値ありのドラマである。

満足度は★★★★★
 
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