結婚相手は抽選で

  • 2018.11.25 Sunday
  • 17:21

【出演】 野村周平、高梨臨、大谷亮平 他

【放送】 2018年(フジ)

 

少子化対策として政府が発表した法案は「抽選見合い結婚法」。この法案により見合いした相手を二回までは断って良いが、三回断ればテロ対策活動後方支援隊に送られる。前代未聞の法案に困惑する対象者達の抽選見合いのドラマ。原作は垣谷美雨著の『結婚相手は抽選で』。

 

元オリンピック出場者で、現在国会議員の小野寺有紀子に特命担当大臣の任が下る。その実態は少子化対策のために与党が打ち出した法案「抽選見合い結婚法」の責任者だった。明らかに世論から反発を受けるのを覚悟で与党が敢えてこの法案を推し進めようとするのは、裏に別の案件を矢面に立たせないためのカモフラージュでもあった。有紀子は仕方なく国民に向けて抽選見合い結婚法の広報を行う。抽選見合い結婚法の対象者は二十五歳から三十九歳までの離婚経験のない独身の男女。抽選により見合いした相手は二回までは断って良いが三回目に断ると罰則としてテロ対策活動後方支援隊で強制的に働かなくてはならない。この法案が発表された後、対象者となる若者たちの結婚への意欲は高まり、自力で結婚相手を探そうと士気が高まったのだが、その一方で絶望的な思いに晒されている者もいた。その一人が宮坂龍彦。彼はそこそこ容姿は良くコンピューター企業でSEをしている。ところがヲタクで強烈な潔癖症という面を持ち、ヲタク仲間以外の人間とのコミュニケーションは取れずにいた。社内でも人に触れられるだけで嫌悪を感じ、机は毎日アルコール消毒しなければ使えず、朝から何度もトイレで手を洗わなければ気が済まない。そんな龍彦も実は恋愛がしたいと常日頃から思っていて、抽選見合い結婚法に異論を唱えるヲタク仲間の鯨井浩樹と北風祐輔に気持ちを吐露するのだった。しかし龍彦だけに限らずそこに集められた面々はそれぞれに結婚できない事情を持っていた。

 

高齢化の進む日本では少子化がゆゆしき問題である。何故なら高齢者が増える一方で、社会を支える次世代の人間が生まれなければ日本経済の破たんを招く恐れがあるからである。そこで出された法案が抽選見合い結婚法。結婚=出産では無いのだが、結婚を若い世代に義務付ければ自然と子供の数が増えるであろうと言う安直な発想の法案が成立したら?という仮定で始まるストーリーである。開始当初はその奇抜な発想だけで押していくコメディーかと高を括っていたのだが、どうしてどうして終盤に向かうに従いぐっと重みを増して来る。またその法案に関わってくる避けて通れない問題としてあげられるのがLGBT。旬の題材を取り入れているだけでなく、その他の問題にも目を向けた真面目な内容のドラマである。

 

大人の土ドラ枠で放送されるドラマの多くが、回数の制限もあり最初が面白くても最後は不完全燃焼で終わってしまう事が多かった。ところがこのドラマはむしろその逆。ラストの方が断然面白い。馬鹿げた法案の当事者となった時、不満を黙してただ従うのか、巧妙に逃げ道を見つけてすり抜けるか、ひたすら無視して違法者としての扱いを受けるか、それとも声を上げて行動を起こすか。人々の考え方や受け止め方はそれぞれ違う。どんな選択をするかは自由であるが、誰も声を上げなければこの法案はいつまでも無くならない。この法案の当事者である龍彦の選択は声を上げる事だった。一人の力は微力かも知れないが、同じ思いの人は沢山いる。そしてそれはやがて大きな力を生む。龍彦のじめじめ感が鬱陶しいドラマであるが、最後の龍彦の演説は爽快だった。

 

多くの問題を秘めたドラマだけに色々考えさせられる。

 

満足度は★★★★

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