限界団地

  • 2018.07.30 Monday
  • 00:03

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 佐野史郎、足立梨花、江波杏子 他

【放送】 2018年(フジ)

 

すっかり老朽化が進み廃れた団地にかつてこの団地で暮らしていた男が孫を連れて引っ越して来る。その日からこの団地の住人に男の狂気がじわじわと浸透していく。団地を舞台にした心理サスペンス。

 

寺内誠司は孫の穂乃花を抱えながらじっと家が燃えるのを眺めていた。この火事で誠司は息子夫婦を亡くし、穂乃花を引き取る事にしたのだった。一年後、誠司は穂乃花と共にあやめ町団地に引っ越して来た。この団地は誠司がかつて住んでいた団地でもある。早速誠司は孫の穂乃花と共に隣の桜井家に挨拶に行く。桜井家の息子と穂乃花は同い年で、また友好的な誠司に桜井家の面々は歓迎する一方で、この老朽化の進んだ団地を『夢のニュータウン』と称したり、不躾な質問を平気でぶつけてくる誠司に何処と無く不気味さを感じるのだった。ある日、団地の敷地内で太極拳をしていた誠司の前に突然女が石で殴りかかる事件が起きる。たまたまその場にいた桜井家の主・高志は女から石を取り上げると、女が急に血を吐いて倒れてしまった。その女は誠司の息子の嫁の母親で、自分の娘が死んだのは誠司のせいだと思い込んでいるのだと言う。

 

自分が思い描く楽園。そこで暮らせば幸せになれると楽園に近付こうとする者と、そんなものはただの理想でしか無いと諦める者がいる。ただその思い込みが強い人間は楽園を実際に作ろうと切磋琢磨する。まるで自分が世界を創造する神にでもなったかのように。寺内誠司は所謂のその思い込みの強過ぎる人間であった。しかし寺内が思い描く楽園はただ彼にとってだけの楽園であり、他の人間には楽園であるとは言えない。だからこそ彼は意にそぐわぬ人間を排除し、扱いやすい人間の心を巧みに操って自分の楽園へと導いていく。或る意味これは宗教ともいえるのでは無いだろうか。

 

まあ、そんな寺内が歪んだ常識を振り翳して廃れた団地をかつて団地が人々の憧れだった時代の団地に戻そうとあれこれするのだが、そのために彼は次々人を陥れたり殺害したりするわけで、しかも過去に遡れば彼が手をかけた人間は一人二人ではすまない。それを彼は正義の名のもとに行っているので、罪悪感はさらさらない。そんな何をしでかすか判らない彼の言動が恐怖を煽るホラーになっていて、心理サスペンスとは謳っているもののちょっとやり過ぎて半ばコメディーになってしまっている部分も無きにしも非ずである。主役が佐野史郎だけにかつての冬彦さん再来を思わすような演技だった。

 

このドラマを見ていて注目していたのはどう締めくくるのかという点だった。次第に暴かれていく寺内の悪行。そして寺内によって壊れていく人々。最後までどうなるか気の抜けない展開で、ハッピーエンドのように見えて何かしらの恐怖の余韻を残したラストはホラーの鉄板である。ただその反面、あまりにも定石通りの締めくくりで意外性は感じない。

 

満足度は★★★★

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