怪談 高野聖

  • 2016.09.11 Sunday
  • 00:14

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 市川左団次、田中真理、山岡徹也 他

【放送】 1979年(東京12チャンネル)

 

後に高野聖と呼ばれた高名な僧侶が修行僧の頃に体験した山奥での不思議な一夜。原作は泉鏡花著の『高野聖』。日本名作怪談劇場の最終話として放送された。

 

若い修行僧にとって飛騨越えは晴れて紫衣を手に入れるための難所と言われている。ある日、修行僧・宗朝が滝で荒行を行っていると、滝の水が突然真っ赤に染まった。村人の話では十三年前男達に手籠めにされ、滝に身を投げた女の怨念だと言う。茶屋の近くに差し掛かった時、天生峠には魔物が棲んでいると耳にする。実はその魔物の正体こそが滝に身投げした女だと言うのだ。茶屋で知り合った薬売りが山に入って行くのを見掛けた宗朝は見過ごす事が出来ず、村人達が止めるのも聞かずに後を追いかける。無数の蛇や山蛭に襲われ、命からがら村に辿り着くと、妖艶な女が宗朝を親切に迎え入れてくれた。しかし薬売りの姿はどこにも見られない。ただ馬小屋に繋がれた馬が妙に騒いでいた。

 

修行僧にとって肉欲を堪える事は耐え難い苦難である。まして相手が妖艶な女であれば尚更。言わばその難関を超越する事が出来るか否かが高僧になれるかどうかの試練でもあるのかも知れない。このドラマは慈悲深いが故に困難に身を置いてしまった修行僧の物語であり、そこには人間が持つ様々な姿が織り込まれている。人を恨み、異質な物を脅威と怖れ、集団になれば常軌を逸した行動さえもが正当化される。その一方で人を愛し、慈しみ、我が身を投げ出しても誰かを救おうとする。度合いの違いこそあれ、それら全てを持ち合わせているのが人間なのである。ある意味、人間の本質を追求したストーリーであるともいえる。

 

さて最後に意外な行動に出た修行僧。彼は女の身の上に同情したのか、それとも純粋に愛したのかは判らない。ただ彼の性分として彼女を救おうとしたのは間違いない。彼の行動の結末として蓮の花が花びらを散らしながら流れていく光景が、ただ美しいだけでなくこの世の無常を表しているようにも感じられて感慨深いものがあった。

 

満足度は★★★★★

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