怪談 玉菊燈篭

  • 2016.09.03 Saturday
  • 10:05

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 結城しのぶ、江木俊夫、沢かおり 他

【放送】 1979年(東京12チャンネル)

 

罠にはめられ目の前で恋人を失った女郎が呪いの言葉を吐きながら自害する。引き裂かれた男女の復讐劇。日本名作怪談劇場の第八話として放送された。

 

踊りの師匠・美代路は心中に失敗し、晒し者にされた挙句生涯廓で女郎・玉菊として下げ渡された。しかし客を取ろうとしない玉菊は毎日のように折檻され、地獄のような日々に絶望し、ついには首を吊って死のうとまでするが死なせては貰えなかった。そんなある日、死んだ恋人・樫山主水正とそっくりな男が客として現れる。彼は樫山源吾と言って主水正の弟だった。源吾に恋人の後を追わなかった事を責められ、酷く取り乱した玉菊だったが、二人は心から惹かれ合う仲に。しかし所詮玉菊は女郎。他の客も相手をしなければならない。奈良屋の座敷で踊りを披露するよう頼まれた玉菊は女郎如きの舞を振舞う事は出来ないと気丈に断る。それが却って奈良屋の目に留まり、身請けを申し入れられる。しかしそれには源吾が邪魔だった。玉菊も源吾も罠と知らず駆け落ちを手引きする者達の甘言に乗ってしまう。

 

シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の舞台を上流階級から廓に変えて展開させたようなストーリーなのだが、それを美しい恋物語とはせずに復讐劇とした怪談である。ストーリー性を重視しているので、復讐に割く時間は非常に短く、後半のほんの一部だけになっている。また復讐の方法も従来の時代劇怪談のように幽霊となって手を下すのではなく、生きている者が復讐し、その復讐を幽霊となった恋人が手助けするような形になっている。

 

しかしこの時代の心中に対する扱いの酷さは格別である。共に死ねれば良いが、死に損なった女に待ち受けているのは地獄のような日々。死ぬ事も逃げ出す事も許されず、命ある限り廓で客を取らされ続ける。心中をロマンティックな男女の愛の形と捉えるのはずっと後の時代の事。この時代では心中は完全なる悪事なのである。しかもこれは命の大切さを重く見ての処置では無く、商売上の損得のために行われた処置である事がこの時代の現実を浮き彫りにしている。

 

怪談としての怖さはあまりない。怖いのはむしろ女郎を人間とは扱わず、虐げてこき使う事が当たり前のこの時代の風潮にある。怪談と言うよりは悲恋物として楽しんだ方が良いドラマだった。

 

満足度は★★★★★

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