冬の駅

  • 2018.05.08 Tuesday
  • 13:46

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 仲村トオル、余貴美子、浅利香津代 他

【放送】 1999年(日テレ)

 

二十三年前に男と駆け落ちした母親が死亡する。平凡な会社員が母の死の真相を調査する内に二人の女性の生き様に触れていくヒューマンサスペンス。

 

唐木信夫は豊岡警察署から突然母の死を知らされて困惑していた。母親の芳枝は二十三年前内藤という男と駆け落ちして以来会っていない。当時幼かった信夫は母が内藤に抱き付いている姿を見て、自らの意志で母を拒絶したのだ。悩んだ挙句、豊岡へ向かった信夫は電車で一人の女に声を掛けられる。その女は豊岡駅が近付くと突然派手に化粧をして、信夫と一緒に下車したのだ。結局、彼女とはそれ以上話す事も無く、信夫は一人豊岡警察署を訪れる。ところがそこで刑事から芳枝が他殺された可能性があると聞かされる。芳枝は海で溺死体となって発見されていて、浜辺には内藤所有の車と毛皮のコート、焚火をした形跡があり、遺体の体内からアルコール分が検出されている事からしても自殺か事故死に見える状況ではある。しかし事件直後から芳枝の現在の夫・内藤の行方が分からなくなっているのだと言う。

 

凍てついた冬を舞台に、全編が寂しさの漂う作品である。主人公の信夫が調べ始めたのは母の死の真相と言うよりは、生前の母の生き様。子供の頃はただ嫌悪しか抱かなかった母親がどんな生き方をしてきたのか、そして車中で偶然出会ったバーのママの生き様とも絡めて、母と子の切れない絆と子を想う母の想いの強さなどに触れていく。

 

子供と離れ離れになってしまった母親はどんな事情があろうと子供を手放した事には変わりない。勿論、子供を自分の人生から完全に切り離せる母親もいるだろうが、このドラマに登場する信夫の母親とバーのママは非常に母性の強い女性だった。だからこそ子供と離れ離れになった原因を作ってしまった自分が許せず、何かで自分を縛って罰せようとする。信夫の母親はそれが内藤との暮らしであり、バーのママはこの土地で生きる事だった。彼女達は自分が更なる幸せを求めようとはしない。ただひたすらに子供を手放した自分を罰し続けながら生きていく。それしか考えられないのだ。しかしそれは男には理解出来ない感情であり、そんな二人の生き様を垣間見た信夫の戸惑いがひしひしと伝わって来る。男と女の感情の違いが切なく描かれていて非常に印象的だった。

 

また慶弔休暇(ドラマ内では単に休暇とされている)だけで完結するのも、如何にも会社員らしい発想で親近感を覚える。

 

満足度は★★★★

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