この世界の片隅に

  • 2018.09.19 Wednesday
  • 09:37

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 松本穂香、松坂桃李、二階堂ふみ 他

【放送】 2018年(TBS)

 

戦時下の日本で自分らしく懸命に生きた一人の女性と家族の軌跡を描いた物語。原作はこうの史代のコミック『この世界の片隅に』。実写ドラマ化されるのはこれが二度目になる。2011年には北川景子主演でドラマ化、2016年にはアニメ映画化されている。

 

昭和初期、広島県江波で海苔生産農家を営む家に生まれた浦野すずは風邪を引いた兄の代わりに海苔を納品しに向かう。無事用事を終えたすずが妹に頼まれたキャラメルを買って帰る途中、人攫いに捕まってしまう。そこには先客の少年がいた。何処かへ売られると諦める少年にすずはどうして逃げないのかと尋ねる。すると少年は機転を利かせてまんまと逃げだす事に成功する。あれから時は流れ、すずの兄は念願の軍人となり出征する。ある日、すずに縁談話が持ち上がる。相手は海軍軍法会議の録事・北条周作。実は彼こそが人攫いから逃れる時に一緒に逃げた少年だったのだが、すずはまるで憶えていなかった。一方、周作は当時の事を覚えていて、結婚相手なら困難に打ち勝つ強さを持ったすずしかいないと心に決めていたのだ。すずは話を受け入れ、呉の北条家に嫁ぐ事に。

 

このドラマは戦時中と現代を行き来しながら話が進んでいく。現代では現代人である男女二人が何かから逃れるようにすずが戦時中に住んでいた呉の地を訪れている。現代の人が当時の人から話を聞きながら当時に想いを馳せるような構成は、特に戦争を扱ったドラマでは多いのだが、このドラマに限ってはそうはなっていない。実は戦争中のすずの生き様を語り伝える者が誰もいないのである。それなのに何故この男女がすずとの思い出を辿るように呉へやって来たのかは次第に明かされていく事になる。もしかすると過去に実写化されているため差別化を図るためにあえてオリジナルの部分を導入したのでは無いかと思われるが、正直言って現代パートは入れないで欲しかった。

 

さて現代の話はおいといて、メインとなる戦時中の話はすずをヒロインとした家族愛に満ちた話になっている。相手の事を良く知らずに嫁いだ先で嫁ぎ先の北条の人々と徐々に本物の家族愛で結ばれていくすず。戦時中ではあるものの、すずを取り巻く環境はどこか戦争である事を忘れてしまうくらいほのぼのしたエピソードが多く、悲惨だから打ちのめされるのではなく、困難を明るく乗り越えていこうとする強さがドラマの中から伝わって来る。

 

日曜日の放送枠(日曜劇場)であるため、あまり悲惨な部分は出せなかったと見られる。唯一グロい場面と言えば最終回の被爆した母親が娘の手を引いて歩く場面だが、そこだけは特殊メイクを使用して焼け焦げて皮膚が爛れた母親の手を登場させている。戦争の惨たらしい表現を極力排除した内容になっているため、戦争を舞台にしたドラマである事を忘れてしまいそうである。瓦礫と化した街並みはまるで人の気配は無く、ここで死んだ人がいたのだと知らしめるためだけに壊れた遺品を置いて誤魔化している。既に遺体が運び出された後だったとしても血の痕跡すらない瓦礫の山は妙に見えた。また被爆した人達の詳しい状態やその後については一切語られず、ただ具合が悪いと言葉で片付けられるというのは良いのかどうか考えてしまう。そんな配慮をしてまで戦争の話をドラマ化する必要があったのか非常に疑問である。

 

満足度は★★★★

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