怪談 宇津谷峠

  • 2016.08.12 Friday
  • 08:47

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 沢村精四郎、御木本伸介、伊吹吾郎 他

【放送】 1970年(東京12チャンネル)

 

恩義のために人を斬り殺して百両を奪った男の数奇な運命を描いた怪談。原作は河竹黙阿彌作の歌舞伎演目『蔦紅葉宇都谷峠』。日本怪談劇場の第四話として放送された。

 

子供の頃から恩義のある尾花六郎左衛門が百両の穴を空けてしまったため、その金策に上方へ向かった十兵衛だったが、百両を用立てる事は出来なかった。江戸からわざわざ迎えに来てくれた六郎左衛門を落胆させる結果になり、気落ちして近くの宿『鞠子宿』へ泊まる。そこでは京へ向かう按摩の文弥と陽気な商人の男が相部屋となる。ところがその夜、部屋に泥棒が押し入り、文弥が泥棒に三日も前からつけ狙われていた事が判る。この先は薄暗い宇津谷峠。物騒なので十兵衛が親切心から同行すると申し出る。峠を歩いている最中、文弥が座頭の官位を手に入れるために百両を持っていると聞いた十兵衛は何とか百両を貸して欲しいと頭を下げるが、姉が身売りしてこしらえた金を文弥が手放すはずもなかった。つい出来心で文弥を斬り殺し、百両を奪って逃走する。

 

一言で言えば斬り殺された按摩が幽霊となって十兵衛に報復するという単純明快な話ではあるものの、それを軸に十兵衛が決して根っからの悪人ではなく、恩義に厚い人物であるからこそ悪事に走ってしまったという偏に十兵衛を憎めない人物に仕立てて話を膨らませている。しかし皮肉な事に、十兵衛の苦労も恩人に報いる事無く終わってしまい、結局金は別の目的に使ってしまう。但し百両を用意出来なくて困っている人間の前に百両を持った人間がたまたま同じ宿で相部屋になるという偶然はあまりに都合良過ぎる感じがする。この時代の話は往々にしてそういった傾向があるのは事実なのだが・・・。

 

ところで文弥が自分を斬り殺した十兵衛に復讐を果たしてめでたしめでたしで良いのだろうかと疑問を覚える。すったもんだの末、一番貧乏くじをひいたのは他でも無い文弥の姉なのである。失明し原因不明の病で床に伏し、十兵衛がいなければ生きてはいけない体であるのに、文弥はこの姉の事など少しも考えずにただ十兵衛の命を奪う事だけを考えている。これはもう幽霊と言うより怨霊。要するに自分の気持ちさえ晴れれば後はどうなれどこ吹く風というスタンスなのである。この結末は正直な所、あまり賛同出来ない結末だった。

 

悪人は悪人。どんな善行を働こうとも罪は決して消える事は無く一生ついて回る。許される事など無い。そんな身も蓋も無い言葉が聞こえて来そうなストーリーだった。

 

満足度は★★★

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