黒蜥蜴

  • 2016.09.14 Wednesday
  • 23:04

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 小野寺昭、島田陽子、鳥越マリ 他

【放送】 1990年(TBS)

 

黒い蜥蜴の刺青がある美しい女怪盗・黒蜥蜴と名探偵明智小五郎の一騎打ち。原作は江戸川乱歩著の『黒蜥蜴』。

 

浜松で試合を終えて帰宅したプロボクサー・雨宮潤一を待ち受けていたのは内縁の妻と愛人が激しく愛し合う光景だった。逆上した雨宮は思わず二人を殺害し、自らの命も絶とうとする。しかしマダムと呼ばれる貴婦人に呼び止められ、一生マダムの奴隷になる代わりに新しい人生を生きるチャンスを与えられる。一方、明智探偵事務所では調布で男女二人が殺害された事件が早々と解決したと浪越警部が自慢していた。しかし明智小五郎は犯人の雨宮が車の中で黒焦げの遺体となって発見された事を疑問視していた。そんな最中、十億円で『ナイルの涙』と呼ばれる宝石を落札した岩瀬庄兵衛から娘の早苗を守って欲しいと依頼がある。実は岩瀬に『ナイルの星を渡せ。断れば孫の早苗を誘拐する』という内容の脅迫状が届いていたのである。

 

明智小五郎シリーズを紐解くと、明智小五郎と対峙した怪盗の中で同等に渡り合った怪盗は数少ない。その中でも黒蜥蜴なる女怪盗はその犯行手口もさることながら、美しく大胆で明智の心をも魅了してしまう非常に印象深い怪盗である。江戸川乱歩作品に登場する多くの犯罪者には何かしらのフェティシズム傾向が見られるが、黒蜥蜴も例外ではなく『美』に対するフェチ傾向が見られる。しかしその正体は原作ではあくまで不明とされてミステリアスな存在を貫いている。そうしなければどうしても俗っぽさを感じる事になる。

 

今回のドラマはその俗っぽさを敢えて導入している。彼女の悲しい過去や怪盗となった動機、そして彼女が患っている病や家族構成等々。勿論、怪盗黒蜥蜴として君臨している際はそれらを一切拭い捨てているものの、そういった彼女の事情を明智は最終的に全て明かしてしまう無粋な事をやってみせる。これによってより黒蜥蜴に人間らしさを持たせ、感情移入させやすくする効果はあるものの、それによって黒蜥蜴も所詮一人の女であると見せつけられてしまう事に抵抗を感じる。人の情に訴えるか、あくまで神秘性を求めるか、それは好みにもよるが、小野寺昭演じる明智が割合普通の人(キレがない)ので怪盗も俗っぽくても許されるのかも知れない。

 

古い作品を放送当時の背景で再現するためやはり改編が必要となる。このドラマでも例えばソファーを使用したトリックの際に端折ってしまったり、人間の剥製を技術提携している等の説明が入ったりと色々苦労の跡が見られる。しかしその一方で不自然に感じる部分も多かった。明智が雨宮の正体にいつ気付いたのか黒蜥蜴の協力者となった男をいきなり雨宮と断定してしまう等都合の悪い部分を端折って覆い隠したせいで、唐突な展開になる箇所がしばしば。また背景にいる変装した明智が画面から漏れないように画面が前面の被写体を無視して移動するのには笑ってしまった。

 

満足度は★★★★

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