不死蝶

  • 2019.09.26 Thursday
  • 12:50

【出演】 古谷一行、有森也実、佐倉しおり 他

【放送】 2019年(TBS)

 

二十三年前に信州の閉鎖された村で起きた殺人事件の謎に金田一耕助が挑む本格ミステリー。原作は横溝正史著の『不死蝶』。TBSの金田一耕助シリーズ第七弾!

 

昭和二十二年頃、金田一耕助宛てに一通の手紙が届く。手紙の主は矢部杢衛と名乗る人物で、詳しい依頼内容は信州の射水まで来てから話すと書かれていた。信州へ向かう汽車の中、たまたま乗り合わせた顔に傷のある男・古林が射水村出身で二十三年ぶりに故郷に帰る所だと言う。また射水村に住む事情通の男まで現れて話は二十三年前に起きた殺人事件の話題へと移っていく。射水には玉造家と矢部家がありこの両家は先祖代々いがみ合う仲。しかし二十三年前に玉造家の娘・朋子と矢部家の長男・慎一郎が恋仲になり、思い余って駆け落ちを企てたのだ。ところが二人が待ち合わせの場所にしていた鍾乳洞の底なしの井戸の傍で慎一郎の弟・英二が殺害され、手に朋子の着物の一部を握っていた事から、朋子が英二を殺害して底なし井戸に身投げしたと見られている。奇しくも古林は英二の遺体の第一発見者だった。ようやく射水に到着した金田一がまず目にしたのは教会で多くの人々に囲まれる鮎川君江の姿だった。君江の娘・マリがブラジルでコーヒー農園を営むゴンザレス家の養女となり、射水に寄付をするために親子で立ち寄ったのだ。ところが君江が顔を上げるなり、「朋子だ!」と叫び声が聞こえる。

 

この作品は以前にも同局でドラマ化され、主演も古谷一行が務めている。その際にはブラジルからやって来たマリの設定が随分とハイカラな女性として描かれていたが、今回の場合見た目はただ洋装をしているだけで思慮深く頭の良い女性として描かれている。但しブラジルの雰囲気を出すためにボディガードがカポエラを披露したり、パーティーを開いてタンゴを披露したりしている。異国から来た人という演出はその程度。余談だが、神崎警部の台詞から社交ダンスにタンゴが含まれていない事が判り、それが時代を感じさせる。

 

それにしても金田一がこのドラマでは格好良く描き過ぎである。いきなりマリとタンゴを踊ってしまったり、金田一に思いを寄せるマリに対して見識ある受け答えをしている。金田一は推理している時以外は三枚目路線である事が多いのだが、このドラマに限っては例外。常に堂々たる二枚目、イケメンぶりである。

 

さて今回の一連の殺人事件は全てが人の愛から端を発している。閉鎖された村では小さな世界が全てなので、二つの家がいがみ合えば誰もそれを阻止する事が出来ず、長い間子孫に至るまで両家の蟠りは続いてしまう。そのせいで引き裂かれた愛。困難を乗り越えて貫こうとする愛。家のために諦めてしまった愛。実らずとも何年経っても変わらぬ愛。様々な愛がこのドラマには詰まっている。そうした愛情は美しいものであるはずなのに痛ましい事件の引き金となってしまっている事に悲しみを感じる。

 

満足度は★★★★★

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