苦い夜

  • 2019.03.11 Monday
  • 22:56

【出演】 渡瀬恒彦、大谷直子、大杉漣 他

【放送】 1999年(日テレ)

 

建築会社の二代目社長が自宅で何者かに襲われる。周囲の人間に疑いの目を向ける彼が迎えた結末とは。人間関係の難しさに切り込んだサスペンスドラマ。

 

相沢達夫が帰宅すると明かりの点いていない家の中に人の気配を感じた。てっきり娘・千恵がいるものだと思い込んで名前を呼びながら電気のスイッチを入れようとした所、何者かに背後から襲われ刃物で刺された。携帯が鳴った音に怯んだ犯人はそのまま玄関から逃走し、暫く間をおいてもう一度誰かが玄関へやって来る音が聞こえて来た。時間は深夜の十二時四十三分。痛みを堪えながら相沢は犯人が千恵の恋人・瀬尾だと確信する。瀬尾は長野で農家を営む青年で、瀬尾ならばこの家の合鍵を作れると睨んだからだ。相沢に結婚を反対された瀬尾が逆恨みして犯行に及んだと思ったのだ。ところが携帯していた週刊誌を見てもう一人、この家の合鍵を持つ人物に思い当たる。帰宅する前に立ち寄ったBARのママ・忍。彼女は相沢の愛人だったが、湯島のラブホテルから若い男と出て来たのを理由に別れを言い渡したのだ。相沢がラーメン屋に寄った隙に先回りしたと考えれば犯行は可能になる。相沢は最後の力を振り絞って警察に助けを求めた。

 

人間と言うのは年を取る毎に頭が固くなったり、意固地になったりするものである。日々の生活に追われて次第に細かな所に気を配れなくなったり、甘えが出たり、傲りが出たり、或いは年老いて周囲への関心が薄くなったりと要因は様々あるが、昔はあんな人じゃ無かったと言われる人は意外に多い。しかも本人にはその意識が全く無い事も事実。このドラマの主人公である相沢は正にその典型の人物。相手の気持ちになって物事を考える事が無いので平気で人を傷つける。相沢は自分がそんな人間に成り果てた事さえ気付いていない。ただただ自分が正しいと思い込んでいる。序盤から言動にそんな相沢の人間性が滲み出ていて、被害者なのに感情移入が出来ない。むしろそんな奴なら刺されるのも時間の問題と思ってしまう。

 

さてそんな相沢が警察を他所に自力で真犯人まで辿り着くのがこのドラマの本筋なのだが、二転三転する状況に犯人が逐一入れ替わっていく。そして気が付けば、例え行為は許されなくても犯人の側に同情してしまうのだ。主人公が憎まれ役という点が面白い。犯人もまた最後まで太々しく、人間を面白い角度から表現したドラマである。

 

満足度★★★★

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