怪談 耳なし芳一

  • 2016.08.21 Sunday
  • 05:49

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 中村扇雀、田村奈巳、中村俊一 他

【放送】 1970年(東京12チャンネル)

 

平家の幽霊に魅入られた盲目の琵琶法師の悲劇。原作は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)著の『耳なし芳一』。日本怪談劇場の第十一話として放送された。

 

諸国を巡っていた盲目の琵琶法師・芳一はとある海岸で行き倒れになっていた所を近くの阿弥陀寺の和尚・十念に救われ、以来阿弥陀寺の離れで逗留していた。ここ最近、芳一は決まって墓場に出掛けていく。そこでは美しい公家の娘・汀が芳一の琵琶の音を楽しみに待っているのだ。芳一は汀を心から慕っていた。ある日、海女の加代が寺を出て夫婦になって欲しいと申し出る。勿論、汀に心惹かれている芳一は即座に断り、近い内に京へ上る予定であると告げるが、加代は青白い顔をした汀がこの世の者では無いと言い張り諦めなかった。すると突然鬼火が現れ、加代を追い払う。鬼火は汀の仕業だった。しかし盲目の芳一には目の前で何が起こっているか判らない。その矢先、汀の使いと言って鎧武者が芳一を迎えに来る。実はあの墓場は平家一族の墓だった。

 

怪談と言うより日本の昔話として子供の世代にまで幅広く浸透している『耳なし芳一』は小泉八雲(出生名:パトリック・ラフカディオ・ハーン)の代表作。あまりに残忍な結末に子供には刺激の強過ぎる面もあるが、それはあくまで現代の感覚での話。そこには人間の人間故の不完全さや虚しさ、そして人間の心を失った怨霊の残忍さ等が秘められていて、とかく殺されたから恨みを晴らすと一本道になりがちの怪談の常識を破った破天荒さが光る秀作である。

 

このドラマの中盤、芳一が平家の幽霊の前で平家の栄枯盛衰を琵琶の奏でる音楽に乗せて切々と歌い上げる場面がある。これを短い場面で表現するのは非常に難しいため、ここでは浄瑠璃と実写を交互に絡めて平家の悲しい運命を表現する演出がなされている。紙芝居のように画面を切り替えて、平家滅亡の様子を物語のように印象付けていた。歌の内容が判らなくても十分物悲しさが伝わって来る演出は見事である。但し、海の映像の中に船によって出来た波紋と思われる波があったのが惜しまれる。船に乗って撮影したのがモロばれだった。

 

満足度は★★★★★

小泉 八雲,船木 裕
小学館
(2006-02)

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