カチカチ山殺人事件

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
 
【出演】 柄本明、菅井きん、野村真美 他
【放送】 1990年(テレ東)

美しいOLに唆された愚かな男の顛末。原作は太宰治著の『カチカチ山』。

冒頭から太宰治が動物園の狸を見ながら娘におとぎ話の『カチカチ山』を聞かせてやる場面から始まるこのドラマ(太宰治役は柄本明が二役)。『カチカチ山』と言えばおとぎ話の『カチカチ山』しか思い浮かばず、兎と狸の化かし合いの話をドラマにしてどうなる事かと思いきや、実は太宰治著の『カチカチ山』という小説が存在しているのを調べてみて初めて知った。太宰治は『カチカチ山』を少女と醜男の話に置き換えて持論を展開させた小説を書いており、このドラマはどうやらその作品の実写化ドラマらしい。

勝々荘(かちかちそう)に住む田野木は天井裏を経由して隣の部屋へ侵入する事が唯一の楽しみだった。隣人は美しいOLの宇佐子。ある日、銭湯の帰りに偶然宇佐子と出会った田野木は宇佐子からアパートの管理人のトラ婆さんが養子を探しているので立候補してはどうかと勧められる。トラ婆さんはかなりの資産家で天涯孤独の身。田野木は宇佐子と結婚したいがために管理人の気を惹こうと躍起になる。

狡猾な兎に乗せられた愚鈍な狸が痛い目に遭わされる話は幼い頃おとぎ話で聞いて知っている人も多いだろう。それを人間に置き換えた話なので、大体そんなストーリーになっていくのは予め予想がつく。しかしまさか登場人物が宇佐子と田野木で、おまけに住んでいる場所がカチカチ山ならぬ勝々荘。確かに判り易いといえば判り易いが・・・。

それにしても狸こと田野木はどこまでお人好しなのだろう? おとぎ話の狸以上に愚かな男に描かれており、しかもそれを柄本明が見事に好演している。何故こうも情けない男の役が似合うのだろう。見ているだけで笑いが込み上げてくる。

こういうアレンジの仕方もあるのかと楽しめるドラマだった。

満足度は★★★★
太宰 治
パブリック・ブレイン
¥ 1,575
(2009-01-03)
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