瀬戸内寂聴

  • 2018.07.20 Friday
  • 14:41

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

 

【出演】 宮沢りえ、阿部寛、佐野史郎 他

【放送】 2005年(フジ)

 

愛のために命さえも投げ出してしまう激しい生き方をする瀬戸内寂聴の半生を綴ったヒューマンドラマ。原作は瀬戸内寂聴著の『場所』。

 

戦時中に見合い結婚した晴美は夫の楠本淳と娘・迪子と共に終戦一年後に北京から日本へと引き上げて来た。眉山に住む姉の艶に迎えられた夫妻は母親が空襲で壮絶な死に方をしたと聞かされる。その時晴美は自分にも母と同じ激しい血が流れていると感じていた。翌年、夫が上京している間に晴美は木下涼太という夫の教え子と愛し合うようになり、密会を重ねていた。涼太とは出馬した河野ユキを共に応援した仲で、体の関係は無かった。その事を晴美は正直に夫に話し、東京へは行けないと謝罪する。涼太と晴美を別れさせるため夫は強引に東京への転居を決め、移り住んだ尾久の家で何かにつけ晴美に暴力をふるうようになっていった。それでも晴美の心は変わらず、とうとう夫と娘を捨てて無一文のまま京都の友人宅に身を寄せた。電報を貰った涼太は晴美に会いにやって来る。しかし二十一歳の涼太にとって晴美との愛は重過ぎ、二人は別れてしまう。旧姓の瀬戸内晴美に戻り、自立しようと思い立った晴美は出版社で働き始める。しかし働いた経験の無い晴美は失敗ばかりで、編集長から楠本とよりを戻すように言われてしまう。故郷の眉山に戻った晴美を唯一温かく迎えてくれたのは父親の豊吉だった。半年後、晴美の書いた少女小説が採用されたのを機に、晴美は本格的に小説家としての道を進むべく東京で一人暮らしを始める。また同人誌『文学者』の門を叩き、そこで小説家・小杉慎吾と出逢う。

 

期待が大き過ぎたのか、それともドラマが綺麗にまとめられ過ぎているのかは判らないが、確かにその時代を生きた女性としては激しい生き方なのだろうが、それがあまり伝わって来なかったというのが正直な印象である。その反面激しさよりもっと痛切に感じたのは晴美が自分に嘘のつけない性分である事である。だからこそ自分の信念に従い、馬鹿がつくくらい正直に生きている。もっと狡く賢く生きる事が出来れば、平穏な人生を送る事も出来ただろう。でもそれが出来ない彼女は世渡りが下手と言えるのかもしれない。そんな生き方しか出来ない彼女は破滅に向かって生きているようなものである。

 

しかし彼女には類稀なる文才があった。時代のせいで疎まれた内容(『花心』)だったかも知れないが、作家とはただ文を書くだけでなく時には自分の内面さえも切り裂いて文にしたためるものであるから、その意味では彼女は作家が天職であったように思えた。他の女には無い内面の激しさや頑固さや真っ直ぐさは全てが作家としての武器になる。ただの男遍歴と見るのではなく、作家とはこうあるべきと教科書を見せられたようなドラマだった。

 

満足度は★★★★

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