砂の器

  • 2019.03.29 Friday
  • 14:07

【出演】 東山紀之、中島健人、土屋太鳳 他

【放送】 2019年(フジ)

 

渋谷の工事現場で発見された撲殺遺体の背景にはピアニストの悲しい宿命があった。捜査一課のベテラン刑事と所轄の若手刑事が事件の真相を暴いていく社会派ミステリー。原作は松本清張著の『砂の器』。このドラマはフジテレビ開局60周年特別企画として放送された。

 

2018年、渋谷はハロウィン騒ぎ真っ只中、とある仮装カップルが人気の無い工事現場で男の遺体を発見する。通報を受けた警察が現場に駆け付け、警視庁捜査一課の刑事・今西栄太郎にも召集が掛かる。死因は撲殺。顔と指紋を潰され、身元を特定する所持品も無かった。即座に渋谷西署に捜査本部が設置される。身長180センチくらいのがっちりした体格の五十歳前後の男という以外の特徴は無く、事件発生当時は渋谷に100万人の若者がハロウィン仮装で集い、また犯行現場には防犯カメラは設置されていなかった等々悪い条件が重なっていた。今西は渋谷西署の刑事・吉村弘と組んで現場付近を聞き込みして回り、現場付近の警備員が不審な男を目撃したと証言を得る。その男は黒いマスクとマントで扮装しており、黒い鞄を抱えて警備員にぶつかった後、酷く慌てた様子で走り去ったと言う。その際、警備員のはめた軍手に人の血液が付着した。その血液は被害者の血液と一致。また小さな居酒屋の主人が被害者と犯人と思しき二人組を見掛けていて、被害者がきつい東北訛りの話し方だった事まで記憶していた。『カメダは相変わらずだ』と話していたらしい。捜査本部を指揮する管理官は東北で亀田姓の人間を当たれと指示を出すが、今西は亀田が地名では無いかと発言する。

 

現代を舞台にした事で原作の状況を再現するのは非常に困難であり、犯人が不明の状況を作り出すために渋谷のハロウィンを利用する等苦肉の策が各所に見られるドラマである。確かに現状を考えると都内であれば何処にいても何らかの形で防犯カメラなどに映像が残ってしまい、犯人の足取りが掴めないという状況は作り出しにくい。またこの作品のキーとなる『カメダ』に関しても、正体を暴き出すまでの刑事の苦労はすっ飛ばし、スマホで調べると言う荒業を取り入れたためドラマの中に取り入れてはいるもののさほど重みは置かれていない。随分あっさりと解決されてしまう。他にも差別の要因が現代では通用しない病のため、それを殺人事件の加害者家族であるための差別と問題がすり替えられていたりと、苦労に苦労を重ねて何とか『砂の器』の主要なシチュエーションを取り込んだと感じ取れた。

 

上述の通り現代版リメイクであるには違いないのだが、ドラマ自体に重厚感を出すために犯人の生い立ちに随分と力を入れた内容になっているため別物のドラマを見ているかのような気持ちになる。ドラマのテーマとして『宿命』が用いられている事から、これでもかと言わんばかりに犯人の身の上に悲しい出来事が起こり、それが殺人へと繋がっていくのだがこの辺りに来るともはや別物。今西刑事が捜査本部で事件のあらましを語る際、犯人の生い立ちを語っている場面で涙する一幕が。同情はするが泣く程の事でも無かったのでは無いかと演出に疑問を感じた。

 

さてキャラクターに目を向けると豪華な俳優陣の中で、和賀英良役の中島健人のチャラさがどうしも目に付いて仕方が無かった。

 

満足度は★★★★★

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