Aではない君と

  • 2018.09.27 Thursday
  • 13:30

【出演】 佐藤浩市、天海祐希、杉田電麟 他

【放送】 2018年(テレ東)

 

自分の子供が「殺人の罪」に問われた時、あなたはどう向き合いますか?

 

テレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル第一弾!中学生の息子が同級生を殺害した罪で逮捕される。突然の出来事に戸惑いながらも父親は息子を救おうと奔走する。原作は第37回吉川英治文学新人賞を受賞した薬丸岳著の『Aではない君と』。

 

大手建設会社に勤務する吉永圭一は仲間達と『子供と遊べる美術館』のプレゼン勝利を喜んでいた。その時、唐突に息子の青葉翼から電話がかかってくる。しかし吉永は仕事を優先してしまい、翼の電話をスルーしてしまう。吉永はバツイチで一人息子の翼は元妻・青葉純子が引き取って育てている。今でも翼とは遊園地に行くなど定期的な交流はあるものの、現在部下の野依美咲と恋愛関係にあり、内心翼への父親としての責任は果たしたような気持ちもしていた。ところがその翌日、純子から電話がかかってくる。用件は翼が殺人罪で逮捕されたというもの。吉永は取り敢えず翼が交通事故に遭ったと嘘をついて、慌てて警察署へ向かう。しかし翼に会わせては貰えず、ただ担当者から事件のあらましとこれからの翼が法で裁かれるまでの経緯の説明を受けただけ。純子はすっかり精神的に参っていて、吉永に当たり散らすばかり。勿論、吉永も途方に暮れていた。何が何だか事情も判らぬまま帰宅すると週刊誌の記者・中尾がマンションに押しかけてきて、翼の事件の取材をさせて欲しいと言って来る。東村山市で起きた十四歳の少年の殺人事件の犯人が同級生であるというショッキングなニュースにマスコミは飛びつき、既に身元まで特定されていたのだ。

 

加害者も被害者も十四歳の中学生。何故こんな事が起きたのかと蓋を開けてみればまたもやイジメ問題かと少々うんざりさせられたのだが、イジメの加害者と被害者が起きてしまった事件では立場が逆転してしまう事で複雑な人間関係が生まれて来る。親は愛する我が子が罪を犯したとは認めたく無い。出来る事なら何かの間違いであって欲しいと願う。それは加害者の親にも被害者の親にも言える事である。加害者の親である吉永は息子の犯罪が計画的でなかった事を証明しようと奔走する。被害者の親は苛めがあったとしても息子は殺されるくらい悪い事をしたのか?と加害者の親に問いかける。しかし世論と言うのは無責任にもどちらの罪が重いのかを秤にかけ、面白おかしく噂を流してしまう。確かに殺人の罪は重い。では殺された側に非は無かったのだろうか?と問えば、必ずしも非は無かったとは言えない。被害者が加害者に課してきた苛めの内容はあまりにも惨く、命の重さを軽んじる人間としてあるまじき行為だった。加害者は被害者の度重なる苛めによって心を殺された。だから加害者は被害者の命を奪った。心を殺しても罰せられないのに、体を殺せば罪に問われる。加害者の翼の訴えが非常に重く胸に圧し掛かって来る。考えさせられるテーマである。

 

ドラマを最後まで見ると父親役の二人の好演が光っている。何もかも失っても息子の心を救いたいと願う加害者の父親と、息子を失って悲しみにくれ、息子の悪事を公表するなと亡くなってからも息子を庇い続ける被害者の父親。どちらも深い愛情からの行為である。しかし忘れてはならないのは仲の良い親友同士だった二人を加害者と被害者にしたのは彼等の両親に原因があるのである。今回のドラマ内ではあまり触れられていないが、両親の離婚や再婚が十四歳の少年達にとっては受け入れ難い事実として存在する。逆に言えば、その親に対する不満が二人の仲を急速に近づけていったと言える。皮肉な話だ。

 

少年犯罪の痛ましい事件。痛切に思うのはまだ大人になり切れない少年達の心は壊れやすいという事だった。

 

満足度は★★★★★

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