怪談 皿屋敷

  • 2016.08.13 Saturday
  • 07:56

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 若林豪、波野久里子、島田正吾 他

【放送】 1970年(東京12チャンネル)

 

弟の許嫁に横恋慕した旗本が皿を失くした責任を押し付けて手籠めにする。無残にも仲を引き裂かれた男女が怨念となって復讐する。為永太郎兵衛作の浄瑠璃『播州皿屋鋪』。日本怪談劇場の第五話として放送された。

 

伊勢参りの帰り、掛川宿で町奴の船瀬三平は不吉な夢を見る。それは幼馴染みで許嫁のお菊が皿を数えている夢で、こちらを振り返ったお菊の顔は真っ青で口から血を滴らせていた。髪から落ちた櫛は確かにお菊の櫛で間違いない。うなされて起きた三平に、一緒に旅をしていた蟻助は三平の腹違いの兄で旗本の青山主膳の屋敷に行儀見習いに行っているお菊に間違いがあるわけないと諭すも、三平は不安に駆られる一方だった。しかし三平の不安は的中し、その頃主膳は十枚組の皿の一枚を隠し、その責任をお菊に押し付けて手籠めにしていたのだ。江戸に戻った三平は早速お菊を迎えに行くが、門前払いされてしまう。一方、念願かなってお菊を妾にしたものの、頑として反抗的な態度をとるお菊に業を煮やした主膳は、三平に毒を盛って殺してしまう。儀助もまた主膳の手先だった。

 

数ある怪談の中でも恨めしそうに皿の数を数えるお菊の怪談は非常に有名で、バラエティー番組等でもこの怪談をモチーフにしたコントなどにも取り上げられるほどである。ただその元ネタとなった皿屋敷の怪談には色々バリエーションがあるようで、特に知られているのが姫路を舞台にした『播州皿屋鋪』と江戸を舞台にした『番町皿屋敷』。このドラマではその二つの怪談を組み合わせて、更に脚色した内容となっている。

 

多くの怪談話は大抵殺された人間が幽霊となって復讐する流れになっており、例に漏れず皿屋敷の話も本来はそうなっている。ところがこのドラマではお菊が生きたまま死を覚悟して復讐する話に改編されている。本来であればお菊は皿が一枚無くなった直後に死亡するストーリーであるのだが、このドラマではお菊が死ぬのはもっとずっと後の話。むしろその時点で命を落としていたら、お菊はもっと救われたのではないかと思える程の凄まじい鬼畜物語へと変貌している。

 

特に首謀者である青山主膳の鬼畜ぶりには戦慄する。何しろこのお方は人を甚振る事に喜びを覚えるタイプの人間の典型で、自害しようとしたお菊を慰み者にしたばかりか、井戸に吊るして何度も落としたり引き上げたり。井戸がどの程度深い井戸かは知らないが、何度落とされても生きているお菊のタフさにも震えが走った。

 

制作側の力の入れようがひしひしと伝わって来る秀作である。

 

満足度は★★★★★

横山 泰子,飯倉 義之,今井 秀和,久留島 元,鷲羽 大介,広坂 朋信
白澤社
(2015-07)

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ
コメント
コメントする

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

にほんブログ村

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM