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満願 第二夜 夜警

【出演】 安田顕、吉沢悠、馬場徹 他

【放送】 2018年(NHK)

 

夫が妻を人質にとって刃物を振り回す事件で若い巡査が人質を庇って殉職した。世間からは大絶賛された美談となったが、亡くなった巡査の同僚警官は事件に疑問を抱き始める。原作は米澤穂信著の『夜警』(『満願』所収)。

 

みどり交番の警官・柳岡は殉職した若い巡査・川藤浩志の葬儀に複雑な思いを抱いて参列していた。川藤は夫が刃物を持って妻を人質にとった夫婦喧嘩の現場に駆け付け、人質を守るために発砲したものの、その際に夫から頸動脈を切られて死亡している。その現場には柳岡もいた。しかし建物の影に隠れて発砲した瞬間は見ていない。世間では川藤の殉職を称賛する声が高まっていたが、柳岡はある種の違和感を覚えていた。と言うのは柳岡が知る川藤はとてもそんな行動をとる人間では無いのだ。柳岡から見て川藤は飲み屋の喧嘩にさえ怯える小心者で、何かミスをすれば上司から叱られるのさえも恐れてミスをひた隠しにする姑息な男。到底警官に向いているとは思えなかった。あの日、本当は何があったのか。その疑問を晴らすべく柳岡は非番の際に川藤の兄・川藤隆博を尋ねる。

 

警官は勇敢である事が求められる。そして規律を守る強さが求められる。

 

警官に求められる要素は警官全てが持ち合わせているわけではない。中には臆病で弱い人間だっている。例え性格的に問題があったとしても何れ成長してそれを克服する可能性もある。だから一概に駄目だと吐き捨てるわけにはいかないのである。それが一般的な見方であるのだが、このドラマの特色的な面は警察官に求められるものが最初から決まっていて、ベテランである柳岡が警察官に向いているか否かを早い段階から判断してしまう所にある。勿論、実際に現場で働く人間であれば新しく入って来た人間に対して様々な偏見を持つ場合もあるだろう。しかしこのドラマの場合、柳岡が感じた向き不向きがドラマの根底に常にあり、それがドラマを川藤という人物像を作り上げていく事になる。

 

美談の主はただのクズだった。

 

ドラマを見ていくと正にこれに尽きる。新人の初々しい警察官がドラマが進むにつれて如何にクズかが判明していく。職場の空気が合わないとか、失敗ばかりで委縮したとかそんなレベルでは無い。どんどん明かされていくクズっぷりに唖然とさせられる。

 

同時に強調されるのが柳岡の人を見る目の確かさである。勿論柳岡は川藤がどんな人間なのかまでは兄から話を聞かされるまでは知らないのだが、何かがおかしい、何かが変だと感じる度に柳岡を演じる安田顕の大きな目が不穏な空気を感じて画面からこちらへ訴えかけて来る。あの目の演技は秀逸である。

 

満足度は★★★★★

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