白い巨塔

  • 2019.05.27 Monday
  • 01:57

【出演】 岡田准一、松山ケンイチ、寺尾聰 他

【放送】 2019年(テレ朝)

 

大阪の国立医大大学病院での教授の椅子を狙う野心家の男を通して、大学病院の権力抗争、医師の有り方を見つめた重厚な巨編ドラマ。原作は山崎豊子著の『白い巨塔』。この原作による実写化はこれまでにも主演の財前五郎役を田宮二郎、佐藤慶、村上弘明、唐沢寿明と何れも旬の俳優が演じてきたが、今回は岡田准一が演じる。尚、このドラマはテレビ朝日開局60周年記念ドラマとして制作され、五夜連続放送された。

 

★第一夜

浪速大学の滝村名誉教授の喜寿を祝うパーティーで緊急連絡が入る。スぺ患である近畿新聞会長・山田音市の容態が急変し、一刻も早く膵臓癌の手術を行わなければならないと言うのだ。本来ならば浪速大学医学部第一外科部長の東貞蔵が執刀すべき場面だが、先日発売された週刊誌で財前の記事を読んだ山田は准教授の財前五郎を執刀医に指名する。五郎は東に遠慮しながらも、病院へ向かい腹腔鏡手術を見事に成功させる。

 

★第二夜

浪速大学医学部長・鵜飼裕次が誤診した患者・小西ゆかりの手術は鵜飼のメンツを保つために東が執刀医となる。しかし長時間に及ぶ手術は半年後に退官を控える老齢の東には過酷を極め、とうとう動脈を傷つけるという大失態を犯してしまう。第一助手を務めていた五郎はその場で東のミスを指摘し、呆然とする東をどかして自らが執刀医となる。手術は成功したものの、五郎にプライドを傷つけられた東は後任の教授に母校・東都大学出身の菊川を擁立する。

 

★第三夜

教授選を勝ち抜いた五郎はついに悲願であった教授となる。ドイツの国際医療外科学会からも新しい術式のデモンストレーションを依頼され、五郎は更に上を目指して慢心していた。そんな中、糖尿病を患う佐々木庸平が診察にやってくる。検査結果を見た第一内科の医師・里見脩二は糖尿以外の病、膵臓癌を疑う。そこで五郎に相談し、執刀を依頼するのだが、丁度五郎はドイツへの出発準備で多忙を極めていた。

 

★第四夜

術後に容態が悪化し死亡した佐々木の死因が五郎の医療ミスであった可能性を疑った里見は、佐々木の家族に解剖を促す。解剖の結果、死因は血管内リンパ腫による肝不全。手術前、五郎は膵臓以外は問題ないと断言していただけに佐々木の家族は納得がいかない。また五郎が術後に一度も患者に会いに来ようとしなかった態度にも不信感を抱いていて、ついに裁判で五郎を医療ミスで訴えると決意する。そんな事になっていようとは露知らず、五郎が帰国する。

 

★第五夜

医療裁判は五郎の勝利に終わり、家族は控訴を決意する。弁護士の関口は新しい証人として元浪速大学看護師の亀山君江に法廷での証言を依頼するが、現在君江は身重で君江の夫に追い返されてしまう。しかし五郎の弁護団が金で口封じをしようとしたため状況は一変。君江は控訴審で証言することに。一方、カルテを偽造し嘘の証言を続けていた医師の柳原は依然として嘘を突き通していたが、五郎が全ての責任を柳原に押し付ける発言をしたことに怒りを覚え証言を撤回する。

 

原作を現代舞台にリメイクしているため、医療技術の進歩により病名等々かなりのアレンジが必要となってくる。大きな変更点としては五郎が患った病。原作では胃癌になっているが、今回は膵臓癌。癌を専門に扱っている医師の五郎が自分の身に起きている異変に気付かないとすれば、沈黙の臓器とも呼ばれ早期発見が難しい膵臓の方が理に適っているという観点から変更されたとみられる。また初っ端から滝村名誉教授が演説でAI治療について語るなど、現代の医療を反映した内容を取り込んでいる。

 

ところで今回のドラマで一番感じたのは歴代の同原作によるドラマとの差別化に力を入れている事だろうか。比較対象としてどうしても2003年に放送された唐沢寿明主演のドラマがあげられてしまうが、五郎にスポットを当てる事に重点を置いたためか女達の戦いにはあまり触れられていない。くれない会についても扱いが小さく、東教授夫人の出番が極めて少ない。五郎の妻・杏子は子供っぽくて影が薄く、愛人・ケイ子もベッドシーンはあるものの狡猾や妖艶のイメージからは程遠い。2003年版ではむしろ女達の戦いをクローズアップさせていた面もあったのだが、今回は逆にあまり触れない事で特徴を出している。また五郎が病に倒れてからの尺を長く取っているのも印象的だった。ベッドの上で刻々と命をすり減らしていく五郎が苦しむ様子を克明に描いている。当人への告知が行われないと治療が行えないという事情からか病名は里見の口から早い時期に告知されている。

 

白い巨塔と言えば全くタイプの異なる医師として五郎と里見を上げ、その対比が魅力でもある。その点から言えば五郎役の岡田准一の熱演により五郎の圧勝。里見役の松山ケンイチも悪くは無いのだが、どうも笑い方が微妙で温和な性格を示す笑顔がにやけているようにしか見えなかった。

 

ストーリーが非常に面白いだけについつい見てしまうのだが、五夜連続は正直言って見るだけで疲れる。

 

満足度は★★★★★

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