レ・ミゼラブル 終わりなき旅路

  • 2019.01.06 Sunday
  • 23:58

【出演】 ディーン・フジオカ、井浦新、吉沢亮 他

【放送】 2019年(フジ)

 

殺人を犯した男は別人に成り済まして生き続けていた。一方、被害者の息子は刑事となっていた。加害者逮捕に執念を燃やす刑事と心優しき脱獄囚があってはならない再会を果たす。平成を駆け抜けるヒューマンドラマ。原作はヴィクトル・ユーゴ―の名作『レ・ミゼラブル』。

 

●第一幕

平成三年の神戸では兵庫少年刑務所から脱走した馬場純を追って警察は躍起となって行方を追っていた。純の行き先は弟・馬場哲が入院している病院。しかし一足遅く、純が到着した時には哲は息を引き取っていた。絶望した純は車道へ飛び出すが、自立支援施設『徳田育成園』の徳田園長に助けられる。一方、純が殺害した男の息子・斉藤涼介は父親の投資詐欺が原因で殺害されたと世間に知れ、報道被害に遭っていた。

 

●第二幕

平成十六年、東京に移り住んだ純は親友の渡辺拓海に成り済まし、拓海が目指していた弁護士となっていた。無料法律相談などを積極的に受け、弱き人達の味方として多忙な日々を送っている。この頃、涼介もまた生活安全課に配属されてオレオレ詐欺の捜査に当たっていた。純が更生させようと尽力していた青年を涼介が追っていた事から二人は意気投合する。

 

●第三幕

平成三十年、純は天涯孤独となった梢を育てながら福島でリンゴ農家を営んでいた。年頃になった梢に初めて恋人が出来る。相手は大物代議士・碓氷太一郎の孫で碓氷慎。しかし慎の選挙スタッフに田辺瑛里華がいた事から純の正体がバレてしまう。瑛里華の両親はかつて無認可保育園を営んでおり、梢の母親に法外な金を要求した挙句売春を強要した相手だった。

 

今年で平成の時代も終わりを告げるため、平成という時代の日本を舞台に『レ・ミゼラブル』の話を展開させたドラマで、やはり時代も舞台も違うためかなりの改変が行われている。例えば主人公の馬場純(原作ではジャン・ヴァルジャン)が犯した罪は殺人。しかし本来は貧しさのあまりパンを盗んだ窃盗罪。他にも様々な所でアレンジされているが、主人公が善人であり、主人公を取り巻く環境があまりにも切なくやり切れないのは原作に沿っている。また平成の災害の象徴でもある阪神淡路大震災、東日本大震災を取り込み、平成だからこそ成り立つストーリーを強調している。

 

人はやり直す事が出来るのか?

 

純は自分のためには生きていない。全て彼が選ぶ道は誰かのためなのだ。それは決して楽な道ではない。周囲を欺いて他人の人生を歩み、自分の希望は一切持たない。そんなある意味悟りの人生を歩む彼はその人生こそが罰なのかも知れない。

 

一方、涼介は自分の両親の悪事を知っていながら、知っているからこそ刑事となり罪を憎んだ。罪を償わずに他人となって生きる純の生き方を認めず、偽りの人生を歩む純の全てを罪だと決め付けて逮捕に執念を燃やす。しかし涼介が本当に憎んでいたのは純ではなく、両親、いや両親を咎めない自分だったのではないだろうか?

 

最後に純がどんな選択をするのか、見ていると胸が詰まってしまう。原作ほどの衝撃的なラストでは無かったが、この美しく切ないストーリーの幕切れは純の心の有り様を表すように静かで穏やかだった。

 

満足度は★★★★★

にほんブログ村 テレビブログ 推理・サスペンスドラマへ
コメント
コメントする

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>

にほんブログ村

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered by

無料ブログ作成サービス JUGEM