乱反射

  • 2018.09.23 Sunday
  • 21:47

【出演】 井上真央、妻夫木聡、北村有起哉 他

【放送】 2018年(テレ朝)

 

強風の中、倒木の下敷きになって幼い命が奪われた。新聞記者の父親が息子の死の真相を暴く社会派ミステリー。原作は第63回日本推理作家協会賞を受賞した貫井徳郎著の『乱反射』。

 

その日は強い風の吹く日だった。ベビーカーに息子・翔太を乗せた加山光恵が歩道を歩いている最中、それは起きた。風に煽られた街路樹が大きな地響きと共に倒れて来たのだ。突然の出来事に光恵は逃げる術も無い。幸い光恵は助かったが、街路樹が直撃した翔太は潰れたベビーカーの中で頭から血を流していた。その頃、東都新聞社の社会部記者である加山聡は街路樹の事故の一報を受けて現場へと向かっていた。野次馬の中にいた目撃者を見つけて話を尋ねると、聡の中に「まさか」という想いが沸き上がる。現場は脳梗塞で倒れた聡の父親が入院している病院とは目と鼻の先にある場所。しかも母親が怪我をした我が子「翔ちゃん」と呼んでいたと言う。聡がようやく翔太と会えたのは翔太が死んだ後だった。葬儀の後、聡は上司の海老沢にきっぱりと宣言する。「これは人災だ」と・・・。

 

誰もがこの程度の事は大した事は無いと無責任な行動を起こす。しかしそれはエゴイズム。身勝手な理由をつけて自分を正当化しても、他人からすればルール違反を犯した事に変わりない。例えそれが法に裁かれるような犯罪じゃ無かったとしても。

 

倒れた街路樹の下敷きになった翔太の父親・聡は新聞記者である。真相を究明しようとする気持ちが人一倍強い。だから息子の事件を人災と信じて調査を開始するのだが、調べれば調べる程明らかになっていくのは犯罪とも言えぬ小さなルール違反ばかり。おそらく多くの人が「それくらい・・・」と見過ごしてしまうような事だったのだろう。またそうしてしまいたくなる個人的な事情があるのも事実。ただそれらが複雑に絡まってしまったために大きな罪を産んでしまったのである。この罪の責任を誰かに問うのは果たして正しい行為なのだろうか?

 

ドラマを見ていると確かに聡に同情したくなるのだが、それは序盤のみの話。悲しみのあまりワンカップの酒を飲んでやり切れない気持ちを紛らわせ、苛立ち紛れに地面にガラスの容器を叩きつける主人公を見た時から徐々に同情は薄れていった。聡はよりによって死んだ我が子と同じくらいの小さな子供達が遊んでいる公園にガラス片をばら撒いたのである。怒鳴り散らしながら。そして怒りの表現として煙草のポイ捨て。おいおいおい、人の行為をあれこれ問う前にお前の行為はどうなんだ?

 

結局、このドラマは事実を明らかにしたからと言って何かが変わるわけではない。ただ誰もがそうしたエゴイズムを振り翳す世界なら、エゴイズムを否定するより自らもエゴイズムを振り翳せば良いと知らしめただけである。何と救いの無いドラマなのだろう。

 

満足度は★★★

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