地獄坂の復讐殺人

  • 2019.02.24 Sunday
  • 19:40

【出演】 酒井美紀、高嶋政宏、小野寺昭 他

【放送】 2006年(テレ朝)

 

父親の遺言書には見知らぬ三人の名前が書かれていた。ところが娘がその三人に会いに行く先々でその人物は殺害されてしまう。遺言書を巡る連続殺人事件。原作は山村美紗著『小樽地獄坂の殺人』。

 

テレビレポーターの広田由紀子は番組『Kyoも京都』の撮影を終えると、中道企画会社の社長・中道文絵から声を掛けられる。ケーブルテレビの番組『歴史探訪』の出演依頼だった。歴史に詳しいレポーターとして推薦されたと聞いて由紀子は大喜びでその仕事依頼を受けるが、その直後、父親・広田信一郎の訃報が飛び込む。母親を早くに亡くして父子家庭で育った由紀子にとって父親の死は耐えがたいものだったが、父親の友人・林雄一弁護士の支えもあり、何とか納骨まで済ませてほっと一息つく。ところが林から信一郎の遺言書を渡されて由紀子は驚愕する。信一郎の全財産は全て由紀子が相続するが、それには奇妙な付帯条件が付けられていたのだ。徳島に住む三田村雅也と植木静江の二人を探し出して各々三千万円を贈る事、そして小川明夫と結婚する事。三人とも由紀子の知らない名前だった。信一郎は十年程前に藍染めの研究のために三年間徳島で過ごしていた事がある。おそらく三人はその時に出会った人々であると推測されるが、その当時の事を由紀子は何も聞かされていなかった。父の遺言にあった人物を探すために由紀子は中道企画を訪れ、徳島でのロケ収録に向かう。

 

現代舞台でのドラマ化のため色々な点で改変が見られる。例えば舞台が小樽から徳島になったり、遺言状の原点となった出来事が三十年前から十年前に変更になっていたり等々。まあ、それでも二時間サスペンスドラマとして成立するのであればその改変も然りなのだが、ただ名前のチョイスだけは頂けない。どの登場人物の名前もどうも古臭くていけない。舞台は現代なのに、そこでメッキがはがれてしまう感が拭えない。

 

このドラマの特徴として挙げられるのが、山村美紗作品に多くみられる決まった探偵役がいない事である。キャサリンや看護師、葬儀屋等々、お馴染みの探偵は一切登場せず、父親の遺言を実行するためという目的で動き回るヒロインが殺人事件に巻き込まれるというシチュエーションを作り上げている。確かにお馴染みの探偵が出てくれば決め台詞やお約束の展開などもあってそこに惹かれる人も多いだろう。しかしこのドラマではそうした特徴的な部分を持たずに、ヒロインはあくまで一般人(警察に知り合いがいるわけでもない)に徹している。地味ではあるが、その分丁寧に制作されている事が窺える作品でもある。また顔も知らない結婚相手を探すというシチュエーションにロマンを感じる。そんな恋愛要素を仄かに潜ませつつ進展するミステリーはなかなかオツである。

 

満足度は★★★★★

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