やさしい遺言

  • 2018.04.11 Wednesday
  • 23:01

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 内藤剛志、風間杜夫、姿晴香 他

【放送】 1996年(日テレ)

 

高校時代に付き合っていた女性が同窓会の翌日に服毒自殺を図った。彼女の無念を晴らすため刑事が事件の真相を暴く刑事ドラマ。原作は土屋隆夫著の『夜の判決』。

 

栃木県のとある村で平穏に暮らしていた主婦・浜野美砂は同窓会に出席した日の夜、何者かによってレイプされる。その日、夫は出張中だった。思い詰めた美砂は農薬を飲んで服毒自殺を図る。美砂と同級生でかつての恋人関係にあった南栃木署の刑事・田所は同僚の河野から知らされ病院へと駆け付ける。美砂は意識不明の重体。第一発見者は浜野家の隣人の今野だった。その後、美砂の日記帳が発見され、そこにはレイプされた事実が記載されていた。憤りを感じる田所だったが、美砂が自殺では警察も動きようが無く、また美砂の夫がレイプ事件に関して被害届を拒絶したためレイプ事件の捜査にあたる事も出来ない。田所は警察の意向を無視して、美砂以外の近所付き合いが無い今野に疑惑を持って尾行を始める。

 

このドラマの焦点となるのは背後に潜む人間関係である。序盤から農薬(殺虫剤)の存在がはっきりと示されていて、それがよりにもよって『かつおだし』とシールの貼られた空き瓶に詰められる。これだけでもう登場人物にこの農薬がどんな影響を与えるのかが想像出来てしまう。もしもこの農薬を使用した殺人だけがメインのストーリーであるなら、このドラマははっきり言って何の面白味もない二時間ドラマで終わってしまっただろう。ところがこのドラマの場合、毒殺に関してはむしろ二の次。重要なのは人間ドラマであるのが興味深い。

 

人間ドラマと言ってもキャラクターが尖っているわけではない。何処かにいそうな人物でありながら、それぞれ個性を持たせてしっかりとした人間像を作り上げている所が素晴らしい。至って素朴なストーリーであって、だからこそ美砂の最期の言葉が生きてくる。美砂は穏やかな心優しき女性。その対極にいるのが美砂の友人・奈美。ストーリーが進むに従ってこのコントラストが色濃く表れて来る。その人物がどんな人間であるかだけでなく、周囲の人間がどんな反応を示すのかにも拘りを持って制作されていた。

 

誰も救われない悲しい話でありながら、何処かほっとするような後味が残る。それは美砂がもたらした余韻なのかも知れない。

 

満足度は★★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ
コメント
コメントする

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

カウンター

ブログパーツUL5

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM