女監察医・室生亜季子 夕映えの女

  • 2016.07.23 Saturday
  • 10:53

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 浜木綿子、根本りつ子、銀粉蝶 他

【放送】 1994年(日テレ)

 

民謡研究家の元妻が雑木林の中で遺体となって発見される。死因が呼吸不全だったにも関わらず彼女には苦しんだ様子が無かった。火曜サスペンス劇場の人気シリーズ『女監察医・室生亜季子』シリーズ第十六弾!

 

川越で三代続いた開業医で、地域の監察医を務める室生亜季子は暇を持て余して民話に凝り出した浜田警部からの誘いを受けて、民話を集めて語り部をしている花井伍市の家を訪ねる。その日はたまたま新潟に嫁いだ伍市の娘・小沢道代が伍市の前妻・田島雪江と孫の万里を連れて遊びに来ていて、伍市の民話の語りを肴に有意義なひと時を過ごした。ところが翌日伍市から背中が痛むと室生医院へ連絡が入る。急性膵炎だった。既に道代が新潟に戻ってしまったため家には万里しかおらず、仕方なく伍市が室生医院に入院している間、亜季子が万里を預かる事になる。何でも道代が結婚した小沢節夫は飲んだくれのろくでなしで、後妻に入った道代や雪江に度々暴力を振るうらしい。万里はそんな父親を嫌っていた。そんな中、雪江の遺体が雑木林で発見される。雪江は新潟の病院に入院中で一時退院を貰って比企郡谷中の妹の元に身を寄せる予定だった。遺体には外傷はなく呼吸不全による死亡だったが、亜季子は遺体に全く苦しんだ様子が見られない事に不信を抱く。

 

今回のテーマは安楽死。生きとし生ける者は誰しも『死』へ向かって生きている。しかしその道は険しく、余りある命を自らの手で絶とうとする者もいる。特に病気を患い、思うように体を動かす事も出来ず、誰かに頼ってしか生きられない病人にとっては病の苦しみから逃れるために安楽死を望む者もいる。但し安楽死は法では認められておらず、こと日本ではどんな苦しみを与えようとも一日でも長く生きる事が美徳とされている。序盤で花井伍市が『姥捨て山』を語り聞かせる場面があり、還暦を迎えた老人を山へ捨てるという下りそのままに雪江は雑木林の中で発見される。しかし実際には森鴎外著の『高瀬舟』、これも花井伍市が酒の席で亜季子や浜田警部に語り聞かせているが、こちらの安楽死の是非を問う問題が主体となっている。いわば今回のドラマは二つの話を上手くドラマに取り入れた形で制作されている。花井伍市が語り聞かせる『高瀬舟』はドラマ内では「味のある」と表現されているが、非常に秀逸で、兄が苦しむ弟を前にして死なすべきか葛藤する場面では胸が詰まる思いにさせられる。

 

さて安楽死の是非の問題と言えば昨今でも度々話題になる事があり、中には安楽死を求めた自殺を認める国もあるのが現実である。未だ明確な結論の出ない問題だけに非常に重いテーマではあるのだが、その重さそのままにドラマに取り入れたのでは話が重くなり過ぎてしまう。そのためドラマではそこまで深くは追及していない。

 

終盤は安楽死問題を離れて、雪江の死から意外な人間関係が明らかになっていく。但しその各々の身勝手な言い分に関しては同情の余地はまるでない。どの面々の言い分もいい加減にしろと腹立たしい限りである。しかし雪江の死はある意味そうした人の心の闇を照らし出したとも言える。何とも皮肉な話ではあるが・・・。

 

満足度は★★★★

白井貴子,秋元康,十川知司,カラオケ
テイチクエンタテインメント
(1994-06-01)

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